五十代女性の膝の上部や内側部の痛みの原因と治療

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疲労が長引くことで筋肉が硬く縮こまり筋力低下を引きおこす

今日は50歳代女性の膝の上部や内側部の痛みに関して、治療経過をもとに少しお話をしてみたいと思います。

膝関節を守っている筋肉には、大腿四頭筋(太もも前面部の筋肉)や大腿二頭筋(太もも裏の筋肉)、それから内転筋群や半腱半膜様筋(太もも内側の筋肉)や大腿筋膜張筋(太もも外側の筋肉)などがあります。

このうち特に太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)は膝を伸ばす為に使われる筋肉で、自分の体重を支えている重要な筋肉です。しかし平均的にみても女性は男性よりも筋力が弱く、50歳代になりますとホルモンの関係で筋肉が更に衰えやすくなっていきます。

膝の上や内側の痛みを訴えて起こしになった50歳代・女性Dさんのケースでは、この大腿四頭筋の筋力低下が著しく、慢性的な膝関節への負担から「関節炎症状」も認めました。

日頃から「立ち仕事をしている時間が長い」という要因もあったようですが、体重を支えている大腿四頭筋に疲労を起こし、更に疲労が長引くことによって筋力が低下しながら最終的には筋肉の拘縮へと陥ってしまったのでしょう。Dさんの太もも前部の筋量は明らかに減っていて、ご自身の体重をしっかり支えられる状態ではなかったのです。それが膝関節の痛みを発生させていった経緯ではないかと思います。


筋肉が衰えると関節をしっかり動かせなくなる

Dさんのように太もも前部の筋肉が弱ってしまうと、膝の関節をしっかり動かせなくなり、膝の関節そのものに負担がかかって慢性的な炎症をおこすことがあります。Dさんの膝は腫れており明らかに炎症を起こしていましたが、このような状態が二ヶ月ほど続いている・・・ということでした。

このように膝の関節に炎症が生じていると、膝を完全に曲げることは出来ず、もちろん正座をすることなど出来ません。だから日常生活でもかなり不便でしょうし、スポーツはゴルフをプレーされてきたようですが、膝が曲がらない状態だとプレー中にボールを拾い上げる動作が上手く出来なくなってしまいますので、好きなゴルフにもなかなか行けなかったようでした。


関節軟骨・半月板・靭帯に異常が認められない膝の痛み

念のため、整形外科でも精査を受けて貰ったところ、関節軟骨部、靭帯部、半月板等の異常は認められず、関節リウマチなどのような内因性の疾患も無いご様子でした。

Dさんは特に膝の上や内側に痛みを訴えておりましたが、それは関節炎によるものと、太もも前部の筋肉(大腿四頭筋)の長引く疲労から筋力低下がおこりはじめ、その結果、日常生活で普通に動いているだけでも膝関節への負担でストレス痛を感じていたのです。また硬く萎縮した太もも前部の筋肉は血流が悪くなっているため、発痛物質が膝の上部付近にも停滞していたのでしょう。そういうことで痛みの要因である、「大腿四頭筋の筋拘縮」や「関節炎」に対する治療をまず行っていきました。

治療後、日常生活の中では膝のサポーターを着用して貰い、特に歩行時の負担を減らして貰います。また薄いテープを膝周囲に張ったり、痛みを感じている部分に皮内鍼を入れておくことで治療効果がある程度持続していきます。

Dさんは治療を数回受けた後に、「久しぶりにゴルフへ行ってきました。」と初めて私に笑みを浮かべてくれました。やはり好きなスポーツを続けられることは何にもまして嬉しいことなんでしょうね。そのようなお言葉をいただけたことが何より一番嬉しいことでした。

一般的に中高年層の女性では変形性膝関節症による膝の痛みが半数を占める・・・とも言われておりますが、Dさんのように器質的な異常や内因性の問題が全く認められなかったタイプの方では、このようなパターンで膝に痛みを訴えていらっしゃる方がとても多いのです。


