五十代女性の膝の上部や内側部の痛みの原因と治療

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疲労が長引くことで筋肉が硬く縮こまり筋力低下を引きおこす

今日は50歳代女性の膝の上部や内側部の痛みに関して、治療経過をもとに少しお話をしてみたいと思います。

膝関節を守っている筋肉には、大腿四頭筋(太もも前面部の筋肉)や大腿二頭筋(太もも裏の筋肉)、それから内転筋群や半腱半膜様筋(太もも内側の筋肉)や大腿筋膜張筋(太もも外側の筋肉)などがあります。

このうち特に太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)は膝を伸ばす為に使われる筋肉で、自分の体重を支えている重要な筋肉です。しかし平均的にみても女性は男性よりも筋力が弱く、50歳代になりますとホルモンの関係で筋肉が更に衰えやすくなっていきます。

膝の上や内側の痛みを訴えて起こしになった50歳代・女性Dさんのケースでは、この大腿四頭筋の筋力低下が著しく、慢性的な膝関節への負担から「関節炎症状」も認めました。

日頃から「立ち仕事をしている時間が長い」という要因もあったようですが、体重を支えている大腿四頭筋に疲労を起こし、更に疲労が長引くことによって筋力が低下しながら最終的には筋肉の拘縮へと陥ってしまったのでしょう。Dさんの太もも前部の筋量は明らかに減っていて、ご自身の体重をしっかり支えられる状態ではなかったのです。それが膝関節の痛みを発生させていった経緯ではないかと思います。


筋肉が衰えると関節をしっかり動かせなくなる

Dさんのように太もも前部の筋肉が弱ってしまうと、膝の関節をしっかり動かせなくなり、膝の関節そのものに負担がかかって慢性的な炎症をおこすことがあります。Dさんの膝は腫れており明らかに炎症を起こしていましたが、このような状態が二ヶ月ほど続いている・・・ということでした。

このように膝の関節に炎症が生じていると、膝を完全に曲げることは出来ず、もちろん正座をすることなど出来ません。だから日常生活でもかなり不便でしょうし、スポーツはゴルフをプレーされてきたようですが、膝が曲がらない状態だとプレー中にボールを拾い上げる動作が上手く出来なくなってしまいますので、好きなゴルフにもなかなか行けなかったようでした。


関節軟骨・半月板・靭帯に異常が認められない膝の痛み

念のため、整形外科でも精査を受けて貰ったところ、関節軟骨部、靭帯部、半月板等の異常は認められず、関節リウマチなどのような内因性の疾患も無いご様子でした。

Dさんは特に膝の上や内側に痛みを訴えておりましたが、それは関節炎によるものと、太もも前部の筋肉(大腿四頭筋)の長引く疲労から筋力低下がおこりはじめ、その結果、日常生活で普通に動いているだけでも膝関節への負担でストレス痛を感じていたのです。また硬く萎縮した太もも前部の筋肉は血流が悪くなっているため、発痛物質が膝の上部付近にも停滞していたのでしょう。そういうことで痛みの要因である、「大腿四頭筋の筋拘縮」や「関節炎」に対する治療をまず行っていきました。

治療後、日常生活の中では膝のサポーターを着用して貰い、特に歩行時の負担を減らして貰います。また薄いテープを膝周囲に張ったり、痛みを感じている部分に皮内鍼を入れておくことで治療効果がある程度持続していきます。

Dさんは治療を数回受けた後に、「久しぶりにゴルフへ行ってきました。」と初めて私に笑みを浮かべてくれました。やはり好きなスポーツを続けられることは何にもまして嬉しいことなんでしょうね。そのようなお言葉をいただけたことが何より一番嬉しいことでした。

一般的に中高年層の女性では変形性膝関節症による膝の痛みが半数を占める・・・とも言われておりますが、Dさんのように器質的な異常や内因性の問題が全く認められなかったタイプの方では、このようなパターンで膝に痛みを訴えていらっしゃる方がとても多いのです。


太ももの筋肉が弱くなってしまう要因とその解決法

「太もも前の筋肉の弱化」が起こる要因には、まず女性であれば年齢的にホルモンを要因として起こってくる場合もある・・・ということ。また長時間の立ち仕事など日頃からの下肢への負担で筋肉に疲労がたまって血流が悪くなって起こってくるケースがある・・・ということになるでしょう。

運動不足でも運動のし過ぎでも膝に痛みが生じてくるケースはありますが、やはりバランスを考えた運動を心がけるということが大切ではないでしょうか。

また定期的なスポーツマッサージを受けたり、下肢の筋肉の疲労を取り除いておくだけで、膝を良い状態に保つことにつながって、膝関節痛の予防にもなります。日頃から少しずつでも良いので膝の屈伸運動を行い、太もも前後の筋肉をしっかり伸ばしたり縮めたりして筋肉の萎縮を未然に防ぐことは一番大切になるでしょう。

また体重が1kg増えると膝には2kg分の負担が増す・・・ということですが、ウエイト・コントロールに関しては私自身も耳が痛くなるのですが、その辺りもイメージとして頭の片隅にとどめておく必要がありますね。

「正座は膝に良くないですか?」というご質問をたまに受けることもありますが、膝に痛みが無ければ正座は太もも前の筋肉を伸ばしますし、ストレッチ効果もありますから問題ありません。ただし正座を長い時間行うと、「太ももの後ろ側の筋肉」は縮まった状態になってしまうので、正座の姿勢から長座の姿勢に変えて、太ももの後ろ側の筋肉をしっかり伸ばしておくことが大切です。

太ももの筋肉がしっかり伸びて縮むことが出来る・・・そうすれば膝の関節もしっかり曲げられるし伸ばすことが出来ます。「膝の屈伸運動」を生活の中に上手に取り入れながら、ぜひ膝のコンディションを良い状態に保って頂きたいと思います。

今日は膝の痛みに関してお話させていただきました。(by院長)

医療界の異端?・・・放たれた言論の影響力

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ガンには本物のガンとガンもどきがある・・・という近藤医師の言論


元慶應大学病院・放射線科の医師である近藤誠先生は乳癌における乳房温存療法のパイオニア的存在ですが、その近藤先生の著書を私は数年にわたって読んできました。

その中には医者に殺されない47の心得なる過激な題名の著書があります。そしてその内容たるや今までの医療界の常識が根底から覆ってしまうほどの大きな影響力のある内容でした。

その内容はというと、「ガンの早期発見は早期治癒には結び付きません。本物のガンであれば発見された時点で実は身体のどこに転移してもおかしくないからです。いわゆるガンと言われているものには2種類あって、『本物のガンとガンもどき』がある。早期発見されるガンは「ガンもどき」の可能性が高い。ガンもどきは元々転移するようなガンでは無いので本来は切る必要がありません。しかし日本ではすぐに切ってしまう。またもし本物のガンが見つかって、それを切っても本物のガンだから必ず転移します。だから本物のガンを患ってもガンを切らず抗癌剤もやらない方が本当はかえって長生きできるんです。抗癌剤をやれば命は確実に縮まるし苦しむことになるからやらない方がいいんですよ。」といった内容や、「血圧や血糖値を薬で下げてしまうと、確実に寿命が縮まるというデータがあるんです。」などなど・・・こんな事を大々的に書いてしまって大丈夫なんだろうか?という思いがまず過ります。

そして近藤先生のお話がもし本当だとすれば、私達国民はこの日本の医療というものをどのようにとらえ、そして有効に活用していけば良いのでしょうか。また真に人間の為の医療へと改革していく為に、私達が出来ることは一体何なのでしょうか。


血圧を下げる薬、血糖値を下げる薬の副作用の問題

私のところに施療を受けにいらっしゃる患者さんの中には、糖尿病で血糖値を下げる薬を日々飲んでいらっしゃったり、高血圧だと診断を受けて降圧剤を日々飲んでいらっしゃる方もいます。

そうすると当然の事ですが、施療前に血圧を計測し、施療後にもう一度血圧をはかります。

「高血圧」と診断を受けているその患者さんの血圧を施療前に測ってみると、「上が128、下が78」でした。そして施療直後にもう一度血圧を測ってみると、今度は「上が117、下が73」になっていました。

私はその患者さんに、「○○さん、この数値だったら正常値もいいところですよね。けして高血圧なんかじゃありませんよ。」そう言いました。するとFさんは、「今日の朝、ちゃんと降圧剤を飲んできたからね。薬も効いてるんだろうな。」と言われました。

さてさて・・・近藤先生いわく「降圧剤によって血圧を下げるという行為は宜しくない。血圧が高くなるのは、全身に汲まなく血液を送りこむ身体の働きであるから、その自然の働きを人工的に弱めてしまうと身体が貧血のようになってフラフラしたり、脳にしっかり血液が行かなくなるから認知症にもなりやすい。」と言われているからといって、私は医者では無いので「Fさん、降圧剤は飲まない方がいいですよ。」とは死んでも言えない立場にあります。しかしFさんの足がふらつきがちな姿を見ていると、私の頭の中では「やっぱり降圧剤のせいなんじゃないのかな?」という疑問がふつふつと湧きあがってくるわけです。

歳をとって身体が老化してくれば動脈も老化現象によって硬くなっていきます。すると血液を身体の末端部へと送り出す力がだんだんと衰えてきます。しかし身体は脳や手足の末端部まで血液を送り続けなくてはならないので自然と血圧を上げることになるわけです。

それなのに血圧降下剤で無理やり血圧を下げる・・・ということは、血液が脳にしっかり届かなくなったり、手足の末端部まで届かなくなったり、内臓に血液が届かなくなるという現象が生じてくることになる・・・。こうした血圧降下剤の身体に対する影響(副作用として)として、虚血性心疾患(狭心症、急性心筋梗塞など)、脳梗塞、認知症、頭痛、咳(せき)、冷え、めまい、関節炎、精力減退、性的不能などなど・・・多岐にわたるものが挙げられています。


しかしFさんが降圧剤を飲んでいるからといって、今すぐに酷い副作用が出てきて命の危険にされされてしまうような状況でもないようですから、やはりご本人の意思に委ねるべき問題だと私は捉えているわけです。


高血圧の新たな基準値は「147以上」に改変?

昨年、日本人間ドック学会では、「新たな健診の基本検査と基準の範囲」とした報告書をまとめ、血圧の基準値が引き上げられました。これまでは130以上であれば高血圧と診断され降圧剤などを病院で処方されていた状況のようですが、『147以上が高血圧と診断される』ことになったわけです。

降圧剤を病院から処方されている患者さんの中には、常に飲んでいるわけではなく、何となく血圧が高いような感じがするときにだけ薬を飲んでいる・・・というパターンの方では、数日間降圧剤を飲み続けていると、胃に不快感を感じて食欲が落ちてきたり、頭痛がする・・・という症状を訴えられる場面がありました。

そしてFさんのように降圧剤を常用されているパターンの方は、どちらかというと足元が何となくフラフラしていて、平衡感覚が悪くなっている様子もうかがわれますし、足の末端部にシビレ等の感覚異常を訴えられることもあるわけです。

私は近藤先生のお話を基にして、これらの副作用と思われる症状に関して推測してみたのですが、降圧剤によって血圧を下げることで、全身の血液循環が悪くなってしまい、胃に血液がしっかり届かなくなったが故に胃部の不快感や食欲減退が発生したのではないか?また頭部へ流れる血液循環が阻害され脳が酸素不足になってしまい頭痛が生じたのではないか?

またFさんのように足がフラつき、足の末梢部にシビレの症状が出てくるのは、やはり血液循環が阻害されてしまって、平衡感覚を司っている三半規管が正常に機能しなくなっており足がフラつくのではないか?また身体の末端部までしっかり血液が流れておらず、それが原因で足の指先にシビレが生じているのではないか?というものでした。

はたして・・・・これらが近藤先生の言われている、『降圧剤の罪』によるものであるならば、私達施療家としては、どのような形で患者さんに対応するべきなのでしょうか。

医師では無い者が「この薬は飲まない方が良いですよ。」とは絶対に言えません・・・というよりも、それは法律違反になってしまうからです。しかし医師である近藤先生は「降圧剤は製薬会社が儲かるだけで、患者にとっては何の得も利も無い。」と言われているわけですから、一般社会人としては、有耶無耶には出来ない・・・ということになるわけです。これは抗癌剤にしてもそうですし、ガン切除術にしても同じことです。


亡くなった患者さんのガン闘病と近藤医師のガン理論

実際、大腸ガンを患ってしまった患者さんの中には、常に『腰痛』を訴えておられた方がいらっしゃいました。そして「わずか1センチに満たない腫瘍を摘出」された後に、その患者さんは術後3カ月を経ないうちにどんどん元気になりました。腰痛もほぼ消失しました。

「昨日はステーキを食べたよ。」

患者さんは嬉しそうにそんな話をしてくれました。

しかし数ヵ月後、何度か腸閉塞が生じてしまい入退院を繰り返した後、腫瘍マーカーが上昇しているということで再検査を受けることになりました。その結果、「肺にガンが転移しているので、新しいタイプの抗癌剤治療をやりましょう。」ということになったそうです。

そこから1年を経ないうちに、実はこの患者さんは亡くなってしまいました。

私はその患者さんが亡くなる直前、入院している大学病院の病室に訪れマッサージをしました。

「ずっと足が冷えててしょうがないんだよ。腰も背中も痛いんだ。悪いけど頼むね。」

その患者さんの体格は元々逞しい身体でしたが、抗癌剤治療を始めてから徐々に痩せ細ってしまって見る影もありませんでした。ご家族のお話では、食欲が全く無くなってしまい栄養剤を胃に流し込んでいたそうですから、それだけ痩せてしまったのも無理はなかったのでしょう。


ガンは放置した方が長生きできる?・・・という近藤医師の言論

そのようにして、私にとって身近な存在だった患者さんご自身の体験から判断しても、大腸ガンを切除したこと、またその後に一時的には体調が良くなったものの結果的には肺にガンが転移してしまったこと。そしてその肺ガンの治療において抗癌剤を用いることで食欲減退が生じ痩せ細ってしまったこと。最終的にその患者さんは抗癌剤を途中で拒否したにも関わらず、病室で亡くなってしまった・・・という姿を私自身拝見してきましたから、近藤先生のお話がリアルな物事として感じられる立場だったわけなのです。

「もしガンを切っても、本物のガンであれば結果的に転移するし、もしその転移したガンに対し抗癌剤で治療を行えば、身体は弱ってしまう。そしてその結果の後に、命の時間は縮まってしまうのではないか?」

これが私自身、身近な患者さんを通して実感してしまったことであり、また近藤先生が著書で書いている内容とほぼ合致してしまった・・・・ということになります。

おそらく・・・こういった事柄をご自身の身の上で体験されている方が世の中には相当数存在しているのではないかと思いますが、はたしてガンはやはり切らずに放置した方が良いのでしょうか?そして抗癌剤は絶対にやるべきではないのでしょうか?

この日本という国で癌を日々治療なさっている多くの医師がいらっしゃると思います。きっとその多くの医師の方々の中には、近藤先生の言論に対して異を唱える方々も沢山いらっしゃるかもしれませんし、そもそも薬は元々毒性をもち合わせているわけですから、その毒性を如何に調節しながら病気を治癒させていくのか?という道はまだ残されているのかもしれません。

しかし現時点までの日本人の死因統計を見ても、ガンによる死亡者数は全く減っておらず上昇を続ける一方で、ガン三大療法を推進してきたこの国の医療の現状を繋げるならば、近藤先生の理に分があることは明白ではないか・・・と感じてしまいますし、それは身近な方を通して、そう思うに至る経過があったからに他なりません。

その上で、なかば医療界の異端とまで言われている近藤先生のお話の内容を全て知っていたとしても、やはり病院へ行って高血圧と診断が出れば降圧剤、糖尿病になれば血糖値を下げる薬を処方されるでしょう。その薬を飲むのも飲まないのも、私達がどちらの論を信じ、どちらの理が正しいと思うのか・・・ということになるかもしれません。

「この薬を飲んでいれば健康でいられる。」

それが正しいことであり、薬を信じていれば、その方はお薬を飲むでしょう。

「この薬は一次的に症状は緩和するかもしれないが、寿命を縮めるものだから絶対に飲まない。」

そのような論が正しく、今 目の前にある薬を疑えば飲めないかもしれません。

そして目の前にある薬を飲んだ人も飲まなかった人も、その後の経過が良い方に向かったのか、それとも悪い方へと向かったのか・・・・それだけは真実であり、どちらの論を用いれば多くの人々が幸せな暮らしを営めるのかという問題を大きく左右していくのかは、それこそが今後の医療界の大きな責任でもありますし、本来の政治の大きな責任ではないかと思っています。


健康診断やガン検診、予防ワクチンは無駄である・・・という近藤医師の言論

近藤先生の言論の中には、「前立腺がんのスクリーニング検査であるPSAで見つかった前立腺がんは9割以上、マンモグラフィ(乳房X線撮影検査)でしか発見できない乳がんはほぼすべてが『がんもどき』です。転移しないので手術などの必要はありません。」といった内容や、「子宮頚ガンの予防ワクチンは無意味」であるとか、「乳癌を早期発見する為に行われているマンモグラフィ検査は外国では既に行っていない国もあるくらい本当は意味がないこと。」といった内容があります。

また「フィンランドの中年管理職を対象とした試験で、健康診断で値が異常だった人に高血圧や高血糖の薬を出したグループは、何もしなかったグループより15年後の死亡率が46%も高くなったというデータがあります。」とも・・・おっしゃっておりますが、今まで行われてきた私達が受けている健康診断そのものが本当に無意味で、反対に弊害の方がより大きいのか?という疑問が浮かび上がってきます。

しかし日本の国がそれらの補助を行っている以上、もしそれが本当であるならば、国の税金や医療費が無駄に使われている・・・ということになります。また近藤先生の言われているように健康診断を受けたりしてガンが早期発見されることで医療行為を受けて寿命が逆に縮まってしまうのであれば、この日本の国の医療は本末転倒なことをやっている・・・ということになってしまいます。


「医療を信じる心」さえ左右しかねない重大な問題提起

「子宮頸がん予防ワクチンは絶対に受けなければならないものですか?」という質問に対して厚生労働省は、「法に基づくワクチンの接種は強制ではありませんが、一人一人が接種することで、社会全体を守るという側面があるため、対象者はワクチンを接種するよう努めなければならないとされています。実際に予防接種を受ける際は、ワクチンの有効性とリスクを十分に理解した上で、受けるかどうかご判断ください。」と返答しているように、最終的には予防ワクチンを受けるかどうかを個人の判断や意志に委ねています。

しかし医学的な知識の全く無い人々が、「この年齢になったら予防ワクチンを無料で受けられますよ。」といった内容で通知を受け取れば、「この予防ワクチンは受けておいたほうがいいんだな。」と思うのではないでしょうか。実際にうちの娘もそのようにして予防ワクチンを受けています。今のところ副作用のようなリスクは表出していませんが、近藤先生の論を目にしてからは気が気ではありません。氏の言論はそれくらい医療を受ける際に影響を及ぼされる内容だからです。

今日は医療関連のお話の中から、医師であり癌(ガン)のセカンドオピニオン研究所を渋谷で開かれておられる、近藤誠医師の言論について、身近な場面から少しお話を繰り広げてみました。

さて・・・みなさんがこの近藤先生の論を目に耳にすれば、一体どのような事を感じられるでしょうか。私自身は身近な患者さん達の健康を大きく左右し、また「医療を信じる心」さえ左右しかねない重大な問題提起をされているのではないかと思いますし、今後の医療界の動きもしっかり見極めていく必要性があるのではないかと私自身は考えるに至っております。


<参考Web>

健康診断やがん検診は受けてもムダ!
あの近藤誠医師が女性の医学で男性にも警鐘


「近藤ガン理論」はどこまで正しいか?



