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スポーツによる肉離れ(筋挫傷)は早期に治すこと

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ランニングを日常的に行っている中で、一番多いスポーツ障害の中でも、特に多いのが「太モモの裏や表に発生する筋障害」ではないかと思います。


これはプロ野球選手達の中でも多かった症例ですが、オーバーユーズ(使いすぎ)を起因とするようなケースの他にも、骨盤の歪みが根本的な問題としてあるようなケース、それからランニング・フォームに問題があるようなケースもありました。

筋肉に痛みがあってよく質問されることは「これは肉離れではないんでしょうか?」ということです。

通常、筋膜炎と肉離れは兄弟のようなもので、肉離れを起こしていなかったとしても、いずれは筋膜炎の後に肉離れを起こしてしまう確率が高いので、現時点で肉離れを起こしていなくとも筋肉に強い痛みや違和感があれば当然「無理はさせられない」・・・ということになります。まず正常な状態に筋肉を戻さなければ次のステップはありません。

肉離れなのか筋膜炎なのか?という診断は、病院でMRI検査を受けると確実な診断が下ります。

参考web画像⇒ その1 その2 その3


MRIとは?⇒ その1

もちろん徒手的な方法でも、ある程度の判断は出来ますが、経過を1週間程度診ていくと明らかになるでしょう。しかしその時期にテーピングなどを行ってスピード系やパワー系の運動を行って負担をかけてしまうと、更に筋肉の状態を悪化させることに成りかねませんから、しっかり診断が出て状態が確認できるまでは、まず運動を抑制して欲しいと思います。

歩いても痛みがあるとか、少し力を入れただけでも「ピリッ」とした痛みがあれば、肉離れを疑った方が良いかもしれません。

自立歩行(立って自分の足で歩くこと)が出来ない場合は完全断裂といって、筋肉の繊維が完全に切れてしまっている可能性もありますので、こういったケースであれば整形外科を受診して早急に対応する必要があります。

通常の処置としては急性期(痛みが発生してから2,3日)は患部をしっかりアイシング(氷で冷やす)して、炎症を抑制させていくことが肝要です。

軽度の肉離れや筋膜炎であれば、その後に鍼施療を行っていくことで、ただ何もせずにシップ薬を貼っておくよりは痛みが早く緩和していきます。ただし痛みが無いからといって一定期間の間は「全力で走る」ことは避けなければなりません。回復期には弾性包帯(バンデージ)などによる筋肉の固定を行っておくとリハビリ期の再発予防になります。

肉離れ(筋挫傷)だと確定している場合には、程度にもよりますが、ある一定の期間は患部に刺激を加えないほうが良い場合があります。また瘢痕組織(筋肉の切れた場所が修復されていく段階で発生する「かさぶた」のような硬いところ)がその後に残ってしまうと、ランニング動作の中で違和感や変な痛みを残すことがありますので、そのようなケースでは無理をせず、2週間から約1ヶ月くらいの時間的な余裕をもって患部を治していく必要があるのです。中途半端な状態で運動を再開すれば、再び受傷部位に痛みが再発したり、受傷部位の「上部や下部に負担が及び、新たな肉離れを起こす」こともあります。

筋膜炎であれば1週間から最低でも10日程度あれば無理をしなければ痛みを緩和させることが可能です。

肉離れや筋膜炎をおこしてしまった後に大切な事は「無理を押し通してスポーツを続けずに早い段階で治すこと」を心がけていくことではないかと思います。肉離れを何度も何度も繰り返していけば、いずれは100%の力で走ることが困難になりますし、その結果パフォーマンスが低下してスポーツ活動に響いてしまうことになります。

肉離れを何度も繰り返して患部に慢性的な炎症が繰り返されると、筋肉が「繊維化」して痛みが引かなくなることもあります。

そういった場合には、手術が必要になる場合もあります。実際にプロ野球選手の中にもそういったケースがありましたが、肉離れを単純に考えて、「ただの強い筋肉痛」と考えて痛みをこらえながら運動してしまうと、その後にこういった手術の適応を余儀なくされてしまうこともあります。ですからまず筋肉を傷めてしまったら「適切な段階で治すこと」をまず考えて欲しいと思います。

それから筋肉を傷めてから、「患部を冷やしたほうが良い」という指導を整体院で教えて貰った・・・ということから、その後にずっと1ヶ月も2ヶ月も傷めた筋肉を冷やし続けてきたクライアントさんがいましたが、これは間違った対応です。

打撲にしても捻挫にしてもケガをしてから数日の間は患部をしっかり冷やさなければなりませんが、その後は傷めた筋肉を暖めていかないと反対にケガの治りはどんどん悪くなってしまいます。

冷シップを何ヶ月も貼って対応しているような人もいるようですが、筋肉を冷やすと「血液の流れは悪く」なります。

・・・ですから壊れた筋組織を修復する為に必要な血液をそこに送り込んでいく為にも、ある程度の期間が過ぎたら「スポーツ・マッサージ」を行ったり、ハリを患部周囲に打ちながら血液の循環を促進しつつ神経を賦活していくことが大切になります。

またストレッチはどうしたらいいですか?という質問が良くありますが、ある一定の期間が過ぎたら「痛みの無い範囲」で筋肉を少しずつ伸ばしていくことも大切です。

下肢(足)の肉離れ・筋挫傷をおこすと、その後に「全力で走るのが怖い」という感覚が出てきますが、そこを「どう改善していくのか?」というのが一番大切なテーマになってきます。

その為には患部だけでは無く、全身的な筋力の相関性やバランスを整えていったり、骨盤や脊柱の状態を整えていく必要があるのです。

肉離れを再発させない為には、自己管理や適切な治療、そしてリハビリ・トレーニングは欠かせない事項になってきますが、そういった広い視野をもった対応を行っていくことが一番大切なことです。

慢性的な筋肉の炎症を引き起こしてしまった方(肉離れの状態で無理を押し通しながら運動を続けてしまった人)は後遺障害(痛みがなかなか引かなくなってしまう状態が続く)が、かなり高い確率で認めています。

まず肉離れをおこしてしまったら・・・

だから「無理を押し通そうとせずに、患部を安静にして治す」ことを心がけて頂きたいと思います。

特に体の硬くなっている人は要注意ですので、日頃からウォーミング・アップをしっかり行いながら、筋柔軟性の確保に努めて欲しいと思います。(by 院長)