太ももの筋肉が弱くなってしまう要因とその解決法

「太もも前の筋肉の弱化」が起こる要因には、まず女性であれば年齢的にホルモンを要因として起こってくる場合もある・・・ということ。また長時間の立ち仕事など日頃からの下肢への負担で筋肉に疲労がたまって血流が悪くなって起こってくるケースがある・・・ということになるでしょう。

運動不足でも運動のし過ぎでも膝に痛みが生じてくるケースはありますが、やはりバランスを考えた運動を心がけるということが大切ではないでしょうか。

また定期的なスポーツマッサージを受けたり、下肢の筋肉の疲労を取り除いておくだけで、膝を良い状態に保つことにつながって、膝関節痛の予防にもなります。日頃から少しずつでも良いので膝の屈伸運動を行い、太もも前後の筋肉をしっかり伸ばしたり縮めたりして筋肉の萎縮を未然に防ぐことは一番大切になるでしょう。

また体重が1kg増えると膝には2kg分の負担が増す・・・ということですが、ウエイト・コントロールに関しては私自身も耳が痛くなるのですが、その辺りもイメージとして頭の片隅にとどめておく必要がありますね。

「正座は膝に良くないですか?」というご質問をたまに受けることもありますが、膝に痛みが無ければ正座は太もも前の筋肉を伸ばしますし、ストレッチ効果もありますから問題ありません。ただし正座を長い時間行うと、「太ももの後ろ側の筋肉」は縮まった状態になってしまうので、正座の姿勢から長座の姿勢に変えて、太ももの後ろ側の筋肉をしっかり伸ばしておくことが大切です。

太ももの筋肉がしっかり伸びて縮むことが出来る・・・そうすれば膝の関節もしっかり曲げられるし伸ばすことが出来ます。「膝の屈伸運動」を生活の中に上手に取り入れながら、ぜひ膝のコンディションを良い状態に保って頂きたいと思います。

今日は膝の痛みに関してお話させていただきました。(by院長)

健康であるために・・・免疫機能とガン

【癌の遺伝に関する、遺伝子レベルの研究が進行し、「何番目の遺伝子がどの癌に関連している」ということが判明するときがくると思われます。そのときまで、私たちは、「癌は遺伝する」という考えに立ち、癌家系の人は更なる注意が望まれます。】

これはSOD様食品を発明された丹羽先生のサイトに述べられている言葉ですが、統計的にみても身内の人間にガンが発病している場合、その子孫である自分達にも確率が増すと考えて差し支えないのではないかと思います。

そうなると私と私の妻の父親は二人とも直腸ガンを発病しておりましたから、私自身はもちろん家族全員(子供達も含め)がガンになる可能性は統計学的にも高くなるということになるのでしょう。

遺伝やストレス因子などが引き金になったとして、もし自分自身がガンになった状況を考えたときに、皆さんならどのような対応を講じるのでしょう。当然、「病院に入院して治療を受ける」そうお答えになるでしょう。

身内にガン発病の経験があった私自身には、「予防こそ最良の対応である」ということが言えると考えています。ガンを西洋医学で完治させる為には、それ相応の体力や自然治癒力、そして経済的な余裕も必要になることでしょうが、いずれにしてもガンという病気は体験してみなければ解らないような病変であることを知ります。

どのような病気にせよ、病を得るという事は「身体を回復させる為に必要な静養と治療」が必要になりますが、家庭を支えているお父さんが病に倒れるということは非常に負担が大きいということになります。それは経済的な事ばかりではなく、精神的な支柱としての役割が果たしてきた「目には見えない支え」が揺らぐということからです。また家庭を守るお母さんが発病すれば、家事や育児の負担が大きくなって、お父さんの精神的・肉体的負担は倍増することでしょう。

だからこそ予防が大切なのは一目瞭然です。

健康である・・・ということが何よりも幸せであり、平和であるということなのですから、そういった状態にならないようにするには一体どうすれば良いのか?という事を日頃から考えながら、それを実行していくことが肝要ではないかと強く感じるのです。