<ブログ記事>

東洋医学の気血水論による各病態

高血圧・低血圧を改善する鍼治療の手法と体感

治療を受ける効果的な時間帯は?


プロ野球メディカル・トレーナーから地域の治療院・開業へ

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私がメディカル・トレーナーとして日本ハムファイターズに入団したのは、年号が「平成」になってから僅か数年の頃です。

年齢で言えば専門学校を卒業してから2,3年を経たくらいの頃でしたので、まだまだ経験も浅く、多くの課題を抱えながらの毎日を過ごすこととなりました。

日本はバブル経済が崩壊し、長らく景気低迷を続けていく「入り口のような時期」だったこともあるのか、私が入団してから数年後には日本プロ野球界でも様々な変節がありました。

ドラフト制度やFA制度の問題、1リーグ制提起問題、球団売却など、様々なプロ野球界の問題や出来事を内側から見つめながら、私は裏方として仕事を続けていました。

その後、ファイターズが身売りされることも無く、最後まで同一球団で仕事を続けることが出来たことはもちろん幸運なことでしたが、何よりもチームが2006年に日本チャンピオンになったことは、私にとって最大の幸運だったのかもしれません。

何しろ入団当初は万年Bクラス、パリーグは西武ライオンズの黄金期でした。

私は数年間ファーム専属トレーナーから経験させていただき、名将・上田監督就任の際、1軍専属トレーナーに転属することとなります。

パ・リーグにはあの怪物・松坂投手が西武ライオンズに入団、オリックス・ブルーウェーブには首位打者イチローが。そして近鉄バファローズの野茂投手はメジャーへと移籍しました。また九州・福岡には世界の王さん率いるダイエー・ホークス(現在はオーナーが変わってソフトバンク・ホークスとなりましたが)には、秋山元監督や現・工藤監督といった名選手達も在籍しており、話題性には事欠かないくらい素晴らしい選手達がパリーグの野球を盛り上げていた時代です。

日本ハム・ファイターズは「ビッグバン打線」の呼び声も高く、試合前半に5点差が開いてしまっても、打線が爆発すればすぐに優位に立てるほど爆発力のある打線に成長。名球界入りした田中幸雄選手や小笠原道大選手を筆頭に、片岡選手、ウイルソン選手といった強打者揃いのファイターズはリーグ優勝戦線へと導かれつつありましたが、2度のチャンスを逃してしまいます。それは今から約20年前の1996年、1998年のお話です。

その間、今でも記憶に残っている出来事があります。それは打者への頭部デッドボール(死球)やピッチャー・ライナーが投手の顔面を直撃する・・・といったような危険な状況です。内野手の顔面にランナーがぶつかってしまい、内野手の片側の眼球だけが全く動かなくなってしまった・・・なんていう出来事もありましたが、とにかくそういったアクシデントの際に「トレーナーとして適切な対応を行う」ということは最も重要な任務ですから、そういった危険な状況のことだけは今でも鮮明に覚えているし、一生忘れないでしょうね。

トレーナーというのは常にチームに帯同しています。今日は福岡で試合、明日は神戸、そして5日後からは東京、その後は千葉、埼玉・・・と年間を通して120試合(現在は140試合以上)が組まれていますから、仕事以外に移動・移動の日々となります。新幹線、飛行機、大型バス、タクシー、地下鉄、また自宅からは自家用車を使って直接球場入りすることもありますが、そうやって様々な交通機関を使って移動を繰り返しています。

たとえば北海道の札幌ドームから神戸で滞在するホテルへと移動する場合には、まず札幌ドームから大型バスで千歳空港まで移動します。そして千歳空港から飛行機に乗って関西国際空港へ到着。関空から神戸のホテルへは再度大型バスで移動。その間、空港での待ち時間を含めれば約5時間程ですが、札幌ドームのデーゲームが終わって午後6時過ぎに球場を出発すると神戸のホテルへと到着する頃は午後11時過ぎです。

ですからそういった移動時間を含めれば、プロ野球選手達も関係者もシーズン中は拘束時間が非常に長くなるので、「自分の家族と一緒に生活する時間は短くなる」と、そういうことになるわけです。またシーズン中は連休などは全くありませんから、家族と一緒に旅行に出かけることなど到底出来ません。全部日帰りドライブです(笑)

長男がまだ2、3歳の頃のエピソードですが、仕事に出かける際に「また来てね。」と言われたこともあるのですが(苦笑)、それだけ自宅に居られなければ、子供から外部者として扱われても仕方が無いくらい、外で仕事をしていたわけですね。ですから反対に言えば、チームの選手達や関係者達は「大きな家族」のようなものでしたから、そういった面で言えば、酸いも甘いも全部が全部共有出来たのではないかと思うわけです。

そうやって思い出話をしても、今は地域の治療院の院長として仕事をしておりますので、随分と生活様相も変わりました。何しろ自宅に帰らない日はほとんど無くなり、朝御飯も晩御飯も家族と一緒に食べていますし、たまに旅行へと出かけることだってあります。

体の大きいプロ野球選手たちの怪我の治療やスポーツマッサージでケアを施すことも少なくなりましたが、今では小学生から大学生・社会人の野球選手の方々を治療したりケアする日々に変わりました。また地域のご高齢者が毎週治療院にやってきては、身近な生活の話題で盛り上がったり、ご家庭の主婦の皆さんからは育児中のお悩みもよく耳にすることとなりました。

また近くの公園で高校球児とキャッチボールをしては投球フォームの話をしたり、体幹トレーニングやランニングについてお話をすることもありますが、先日、知人から誘われて岸根公園でナイター草野球に参加させて貰い、ピッチャーで1イニングを登板して何点も失点してしまい非常に申し訳なく思っている次第なわけですが、そうやって自分で野球をプレーすることによって野球というスポーツの大変さや面白さを肌で実感することもあります。

多くの皆さんとのコミュニケーションの中で私自身のやってきた仕事は地域の中で根付くことが可能になったのだと思いますが、今後も様々な形で皆さんとの交流を築きながら、皆さんの幸せの為に仕事を続けられることが私自身の一番の望みです。

ここでは詳細は省かせていただきますが、今後の10年は野球選手達は元より地域の皆様、また遠方からお越し下さる皆さんにとっても、更に価値的な時間となるように・・・・そして私自身の大きな夢をここから更に実現させていくことが皆さんのお役に立っていくことだと強くそう信じて日々の仕事に汗を流しています。

なかなかブログ記事の更新もままならないことも多くなりましたが、ここへおこし下さった皆さんが毎日の生活を笑顔で過ごして下さること・・・それが私の大いなる望みとなっています。

今日はトレーナー時代から治療院開業後に至るまでのお話でしたが・・まだまだお話は尽きないので改めてまた機会があればここで何かお話をさせていただきたいと思っています。それでは。(by院長)

鴨川市営球場とプロ野球キャンプ

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ここは千葉県鴨川市の海岸沿いにある関東では有名な鴨川シーワールド。

イルカやシャチのショーをこのようにして見せてくれますから、小さなお子さんを連れたご家族が沢山やってきます。

ここ鴨川シーワールドの目の前には温泉旅館「鴨川館」がありますが、実は日本ハムファイターズのトレーナー時代には、その旅館に宿泊をしながら秋季キャンプの為に毎年滞在していました。

その鴨川館の一部屋(二部屋だったかな?)をキャンプ中は貸切にして、トレーナー・ルームとして使わせて貰っていたんですね。部屋からは鴨川シーワールドが目の前にありましたから、午前中に観光バスが沢山訪れてくるところをよく鴨川館から眺めていたものでした。

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当時、ファイターズが鴨川キャンプをはっていた場所は「鴨川市営球場」というスタジアム。

現在このスタジアムは千葉ロッテマリーンズがキャンプ地として使用しており、ファイターズは沖縄の名護や国頭村でキャンプを行っていますが、私がファイターズのトレーナーになったばかりの頃は、2軍専属トレーナーで春・秋共にキャンプ地は鴨川で行われていましたので、ここへ訪れると何故か故郷に帰ってきたような感情を抱きます。

鴨川は南房総なので割と温暖だと思いますが、やはり2月のキャンプインはとても寒かったですね。たしか雪が降ったこともあったと記憶しています。まぁ秋のキャンプは11月なので、それほど気温が低くなるようなことは少なかったと思いますが、4時半には空が暗くなってきてボールが少し見づらかったような記憶が蘇ります。

この鴨川市営球場で強烈に記憶に残っているのは、たしかジャイアンツの阿部選手がまだ大学生の当時、ファイターズの秋季キャンプに参加してメイン球場でフリー・バッティングを行っていたときにファイターズの選手達よりもボールを遠くに飛ばしていて、「この選手は将来絶対に凄い選手になるな。」と感じたことでしたね。もちろんダルビッシュ選手がブルペンでピッチングを行ったときにも、当然そのような気持ちを抱いたわけですが、この鴨川市営球場には沢山の思い出が詰まっていて私の故郷のようなスタジアムですね。

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鴨川市営球場のブルペンも今はこんなに立派になって人工芝が張られていますが、昔は全面土だったんですからね。選手達の練習環境もこうやって整備が整っており、今のプロ野球選手達は本当に恵まれた環境の中で練習が出来て幸せですね。


それから選手達がメイン球場からサブグランドや室内練習場へと移動する際には、「電気カート」も使われていましたが、そんなの昔はありませんでしたから(笑)

バットやグローブや着替えをバッグに入れて肩に担いで自分の足で移動してましたよ。それが当たり前だったんですからね。それに日が沈んでボールがよく見えなくなる時刻まで個人練習に明け暮れていて、それが終わってからトレーニング・ルームへと移動してましたから、宿泊していた鴨川館に帰る頃には、すでに日が暮れていたんじゃないかな・・。

とにかく秋のキャンプは若手選手達にとって「地獄のような日々」だったんじゃないかと思いますよ。それくらいハードな練習をするのが、いわゆるプロ野球の秋のキャンプだった・・・というのが昔のセオリーだったんじゃないかな?もちろん今は量より質で行われていると思いますけどね。

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ほとんどの選手は午後4時過ぎには球場を後にしてましたが、こんなに日が明るいうちにメイン球場から選手がいなくなるなんて、昔じゃあり得ませんでしたからね。10年前とはプロ野球も「変わった」ということなのかな。

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アクアラインの海ほたるから綺麗な富士山の夕景。

鴨川市まで横浜からだと車のナビ検索をすると所要時間は約2時間と出ていましたが、実際は1時間40分です。車が空いていれば、もう少し早く到着出来ると思いますが、関東で行われているプロ野球のキャンプ地の中では、鴨川が一番近いんじゃないかな?是非、一度足を運んでみては如何でしょうか。プロ野球選手達のキャンプでの技術練磨の姿が間近で見ることが出来ますよ。(by院長)

腰痛の実像・・プロ・スポーツの現場を通して感じてきたこと

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一般の方々も良く目にしている腰痛・・・それは一般的に「ギックリ腰」と呼ばれているものではないでしょうか?このギックリ腰を西洋医学的に説明しますと「急性腰痛症」とか「筋・筋膜性腰痛症」ということになります。急激に襲ってくる腰痛は激痛を伴い、その場で崩れ落ち立っているのが辛いといったような状態になります。運搬業の方や職人さん、主婦やサラリーマンなど・・日々労働や家事で背中や腰に疲労を伴っている方々によく訪れるようですが、もちろんその腰痛の原因となれば様々なものが挙げられます。

プロ野球の選手達も、このようなギックリ腰になってしまう人達が沢山存在しましたが「筋・筋膜性腰痛症」のような割と軽い障害の場合もありましたし「腰椎椎間板ヘルニア」のケースのように治るまでに何ヶ月も時間を要したような障害もあります。

ギックリ腰と一言で言っても、その原因となれば多種多様です。朝の起床時に「ギクッ」となった人もいれば、車の乗り降りで「ギクッ」となってしまった人もいますが、大抵は【朝 起きたときから、どうも背中の方に違和感があった】とか【前日から背中が攣るような感じがあった】とか前駆症状はあるものです。その時にはさほど痛みは無いので【そのままにしていた結果】・・・腰を痛めてしまったという経過が見て取れますが、もちろんスポーツ選手の場合には厳しい練習を行っている最中に激しい腰痛に襲われ動けなくなってしまったような人もいるわけですが、通常はそれほど多くはないケースでした。

そういう意味ではコンタクト・スポーツのように激しくぶつかり合うような状況が生じないスポーツであれば、外傷性の腰痛というのはそれほど多発するものではないということになります。

外傷性腰痛症のように【外力によって腰の筋肉や椎間板、または腰の骨を損傷】した場合は、交通事故のようなもので一般的な腰痛の起因としては確立は低いものでしょう。

一般の方やスポーツ選手に置き換えても、体幹筋群(股関節、骨盤、脊柱を支えている筋肉群)が有る程度しっかり機能していれば、腰痛はそう簡単に起きないということになってきますが、一般の方々の場合には反対に、このような【体幹筋群の弱化】や【姿勢の悪さ】【体の使い方の不適応】【蓄積され過ぎた疲労】が起因となることが多いと思います。

特に運搬業や職人の方は【腰部に関する過加重】や出産後の女性なら【骨盤の偏位】や【乳幼児を日々抱っこする際の腰への繰り返された負荷】など・・・起因は様々な生活の中の【自然発生的な負荷】によるものではないかと考えられます。

患者さんから「腰が痛いんですが・・」と訴えられても、痛みが起こるには様々な原因があることをまず考えなくてはなりません。内科的な疾患・・・つまり腎臓結石や糖尿病、または悪性腫瘍などでも【腰痛】は発生しますから、腰の痛みを沈めていく施療を行う場合の判断というのは、患者さんをただ外から見ただけでは簡単に原因を特定できない場合もありますから慎重に行われるべきでしょう。

ただしその患者さんの【痛がりかた】や【痛みの出る姿勢】それから【どんなときに痛みがあるのか】という情報分析からおよその判断がつく場合も当然あるということになりますが、ある一定の期間、施療を行っていくうちに痛みの質に変化が現れることもあります。ですから初めに既往症や現病歴、それからクライアントさんの体質的な問題や年齢などを考慮してから施療を進めていく事が必要です。

ただのギックリ腰だと思って整体治療を何度も受けたり、骨盤の牽引などを受けていたけれど、その後も痛みが全く引かず、それどころか更に痛みが日に日に増して悪化している・・・そういうケースだって沢山あるわけですから、施療する側は最低限押さえていくべきポイントを押さえていくことをまず一番初めに行っていく事が大切なのです。それが技術を過信し過ぎない・・・ということになります。

そういうことからもクライアントさん自身も腰痛が発生した場合には、それをただの【ギックリ腰】だ・・・という風に自己判断しない方が良いのではないかと思います。

プロ・スポーツの世界で数ある腰痛のケースを見てきた中でも、軽度の腰痛以外は西洋医療機関でまず【レントゲン検査】を受け、腰の骨の状態を確認して貰うことがありました。また【MRI検査】を受けて脊柱(背骨)の椎間板の状態や腰の周囲の筋肉の状態をきちんと確認して貰ったりして、それでも判断がつかないようであれば【骨シンチ検査】などを受けて患部の炎症徴候などを確認して貰うこともあったのです。

このような詳細な検査情報から腰痛の原因を判断していくことは、選手の現場復帰がどの程度かかるのか?ということを判断する為でもありますが、何故なら軽いギックリ腰程度なら3日から遅くても10日間程度の施療やリハビリで簡単に治ってしまうことが多いのですが、もし腰椎椎間板ヘルニアと診断されれば2ヶ月から半年以上もかかることがあるわけです。ですから腰痛の真の原因によっては、治る見込みの期間にも幅が出てくるわけで我々が日々施療を行う中である程度の期間で治っていくものもあれば、治る期間が長期化してしまうものがあるということからも、その必要性を重視してきたからなのです。

しかし医学的検査によって得られた情報(検査した撮影像)からも全く判断がつかないような腰痛が実際にはあって、そのようなときには【心因性腰痛】と診断が付く場合もあります。西洋医学でもこの辺りを説明するとなると【腰背筋等の機能不全】といったような、やや曖昧な表現に成らざるを得ないということもありますが、要は【腰の周辺の筋群がちゃんと機能していない】ということによる腰痛と言う訳です。

この【心因性腰痛】は、精神的ストレスが原因で発生していると言われています。【痛み】そのものは他者には見えないし、触(さわ)る事もできません。西洋医学では痛みを数値にして表す検査はありませんから、神経的な痛みを視認して確認する事は不可能です。レントゲンにもMRIにも異常が無い腰の痛み・・・これはドクターも治療の施しようがありません。

このように痛みを訴える本人が実際に【痛み】を感じていても、病院などの検査で異常が無ければ、治療の施しようが無いわけで、このような腰痛症こそが一番医療機関でも対応が遅れている分野であり、最も治し辛い障害となっているようです。ある本の内容によると、このような心因的ストレスから発生している腰痛の原因とは、内面的な感情の中に鬱積(うっせき)した感情・・・【怒り】であると説明されていたことを目にしたことがあります。怒りとは環境に対する【不満】であるとか【誰々に対する攻撃的な感情】だとか【自分への不甲斐なさ】であるとも感じ取ることが出来ますが、【自己嫌悪や他者嫌悪】のような心の閉塞感から生み出された精神性による腰痛こそ心因性腰痛の原因では無いか?とも言われているのです。

このように様々な原因・起因によって発生してくる腰痛ですが、起因そのものは経験値からくる判断でどのようにでも憶測が出来ると思います。腰痛を治そうとする場合には、まず原因を追求しながら、それを【証】として施療を加え、辛い痛みを快方へと向わせる必要があります。その為には様々な情報を検証する必要があるのですが、施療を正しく行い有効な施療を加えていくためには必然的に求められる姿勢ではないかと思います。

特にスポーツで起こっている腰痛の場合には【外傷性】のものと【障害性】の二つに大きく分かれるということになりますし、一般の方々の場合には【疲労性】や【経年性の脊柱部変形】から生じる場合や【内科的疾患】が原因となる場合もあるでしょう。