ただの疲労や風邪くらいなら2,3日静養して薬でも飲んでいれば治ってしまいますが、内臓や血液の病気というのは目には見えない形で徐々に身体を蝕んでいくものです。ですからその目に見えない病勢というものを日頃から自分の物差しをもってチェックする事が必要ではないかと私は考えています。

私がクライアントさん達に施療の際、一番注意して観察しているのが「汗をどのようにかいているのか」という事です。通常マッサージなどで全身の血行を改善していくと、背中や下肢(足)などに薄っすらと汗が滲んできます。そしてその汗の出方に良い状態と悪い状態があるのに気が付きます。

これは運動して出てくる汗にも言えることですが、「玉のような形」で汗が出ている人は健康的な方に多いのですが、「じわーっと滲んで出ている」ような汗をかく方もいます。このようなタイプはどちらかというとうっ血があって、どこかの部位に血液が偏っているような人ではないかと私は推測しています。

またどのような施療によっても全く汗をかかないような方もたまに見受けますが、このような方が一番怖いというか、全身にある細胞にきちんと血液が行き届いていない状態ではないかと感じています。これはいわゆる「冷え」の症状であって、血液自体の流れが全身的に悪くなっているのではないかと思います。

こういった方は必ず身体の何処かに「痛み」を訴えていますし、その痛みの所在が大抵の場合は2箇所か3箇所くらいあるのです。その痛みのある場所が若干変化しながらも、周りまわって元の場所に痛みが再発していくこともあります。

施療を加えると痛みの所在が緩和されるのですが、基本的な体質の中で「冷え」や「うっ血」をかかえているクライアントさんは、大抵このような汗の出方や痛みの所在と動向によって、ある程度見分ける事が可能になってきました。

私は小さなお子さんから若い高校生や大学生、それから20代や30代といった青年層の方々、そして免疫機能がドーンと落ちてくる40代から50代の方々、そして身体的な老化が進み始める60代以降の方々の身体に施療を行ってきた上で、見逃してはならない「あるポイント」を沢山感じてきました。汗の出かたというのも、そのうちの一つになります。

そして施療を始める前の第一のポイントが「顔色」なのです。

これは老いも若いも関係なく、万人の健康の状態を把握するのに一番大切なポイントではないかと思います。私は医師ではありませんから、生検などによる数値で病気かどうかを判断する事は出来ません。ですからクライアントさんの顔色を診てから判断出来得る情報をまず察知していきます。

そしてその次が「声」と「目」です。声に力があるのか無いのか、声が擦れているのか、透き通っているのかというのは、まず一番に感じることですが、瞳の輝度はもっとも健康度数に反映されているポイントではないかと思っています。この二つを感じながら最終的には表情の硬さと柔らかさなどから、神経的な状態を感じ取っています。

交感神経が過剰に優位な状態の人は顔色がやや青っぽく、表情に硬さが認められます。その反対に副交感神経が過剰に優位な状態の人というのは、顔色がやや白っぽくて表情はやや緩やかな印象です。

ガンに陥りやすいタイプの人は交感神経が過剰に優位な人ですが、こういった自律神経の異常をクライアントさんの顔色や表情から傾向性を感じ取りながら施療を行っていくことはとても大切な事なのです。

これは自分の父親がガンを発病していった当時やガンの療養中に感じてきた様々な事柄から得てきたポイントもありますが、肝臓や腎臓を患っている人、若しくはそれらの臓器に問題が起きそうな方の顔色は黒っぽいか、ドズ黒い印象を受けています。そういった方が陥るのは元々の内臓の強さから、割りと飲食(お酒なども含めて)に関してかなり身体に負担をかけてきた人に多いのが解ります。

また胃を傷めてしまう方は唾液の多い人に見受けられています。こういった方々は暴飲暴食になりがちで、夜中でもお腹が空いてしまって物を食べてしまうような生活をして胃を壊しているのではないかと感じています。その代わり朝はあまり食事を摂らないでお腹が空いてくると一気に食べてしまうようなタイプではないでしょうか。