私の数ある障害に関する対応の中でも腰痛に対して施療を行う場合には、あらゆるケースを頭の中に想定しながら施療を行うことが必須になっています。スポーツの世界でも一般の世界でも言える事は【心因性】を原因とするような腰痛は当然どちらにも存在するし、実はそのような心因的なストレスを潜在的にもっている人ほど、ギックリ腰やその他の様々な腰痛へ移行しているケースも少なくないのではないかと私自身は感じます。

それは長い間プロ・スポーツの世界で腰痛という障害に多く関わってきたからこそ感じる最大の実感ですが、当然これは一般の方々にも当てはまることでは無いかと感じています。そう考えたときに我々が行う施療の道筋も、患者さんの立場に立った心の総括的な面をサポートしていくことの必要性を改めて感じていますが、信頼の上に立って行われる施療が、その有効性を確立していくのではないかとまず感じます。

人間は有る面においては「自分の心の中にこだわりを持っている」・・・と言われています。そのこだわり自体を誰かと共有すべきことと、あまりそれが意味を成さない事があるということも、知らず知らずのうちに誰もが気がついています。そしてそういった凝り固まり過ぎた心の状態を自分自身の中でずっと堅持し続けていくと、自然とその心の影響から身体的な異常を生みだしていく事もあるのではないかと思います。「自分が我慢しなくては・・」「自分がやらなければ・・」といったように、「~しなければ」というのは、そういった心の一面性を現した言葉になりますが、そのような「自分の中のこだわり」そのものが、誰にも理解されないときに表出する身体症状の中に「腰痛」というものが含まれるということもある・・・そう有る人が説いていたことがありました。

「開く」ということと「閉じる」という二面性を論じるならば、自分自身の「心を開く」ということは、その「弊害になっているこだわり」そのものを一度省みることから始めなければなりません。そしてそのこだわり自体が不必要であるものならば、一度心の中から追い出してしまう必要があることをまず知ります。人間の身体というのは実は自分自身の潜在的な心と相違無い状態に有る・・・それは古くから伝わる「心身不仁」という言葉からも言えるのでは無いかと思いますが、人に施す治療というものも、ただ単に身体構造を整える為だけにあるのでは無く、「その身体を司っている心を開く」為にも存在している・・・ということを知ります。

それこそが私の施療に対する一番大切なベースとなっていて、それが多くのクライアントさんとの心の絆を深めゆくことの大切さを学ぶ大きな原点ともなっているのです。相手を信じる・・ということからまず始めていかなければ、一にも二にも施療という行為は他人に対して行えないものなのです。(by 院長)

スポーツによる肉離れ(筋挫傷)は早期に治すこと

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ランニングを日常的に行っている中で、一番多いスポーツ障害の中でも、特に多いのが「太モモの裏や表に発生する筋障害」ではないかと思います。


これはプロ野球選手達の中でも多かった症例ですが、オーバーユーズ(使いすぎ)を起因とするようなケースの他にも、骨盤の歪みが根本的な問題としてあるようなケース、それからランニング・フォームに問題があるようなケースもありました。

筋肉に痛みがあってよく質問されることは「これは肉離れではないんでしょうか?」ということです。

通常、筋膜炎と肉離れは兄弟のようなもので、肉離れを起こしていなかったとしても、いずれは筋膜炎の後に肉離れを起こしてしまう確率が高いので、現時点で肉離れを起こしていなくとも筋肉に強い痛みや違和感があれば当然「無理はさせられない」・・・ということになります。まず正常な状態に筋肉を戻さなければ次のステップはありません。

肉離れなのか筋膜炎なのか?という診断は、病院でMRI検査を受けると確実な診断が下ります。

参考web画像⇒ その1 その2 その3


MRIとは?⇒ その1

もちろん徒手的な方法でも、ある程度の判断は出来ますが、経過を1週間程度診ていくと明らかになるでしょう。しかしその時期にテーピングなどを行ってスピード系やパワー系の運動を行って負担をかけてしまうと、更に筋肉の状態を悪化させることに成りかねませんから、しっかり診断が出て状態が確認できるまでは、まず運動を抑制して欲しいと思います。

歩いても痛みがあるとか、少し力を入れただけでも「ピリッ」とした痛みがあれば、肉離れを疑った方が良いかもしれません。

自立歩行(立って自分の足で歩くこと)が出来ない場合は完全断裂といって、筋肉の繊維が完全に切れてしまっている可能性もありますので、こういったケースであれば整形外科を受診して早急に対応する必要があります。

通常の処置としては急性期(痛みが発生してから2,3日)は患部をしっかりアイシング(氷で冷やす)して、炎症を抑制させていくことが肝要です。

軽度の肉離れや筋膜炎であれば、その後に鍼施療を行っていくことで、ただ何もせずにシップ薬を貼っておくよりは痛みが早く緩和していきます。ただし痛みが無いからといって一定期間の間は「全力で走る」ことは避けなければなりません。回復期には弾性包帯(バンデージ)などによる筋肉の固定を行っておくとリハビリ期の再発予防になります。

肉離れ(筋挫傷)だと確定している場合には、程度にもよりますが、ある一定の期間は患部に刺激を加えないほうが良い場合があります。また瘢痕組織(筋肉の切れた場所が修復されていく段階で発生する「かさぶた」のような硬いところ)がその後に残ってしまうと、ランニング動作の中で違和感や変な痛みを残すことがありますので、そのようなケースでは無理をせず、2週間から約1ヶ月くらいの時間的な余裕をもって患部を治していく必要があるのです。中途半端な状態で運動を再開すれば、再び受傷部位に痛みが再発したり、受傷部位の「上部や下部に負担が及び、新たな肉離れを起こす」こともあります。

筋膜炎であれば1週間から最低でも10日程度あれば無理をしなければ痛みを緩和させることが可能です。

肉離れや筋膜炎をおこしてしまった後に大切な事は「無理を押し通してスポーツを続けずに早い段階で治すこと」を心がけていくことではないかと思います。肉離れを何度も何度も繰り返していけば、いずれは100%の力で走ることが困難になりますし、その結果パフォーマンスが低下してスポーツ活動に響いてしまうことになります。

肉離れを何度も繰り返して患部に慢性的な炎症が繰り返されると、筋肉が「繊維化」して痛みが引かなくなることもあります。

そういった場合には、手術が必要になる場合もあります。実際にプロ野球選手の中にもそういったケースがありましたが、肉離れを単純に考えて、「ただの強い筋肉痛」と考えて痛みをこらえながら運動してしまうと、その後にこういった手術の適応を余儀なくされてしまうこともあります。ですからまず筋肉を傷めてしまったら「適切な段階で治すこと」をまず考えて欲しいと思います。

それから筋肉を傷めてから、「患部を冷やしたほうが良い」という指導を整体院で教えて貰った・・・ということから、その後にずっと1ヶ月も2ヶ月も傷めた筋肉を冷やし続けてきたクライアントさんがいましたが、これは間違った対応です。

打撲にしても捻挫にしてもケガをしてから数日の間は患部をしっかり冷やさなければなりませんが、その後は傷めた筋肉を暖めていかないと反対にケガの治りはどんどん悪くなってしまいます。

冷シップを何ヶ月も貼って対応しているような人もいるようですが、筋肉を冷やすと「血液の流れは悪く」なります。

・・・ですから壊れた筋組織を修復する為に必要な血液をそこに送り込んでいく為にも、ある程度の期間が過ぎたら「スポーツ・マッサージ」を行ったり、ハリを患部周囲に打ちながら血液の循環を促進しつつ神経を賦活していくことが大切になります。

またストレッチはどうしたらいいですか?という質問が良くありますが、ある一定の期間が過ぎたら「痛みの無い範囲」で筋肉を少しずつ伸ばしていくことも大切です。

下肢(足)の肉離れ・筋挫傷をおこすと、その後に「全力で走るのが怖い」という感覚が出てきますが、そこを「どう改善していくのか?」というのが一番大切なテーマになってきます。

その為には患部だけでは無く、全身的な筋力の相関性やバランスを整えていったり、骨盤や脊柱の状態を整えていく必要があるのです。

肉離れを再発させない為には、自己管理や適切な治療、そしてリハビリ・トレーニングは欠かせない事項になってきますが、そういった広い視野をもった対応を行っていくことが一番大切なことです。

慢性的な筋肉の炎症を引き起こしてしまった方(肉離れの状態で無理を押し通しながら運動を続けてしまった人)は後遺障害(痛みがなかなか引かなくなってしまう状態が続く)が、かなり高い確率で認めています。

まず肉離れをおこしてしまったら・・・

だから「無理を押し通そうとせずに、患部を安静にして治す」ことを心がけて頂きたいと思います。

特に体の硬くなっている人は要注意ですので、日頃からウォーミング・アップをしっかり行いながら、筋柔軟性の確保に努めて欲しいと思います。(by 院長)

腰椎椎間板ヘルニアを治すために必要な要素は?

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横浜・多宝堂治療院にご来院頂いております皆様、また普段から当ホームページをご利用下さっている皆様、誠にありがとうございます。

前回ブログ記事を投稿させていただいたのが、7月14日でしたから、既に2ヶ月余りの時間が過ぎてしまいました。こうやって時間の経過がますます早く感じられるようになってくると、本当に「一日一日の大切さ」というものを実感せずにはおれなくなりますね(笑)

日々、お仕事をお勤めされていたり、学生の皆さんは勉学にスポーツにとスケージュールの詰まった生活の中で、こうして治療院へと足を運んで下さっているわけですから、そういった皆様の「大切な時間」をお借りしながら治療に携わらせて頂いているわけなんですよね。

もちろんその代価として私は施療の度に皆様から治療代金を頂いておりますから、大変重要な責任を感じながら毎日の仕事に取り組んでいかなくてはなりませんし、大切な皆様のお時間をお借りしているわけですから、できるだけ効率的に治療を行わなくてはなりません。

ここにいらっしゃった皆様が、一回の治療機会でどれだけお悩みを解決されているのか満足されておられるのか・・・そこが私自身の重要な日々の課題でもあり、毎日仕事が終わってから治療を振り返り、そしてそこでまた研鑽を重ねていく・・・という毎日の繰り返しでもあります。

そんな中で、先日このような嬉しいお知らせが入りました。

こちらの患者さん(仮名・Kさん)は、ちょうど今年の5月くらいに初めて横浜多宝堂にお越しいただいた男性だったのですが、当初、「慢性的な腰痛と坐骨神経痛」がお悩みでご来院下さったのです。

Kさんにお話をお伺いしてみると、「実は背骨に異常があって、外科的な手術による解決策もあるんですが、何とか手術しないで治したい」・・・とのご相談でした。

詳細は割愛させていただきますが、この男性の腰部には「腰椎椎間板ヘルニア」と「腰部脊柱管狭窄症」といった疾患があって、その為に慢性腰痛や坐骨神経痛が発症していたご様子だったわけです。

Kさんは医療機関で詳細な精密検査を受け、その上で整形外科の専門の先生からは治療法として外科的手術をお薦めされていたものの、実はお仕事をされながら「あるスポーツ活動」を行っており、アマチュアスポーツ活動の中で日本や世界の大会にご出場されながら、大変優秀な成績を飾られていたご様子でした。

ですからできれば手術を避けて、何とか自力で治す方向性は無いのか?といった考え方に向かったのは、そういった今後のスポーツ活動を続けられる上で、ここが「重要な分岐点である」・・・・そう感じられていたからなのでしょう。

「もし手術をすれば1年以上、スポーツ活動が出来ないかもしれない・・。」

たしかに手術を選択すれば、リハビリ期間を含めれば、1年以上はかかる脊柱疾患ですから、その「時間が長いのか短いのか?」と問われれば、Kさんにとってその時間はあまりにも長く、そしてその時間という要素だけでは無く、巷でも囁かれているようですけれども、手術後に足のしびれが残ったり、筋力が落ちてしまうかもしれない・・・そういった手術後の不安が一番先にあったのではないかと感じました。

幸い、このようなお悩みを抱かれてきた患者さんの治療に相当数携わらせて頂いておりましたし、治療による良き効果も認識しておりましたので、Kさんにそのようなお話をしてみると、「治療をお願いします。」とのご希望でしたので、初回を含め2ヶ月の間でしたが、4,5回ほど治療に携わらせて頂きました。

今月Kさんからご連絡が入り、「あれから仕事もトレーニングも続けて、最近東北地方の大会に出場して好成績をおさめることが出来ました。」とのお話をお伺いしたのです。

私は電話の会話の中でKさんに、「あの時に手術を選択しなくて本当に良かったですね。」そう言ってしまったものの、まだKさんのお話を伺っただけで、お身体の状態を完全に把握していたわけでは無かったので、あとから失礼だったかな・・・と反省したのですが、それから1週間後にKさんの施療を行わせていただくと、確かに体幹部や下肢の筋肉に疲労性の緊張が認められるものの、以前よりも筋量がアップして抵抗力が増しているご様子だったので、私はあらためて人間が持っている治癒力というものに大変希望を抱かせられたわけです。

「できれば手術はしたくない。」

これは慢性腰痛や坐骨神経痛を抱えられたどんな患者さんにも共通したご希望ですが、Kさんのように手術を回避して保存的に治療を進めていく場合、一番大切なことはご本人の決意と、疾患に対する正しい認識、そして日常における生活法です。またどのようなスケジューリングで治療を行っていくのか・・・ということも当然ですが重要な要素になってくるでしょう。

いずれにしましても、このようにKさんからお伝えして頂いたようなケースが重なれば重なるほどに、私は人間の治癒力を信じて治療を行うことの大切さを身にしみて感じています。

今年も学生さんや主婦の方から同じような慢性腰痛症や坐骨神経痛などの治療に関するご相談を頂きながら、現在も日々治療を行わせて頂いておりますが、腰部にヘルニアがあって、今までずっとお薬を飲んだりリハビリに通っているけれども、なかなか痛みが治まらない、運動が出来ない・・・そういうお悩みを数多く伺ってきましたけれども、治療によって人の持つ治癒力(治る力)を有効に働かせていけば腰椎椎間板ヘルニアは必ず治って、元のように元気な姿で活動することが出来るのではないかと思います。

その根本的な考え方をワードとして掲げるならば・・・

「血液作用を有効に働かせる為に必要な治療的な要素は何なのか?」
「筋肉と神経の相関関係を取り戻すにはどうすればいいのか?」
「痛み感覚の本当の原因はどこにあるのか?」
「足りない要素を補い多すぎる要素を捨ててしまう為には?」
「治そう、治りたい・・という意識を意志にまで転換するには?」

そういった詳細な要素を解決するために治療を行いながら推し進めてきましたが、更にKさんの経過が今後も良き状態を維持できますように・・・そんな思いを込めながら、今日はブログに綴らせて頂きました。

まだまだエピソードを書ききれていない部分が沢山あるのですが、皆さんの笑顔と今後のご活躍を心で深く願いながら、今日からまた皆さんのお時間をお借りして施療に汗を流して参りますので、この9月後半から年末にかけても横浜・多宝堂治療院をどうぞ宜しくお願い致します。

院長プロフィール・ページでも触れましたが、こちらの新たな治療院ホームページも皆さんから沢山ご活用して頂いておりますようで、スマートフォンからのアクセス数が大変多くなっています・・・との事でした。

本当に嬉しいですね。自前で作ってきた手作り感覚のホームページですが、ブログも何とか続けて参りますので、どうぞこれからも院長ブログにも是非アクセスして下されば幸いです。宜しくお願いいたします。(by 院長)

腰椎分離症と診断を受けたお子さんへの対応・考え方

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<腰椎分離症と診断を受けたお子さんへの対応・考え方>

まずはじめに、成長期のお子さん達がスポーツ活動やその他の諸原因によって腰部の慢性痛を抱えてしまい、その後に整形外科などを受診して「腰椎の疲労骨折、分離症と診断を受けた場合」の今後の対応方法や考え方についてお話してみたいと思います。



以下の内容は
親御さん達からご質問をお受けした際にお答えしている内容です。

Q:運動はすべてさせないほうが良いですか?(完全に休ませた方が良いか?)

A:腰や身体全体の状態によって対応を変えていきます。

Q:このまま腰の痛みを我慢して運動を継続するとどうなりますか?

A:将来的には腰椎分離症から腰椎すべり症へ移行する可能性も示唆されていますが、初期対応をしっかり把握し実行すれば酷い状態にはならないでしょう。

初期対応とは、つまり「まず日常生活レベルでの動作痛を消失させる」ことです。もし就寝時痛があるとか、授業中に椅子に座っているだけでも腰が痛むのであれば、まず運動を回避させて下さい。

Q:病院からは痛みがある程度治まるまでは、「腰のコルセットを装着して下さい。」と言われてますが、腰のコルセットをすれば多少の運動をさせても良いのでしょうか?

A:段階的には可能となりますが、ただコルセット装着を継続しているだけでは運動時の痛みを改善出来ないケースも実際にはあるでしょう。

腰や背中、腹筋などの体幹筋群の機能低下や股関節や下肢の筋機能低下を招いていれば、まずそれらを改善していかなければ、現在、腰に痛みが無くとも運動することで腰痛が再発していくケースも出てきます。

Q:腰椎分離症は再発することもありますか?

A:もちろんあります。

プロ野球選手の中には、成長期に腰椎分離症へと至ってしまったと考えられる選手が相当数存在していましたが、第5腰椎部だけではなく、第3腰椎部にも分離症を認めたケースがありましたし、左右の二箇所に認める場合も確認しています。

ただし「運動時の痛みが永続してきた」わけではありません。必ず腰痛は治りますし、成長期段階で繰り返された腰痛が永久に続くわけではありません。

Q:分離症を抱えてしまうと、将来的にはハードな運動やスポーツは出来なくなるのでしょうか?

A:そんなことはありません。

現に分離症を認めるプロ野球選手達でもハードな練習、運動強度の高い運動に適応出てきています。

ただし現在の腰や下肢の筋疲労度によっては、腰椎部に何も抱えていない選手達よりは、腰痛を「感じやすい」「違和感を訴える」などのような傾向があります。

しかし通常はその他の選手達となんら変わらない練習内容や量をこなせますし、いわゆる「分離症が致命的な障害とはならない。」とも言えるでしょう。

17年間プロ野球の世界に身を置き、多くの選手達を診て来ましたが、腰椎分離症を原因として引退へと追い込まれた選手はほぼ「皆無」でした。

Q:分離症になってしまう一番の原因は何ですか?

A:これは「成長期」に一番の要因があると思います。

通常、人間の背骨はある程度の重量に絶えられるように出来ています。体重の3倍から7倍程度の重量が背骨にかかったとしても、そう簡単に骨折するものではありません。

しかし金属疲労のように、もしそれが弱い力であっても、何度も何度も同じ重量や負荷が同じ部位にかかっていけば、そこに「耐久性の問題が絡んでくる。」ということではないでしょうか。

特に運動時の「ひねり動作」や「前後屈動作」がより多くなればなるほど、腰椎部に対する負荷は当然多くなりますから、そういった動作がより多いスポーツの場合には分離症発生のリスクが高まると言えるのではないかと思います。

特に成長期のお子さん達の場合には、まだ「背骨が未完成=完全に出来上がっていない」ことから、それらの要因も付加されることによって、より分離症を発生させてしまうのではないかと思います。

Q:どうすれば成長期の腰椎疲労骨折(分離症)を防ぐことが出来るのでしょうか?

A:先天的に分離症を起こしやすい体質の人がいる・・・とも言われておりますし、生まれながらにして分離している場合もあると言われますが、もしそうであるならば、きちんとした「比較検討」が行えるように、何らかの「事前検査」を予め設定して、医療機関等でそれが行えるようにするべきではないかと私は考えています。

その上で成長期のお子さん達には適切な運動方法を指導しながら、ただ運動をさせるだけでなく、筋疲労に対するケアの仕方やコンディショニング方法も同時に学ばせていくべきだと考えています。

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人間はロボットではありません。生身の身体で出来ています。

また人が感じる「痛み」には感情も同時に伴っているものです。

長年、私は腰痛を抱えておられる皆さんの治療を続けながら感じてきたことがあります。それはただ「身体的な構造を整えていく」だけでは痛みは消失しない・・・ということです。

人間の身体は厳密的に言わせて貰えば、完全左右対称には出来ていません。手の長さも若干違うし足の長さも違います。心臓は左側に肝臓は右側に位置しています。また姿勢が悪いから腰痛になると言う人もいますが、それでは高齢者で腰の曲がった人全てに腰痛が発生しているかと言えば、そうでは無いのです。

だから身体構造を全て正常に戻す・・・ということだけが、即ち腰痛を解消する術ではない・・・ということになります。それだけ人が感じている「痛み」というのは、複雑で様々な原因から出現しているということです。

腰が痛い・・・と言っても、それは自身の「脳や心で感じている」わけですから、そこにアプローチしていかなければ、どんな腰痛も改善させることはできません。その上で、私が実践してきた腰痛治療アプローチ法の中で、大切にしてきたのは、以下の4つです。

① 身体的な痛みを如何に改善するのか?
② 精神的な痛みを如何に改善するのか?
③ 運動レベルをどう改善するのか?
④ 腰痛に対する誤認識をどう改善するのか?


もし構造的な異常が腰部に現在あるとして、それらを手術で「仮に元に戻す」ことが可能だとしても、手術自体が侵襲的なものである以上、神経そのものや血管そのものを一時的にでも微細に傷つけていれば人間の持つ自然治癒力は低下していくのではないでしょうか。

現に、腰痛の諸原因とされている構造的な異常⇒<腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症>などを改善する為に行われてきた手術によって、一時的には腰痛が改善したように見えても、そこから年月を経てから再び腰痛を抱えてしまったり、別次元の痛み(下肢への酷い神経痛)を抱え悩んでいる人達が沢山存在するわけですから、いくら構造的な異常を改善したとしても「腰痛は無くならない可能性もある。」ということです。

ですから成長期に腰椎分離症へと至ってしまわない為には、上記に掲げたような総合的な観点からケアや治療方法を導き出し、普段からの運動方法を改善する必要があるとも言えますが、腰椎分離症を抱えてしまったからといって、ただ悲観ばかりする必要はありません。腰痛の多くは一部を除いて治ります。

悪性腫瘍、糖尿病など内科的疾患が潜んでいる場合には、慢性腰痛を同時に抱えておられる患者さんは多いものです。そういった身体内部の異常が腰痛を引き起こしているケースでは、「腰痛が消失しにくい」と言えますが、それ以外の原因であれば、必ず「腰痛は治る」と言えるのではないかと思います。

今日は何度かお電話でご質問を頂きましたので、成長期の腰椎の疲労骨折(分離症)に関して少しお話しをしてみました。(by 院長)

ヤンキース田中将大投手の肘・内側側副靭帯損傷とPitcher Abuse Points(投手酷使ポイント)の関連性

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1試合でメジャリーグ投手の1年分の酷使度、アメリカ指標で見るマー君160球の衝撃

・・・・と題して、ナンバーWEBで昨年末に記事が掲載されていた。


上記の記事によると「Pitcher Abuse Points」という「投手酷使度」の目安を計る計算式がMLBで使用されており、通称「PAP」と呼ばれているという。

その数式は→(投球数-100)の3乗で数値を割り出す・・・というもの。

つまり・・・楽天イーグルス時代に田中将大投手は日本シリーズで1試合160球を投げ切ったが、そうすると先程の計算式に当てはめると・・

160球ー100=60、その60の3乗で60×60×60

つまり数値は「21万6000」となる。

記事によれば、「現在、アメリカで「酷使」と見なされるのは1シーズンで10万ポイントを突破した投手だ。」とされているのが常識になっている・・・と記載されている。そうすると田中投手は日本シリーズの投球数だけでもPAP数値が「21万6000」に到達してしまい、たった1試合でメジャーリーグ投手達の1年分×2倍以上の酷使度だったということになるというわけで、それだけ衝撃的な登板だった・・・ということになるが、それほどの投球が可能だった田中投手を「優れた投手」だから・・・と判断するに留まってしまっては話が終わってしまう。

田中投手が楽天イーグルス時代、日本シリーズで登板し160球を投げ切り、連投してセーブも挙げ、イーグルスを優勝に導いてきたのは私達の記憶に新しいところだが、その後、ヤンキースへ移籍し、入団後も大活躍を遂げてきた田中投手が今回、こんなにも早い時期に肘の内側側副靭帯部を部分断裂してしまった・・・といった経緯を考える上で、上記の記事を取り上げたならば、それは一つの大きな意味を持ったものになるのかもしれない。

メジャーリ-グでは10年前から投手起用法の劇的な変化が数字に現れている・・・・とされているが、こうした明確な投手の酷使ポイントを計算して管理・評価されているということを知れば、恐らく過去から現在において、日本のプロ野球投手達がいかに「酷使」されてきたのかが理解できるし、それは優れている投手達ほど、その状況は顕著なものになってきたはずである。

こういった投手達の酷使度を計る計算式をプロ野球投手達だけではなく、少年野球や高校・大学野球界の投手達に当てはめて考えた上で、今後もし適切な管理・評価方法が生み出されていくならば、投手に多い肘の内側側副靭帯損傷を未然に防止していく一つの布石となっていく可能性も高くなるのではないだろうか?・・という予測も立てられる。

そして「投手の肩や肘は消耗品である」・・・ということが当然だとしても、たとえば子供達が野球を始めピッチャーをプレーするとして、試合時に限らず、日常の投球練習を含め、少年野球選手達の肩関節・肘関節を守っていく為の管理・評価方法が、まだまだ明確になっているとは言えない現状もあるのではないか?という危惧感は残る。

その上で、このPAPといった投手の酷使度を計る計算式が、何らかの形で日本人のタイプに変換され、新たな管理基準や管理基盤としていくことも一つの方法論として考えられる・・・とも言えるだろう。

高校野球の今までの状況を鑑みれば、エース級の投手が毎試合連投しながら全国優勝を果たしていく姿は、もちろん私達に感動を呼び覚ましてくれたが、そういった有望な学生投手達がプロフェッショナル・・・つまり職業野球選手として、その後も活躍していくことを私達は切に願ってはいるものの、マチュア学生野球の障害予防的なガイドラインが、まだまだ不完全であり、それらが徹底されているとは言いがたい局面もあるのではないかという風に感じることがある。

プロフェッショナルとしてマウンドに立つ投手達が、実際には「消耗品である肩や肘の関節」をその野球人生の途上で痛め、手術を受けたり致命的な故障を抱えてしまう・・という事実は、当然現在も起こっているし、私自身ももちろんそういった選手達を裏側から支えながら見てきた。

だからこそ根本的な課題へと焦点を合わようとすれば、やはり「アマチュア学生野球選手達」への、適切な障害発生のリスクをどのようにして減らしていくのかという考察を行う中で、上記のような考え方や管理基準というものは当然必要になってくるのではないか・・・という意見に傾むかざるをえないし、大切な要素であるとも言えるだろう。

ここへ来て、田中投手の肘の故障発生によるものかどうかは定かでないが、高校野球連盟が春夏の全国高校野球大会における延長戦時のタイブレーク方式導入に関するアンケート実施を指導者層に行っているというニュースが流れているが、実質的な形で学生野球選手達の身体的資質を守っていく為に必要な要素として、ゲーム形式にまで議論が及んでいくことは、とても望ましい野球界の進展ではないかと思う。

更に・・・今後も各野球協会による少年野球大会の試合形式や日程、また投手起用に関する障害予防基準の明確な打ち出し等があれば、特に若年層の野球選手達の肩や肘を長期にわたり守っていく為の、大いなる布石となっていくのではないかと思う。(by院長)



来年センバツでタイブレーク導入も 
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タイブレーク、甲子園も?
選手の健康管理狙い 日本高野連がアンケート

長谷川滋利(オリックス→エンゼルス→マリナーズ)
/コラム・投手の肩を守る



女性にみられる梨状筋症候群による股関節周辺の疼痛

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若い世代の女性の中に臀部(股関節後方部)に痛みやしびれを自覚している人の御相談があります。私がプロ野球のトレーナー時代、臀部に痛みやしびれを訴えていた選手がおりましたが、通常は「坐骨神経痛」の症状を伴っていたり、股関節を動かすと痛みが誘発されたりして、その原因が「腰部」からくるものなのか、それとも「股関節」からくるものなのか・・・という疑問を抱いたものです。

 

あるプロ野球選手がこのような臀部の痛みやしびれを自覚していた際に、整形外科のチームドクターを受診したことがありました。そして臀部の痛みの原因が「梨状筋症候群」ではないかという診断が下ってから、数回にわたって施療を行いながら、その後の経過を診たことを思い出すことがありますが、この選手の著明な徴候として観察されたのが、股関節を大きく内旋させていことすると可動域が非常に狭くなっておりました。また股関節を屈曲させていくと必ず臀部に痛みが増悪されており、ランニングなどを行っていると足の方まで痺れてきて力が入らなくなる・・・と訴えていたのです。

 

一般の方々の中でこのような傾向を示す場合、腰痛(腰椎椎間板症)などを起因とする場合や骨盤偏位を起因としたものや股関節のズレなどを伴っている場合がほとんどだったようですが、特に若い世代の女性に股関節周囲に痛みやしびれを自覚する人が多かったように感じています。

 

もちろん中年期以降の女性にもこのような症状が診られる場合もありましたが、そういった場合には長年テニスを行ってきたとか、バレーボールを行ってきたといった経年のスポーツ歴をもったクライアントさんに多かったように思います。

 

参考ブログの画像を見て頂けると御理解出来ると思いますが、この梨状筋というのは骨盤の仙骨部と股関節を結んだ線上にある筋肉です。そして梨状筋下部からは坐骨神経という非常に太い下肢への神経が出ておりますので、この梨状筋に強い緊張があると坐骨神経を圧迫して痛みや痺れを出現させてしまうのです。

 

骨盤が大きく前方に傾いていたり、股関節自体が固くて動きが抑制されていると構造的な視点で見ていくと梨状筋は絶えず緊張を強いられる状態になってしまうことが判ります。

 

O脚・X脚の人のように股関節がある一方の動きに傾いている人や股関節をより多く使ってストレスをかけているようなスポーツマン・スポーツウーマンの方はこのような状況から梨状筋症候群に陥りやすい可能性があり、股関節の外転動作や内転動作が固くなっている人なども当然これらに当てはまります。

 

それ以外では長時間起立して仕事を続けているような警備を仕事としているような男性やその反対に長時間を座位(座っている状態)で仕事を続けているデスクワークを行っているような人達も梨状筋症候群に陥りやすいのではないかと考えられます。

 

こういった梨状筋症候群に陥っている人達の下肢(足)を触ってみると片方の足だけが主に血行が悪くなっているのが判ります。ランニングを行って汗をかいても片方の臀部に汗をまったくかかないようなケースもあります。

 

このように臀部の深いところにある梨状筋に異常がある場合には、まず長鍼(長い鍼)などである程度の位置まで鍼刺激を行っていくことで梨状筋の緊張を緩めてあげることが可能です。また梨状筋の柔軟性を確保してから股関節の可動域を徐々に広げていきながら、それと同時に内転筋や中臀筋等をしっかりマッサージして柔軟性を高めていくと更に可動域が大きくなっていきます。

 

このような状態になってから整体を行って骨盤の歪み(骨盤偏位)や股関節の整合性を高めてあげると臀部の痛みや痺れが緩和されてくるようです。

 

スポーツ選手の場合は筋量が多く筋緊張を強く伴った場合が多いものですが、若い女性の場合にはどちらかというと筋量も少ないし、骨盤偏位や股関節の不整合を原因としたものが多いので割と短い施療期間で改善を見せていました。

 

それから仙骨(蝶つがい)に圧痛や安静時痛を自覚している若い女性がおられますが、そういうケースでは骨盤が開いていて仙腸関節にストレスがかかった人に多かったようです。これは出産後の女性にも多い症状ではないかと思いますが、特に痩せていてややO脚気味の人にもこんな症状を訴える女性が多かったように思います。

 

女性の場合は骨盤内に於血(汚れた血液)が滞留しやすいということもあって、特に骨盤周辺の痛みやしびれ、それから鈍重感などを訴える方が多いのですが、私の場合は全身的なスポーツマッサージや全身調整を目的とする鍼施療を行った上で整体を最後に行って女性特有の骨盤周辺の異常に対応しているのですが、その方が体全体に軽さというかスッキリ感が芽生えてくるようなのでそうしているんですね。

施療後の顔色が薄桃色になった状態を確認することが出来れば、ほぼ99%の女性がそのようなスッキリ感で痛みも改善されているようですね(*^_^*)

いずれにしても若い女性の場合には、股関節周囲の痛みやしびれ単独の症状というよりも腰を中心とした骨盤のバランスに問題を抱えている人が多く、これは体幹(腹筋や背筋、側腹筋)の筋群の機能不全も根底にはあるように思いますので、こういった体幹のコンディションを高めてあげるような運動療法を指導して、普段から自分の部屋で行って貰うことで体の中心部である骨盤のバランスを良い状態に保って頂くことが一番の予防法になっていくのではないでしょうか。(by 院長)



<参考Web> 

梨状筋症候群

足首の捻挫/障害対処法(1)

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 昨日の夕方頃に少年野球チームのお子さんの足首付近の疼痛主訴によるご相談をお受け致しました。お話を伺ってみると、3週間ほど前に足首をマウンドのプレート辺りで捻(ひね)ってしまい、受傷直後に一度接骨院で診て頂いたけれど一向に痛みがひいていないということでしたので、患部をよく確認してみると「足首の前側」に疼痛を自覚しています。前方引き出しテストや靭帯の弛緩性テストをすべて行っても、特に「関節の緩み」は認められません。しかし痛み自体はどうやら「前脛骨筋の下部(足関節前側のややスネより」にあるようです。ここは関節支帯と言って、筋、腱を保護している帯状の軟部組織がある部位です。

ケガをしたときの状況をよくよく伺ってみますと、どうやら足首の前方が過剰に伸ばされるような状態で足首を捻ったということだったので、捻挫は捻挫でも通常の「内反捻挫(外くるぶしの下側の靭帯を痛める捻挫)」では無く、足関節前方部を傷めるような「底屈強制捻挫」のようです。このような捻挫の場合、初めに記したように、スネの下側まである「前脛骨筋」や、足首の前方部にある「前脛骨筋の腱」が損傷していることがあります。3週間も痛みがひかないということで脛骨骨端部骨折の疑いも完全には否定できませんが、そのような「軟部組織」を損傷しただけでも、受傷直後の段階で適切な施療や処置を加えておかないと、腱や筋肉の炎症が慢性化してしまうケースもあります。

念のため「亀裂骨折や剥離骨折」も疑いそれを確認する為に、スポーツ整形外科医を受診して頂くことにしましたが、若し仮に「骨折が無かったとしても」およそ3週間も足関節付近の痛みが持続することがあれば、必ず「レントゲン」を撮って骨の状態をきちんと確認しておくことをご父兄の皆様には指導しています。何故なら足関節の場合は常に体重をかけてしまうので、仮に小さな骨折であっても、そのまま体重を掛け続けていると骨折が完治しないばかりか、二次障害を起す可能性もあって危険な状態を生んでしまうからです。若し骨折があれば直ちに松葉杖などを使用して、体重負荷を無くさなくてはならないのです。

足首の障害、若しくは足首付近の筋肉や腱、そしてふくらはぎの筋肉や膝関節なども含まれますが、下肢の障害が発生したときに一番に行わなければならないのは、「患部に体重をかけないようにする」ことです。

プロ野球の試合においても捻挫や下肢の障害・ケガはつきものですが、下肢の障害を早期に解決していく為には、まず「初期の患部の安静」を速やかに行うことです。そして次に行うのが「障害によって発生した炎症部位の腫れを抑制する為に、患部のアイシング&コンプレッション」を行います。そして出来れば速やかに医療機関などで受傷部位の状態を確認する為に「医療機関で診断・処置」をして貰う必要があります。軽い捻挫であれば何週間も何ヶ月間も痛みが引かないわけがないのですから、若し捻挫や下肢の障害がそのような状態であれば、必ず医療機関で必要な検査を行うようにしてください。その上で安全な施療やリハビリを行っていけば必ず良くなるのです。

捻挫の受傷直後に患部を「温めたり」「動かしたり」「刺激を与えすぎたり」「電気治療器をかけて筋肉を動かし過ぎたり」すると、軟部組織の炎症が増して障害部位の拡大や、その後の慢性後遺痛を発生させる最大の原因になることがあります。どうかくれぐれもご父兄の皆様にはそのような間違いを起さないためにも、よくよくこのような障害に対する基本を認識しておいて頂きたいと思います。



<足首の捻挫後の慢性的な痛み>


横浜・多宝堂には慢性的な足首の疼痛を訴えてご来院いただくケースも非常に多いのですが、上記にありますように、捻挫直後の初期対応が遅れたり、治癒過程の中で中途半端な状態で運動を再開してしまうと、「足首の捻挫は慢性痛を引き起こす確率が高くなる」のが現実的な問題となります。

クライアントさんの足首を確認してから、どうも「軟骨に異常を来たしている感じがする」場合もあるし、「靭帯がかなり緩んでいて足首がグラグラになっている」場合もあります。

そのような状態で足首の慢性痛を自覚しているケースでは、施療を行うばかりでは無く運動療法やその後の足首の固定保護は欠かせない対応となります。またもしこれまで医療機関を一度も受診していない場合には、「骨や軟骨部の障害」及び「靭帯損傷の程度」をドクターに検査・評価して貰い、その後の適切な処置や対応が必要になってくるケースも稀にあります。