このように様々な角度から体質や傾向性を考えていくと病気というものが生活の質や環境だけでは無く、その人の生まれ持った傾向性や体質(これも遺伝のうちに入るのでしょう)によって、ライフスタイルの中で徐々に傾いてくる類のものである・・・ということが理解できるようになってきますが、もちろん性格などもその一端を担っていくのではないかと思います。

いずれにしてもストレスを感じたら、そのストレスを溜め込まないようにすることは一番大切な事なのですが、人が感じるストレスには様々な形態があります。身体的なストレスも精神的なストレスも、必ず様々な形で病気というものに関与してくることは間違いないことではないかと思います。

そして免疫機能が一気に降下してくる40代の入り口・・・つまり厄年あたりに、まず一番初めの関門があるということになります。人間の身体の細胞というのは7年で全て全部入れ替わりますから、7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳、56歳、63歳、70歳・・・・と、年代によって一つ一つの節目があることを知ります。

こういった年代の節目前後には必ず身体的・精神的変化を伴いながら、周囲に対する見方や考え方にも変化が訪れてくるようにも感じられます。成長期・青年期・壮年期・老年期という大きな節目の中でも緩やかな変化が訪れるものですが、その変化の中で見落としてはならない大切なポイントがあるように感じています。

その見落としてはならないポイントに早く気が付いて、どのような情報や対策を講じていくかによって、その後の健康に対する良きアドバイスや施療が行えるのか?ということを常に感じておりますが、これからも皆さんの健康へのお手伝いを良い形で行えるように、今後も一層努力していきたいと思っています。

皆様のご健康を心より願っております。

健康の法則・・低気圧による体調悪化

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低気圧の影響というのは人間の体に悪影響を及ぼす根源的な環境を作り上げていると言われていますが、それはどうしてなのでしょう?

人間の体内には血液が流れています。その血液には粘度(血中濃度)があります。タバコを吸う人や疲労度の高い人、コレステロールの多い人などの血液は粘度が高く、それによって血液循環を悪くさせています。

健康な人の血液というのは汚れが少なくサラサラとしていて滞りなく循環していると言われていますが、それだけ血液の状態というものが「健康と深く結びついている」ということになります。

血液の粘度というのは、その人の水分摂取量や代謝機能とも関連しており、あまり水分を摂らない人や代謝が悪くなっている人の血液も粘度が高くなりがちです。

体の中を巡っている血液というのは「赤血球・白血球・血小板・血漿」といった成分で構成されています。

まず赤血球というのは「酸素を運ぶ役目」を・・。

白血球というのは「体内に入った細菌やウイルス、それらのように体にとって有害だと判断したものを攻撃して殺傷する役目」を・・。

血小板は「血管から出血した際に、固まらせて止血しようとする役目」を・・。

血漿(けっしょう)は「二酸化炭素や養分を運ぶ役目」を担っています。

この血液の働きが正常に機能してこそ、生きていく上で健康が保たれていくということになりますが、その中にあって、血液の重要な機能の中には「体の各細胞にとって必要なものを届け、必要の無いものを預かってくる」という働きがあります。

そしてそれらは「毛細血管」で行われているのですが、毛細血管というのは非常に細く0.5mmにも満たない細い血管です。特に体の末端(手や足など)に行けば行くほど細くなっていきますので、血液粘度が高くなればなるほど毛細血管に血液が行き渡りにくくなるのです。

血液の働きの中で重要な機能である「体の各細胞にとって必要なものを届け、必要の無いものを預かってくる」という働き自体は「毛細血管の領域」でしか行われない為、毛細血管の血液循環が悪くなると、これらの機能に弊害が出てきます。

血液の粘度が高くなるということは、その一つの原因となります。「新陳代謝」が悪いというのは、体の細胞にとって必要なものが行き届かなくなり、必要無いものを上手に体から排泄出来ない状態・・・という事になるのです。

これは自動車で言えば、「粗悪ガソリンと汚れたエンジン・オイルでエンジンを動かし、マフラーを塞いだままで走り続けている状態」と同じ事になります。そんな状態で走り続ければ自動車だってすぐに壊れてしまいますね。

ですから血液の粘性が高くなってしまうということ自体が不健康な状態である・・というのは誰の目にも明らかです。施療の際にスポーツマッサージなどを全身的に行うのは、実はこの毛細血管への血液循環を促して新陳代謝の悪化を改善していく為です。施療が終わった直後にクライアントさん達の顔色を診ると「薄桃色」になっています。これが顔色で判断できる最高最良の状態なわけです。

最後に低気圧と体調悪化についてですが、これは低気圧による「不安定な気温」「雨、湿度」が体に影響を及ぼしていて「血液の流れがやや遅くなる」為だとも言われています。

血液の流れが遅くなれば当然、毛細血管での「新陳代謝に悪影響を及ぼす」ことから、「痛み」が出やすくなったり、「体の重さ」も自覚しやすくなります。また悪天候によって太陽の光が当たらない状態が続くと、脳の中から出ている「セロトニン」というホルモン分泌が少なくなり「 精神を安定させ興奮や不快感を鎮め、やる気を起させる」という作用があるセロトニンの分泌が減れば、当然、「元気のない不安な状態におかれやすくなる」・・・ということになります。

ただし人間の体を動かしている中心には「心」がありますね。ですから健康的な「心」を自分自身で養いながら、体の血液循環を良くし新陳代謝を滞らせないことこそが、まず健康の第一歩である・・・ということが言えるのではないかと思います。

男性と女性の違いを生む遺伝子のお話

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人間は皆、もともと誕生する以前は女性だった・・・こんなお話を本で読んだことがあります。人間の生命というのは一体どのようにして性差(男女)が分かれていくのでしょう。

生命には遺伝子というものが備わっています。螺旋(らせん)状のDNA(遺伝子)は、絡まないようになっていて綺麗に折りたたまれた染色体という形になっていますが、この染色体は人間の場合、合計46本あり、2本がワンセットになっていて合計23セットあります。



このうちの1セットが男性・女性を決定付ける染色体の組み合わせになりますが、これを「性染色体」と呼んでいます。

この性染色体が、<XとX>の組み合わせだと女性になり、<XとY>だと男性になる・・・ということに、基本的にはなっているようですが、中には染色体が1本余計に多くなって、<XXY>といったような組み合わせが生じることもあるようです。

そしてこのような場合でも誕生した後は、「男性」として成長していくようですが、ということは・・・「Y染色体」というのは人間を「男性にするスイッチ」になっている・・・ということになります。

人間の胎児は八週目までは、両性具有(男性・女性が同時に含まれている)の状態だそうです。そして8週目以降、男性の場合にはY染色体にある遺伝子<SRY遺伝子>がスイッチの役割を果たして、そこで精巣がつくられます。この精巣から出てくる男性ホルモンが分泌されることによって、その後に男性となって成長していくようです。

人間はもともと女性になるように設計されていて、実はこの<SRY遺伝子>によって強制的に男性にさせられているのだそうです。



そしてこんな例があります。

胎児の時期に男性として成長しても、精巣から分泌される男性ホルモンがうまく働かなければ、たとえ染色体が<XY>であったとしても、「女性」になってしまうことがあるのだそうです。その反対に染色体が<XX>なのに、男性を決定付けているSRY遺伝子が途中で入ってしまって、本来は女性にならなければならなかったはずなのにSRY遺伝子の影響を受けるため男性として成長してしまう場合もあるようです。

このように、<XYの女性>がいたり、<XXの男性>がいたりと、人間の性も遺伝子的に一義的な男女の性差に対する決定が成されない場合もあるということで、これは現実の世界でニューハーフ、オナベなどといったような多くの存在からも頷けるというものですね。

こうして遺伝子の上で生命の本質を見ていくと、実は男女の違いというのはほんの紙一重であって、遺伝子や性染色体などの微細な要因によって、実はどちらの性(男女)にも傾く性質を持っているのが生命の側面だったということです。

鴨川市営球場とプロ野球キャンプ

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ここは千葉県鴨川市の海岸沿いにある関東では有名な鴨川シーワールド。