一番大切な事はまず「運動時に痛みがあるのかないのか?」または「運動後に痛みが酷くなっていないかどうか?」ということであり、そのような経過をしっかり見極めて適切な対応を行っていくことで、足首の痛みが治っていく・・・ということになります。酷い場合には足首の靭帯が付着している軟骨部に異常が認められ、オペ(外科的手術)を行わなければ完全に足首の機能が戻らないようなケースがあるので、「足首の捻挫」を軽くみないようにしておくことが大切です。

お子さん達の場合には自体重も軽く、それほど酷い捻挫は確認したことがありませんが、プロ・スポーツ選手はもとより、成人の場合には体重があるので、軽度の捻挫から重度の捻挫まで確認しています。また10年、20年前の学生時代に部活動などで足首を捻ってから、今までずっと痛みを我慢しながら生活を送ってきた・・・といったようなクライアントさんもいらっしゃいましたが、やはり初期対応やその後の処置に問題があったようなので、やはり足首の捻挫に対しては「初期対応」が一番大切であるということではないかと思います。

横浜・多宝堂ではそのような慢性的な捻挫に対して施療を行うだけに留まらず、その後の運動療法の手法や固定保護に関する生活指導も行わせて頂いておりますが、足首の慢性痛を早期に解決していくためにも、「適切な指導&治療」と「適切な日常での運動方法を指導する」ように心がけています。



<参考ウエブページ>


足関節スペシャルテスト

足首の捻挫・応急処置としてのアイシング手法やその後の対応


変形性膝関節症による膝の痛み

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クライアントさんの中には膝の変形性関節症による痛みで施療に訪れる方もおられるのですが、そういった場合は特に西洋医療機関による診断や対応について詳しくお伺いをしてから施療に取り掛かるということになります。

膝関節の関節面の軟骨が磨り減ってしまい、かなり酷い痛みを訴えられているクライアントさんのケースでは、膝関節用ブレースを医療機関で作って貰うケースも出てきますが、それでも痛みに対応出来ないような状態悪化が著しいクライアントさんの場合には「人工関節置換術」に踏み切らなければならないクライアントさんもいらっしゃいますね。

変形性膝関節症の場合、初期の段階では僅かな痛みだったものが、膝をかばって生活するようになってくると、歩行の際にかなり偏った歩き方になる場合がありますし、実はそのような歪んだ歩行を継続していくと、膝関節はどんどん悪化してしまう事が多いのです。

これは膝の内側に痛みが多発する事によって、膝の外側に自体重をかけながら歩いている場合がほとんどで、このような歩行スタイルを継続してしまうと、大腿筋膜張筋の過緊張によって膝の歪みの根源を作り出す一番の起因となっていくからです。

そのような状態で歩くよりは、早期にブレースの保護を行いながら、鍼施療によって疼痛の緩和を図っていくことが望ましく、もちろん鎮痛消炎目的の非ステロイド注射等を行っているクライアントさんが多く存在している事も知っていますが、出来れば薬の量を減らしながら治癒を試みていく・・・といった事も考えていらっしゃるのであれば鍼施療や医療マッサージは非常に有効な手段であると思います。

変形レベルが中等度になってくると痛みの頻度は更に多くなっていきます。その辺りからクライアントさんの歪んでしまった歩行により更に膝の変形が進んでいく・・・ということを考えれば、初期から中等度のレベルの際に鍼や医療マッサージの施療がとても有意義な治療であるということが解ります。

先にも挙げた通り、状態悪化(軟骨部の磨り減りが進行してしまった状態)が著明であれば、人工関節置換術などを行わなければならなくなってしまうようなケースも多いのですが、近年では人工関節に用いられてきた材料自体が西洋式の物から日本人に合ったモノに改良されてきましたので、術後の生活も大変楽になっているようです。

いずれにしても変形性膝関節症は進行していく類の傷病になりますから、早い段階で適切な施療を行っていきながら、痛みの発現を最小限に抑えて、適切な運動やコンディショニング法が求められてきます。

クライアントさんの日常生活や仕事の場面で、膝に負担が及びやすいといったケース(立ち仕事の時間が長いとか膝に負担のかかる仕事を行っているなど)では、変形の進行が早く進んでいく場合もあるので、そういったケースでは仕事の変更や日常生活の中における膝の使い方や運動頻度に対する改革を行わなければならない等の問題があります。

膝を庇って歩く・・・ということ自体が変形を進行させていく一番の原因になることからも、まず疼痛に対する解決を早期に治めていきながら、適切な運動やリハビリを行いながら、外科的対応を余儀なくされるといった状態を回避していくことが望ましいのではないかと考えます。

もちろん先にも挙げた通り、状態の酷くなってしまったクライアントさんのなかには、人工関節置換術によって対応を余儀なくされてしまう・・・といった方もおられるのですが、そうならないように解決策を講じていく為にも、現在の対応が適切にコントロールされているかどうかを判断していく意味においては、鍼やマッサージによる「痛みのコントロール」によって、どの程度改善していくかが、その後の「変形進行度」にも影響を与えていくものであると感じてきました。

つい最近では、当治療院で紹介させて頂いたKさんがY総合病院で膝用ブレースを作って頂いたのですが、変形の状態が「手術適応レベル」と事前に判断されていたので、ブレース装着によっても疼痛の緩和が図られず、結果的には人工関節置換術を受けることになったわけですが、このような痛みが酷い状態が自覚されており、通院している病院からも「手術の適応あり」と判断されたケースでさえ、なかなか手術に踏み切る勇気というのは出てこない場合もあるようです。

手術を行う場合には入院が約2~3週間となるようですが、そういった治癒にかかる時間や精神的な不安を考慮に入れたとしても、まず確実な対応を行っていただける整形外科を受診して、確実な方法で治癒を目指すべきではないかと考えます。

人間は自らの足で歩行出来るということが、どれほど幸福な事であるのかを忘れがちですが、日常の中でまず「歩く」ことを心がけながら、自分自身の足腰の弱化を防いでいく意味においても、そういった日々の努力を怠らずに賢明に生活をしていくことが大切な事であるということに気が付かされます。

もちろん仕事などで体の一部に負担を多くかけ過ぎてしまって関節を痛めてしまう場合もありますが、そういった負担を少しでも軽減させていく為にも、横浜・多宝堂治療院では現状改善、または現状維持を目的とした施療を多く手がけてきましたので、もし膝に対するお悩みをお持ちのクライアントさんがいらっしゃいましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。(by 院長)

陸上選手の足(親指)の痛み・代償性運動による二次的な障害

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スポーツ障害は同じ動作の繰り返しによって、肩や肘、手首、腰や膝、足首などの関節に過度のストレスがかかって「微小損傷」により発生することが多いものです。

先日、初めてここ横浜・多宝堂におこしいただいた「中学生の陸上選手」からのご相談を例に挙げて今日は少しお話しさせていただきましょう。

Aさんの訴えた症状はまず「両足の親指の痛み」があることと「片側の膝の後ろ側の痛み」でした。親指に痛みを自覚していたAさんは、まず整形外科へ行きレントゲン検査を受けました。「骨には異常が無い」と先生に言われたそうですが、練習でランニングを行っていると、やはり両足の親指に嫌な痛みを感じているので大変困っていたご様子でした。

さっそく両足の親指を確認してみると、確かに変形がある様子では無いし、外観から診ても腫れは無く「酷い炎症症状がある状態」でもなさそうです。電話でご相談を頂いた際には「外反母趾」の可能性も示唆されたのですが、変形などは全く無いし腫れがありません。普段から使用している靴が合わなくて痛みがあるのであれば、靴を変えれば良いことですが、どうもそうではなさそうです。

「膝の裏の痛みはいつ頃からあったんですか?」

「去年の夏ごろからです。」

「そのときはまだ足の親指は痛くなかったんですか?」

「はい。親指の痛みは今年に入ってからです。初めは片方の足の親指が痛くなって、次にこっちの足の親指が痛くなりました・・・。」

そこまでお話をお伺いしてから、私はすぐに足の親指の痛みの要因に気が付きました。昨年の途中から膝の裏に痛みを自覚していた・・・ということは、当然 無意識的に痛みをかばってランニングなどを行っていたはずです。

「膝の裏が痛かった頃から、かばってランニングをしていたでしょう?どうですか。」

「はい。かばってたと思います。」

「そうですか。恐らく膝の裏の痛みをかばいながらランニングをしていたので、走る動作の中で足の親指で地面を蹴るときに不自然な足の動きが入ってたんじゃないかな・・・と思うんだけど、どうでしたか?」Aさんは少し考えて、軽く頷きました。

これはAさんのような膝の裏の痛みだけに限らず、股関節や大腿部、下腿部の痛みにしても同じ事が言えるのですが、下肢のどこかに痛みを自覚していれば、当然 その痛みをかばってランニングを行ったり、スポーツ動作を行うことになります。

「痛み」を感じると、通常 その部位には力が入りにくくなるものです。だからその分だけAさんは「足部」に余分な力を入れながら地面を蹴って、膝の痛みがなるべく出ないような形態で走り続けてきてしまったその結果、今年に入ってから両足の親指に「ストレス痛」を発生させてしまった・・・ということになります。

Aさんは片側の膝に痛みをかかえていた頃から、下肢の筋力全般を使ったランニング・走動作が出来なかったわけですから、その頃から「代償性の動き」が「足部」に入ってきてしまった為に、二次的な障害を「両足の親指」に抱え込んで困っていたのです。

「それじゃ、足の親指の痛みだけが治っても、またすぐに痛くなってくるだろうから、まず膝の裏の痛みを治さなくてはね。」そう私がAさんに告げると、「その通りなんですよね。」と言葉で云わなくても伝わってくるような眼差しで頷いてくれました。

病院で検査を受け、痛みのある患部に異常が無い・・・と、先生から言われただけでは、スポーツ障害というのは完治しません。それは私が今まで行ってきた多くの施療の中から感じてきたことです。「骨に異常がない。」「靭帯も異常が無い。」だから「患部に湿布を貼って少し休ませなさい。」と指導されても、部活動を休んで見学ばかりでは、何のために医療機関へと赴き時間を割いて相談に行ったのか・・・・それが無意味に思えてくるのでしょう。

「何とかこの痛みを早く解決しなければ・・・。」そんな思いがAさんの表情から伝わってくるのです。

私達スポーツ・トレーナーというのは、選手に治療を施すだけではなく、その障害に至ってしまった経緯を探ることから、まず始めます。そうしなければAさんの足の状態を改善できないことを知っているからです。だからただ身体の表面上からマッサージを行ったり電気をかけたりするだけで「簡単に解決する状態」では無いケースだとここで判断したならば、「患部を治療するだけでは無く、身体の動きの改善点をすべて洗い出し、その情報を選手に伝える」ことから入っていきます。

なぜ膝の後ろ側に痛みがあると、そのような走り方になってしまうのか。なぜそのような走り方になると足の親指にストレスが発生して痛みが出てくるのか。

それがAさんの頭の中で理解できれば、まず「イメージ」が出来上がります。Aさんの身体のどこにも異常がなくて、気持ちよくランニングを行っていた「良いイメージ」が必ずAさんの内部感覚には残っているはずです。そのときの内部感覚を呼び戻す為にも、まず下肢の障害を治して「痛みの無い状態」に戻さなければなりません。そして痛みが無くなったとしても、それではどうして膝の後ろ側に痛みを発生させてしまったのか?という真の要因がここで解明されなければ、また同じ事を繰り返してしまう可能性もあります。

だから「痛み止めのお薬を飲んだり湿布を貼ったり」しても、スポーツ障害が解決しないというのは、実はそういうことを云っているのです。「身体の何処かをスポーツによって傷めてしまう」その要因には色んな要素があります。負担のかかる動作、代償性の動き、筋力不足、筋力過多、柔軟性の不足、過度の柔軟性、体調不良、栄養不良、身体特性のスポーツとの不一致、アクシデント、運動環境の不良、指導法の誤り・・・などなど。その何れにも必ずスポーツ障害の要因というものは隠れているものです。

「再発を防ぐ為に必要なこと」「治す為に必要なこと」というのは、違う事のようで実は同じ道理の中に存在しています。再発を防ぐことをまず認識し理解していかなければ、もし今後治ったとしても又、同じ場所を怪我したり傷めてしまうのですから、それでは結局同じ事の繰り返しになってしまうからです。だから「再発予防と治す事」というのは同じ意味を成していることになるのです。

しかしそこまでを理解していくには、当然 時間がかかります。なかなかそう簡単に理解はしてくれません。まず患部が良くならなければならないし、状態が良くなってはじめて「再発の危険性」を改めて実感することになります。何故なら痛みが無くなってからも「怖さ」を実感するからです。「また痛くなるかもしれない。」みんなそう感じながらスポーツへと復帰していきます。しかし「予防策への実行」があれば、その不安もいくらか解消できます。その為にリハビリやトレーニングの中で「自信」をつけなければならないのです。強化トレーニングというのは身体を強化する為のものですが、実は「選手自身の不安を取り除き勇気を引き出すため」にも機能しているのです。

「これだけ自分の身体を自在にコントロールできれば、もう故障なんかしない。」

そのような領域に意識・精神が入ってくれば、選手の動きには自信が満ち溢れてきます。だから不安を感じている選手の動きや表情を見ているとそれが良く伝わってくるし、そういった選手が故障をおこす確率が高くなることも理解できるのです。

自信をもって走り続けていく為に必要なこと・・・その事を施療を通じながらAさんに理解して貰いたかったのですが、どうだったでしょうか?上手く伝わったかな。Aさんにはこれからも夢を追い続けながら走り続けて欲しい・・・そんな思いで今日はブログを綴らせていただきました。(by 院長)

ハリ刺激が痛みを解消する・・・ということ

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人体へのハリ刺激が人間の脳へと作用して「痛みを麻痺させる」という事実は、様々な形で実証されてきました。以下の文章はBBC/Independentによるものです。

【BBC/Independent】
 

このたび行われた研究によれば、鍼術によって脳が非活性化させられる効果が発見されたとのこと。実験では、鍼術を施した被験者の脳をMRIスキャンし、そこで実際に鍼術が脳に作用している事が明らかにされたという。またこの発見は、これまで中国を中心にたびたび行われている薬物麻酔を用いない切開手術というものを説明する手がかりとなるだろう。また今回の研究では、鍼術によって実際に「脳の辺縁系=痛みを認識する部位」が非活性化されることが発見され、いかにして鍼術が鎮痛効果を持つのかを明らかにすることが期待されている。

実験に参加したブリストル大学教授、キャシー・サイクス氏は次のように語っている。「鍼術を行っている最中に、脳の中で痛みを受容する特定部位が明らかに非活性化されたわけです。つまり、そこで人はある刺激が痛いか、そうでないかを判断します。したがって鍼術は人が痛みを感じる閾値に作用している・・・と、そう考えられるわけです。」

実験では、被験者を大きく二つのグループに分けて行われた。一方のグループは、1mmの深さで背中にハリ刺入が行われ、もう一方のグループには同じ部位に1cmの深さでハリ刺入が行われた。そして鍼術開始後まもなく脳のMRIスキャンを行った結果、脳の運動野(刺激に反応する部位)が活性化されることが確認された。しかしその後、鍼術師が更に深く針を被験者の身体に刺入し鍼術においての「ツボ」と呼ばれている部位で針を振動させると、脳の辺縁系が明らかに非活性化されていくことが確認された・・・という。

実験に参加したロンドン大学の神経科医マークリ・リスゴーは、今回の発見は、物理的な刺激が脳に影響を与えることを実証した意味で大きな発見であると語っている。

「これは何故鍼術が有効であるのかを説明しうるものになるかもしれません。鍼術によって引き起こされる、まだ知られていない神経生物学的メカニズムの発見だと言えるでしょう。」

今回の実験に参加した被験者らは、鍼術が施されている間、何か「もぞもぞ」とした感覚は感じたものの、痛みは感じなかったと語っている。また科学者らは、これまで薬物やほかの医学療法によって、脳の一部位が活性化されることは数多く目にしてきたものの、こうした逆作用を目にし、その驚きを隠せなかったという。

「今回、我々は鍼術師に協力を頂いて科学的手法の上で実験を行ったわけですが、そこで全く予想外の結果を得られたことに非常に興奮しています。それは鍼術が脳に明確な影響を与えているという事実です。」

また今回の実験に伴って、サイクス博士は実際に中国を訪れ、そこで鍼麻酔によって開胸手術が行われる模様を視察したという。鍼麻酔とは、通常の薬物麻酔を用いずに、鍼のみで患者の痛みを麻痺させ、患者が意識の有る状態で脳や胸部の切開手術を行う・・・という手法である。またそういった鍼麻酔で行われる外科手術中は患者の意識があるため、医師と患者が会話をしながら手術を行うことさえ可能である・・という。 


私自身も約25年以上の月日の最中で「ハリ治療」を続けながら、多くの患者さん達が痛みを克服していく姿を垣間見てきましたし、私自身もハリ治療を受け、痛みを克服してきた経験がありますから、上記のような研究が成されずとも、体験的にはハリ治療というものが、現在感じている痛みを解消していく・・・ということに疑う余地などもちろんありません。ただし、痛みの出現する機序の中には、もちろん様々な要素があるので、「全ての痛み」に対応出来るのかと言えば、それは嘘になるでしょう。 

しかし今 現実の世界で痛みを実感している誰かが、何の理屈も解らずに初めてハリ治療を受けたとしても、その効果を実感として感じることは可能である・・・ということは嘘ではありません。何故なら・・例えばお子さん達(たとえば小学校4年生くらいのお子さん)がここへやって来て、私のハリ治療を受けておられますが、彼らは人生で初めてハリ治療というものを受けるわけです。そして彼らは「なぜ?ハリを身体に刺入するのか?」ということを親御さん達から理論的に説明を受け、治療院へやってきたわけではありません。

もちろん親御さんの中には、お若い頃にギックリ腰を患ってしまい、厳しい痛みの感覚に襲われて病院を受診したものの、1週間経っても2週間経っても痛みの感覚が残っていた為に、近隣の治療院へと足を運んでハリ治療を受けたら痛みから開放された・・・といったような経験をもっておられる方々もいらっしゃいますので、そのような体験的な事をお子さん達にお話なさっている場合もあるようです。・・・・かといって、それでは何故?ハリ治療を行うと、それまでの酷い痛みが解消して楽になっていくのか?・・・という科学的な根拠などは、当然ほぼ持ちあわせておられないでしょうから、「とにかくハリを打って貰えば、痛みが楽になるから・・」と仰って、お子さん達を納得させながら治療院へとお越しくださっていることもあるのではないかと思います。

だからこそ理屈的な問題、科学的な根拠というものは、もちろん施療を行っている私達にとっては非常に大切な部分ではありますけれども、実際的には「本当に痛みを緩和させることが出来るのか?」ということの方が更に大切な要素になってくるわけです。これは一番正直なところなわけです。ただし・・・医学的、科学的な根拠も無しに、ただただ痛みの感覚を抑制できるから、ハリ治療というものが「万能である。」という風に捉えるのは、やはり正しくない認識である・・・そうとも言えるでしょう。

例えば「ある部位の靭帯が断裂していて、関節を動かそうとすると強い痛みを感じる。」とか、「感染症によって酷い腫れや痛みを感じる。」といった場合には、ただただ痛みを抑制しても、その根本的な原因を解消しておかなければ、ハリ治療そのものの行為が、無駄に終わってしまうケースだってあるわけです。「虫歯で歯が痛い」・・・といった場合にもそれは言えるのですが、そのようにして根本的な原因があれば、まずその原因を解消する必要がある・・・・そういうことになるわけです。

いっぽう患者さん達の中には、例えば「腰部椎間板ヘルニアで手術を行った。」とか、「腰部脊柱管狭窄症で手術を行った。」など、痛みやしびれの原因が医療機関で特定され、その痛みやしびれの根本的な原因解消の為に手術が行われたにも関わらず、痛みやしびれが遺残している。または反対に今まで無かったような症状・・つまりは違和感であるとか、今まで感じなかった部位に痛みやしびれを感じる・・・などといった、外科手術後の遺残症状を訴えて、治療院へと訪れていらっしゃるケースも多々あるわけです。これはどうしたものでしょうか。

医療機関で痛みの原因が解明され、外科手術が行われました。そしてそういった手術によって痛みの原因が解消された・・・にも関わらず、痛みや違和感は完全に解消されていない患者さん・・・が存在するわけです。これは一体どのような根拠によって、そのような状況が生じているのでしょうか。そうしてそういった患者さん達がここ治療院へと起こしになります。この痛みを何とかしたい。違和感を解消したい。そのためにハリ治療を受けていきます。そのような状況の中で、「今まで眠れなかったほどの激痛が嘘のようにして解消されていく。」といった事実がここにあるわけです。

しかし本当は「嘘のようにして痛みが楽になっていく」・・という現象に対する科学的な根拠や実証というものは当然既に、この世の中に沢山あるわけですから、それは嘘では無くて真実の出来事なわけです。人間の脳には生まれながらにして「痛みを抑制する神経システム」が備わっています。女性がお産が出来るのも、当然この神経システムが存在するからです。そして女性が男性よりも痛みの感覚に強いのは、「子供を産まなくてはならないから」かもしれませんね。もちろん男性にも同じように、脳には痛みを抑制する神経システムがあるわけですから、女性よりも痛みの感覚に敏感であったり、弱いから・・・といっても、きちんとそういった痛みを抑制する神経システムが働けば、痛みは楽になって解消されていくものです。

一番大切な事は、まず痛みの原因を医療機関等で特定する必要はあるけれども、その解消法・・・つまり、たとえば先程のような例で言えば、外科的手術を要する一件であれば、本当に全てのケースで「痛みが解消されていくのかどうか?」ということになるわけです。しかし全てのケース・・・というのは、ほぼ皆無に等しいはずです。必ず、代償的な症状や感覚が多少は残るか、または違う症状というものが出現しているのではないかと思うわけです。これはここへお越しくださった皆さんの感覚的なお話から、そう感じるようになったわけです。

ただし、そういったことによって、モノが食べられなくなるわけでもない。また歩けなくなるわけでもない。また思考能力が無くなるわけでもない。そして・・・モノを見たり聞いたり感じたり、話が出来なくなるわけでもありませんから、生きていく為に必要な状態が極度に悪化するわけでもない・・・・そうとも言えるでしょう。つまり手術後に痛みやしびれが残ったとしても、それさえご本人が我慢することができれば、「生きていける」ということなのです。しかし「痛み」の感覚を日常生活の全てにおいて感じてしまえば、その痛みの感覚によって心が全て支配されてしまうことにもなります。

何も考える余裕が無くなってしまう。また歩こうとする時にも足が一歩も前に出ないし、大好物を食べても味が感じられない。または面白い映画を観に行っても楽しくないし、ただただ痛みという感覚が日常の中に感じられるだけで、全ての日常生活が苦しくて台無しになってしまうほど悪影響を持った最悪の感覚だ・・・ということを私は感じないわけにはいかないのです。これは本当に深刻な問題と言えるでしょう。

これは私自身も自分の身体を通して実感したことですが、「この世の中に痛みの感覚ほど、辛く苦しいことは無い。」ということです。医療関係者の方々というのは、このことをよくよく頭の中に忘れずに入れておかなくてはならない・・・そう私は強く思います。「痛み」というものは、あくまでも「その個人の感覚」ですから、もちろん目で確認することが出来ません。もちろんCT画像にもMRI画像にもレントゲン画像にも痛みの感覚は映りません。そういった痛みの感覚というのは、あくまでも主観であって、客観視することは不可能に近いからです。

痛い・・という感覚が、日常の中で私達に出現したときに、私も含めて多くの人達が体験してきたことだと思いますが、まずその痛みを感じている部位に「手を添えて、さすったり押さえつけたり」しなかったでしょうか?プロ野球選手達もデッドボールが背中や足に当たると、そこに痛みがあれば、何も考えずにその当たった場所へと手をやってますね。そういう反射を脳が無意識的に起こしているわけです。たしかに、その痛みのある場所へと手を添えると、何故か?痛みが少し楽になったように感じませんでしたか?そうなんです。そのようにして人間の脳には、痛みを抑制する神経システムがあるので、そのシステムを起動させる為の行動が本能的に顕れる・・・ということなのです。

人はお腹が痛ければお腹を押さえますし、歯が痛めば頬の辺りを手で擦ります。犬だって、どこかが痛ければ舌を使って、その部位を舐めて刺激をしています。そうやって痛みのある皮膚部位を適量刺激すると痛みの感覚が減少する・・・ということを本能的に人間も動物も知っているということになるわけです。

ところが・・・人間というのは凄いですね・・・。もう何千年も前に、この本能的な痛みへの対処法から、ハリ治療という医療行為を生み出したわけです。初めは木製の枝の先を尖らせ皮膚を刺激していましたが、次には金属製のハリを用いるようになりました。そして金属製のハリ器具は皮膚を通り抜けて、皮膚の中や筋肉などの深部に入れることも可能になったわけです。

それまで人間は痛みのある場所に刺激を与える為に「手」や「木」を用いてきたわけですが、金属製のハリを用いることで、「身体の中」にまで刺激を加えることが可能になったわけです。そこが凄い進歩だったわけですね。もちろん人間は進化の途上で人体に刺激を与えるものの中で、更に発展を遂げていくわけですが、それは何かというと「植物」などを煎じたり焼いたりしたものを飲むことで、身体に刺激を与える・・・という方法を見つけ出しました。

中国の漢方薬もそうですし、西洋医薬もそうですし、アロマのような香油も、そういった効果を発揮するものです。しかし最も根本的なことは、私達が普段から食べている食物というのは、当然、身体に刺激を与えている・・ということにもなります。もちろんこれは「刺激」というよりは分類的には「作用」と言ったほうが良いと思いますが、いずれにしてもそれらが人体に何らかの刺激を与えて作用を及ぼしているわけです。

話がやや逸れましたが、つまり「体表から与える刺激」も「体内から与えられる刺激」も、そこから脳へと伝わって何らかの作用を及ぼすことで、私達はそれによって「様々な感覚」を得ている・・・・そういう根源的なテーマがここにあるわけです。人が心地よい・・と感じている時に、脳にはどんな状態が生じているのか?また人が痛くて辛い・・・と感じている時に、脳は一体どんな状態が生じているのか?またそういった脳の状態を何らかの刺激や作用によって意図的にコントロールすることが本当に可能なのかどうか?

まず痛みに対する原初的な対応の中には、ハリ治療や物理療法のような刺激を用いた治療方法があります。そして第二には、ある作用のある物質を体内に取り入れて痛みをコントロールしようとする薬物療法もあります。第三に、侵襲的な外科手術というものによって痛みをコントロールしようとする場合もあります。そして第四には、心理療法や催眠療法のような心の側面、精神作用から痛みをコントロールしようとする場合もあります。しかし根源的なものに思考を向け、痛みの感覚やコントロール法というものを考えていくと、実はそのどれもが、万能では無いことにも気が付かされます。もちろん全身麻酔をかけてしまえば、意識や感覚が薄れ、痛みを感じなくさせることは可能になっていますが、その状態を永続することは不可能に近いでしょう。

ということは・・・どのようなケースであれば、どの治療法を用いたほうが良いのかどうか?ということを経験的・実質的な形でデータを残し、最適な治療形態を形作っていくことの方が、人間のための医療として真に有意義ではないのか?・・・というテーマに行き着くことになってくるわけです。その中にあって、私達のような施療家は、このような原初的な治療行為を行う人間として、多くの患者さん達が現在感じている痛みやその苦しみへと対応していくことが、最も重要なテーマである・・・そうとは言えないでしょうか。

施療家の中には、「痛みなんか治せたって、そんな事はたいしたことではない。」「痛みは脳からの警告シグナルなんだから、痛みが出るのは当然だし痛みなんて解消する必要はない。自然に良くなれば痛みなんてなくなるんだ。」と、そのような考えを持っている方々もいます。そしてそういった方々というのは、内蔵疾患を事前に予防したり治すことの方が有意義な治療行為である・・・といった自身の最大の治療テーマを掲げておられる場合があるかもしれません。

しかし本当にそうでしょうか?私はやはり痛みは解消されるべきものだと思っていますし、私達が手を添え、またハリ治療を施すことによって多くの患者さん達が痛みから開放されるという事実は、この世の中でとても価値的な行為である。そのように私は強く感じてきました。それは患者さん達が痛みの感覚から生じてしまった苦しみの心から解き放たれ、そして笑顔で日常生活を送っておられる姿をご覧になれば、きっとそういった考え方を持ちながら施療を行っている方々であっても、考え方を一考せずにはおれないと思うからです。それだけ痛みの感覚ほど人間にとって苦しいものはない。そういうことではないでしょうか。

もちろん・・痛みにも様々な分類があるのは皆さんもよく御存知だと思いますが、そういった痛みへの対応や解消法というのは本当に深くて、まるで人生そのものを勉強しているような気持ちにさせられる時があります。何故なら、痛みの感覚ほど、人間にとって何らかの心の作用を促している存在は無いから・・・とも言えるのではないでしょうか。

6月もあと5日足らずで終わり、7月へと向かっておりますが、梅雨時期がこのまま長引きそうな気配を漂わせながらも、来月は一体どんな気候になっていくんでしょうね。カラっとした夏空が早く顔を出してくれたらいいな・・・そんな願いを込めて、今日は「痛みとハリ治療」について、最近心のなかで感じてきたことをブログ上で少しだけ綴ってみました。

ここに起こし下さっている皆様が、一日も早く痛みから開放されて笑顔で生活されますように・・・日々そう願いながら、また7月も施療へと汗を流して参りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。またここ横浜・多宝堂へと新たに起こし下さった皆様も、今後共どうぞ宜しくお願い致します。最後までご閲覧下さった皆様にも感謝しております。いつもありがとうございます。

それでは(by院長)

頸肩腕症候群・偏頭痛について

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今日は以下の症例について少しお話してみたいと思います。



◎ 男性の頸肩腕症候群
◎ 女性の慢性的な偏頭痛と肩こり、手指のシビレ感

頸肩腕症候群の代表的な症状は腕や肩・指先などに感じる上肢系のシビレや痛みです。

腕や指先に関わっている神経というのは頚椎間や胸椎間から出ていて、原因がこれらの部分の椎間板ヘルニアが原因では無い場合には、「頚・肩腕症候群(けい・けいわんしょうこうぐん)」と診断されることがあります。

この「頚・肩腕症候群(けい・けんわん・しょうこうぐん)」が病院の循環器科で扱われている場合には「血行障害」といって、首の鎖骨の下辺りを通って腕の方に流れている血管や神経が圧迫を受けてシビレや知覚鈍磨といって指先の感覚が鈍くなるような症状を伴う障害が含まれるからです。そしてこういった血行障害の症状が酷い場合には手術が行われる事もあります。(こういったケースでは「胸郭出口症候群(きょうかく・でぐち・しょうこうぐん)」と診断される場合もありますが、これらの総称として頸肩腕症候群と呼ばれているようです。)

<参考Web>


手にしびれを感じる胸郭出口症候群

鎖骨に近い首の前側の筋肉が硬くなってしまい、腕の方に流れている神経や血管がその筋肉の硬さで圧迫を受けてしまうと、それが腕や指先のシビレや痛みとなることがあります。そういったケースの場合にはスポーツ・マッサージや鍼施療などを行って筋柔軟性を高めていくと症状が緩和していきます。

ただし血行障害や神経障害の原因のうち、神経や血管が第一肋骨の圧迫を受けていることが原因のケースでは、構造的な問題として第一肋骨を切除して圧迫を取り除くような手術を行わなければ治らないといったケースもあります。またそういったケースかどうかは病院で検査を受けることで診断を得ることが可能です。一般的にはそのようなケースは稀ではないかと思いますが、なかなか症状が良くならない場合にはそういったケースもあります。

このように原因によっては手術を行わなければ治らないようなケースもありますが、筋肉の硬さによって症状が発現しているのであれば、マッサージや鍼による筋柔軟性の回復によって症状が緩和していくことが多く、こういった腕や肩、指先のシビレや痛みといった症状が長引いている方の中には、もちろん内科的な原因なども含まれてくるので一度病院で検査を受けておくことが大切ですし、安心出来ると思います。

頸肩腕症候群はマッサージや鍼の適応症なので当然、最大の効果を発揮していきます。尚、頸肩腕症候群と病院で診断を受けた場合には、保険療養費の支給によって鍼灸治療を受けることもできます。もし病院(医療機関)の投薬・治療等によってなかなか完治に結びつかない場合には、「保険療養」を受けることができますので、もしそのようなときには是非ご相談下さい。(注・鍼灸保険療養を受けたい場合は、医師からの鍼灸治療同意書が必要となります。)

腕や肩・指先などに感じるシビレや痛みを自覚しているようなクライアントさんが病院を受診すると「頸・肩腕症候群」と診断されるケースが多いようです。

最近ではOA関連の仕事でパソコンのキーボードを長時間打っているような方々に良く見られる疾患の一つですが、こういったお仕事では長時間の座位姿勢、それから指先を使った長時間労働、それから目の酷使などから肩や首の筋肉の緊張を伴っており、肩こりや頚のコリを増長させてしまう悪因子が揃っている為、症状が進行して頸肩腕症候群に移行していくパターンが多いのではないかと考えられます。

日頃から仕事の合間に首や肩、腕から指先を伸ばしたりして軽い運動を入れておくことを心がけていけば、このようなリスクを抱え込まないで済むかも知れませんが、もし症状が出てしまったら、酷くならないうちに施療を受けながらケアを怠らないようにすることで悪化を防げるのではないかと思います。

それから女性の中には頸肩腕症候群の症状と一緒に、偏頭痛まで伴っていたような症例もありますが、こういった症例では首の筋肉がかなり緊張していて、頚部付近の血液の流れが阻害されており、これが頭部の「うっ血(汚れた血液が流れにくくなっている状態)」を生んでしまっているのが原因だと思われました。

こういった偏頭痛を伴っているクライアントさんの頭部(特に頭のてっぺんからやや前に)を指で押さえてみると皮膚面が「ブカブカと波打って」います。また頭の横(目の外側)を指で押さえてみると皮膚面がとても緊張しているのですが、目の周囲や頭部の主要穴を中心にマッサージや鍼を行っていくと、次第に血行が良くなって症状が緩やかに緩和していくのです。

首や肩周辺の筋肉の緊張が強いということは、その周辺の血行は当然宜しくない・・・ということになりますが、それが一つの原因となって頭部から血液が戻りにくくなってしまって、こういった三叉神経痛まで引き起こしていると考えられますが、局所的な血行不全は神経への栄養供給をも絶たれてしまうことがあるので、それが偏頭痛の引き金になっているのではないでしょうか。

しかし・・・頭痛と一言で言っても原因は様々です。

たとえば脳梗塞や脳溢血の前駆症状としても起こることがありますが、このようなケースでは他の前駆症状としては、直前に分けのわからない言葉を発したり、普段とは違う行動を起こすなどの行動の変化が認められています。また吐き気を伴っているような酷い頭痛があれば、すぐに病院を受診しなければなりませんし、もし意識の混濁などがあれば、すぐに救急車を呼んだ方が賢明です。


日常的な偏頭痛では筋肉の緊張が原因であるとか、ホルモンのバランスが悪くて起こることもありますので、まず原因を特定し何が原因で頭痛が起こっているのかをしっかりと確認しておくことが肝要ではないかと思います。

筋緊張性頭痛(頭部周辺筋肉の緊張が原因でおこる頭痛)や頚肩腕症候群というのは、実は似たような身体症状があって、頚部から肩背部、それから腕の神経に沿って異常なほど筋肉がやせていたり、その反対に腕の筋肉の緊張が強くなっていたりするものです。

いずれにしても横浜・多宝堂治療院で行ってきた施療の中でも、特に腕や手のシビレ、それから偏頭痛では施療を行うことで治癒効率が非常に高かったので、是非こういった症状で悩んでおられる方がいましたらご相談頂きたいと思っております。(by 院長)




足首の痛みは様々なケースを想定して対応

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一般の方の中には休日などにスポーツを行っていて、足首を捻ってしまった・・・といって施療を受けに訪れてこられる場合がありますが、プロ野球でも人工芝などにスパイクの剣が引っかかったりして足首の内反捻挫を引き起してしまった選手や、土のグランドで、たまたま少し土の一部が掘れてしまっているところに足を取られて捻挫を引き起こしてしまった選手がよくいたものです。

足首の周囲には靭帯が張り巡らされていて、捻挫を引き起こすとそういった「靭帯」が引き伸ばされ痛めてしまうことになるわけですが、靭帯というのは「骨」に付着しているので、靭帯を痛めると共に骨折を引き起こしてしまったケースもありました。

これは捻挫によって靭帯が引き伸ばされながら、その靭帯がくっついている部分の骨が外力によって「靭帯ごと剥離(剥がれてしまう骨折)」してしまうといった骨折になりますが、こういった「靭帯損傷と剥離骨折」を一緒に伴っているような障害では、早期に足首の固定を行って患部の安静を図ることが肝要となります。

よく捻挫をして1か月も2か月も痛みが引かない・・・といったケースがあります。

こういったケースでは足部の剥離骨折を見逃していて、その骨折が完治していない場合もありますが、たとえ骨折を伴っていなかったにせよ、靭帯を損傷した場合というのは筋肉の障害よりも完治に時間がかかるという事をまず認識しておく必要があります。