イルカやシャチのショーをこのようにして見せてくれますから、小さなお子さんを連れたご家族が沢山やってきます。

ここ鴨川シーワールドの目の前には温泉旅館「鴨川館」がありますが、実は日本ハムファイターズのトレーナー時代には、その旅館に宿泊をしながら秋季キャンプの為に毎年滞在していました。

その鴨川館の一部屋(二部屋だったかな?)をキャンプ中は貸切にして、トレーナー・ルームとして使わせて貰っていたんですね。部屋からは鴨川シーワールドが目の前にありましたから、午前中に観光バスが沢山訪れてくるところをよく鴨川館から眺めていたものでした。

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当時、ファイターズが鴨川キャンプをはっていた場所は「鴨川市営球場」というスタジアム。

現在このスタジアムは千葉ロッテマリーンズがキャンプ地として使用しており、ファイターズは沖縄の名護や国頭村でキャンプを行っていますが、私がファイターズのトレーナーになったばかりの頃は、2軍専属トレーナーで春・秋共にキャンプ地は鴨川で行われていましたので、ここへ訪れると何故か故郷に帰ってきたような感情を抱きます。

鴨川は南房総なので割と温暖だと思いますが、やはり2月のキャンプインはとても寒かったですね。たしか雪が降ったこともあったと記憶しています。まぁ秋のキャンプは11月なので、それほど気温が低くなるようなことは少なかったと思いますが、4時半には空が暗くなってきてボールが少し見づらかったような記憶が蘇ります。

この鴨川市営球場で強烈に記憶に残っているのは、たしかジャイアンツの阿部選手がまだ大学生の当時、ファイターズの秋季キャンプに参加してメイン球場でフリー・バッティングを行っていたときにファイターズの選手達よりもボールを遠くに飛ばしていて、「この選手は将来絶対に凄い選手になるな。」と感じたことでしたね。もちろんダルビッシュ選手がブルペンでピッチングを行ったときにも、当然そのような気持ちを抱いたわけですが、この鴨川市営球場には沢山の思い出が詰まっていて私の故郷のようなスタジアムですね。

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鴨川市営球場のブルペンも今はこんなに立派になって人工芝が張られていますが、昔は全面土だったんですからね。選手達の練習環境もこうやって整備が整っており、今のプロ野球選手達は本当に恵まれた環境の中で練習が出来て幸せですね。


それから選手達がメイン球場からサブグランドや室内練習場へと移動する際には、「電気カート」も使われていましたが、そんなの昔はありませんでしたから(笑)

バットやグローブや着替えをバッグに入れて肩に担いで自分の足で移動してましたよ。それが当たり前だったんですからね。それに日が沈んでボールがよく見えなくなる時刻まで個人練習に明け暮れていて、それが終わってからトレーニング・ルームへと移動してましたから、宿泊していた鴨川館に帰る頃には、すでに日が暮れていたんじゃないかな・・。

とにかく秋のキャンプは若手選手達にとって「地獄のような日々」だったんじゃないかと思いますよ。それくらいハードな練習をするのが、いわゆるプロ野球の秋のキャンプだった・・・というのが昔のセオリーだったんじゃないかな?もちろん今は量より質で行われていると思いますけどね。

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ほとんどの選手は午後4時過ぎには球場を後にしてましたが、こんなに日が明るいうちにメイン球場から選手がいなくなるなんて、昔じゃあり得ませんでしたからね。10年前とはプロ野球も「変わった」ということなのかな。

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アクアラインの海ほたるから綺麗な富士山の夕景。

鴨川市まで横浜からだと車のナビ検索をすると所要時間は約2時間と出ていましたが、実際は1時間40分です。車が空いていれば、もう少し早く到着出来ると思いますが、関東で行われているプロ野球のキャンプ地の中では、鴨川が一番近いんじゃないかな?是非、一度足を運んでみては如何でしょうか。プロ野球選手達のキャンプでの技術練磨の姿が間近で見ることが出来ますよ。(by院長)