筋肉というのは血管が豊富に張り巡らされているので、もし痛めてしまったとしてもその後の適切な対応によっては回復を早めることも可能ですが、靭帯というのは一度引き伸ばされてしまった場合には元に戻らないので、特に足関節捻挫の後に自覚する関節の「ゆるみ、ぐらつき」というのは、そもそも「靭帯が引き伸ばされて緩くなって」しまった結果に訪れてくる「捻挫の後遺障害」ということになるので、この違和感というものが、なかなか改善していかない場合もあるのです。

一度捻挫をして緩くなった足首の関節というのは、そう簡単に元には戻りません。

捻挫によって靭帯を損傷する・・・といっても程度によっては、人工靭帯による靭帯再建術や自家腱(自分の体の一部である腱などを靭帯として利用する)を使って靭帯再建術を行わなければ痛みが引かなくなるような酷いケースも起こることがあるのです。

しかし近年では人工靭帯による再建術の成績が上がってきているので、もし足首の靭帯が捻挫によって完全断裂してしまっても、医療機関によっては対応が可能な場合もありますし、プロ野球選手の中にもそういった再建術によって回復し野球を続けているケースもあるのです。

一般の方の捻挫ではそのような酷いケースというのはあまり見受けられませんが、元々各関節が生まれつき柔らかい為、慢性的な足首の捻挫を引き起こしているような方もたまにおられるようでした。

お子さんの中にはそういった足首の緩さを伴っていて、「足の関節のはまり」が悪くなっていて痛みを引き起こしているようなケースも何度か見受けられました。

お子さん達の場合は元々緩さを伴っていて、ちょっとした拍子に足首の関節がズレてしまって痛みが出ているとしても、足関節部の矯正を行ってあげると簡単に痛みが引くこともありますから、それほど心配はないと思います。

ただしその痛みの原因が「捻挫」なのか、それとも「元々足首が緩くてズレてしまった状態」なのかが判断出来ない・・・といったケースがあるようなのですが、こういった場合でお母さん方がもし比較検討するのであれば、足首の腫れがあるのか?無いのか?という確認の上で一応の判断は付くと思います。

それから捻挫だと仮定した場合には痛い方の足だけで立たせてみて「ケンケン」が出来るかどうか確認してみて下さい。もし本当に捻挫をしているようであれば、まず片足でケンケンすることは出来ないはずです。ですからただ足首の関節がずれている場合の時であれば片足ケンケンが可能なはずですから、そういった「動かした状態」で判断してみるのも一つの方法ではないかと思います。

しかし明らかに足首の周囲に腫れが認められた場合には、ほぼ間違いなく捻挫によって靭帯を痛めている・・・と判断して良いと思いますので、こういった場合で安静時にもかなり痛みが酷いと判断した場合には、まず「整形外科でレントゲン検査」を受けておくべきではないかと思います。

最近のお子さん達はやや骨が弱いのか、ただの捻挫だけではなく骨折を伴ってしまうケースも多いようですし、捻挫の後遺障害を防ぐ意味においても、まず骨折の有無を確認して、その後の対応を速やかに行うべきではないかと思います。

足首の捻挫によって痛めてしまった靭帯の痛みというのは、軟部組織の炎症に対する適切な対応をしっかりと行っていなかったり、まだ炎症が引かない状態なのに無理をして歩行したり走ってしまった場合には当然起こる可能性が高くなります。

捻挫を軽く考えて「たいした痛みではないから大丈夫」といって、そのまま運動を続けさせていると、後遺障害としての「慢性痛」や「慢性の炎症」が後々になって尾を引いてしまう場合もあるので、適切な対応を行いながら経過をまずしっかりと見ていくべきだと思います。

横浜・多宝堂では足首の捻挫時における障害程度の判断や初期対応を行いながらクライアントさんがその後に慢性痛を引き起こさないように指導&施療を行って参りました。

足首というのは体のバランスを整えていく意味においても非常に重要な関節となりますので、この足関節をより良い状態に保っていく為にも、もし足首の異常があれば是非一度御相談頂きたいと思っております。

特に足首のズレを起因とした代償性運動によって腰痛などを引き起こしているケースもありますので、そういった整合性を失っている足首に対する矯正も行っておりますが、未成年の学生さんであれ、足首の矯正を行うだけでも痛みが完治してしまう場合もあって、こういったケースでは足首の痛みの原因が「捻挫」によるものなのか?それとも「足首の関節の整合性に問題があるのか?」または「足底部のアーチに問題があるのか?」といった様々なパターンから障害を見極めていく事が必要であると考えています。(by 院長)

野球で肩を痛めてしまう根本原因と改善法・対処法(1)

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今日はベースボールで不幸にも肩関節を痛めてしまった多くのアマチュア野球選手達を診てきたなかで、日頃から彼らが痛めてしまった肩関節だけで無く、体全般を触診したり見てきた上から、気がついたことや、彼らが一体どのような手法でコンディショニングを行ってきたのか?という部分を見聞きした上で少し気になっている点についてお話ししてみたいと思います。

【ケース1】

治療を求めてきた際に、「投球で肩を痛めてしまった」と本人から説明を受けるのだが、施療を行っていくなかで、「実はスイング練習のやり過ぎで肩関節に異常が起きてきたのではないだろうか?」といった疑問が生じたケースがある。

これは特に高校球児や大学生選手の「野手」に多く観られた現象。上半身全般の筋疲労度からも言えることだが、スイング練習を毎日1日辺り500~1000本スイング続けてきたという選手達の中に多く観察される。

初期治療開始時に肩関節の状態として一番多かったのは、「肩・アウターマッスル」や「広背筋」、肩甲骨周囲にある「大菱形筋」「僧帽筋」、また上半身前面の「大胸筋」などに極度の筋緊張状態が持続していて、「肩甲骨運動」がかなり抑制されており、このような状態でスローイングを行っていれば腕の挙上動作に支障が出てくるので、いわゆる「肘下がりの投球フォーム」に陥りやすい。

当然、そのようなスローイングを継続していくと、回旋腱板筋(肩・インナーマッスル)にも負担が及び、「腱板炎症状」がまず誘発されてくる為、「強い投球=スピードのあるボール」が出来なくなってしまう。

肩関節の伸展、屈曲、水平内転可動域が極度に狭くなっている選手は特に投球の際に支障が出てくる可能性もあるので要注意。

これらのような状態であれば、特に上半身全般の筋柔軟性の回復が必要であり、何故なら上体の回旋動作というのは胸椎部における可動量が多い為、そこを阻害されてしまうと肩甲帯の運動にも悪影響を及ぼしていく。だから時間軸でいけば肩関節の動きに支障が出てくるということになる。

上半身を大きく分ければ、体の後面と前面になる。体の後面で一番大きな筋肉は広背筋、前面で大きな筋肉は大胸筋、いずれもバットスイングで使われる筋群であり、初めは肩関節周囲の筋肉に異常が無くとも、それら上半身の筋群が疲労を蓄積してしまえば緊張を強めながら上体の捻り運動に制限が出てくる。その上でいずれ肩甲帯の運動や可動性にも影響を及ぼすということ。

このようなケースの肩関節痛を改善する為には、上半身全般の筋柔軟性確保と、肩甲骨運動の正常化が必須であり、肩関節可動域のみ正常に戻っても、再び肩関節痛を再発させてしまうことが多くなる。ここが一番重要な部分。

どこで治療を受けても肩が治らない・・と不満を訴えてきた学生選手の中には、そういったケースの上で「適切な治療」を受けていなかった選手達も存在しているが、同一の多くの連続動作によって筋疲労が蓄積してくれば無意識的に「筋活動を休止させてしまう」のは明らか。

試しに腕立て伏せをその場でずっと続けてみれば理解できるだろう。そのうち腕の筋肉が動かなくなってきて体を起こせなくなる。

「量より質」が理に叶っているというのは、無意識的な筋活動の休止が起これば、必ず「代償性運動」が起こるからで、それは要するに代償性運動=無駄な動きになるということ。

連続動作を長い時間続ければ、力が抜け自然な形が出来る・・・という論もあるが、「代償性運動=無駄な動き」が起こっていれば正反対の論となる。正しい形が継続出来なければ運動の大半が無駄になっていく。

代償性運動によるスイング練習は続けられても、それによって肩を痛めてしまえば投球がきちんと出来なくなる。野球選手は投げる、打つどちらもプレーしなければならいスポーツ。

投げる際に肩が痛いといった場合、それがスローイング練習だけで起きているとは限らない。スイング練習が起因となってしまうケースもある。

【ケース2】

まず「ルーズショルダー=肩関節の前方、後方、下方弛緩性」は、特に筋力の乏しい小学生低学年~高学年の少年選手の多くに認められる症状である。

彼らにどのような肩のコンディショニング法を身につけているのか?と尋ねてみると、一様に「何もしていません」という言葉が返ってきた。

また中学生選手、高校球児に同じようなルーズショルダーが認められ、上記のような質問を行ってみると、ほぼ皆が口を揃えて「チューブを引っ張っています。」という答えが返ってくる。

実際にどのような形態でチューブを引っ張っているのかを目の前で彼らに行って貰うと、それらの手法が「肩・アウターマッスルを刺激する手法」になっていることが非常に多い。

肩のコンディショニング方法の中には、まず「肩関節を安定化」させる為に「インナー・マッスルの強化」を行う必要がある。これはプロ野球選手達も日頃から行っているものだ。

チューブ(ゴム)というのは、支点から距離が近いほど張力が弱く、距離が遠くなるほど張力が強く働く原理となっている為、一様に「ゴムを強く引っぱれば肩がより強くなっていく」と勘違いしている選手達が非常に多かった。

小学生のお子さんから大学生選手まで、こういったチューブによる肩インナーマッスルのコンディショニング法を継続しているにも関わらず、肩関節に弛緩性が認められるということは、「やり方が間違っている」か、若しくは「きちんとインナーマッスルを刺激出ていない」か「負荷強度が強すぎるか弱すぎる」か「コンディショニングがきちんとプログラムされておらず、日々継続されていない」のどれかに当てはまるということになる。

また「肘下がりの投球フォーム」に陥っている小学生選手達の多くが、「肩甲骨」を上手に使うことが出来ないケースが多く見受けられるが、この場合、肩甲帯筋群の筋力が弱いことも一因かと察する。

特にこういったお子さん達が腕立て伏せなどを日常的にトレーニングの中で行っているような場合は、「大胸筋」の方が強く働きやすく、逆に肩甲骨が投球の際に固定されてしまうような悪いクセがついている可能性もある。

トレーニング方法、コンディショニング方法を正しく行っていれば、ルーズショルダーは未然に防止することも可能なので、各選手に対する適切な指導が必須。

「今までインナーマッスルを長期間にわたり続けてきたが、全く肩の状態が良くならない」と説明する社会人軟式野球選手達に、どのような手法で肩インナーマッスルを鍛えてきたのか?と目前で実際に行って貰うと、ほぼ全員が全くインナーマッスルを刺激出来ないような手法に陥っていることが多い。

手法が間違っていれば、インナーマッスルを強化出来ない。つまり全く効果が無くて当たり前。コンディショニング方法をもう一度改善していかなければルーズショルダーはいつになっても改善されない。

継続は力なりで、正しい手法で最低2ヶ月~3ヶ月継続すれば、草野球選手のように、週1回しか野球をやっていなくても、必ずルーズショルダーは改善される。

肩関節が不安定であれば、インピンジメント症候群、腱板炎や腱板損傷(特に刺上筋損傷)に陥る可能性が高く、慢性的な肩関節痛の一番の原因となっていく。

肩関節というのは、元々の構造が「不安定な状態に陥りやすい」ということ。

簡単な言葉で説明をすると、ドアを止めているネジが緩んでいれば、ドアを開けるときにギーギーと耳障りな音がするはず。そのような状態に陥っているのが、所謂「ルーズショルダー」

そして「ネジをきちんとドライバーで締めておく」のが「インナーマッスル強化」ということ。ネジを常にきちんと締めておけばドアを開けるときに嫌な音はしない。

その際にドライバーの先っぽが小さすぎても大きすぎても、きちんとネジは締められない。ちゃんとネジ穴の大きさが合ったドライバーでネジを回す必要がある。

特に筋力の乏しい小さなお子さんから小学校高学年、中学生までの成長段階の子供達の肩関節というのは、「ドアを止めているネジが緩みやすい」ということ。

同じく高校球児、大学生選手、社会人軟式野球選手の場合は、ドライバーの大きさや回す方向が適切でなければ効果が出せないということ。

昔、チューブのようなトレーニング用具が無かった当時、どんなもので肩のインナーマッスルを強化していたかというと、笑い話のようだが「輪ゴムを長く繋げ」行っていた。

今はスポーツ店に行けばチューブにも様々な強度・張力のものが多い。しかし「張力が強ければ強いほどインナーは鍛えにくくなる」ということ。

適切な負荷と腕の運動軌道が得られなければ、インナーマッスルはまず強化できない。ここがルーズショルダーを改善する一番大切な要点となる。

肩・インナーマッスルの強化というのは非常に地味なトレーニングだが、野球選手にとっては最上位に挙げておくべき強化。楽しくボールを投げ続ける為に。(by 院長)

野球肩障害のご相談と「大切なこと」

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① 全力投球の半分程度の力で投げれば、それほど痛みを感じない。また投げ方(フォーム)によっては、痛みを感じないときがある。

② 練習の際、キャッチボールを始めてすぐに痛みを感じる。そのまま投球を続けていると、更に痛みが強くなってくるので、おもいきり腕が振れなくなり肘から手首の力を使って投げてしまう。

③ 投球加速期に「脱力痛」を感じるので、おもいきり投げることが出来ないが、肘を下げて投げるとあまり痛みを感じないので肘を下げて投げている。

④ テイクバック時に肩が痛くて肘がどうしても上がってこないので、どうしても肘下りの投球動作になってしまうが、テイクバックの時に痛みが出ないようにすれば、なんとか投げられる。

⑤ ボール・リリース時だけ痛みが強く感じられるので、結局、腕が縮こまったような投げ方になってしまい、勢いのあるボールが投げられない。

⑥ カーブを投げれば痛くないがストレートを投げると痛い。

⑦ 試合や練習時の投球では全く痛みを感じなかったが、家に帰ってから疼くような痛みがあった。

⑧ 試合に登板して初回から5回くらいまでは全く痛みを感じていなかったが、球数が増えてきた7回以降に肩の後ろの方に嫌な痛みを感じたので降板した。

⑨ 今まで肩に痛みを感じることが無かったのに、あるときから急に痛みを感じ始め、約1ヶ月間くらい痛みが持続しているので、投球の際に腕を強く振ることができないが、現在も投げ続けている。

⑩ 足首の捻挫をしてしまったので、約3週間ほどボールを投げずに上半身のウエイトトレーニングを行っていた。その後、足首が治って練習に合流して、キャッチボールを再開してから約2週間後に肩に痛みが出てきた。

⑪ オーバースローで投げると痛いが、サイドスローで投げると痛くない。

⑫ 1ヶ月前から投球フォームを変える為に、1週間に4日ほどブルペンでピッチングをしていたら、2週間後に肩全体に重さを感じ、そのまま投げ続けていたら肩の前側に痛みが出てきた。

⑬ 守備練習のとき、外野からバックホームへ返球した際に、肩の後ろ側に激痛が1回だけ走った。そのまま投球を続けていたら、肩が痛くて腕をおもいきり振れないくらい痛みが酷くなった。



野球肩障害のご相談には、上記のように様々なケースがあります。

もちろん、ここに挙げた例だけでは済みませんが、それくらい野球というスポーツでは、「肩関節」に異常を訴える場面が多くなるということなのです。

またピッチャー、キャッチャー、内野手、外野手といった各ポジションによっては、同じような肩の痛みであっても、その対応方法には違いが出てくるわけですが、それはポジションによっては試合や練習時の投球数に違いがあることや、よりバッティング練習の為にバット・スイングを多くやらなくてはならないとか、ピッチャーやキャッチャーでは、より試合時や練習時に投球数が多くなるといったポジションによる状況の違いがある為です。

それから高校球児となれば、もし現在肩に痛みを感じているとしても、自分自身の置かれた立場(すでに背番号を貰っている等)によって、投球を休めないし休みたくない・・・といった自己の願望も加味されますから、詳細は省きますが私がここで施療を行う場面では、小学生、中学生、高校生、大学生の野球選手達の施療対応には、全く違った面を見せる場合も当然あります。

プロ野球選手となった選手達の中には、そういった学生時代に「肩痛を経験してきた人達」も沢山いました。

甲子園大会に出場し、自分のポジションに責任を持ってボールを投げぬく為に、痛み止めの注射を12回も打って投げてきた人。

また世界大会に出場が決まり、どうしても肩の痛みを現場で申告せず、大会が終了するまで我慢して投げてきた人・・・など。

そうやって肩が痛くても何らかの方法で痛みを鎮めながら野球を続けて、その為に実力が認められてプロ野球選手になってきた人を私は沢山見てきました。

だから現在、肩に痛みがあるけれども致命傷さえ負うことがなければ、もしかすると痛めた肩を回復させることも可能でしょうし、その上で実力を発揮することが出来れば、プロの世界に認められるかもしれません。

そういう意味では、何が何でも痛めている肩を休める為に、大切な大会出場を諦めたり、レギュラーの座を放棄することは、その選手にとって「無」を意味することになる場合もあるでしょう。

しかし成長期である小学生・中学生までのお子さん達にとっては、まだまだ先がありますから細心の注意を払っていかなくてはならないはずです。

プロ野球の世界では、「選手」というのはチームの「財産」ですから、その価値を高めていく為に「練習」というものがある・・・そういうことになります。練習によって各選手達の実力が上がり、毎年行われているペナントレースではどこのチームも優勝を目指しています。

そして中には「痛みを我慢しながらプレーを続けている選手」がいるかもしれませんが、その痛みを乗り越えるだけの力が選手自身に無ければ、それは「ただの故障者・怪我人」で終わってしまいます。

厳しいようですが、そういった故障やケガの為にチームを去るばかりでは無く、プロ野球の世界を去らなければならない選手達も毎年大勢辞めていくのが、真のプロの世界の厳しさとも云えるでしょう。

学生野球・・・即ち、教育の一環として行われている「野球の世界」では、各野球団体における大会があり、その頂点を目指す為に学生選手達は日々練習・試合に打ち込んでいますが、彼らも野球の世界にとって大切な「財産」だと思っています。

だから本来であれば、無理はさせたくないし、無理を押し通して痛めた肩を更に酷使することは絶対に辞めさせるべきでなはいかと考えながら、私は施療をこれまで続けてきました。

「治す」為に一番必要なものは、まず「時間」です。

その時間とは、人間が根本的に治癒していく為に必要な時間のことなのです

その回復させる為の時間を如何に短縮させるのか・・・そこで一番必要なのが「周囲の理解と故障やケガに対する考え方・対応方法」です。

昔、私がプロ野球の世界でトレーナーを行っていたとき、ある選手が試合中にアクシデントで膝の後十字靱帯を切ってしまったことがありました。そしてその選手の状態では翌日の試合はおろか、2週間先の試合でさえ出場は困難ですから、私は当時の監督に「○○をファームへ降ろしてください。」と告げました。

しかしその監督は激怒して、「テーピングでも何でもして明日試合に出せないのか!」と言ったのです。

もちろん私はその要請を断りました。その選手は今でもファイターズのユニフォームを着て元気にプレーしていますが、当時の監督はチームを去ってから長い年月が経った今でもユニフォームを着ることはありません。

そのようにして、チームの指揮官が選手の存在をどのような存在として捉え、チームを動かしているのか?ということは、一番大切な部分であり、野球の世界の一番の財産である「選手達」を生かすも殺すも「総指揮官である監督」に委ねられている・・・ということではないかと私は思っています。

2006年、ファイターズはパ・リーグ制覇、日本シリーズ優勝、アジア大会優勝という3つの勲章を手にすることが出来ました。そしてその年はファイターズというチームが一番故障者を出さなかった年でもありましたし、その時にチームの総指揮を執っていたのが、あの外国人監督であるヒルマンさんだったのです。

彼ほど選手達を大切に考え行動を起こしてきた人物を私は知りませんが、そのようにして、チームの財産である選手達を「生かす」為には、やはり「選手達を大切にする心と行動」が無くてはならない・・・という一番良い例だと思っています。

だからこそ選手達はその心と行動に応えてくれたのではないでしょうか。

話がだいぶ逸れましたが、勝負の世界において故障者や怪我人というのは、ある面では「マイナス要素」かもしれません。そしてそのマイナス要素を出来るだけ減らす為に私達のようなトレーナーという職業があるといっても過言ではありません。

私はそうやってプロ・スポーツの世界の中で感じてきた、今でも大切にしている事があるのですが、それは「選手達を壊すのは簡単なことだ、理に叶わないことを続けさせていれば、選手達は簡単に壊れてしまうし、壊れた選手を治すには時間が必要になってしまう。それならば壊さないように、壊れないようにプレーさせてあげなくては。」ということです。

一番初めに例を挙げさせて頂いた様々なケースの野球肩障害に限らず、スポーツを行っていれば、肘や手首、背中、腰、股関節、膝、足首などの関節、全身の各筋肉、各靱帯、軟骨、骨、皮膚など・・・・生身の人間であれば、どこだって故障を起こす可能性があるし、アクシデントでケガを起こすものです。

そのときに現場で一番初めに対応するのが、私達「トレーナー」という存在です。だからこそ責任があるし、その責任の上で様々な対応やアドバイス・指導を行いながら助言していくわけです。

もしそのような助言や指導に対し、現場の総指揮官や責任者が背を向けるならば、それは「チームに対する背任行為」であり、また選手自身がトレーナーという存在を無視したり軽視していけば、そこで既に「未来の負け」が待っている・・・そういうことではないかと私は思っています。

ここ横浜・多宝堂へやってくる学生選手の皆さんは、もちろん全てが全て野球で飯を食っていく人達ばかりではありませんが、彼らは本当に野球が好きで好きでたまらない人達ばかりです。

だからこそ一日も早く復帰したいが為に、また試合や練習に良いコンディションで望んでいく為に私の施療を受けに訪れてきます。

マンツーマンで彼らに施している施療中に、私は彼らの身体を通しながら日々の鍛錬の厳しさを感じてきました。

高校球児達は日々練習試合に明け暮れて夜遅くに帰宅しています。また小学生・中学生達は平日は学校や塾で学びながら、土日も野球・野球で休む暇も無く身体を動かしています。

「プロ野球ってこんなに長い時間練習するんだ・・。選手達はどれだけ体力があるんだろう。凄いよなぁ。」

もう20年以上前のことですが、多摩川グラウンドで初めてファイターズの練習に参加したときにそう感じました。

そしてトレーナーとして一年一年と経験を積み上げていきながら、5年経ち10年経ちプロ野球の世界も徐々に「中身」が変わっていきました。

その中身とは「練習内容やトレーニング」です。

「選手達を壊さないように、壊れないようにする」為には、彼らの身体と心を大切に鍛えていかなくてはなりません。

しかし「大切にする」というのは、「優しくする」ということではありません。

それは「選手達は自分の身体は自分で磨いて守れるようにしていきなさい・・・・ということを「チームの中で徹底させる」ということです。

誰のせいでもなく、自分自身の身体は自分で責任を持って管理していく・・・それが「選手を大切にする」ということです。

そういう意味からすれば「肩に痛みがあるけれども誰にも言わずに無理して投げている」というのは、「自己管理が出来ていない」ということになるわけです。

またもし選手が「肩が痛い」と告げてきたのに、「大丈夫か?今日だけはどうしてもプレー出来ないか?」と選手に聞くだけで詳細な肩の状態を見定めていかなければ、それも「選手管理が出来ていない」ということです。

要するに、「有耶無耶にする」とか「今日はとりあえず」というのは、全て「管理放棄」なわけですから、それでは先の結果が見えてしまいます。

だから「管理する側にしっかりと両者が立っていかなければ、真に選手達を大切にすることは出来ない」と、そういうことではないかと思うのです。

話しが長くなりましたが、いずれにしても妥協であるとか、その場凌ぎの管理だけでは、やはり「チームは強くならないし、選手達も真に生きない」ということではないでしょうか。

深い意味は込めませんが、ここにいらっしゃる皆さんが、そういった私の考え方に同意され、そして信頼を向けて下さっているということを日々強く感じながら施療を行わせて頂けることに本当に感謝しています。

今日は私自身の過去の仕事における場面から培ってきた大切だと感じてきたことを少しだけお話しさせていただきました。

あと数日でゴールデンウィーク突入となりますが、この4月中は本当に多くの学生さん達にご来院頂きまして、ありがとうございました。また一緒にお越しくださった親御さんや指導者の皆様にも本当に感謝しております。

そしていつもこの治療院ブログを最後まで読んで下さっている皆様にも本当に感謝しております。ありがとうございました。

ファイターズはベテラン選手がファームに下りていたり、大谷選手が怪我をして戦列を離れてしまっていますが、昨日のホークス戦を観戦しながらチームの底力を感じましたね。

これから始まる交流戦が楽しみです。(by 院長)

少年期の野球肘を治す(1)小5・投手のケース

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小学校5年生・男子

<野球歴>

* 小学校1年生より軟式野球開始、現在のポジションは投手及び外野手

<経過>

* ボールを投げるときに肘関節の内側が痛む
* 2週間前、近隣の整形外科を受診/レントゲン検査で骨に異常なし
* 冷湿布及び鎮痛消炎剤による経過観察
* 2週間の投球禁止の指導・2週間後に病院再診

<主訴経過及び投球頻度>

* 1ヶ月前よりボールを投げると、たまに肘の内側に痛みが出る
* 1週間前、試合で先発ピッチャー/5回まで投げ、6回途中で肘痛あり交代
* 投球頻度→約300球/1週間、試合時の投球/80球~150球程度

<現在の肘の状態>

* 肘関節の可動域制限あり(伸展:健側差-10度、屈曲:健側差-15度)
* 肘関節内側上顆部に圧痛あり、運動痛あり(主に肘伸展時の痛みあり)
* 肘関節内側部へのストレス痛あり
* 内側靱帯部ストレス痛なし
* 尺骨神経脱臼所見なし
* 握力低下/ややあり
* 前腕回外運動/硬さあり

<施療>

* 施術内容:鍼パルス通電療法スポーツマッサージ、関節マニュピレーション、その他(肩甲胸郭関節の可動性を状態改善)
* 施術時間:1回約1時間程度
* 上記施術:1週間に1回施療継続
* 3週間でほぼ状態改善

<改善後の肘の状態>

* 肘関節の可動域制限なし
* 肘関節内側上顆部の圧痛緩和あり、運動痛なし
* 肘関節内側部へのストレス痛緩和
* 内側靱帯部ストレス痛なし
* 尺骨神経脱臼所見なし
* 握力低下/やや緩和
* 前腕回外運動制限なし

* 上記緩和状態を確認後/投球動作確認→肘関節痛ほぼ緩和

<改善後の運動経過>

* 治療終了後、2日後より投球再開(15m~20m以内×30球・60%の力で投球指標)
* 3日投球継続で1日ノースロー
* 現在の距離で投球強度を徐々に上げる
* 投球再開から3週間/20m~30m以内×50球・投球強度90%指標
* 投球再開から1ヶ月/30m×70球(全力投球は20球程度)・投球強度100%指標 

<投球リハ再開後の肘の状態>

* 投球リハ開始から2週間後に経過観察のため再来院
* 現在、20m×40球・投球強度80%程度までで肘の状態経過良好
* 肘の状態、やや前腕・上腕部全般に筋緊張認めるが施療後、状態緩和
* 投球リハ開始から1ヵ月で試合復帰(ポジション・ファースト)
* 試合復帰から1ヵ月後にピッチャー再開
* 初診時から3ヶ月後に再来院・肘の状態に異常なし
* 1年経過後に再来院・肘の状態に異常なし/その後もピッチャー継続中



____________________________________



今回は小学校5年生・男子で軟式野球を行っているA君の投球野球肘障害の治癒経過に関してお話ししてみましょう。

今回、A君の野球肘のケースでは、一番初めに受診された整形外科におけるレントゲン検査で骨傷(骨の異常)が無く、肘の関節に関わっている筋肉・靱帯・腱などの損傷も無かったわけですが、「関節の可動域の異常」や「患部の圧痛・運動痛」だけが認められる状態でした。

これは野球肘の中でも割と軽度の障害となります。

横浜・多宝堂で治療を開始後、約3週間でA君の肘の状態は改善したわけですが、A君がチームでピッチャーをやっていること、それから肘が痛くなる以前には週に300球前後の投球を続けきたことなどから、投球を再開する段階に投球リハとして指標を設けさせていただきました。

これは野球肘や野球肩の状態が改善し、その後に投球を再開する場面では一番大切なテーマとなってきます。

* 投球距離×投球数×投球強度 & スケジュール・日程

上記の投球要素をどのようにプログラム化し、それを現実の上で行っていくのか?というのは、そのお子さんが野球を今後続けていく上で、お子さんそれぞれが環境的なものに違いがあるので一概にこうすればよい・・・とは言えない現状もあるでしょう。

プロ野球の世界には、私達のようなスポーツ・トレーナーがいるので、毎日故障した選手のリハビリ経過を見ながら記録しておき、また選手の肩や肘などの状態を詳細にチェックしたり治療を行ったりしていますから、投球リハビリ・プログラムを実行している最中でも、患部に異常が発生するようなことがあれば、必ずそこで投球リハの内容に変更等を加えながら、選手達の経過を良好な状況に差し向けることが可能になっています。

ところが少年野球チームの場合には、土曜日・日曜日にしか現場の指導者さんから投球指導を受けられなかったり、若しくは投球リハの経過を見て貰えない場合もありますから、お子さんに上記のような投球指標を指導しても、なかなかそのような経過が追えないケースも多いのが現状です。

今回、A君のケースでは、お父様がチームの監督さんだったこともあり、休日以外の平日にも、きちんと投球リハの経過を追っていただきましたので、当然、A君の野球肘は良い経過を辿って、その後に試合復帰、またピッチゃーとしても復帰されました。

このように野球肘の状態改善というのは「治療によって痛みが無くなる」ばかりでは無く、その後の「投球リハビリ・プログラム」をどのようにして行っていけば良いのかを私達トレーナーと指導者さん(若しくは親御さん)とで、しっかり連携が取れる状況があって、それが一番お子さん達の肩や肘をその後に安全に回復させられる環境となっていくことは間違いないと思います。

もちろんその途上には、「正しい投球フォーム」「肩や肘に負担のこない投げ方」というものや、「お子さん達の肩や肘の状態を正しく認識する」ということも当然必要な要素になってきます。

以前、あるお母様から電話相談が入り、野球肘に関して詳細なご質問を頂いたこともありますが、そのように親御さん自らが自分のお子さんの野球肘を治してあげたい一心で、それこそ30分でも1時間でも私の話を聞きながら、その上でお子さんへの施療内容やその後の復帰時期などの予測等まで幅広いご質問もいただいたわけですから、私は本当に驚きを隠せなかったものでした。

しかしそのような心がけを親御さんがしっかりもっていれば、お子さん達の野球肩や野球肘は絶対に良くなるし、その後のお子さん達の資質も大切に守られていくのではないでしょうか。

今回は小学生の野球肘における経過観察や施療、それから状態改善後の投球リハビリ・プログラム等について、簡単ではありますが「小学校5年生・投手A君の野球肘」のケースを基にしながら今日はお話しさせていただきました。(by 院長)


少年期の野球肩を治す(1)中2年・捕手→投手のケース

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中学校2年生・男子

<野球歴>

*小学校2年生より軟式野球開始、中学軟式→捕手からポジション変更で投手

<経過>

* 1週間前より投球時(特にピッチング)に肩痛を自覚した為、投球抑制
* 投球(ピッチング)でテイクバック期から加速期にかけて肩痛発現
* 整形外科受診なく直接当治療院来院 

<主訴経過及び投球頻度>

* 1ヶ月前に捕手から投手にポジション変更
* 投手にポジション変更後、当初は肩の自覚異常なし
* 2週間前より投球時にテイクバックが取り辛い感じあり
* 1週間前から肩に痛み出現
* ピッチングは1回30球~60球で週約4回程度

<現在の肩の状態>

* 肩関節の可動域制限あり(外転及び内・外旋制限著明)
* 肩関節・肩峰下部付近、圧痛、運動痛あり(主に外転運動時に痛み著明)
* 肩・三角筋・中部繊維及び僧帽筋部に筋硬直著明
* ヤーガソン&スピード&アームドロップテスト異常なし
* インピンジメント&SLAPテスト異常なし
* ダウバーン・サインで疼痛誘発著明
* 肩インナー・テストで棘上筋に疼痛誘発少程
* ルーズ・テスト(前・後・下方)異常なし
* 握力低下/中程あり
* 前腕回外運動/硬さ著明

<施療>

* 施術内容:カッピング、鍼パルス通電療法、単刺入鍼、スポーツマッサージ、関節マニュピレーション、その他(肩関節リハ指導)
* 施術時間:1回約1時間15分程度
* 上記施術:3週間以内で3回施療継続
* 3週間でほぼ状態改善

<改善後の肩の状態>

* 肩関節の可動域制限緩和
* 肩関節・肩峰下部付近、圧痛、運動痛なし
* 肩・三角筋・中部繊維及び僧帽筋部に筋柔軟性回復
* ヤーガソン&スピード&アームドロップテスト異常なし
* インピンジメント&SLAPテスト異常なし
* ダウバーン・サイン異常なし
* 肩インナー・テスト異常なし
* ルーズ・テスト(前・後・下方)異常なし
* 握力低下/小程あり
* 前腕回外運動/異常なし

* 上記緩和状態を確認後/投球動作確認→肩関節痛緩和

<改善後の運動経過>

* 治療終了後、2日後より投球再開(15m~20m以内・60%の力で投球指標)
* 投球再開より2週間で25m以内80%の力で投球指標
* 3週間以後、塁間まで全力投球指標
* 4週間以後、ブルペン・スタンディング再開1回20球~60球指標
* 1ヶ月目以後、ブルペン・ピッチング1回30球~70球指標
* 投球再開から3週間経過以後まで3日投球1日ノースロー
* 4週間以後から1日置きブルペン投球

<投球リハ再開後の肩の状態>

* 投球リハ開始から3週間後に経過観察のため再来院
* 現在、塁間全力投球可、肩関節周囲に若干筋緊張認めるも施療後緩和
* 関節可動域等に異常なく、全テストクリア
* 投球再開から1ヶ月経過/指導者より内野手で様子見との判断
* 1ヶ月経過後より代打で試合復帰、以後、捕手復帰
* 2ヵ月後に再来院・肩の状態異常なし



_________________________________

中学生軟式野球を行っている選手で捕手から投手へポジションを変更後、ピッチング及びキャッチボールで肩に痛みを訴えて来院する。

理学テストから肩峰下滑液包炎を疑い、施療開始。

当初、肩関節周囲に炎症徴候及び筋疲労性の痛みも同時に認めた為、それらの状態を緩和させていく目的で施療継続する。

施療期間中は片手スイング(健側の腕で)を推奨も、本人談では両手でスイング行い肩に痛みが無かった様子で打撃練習は継続、守備練習は下手投げで練習参加していた様子。

尚、打撃練習を行ったことで肩関節部に悪化は認めなかったものの筋疲労は若干認めたので、その後の注意を促した。

施療と共に肩関節の安定化や筋柔軟性を維持するために、肩リハ継続を初回に指導、肩の状態が改善し全力投球が可能になった後も、投球後のアイシング及び肩リハ、ストレッチをしっかりと行うよう指導する。

半年後には捕手を継続しており、試合数が増えていたこともあり(レギュラーだったので)、肩に張りを訴え来院するが、現状で投球抑制の必要は無いが、もともと筋肉の緊張が強くなってしまうタイプなので、肩関節のコンディションを良好に保つため1ヶ月~2ヶ月に一度、施療継続をアドバイス。施療後の投球動作時も肩関節の自覚異常等なくプレー継続可能と判断した。

今回のケースは捕手から投手へポジションを変更した後に起こった投球肩関節障害であり、肩関節悪化の経緯としては、捕手から急に投手へ変わった為に投球フォームの安定化が短期間で成しえなかったこと、また投球強度や頻度が変わったことで肩インナー・アウターのバランスが徐々に崩れていったことが伺えた。

もともとその選手が持っている肩関節の可動域も投手を継続するにはやや難しい部分もある・・・といったことを同時に併せ考えておく必要があったのではないか?といった個人的な意見もあるが、そのような複合的な要因によって発生した投球障害のケースではなかったのかと思う。(by 院長)


 

アイシングの慢性障害・急性外傷に対する手法と処置・対応

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今日はアイシングについて日頃からクライアントさんにご質問をいただく場面も多いので、それらについてここで簡単なお話をしてみたいと思います。


「アイシング」というのは、「冷やす」という意味ですが、プロ・スポーツの世界では日常的に慢性的な障害・・・つまり「筋肉や腱、靭帯部、それらに関わる関節の炎症などに対するケアの目的」で行う場合と、「急性外傷」・・・つまり筋挫傷(肉離れ)、捻挫、打撲、亜脱臼などの場面で行われています。

しかしそのアイシングの方法や時間などにも様々な考え方があり「アイシングの功罪」については諸外国でも賛否両論あるようです。

たとえばプロ野球のピッチャーがアイシングを行う場合を考えてみましょう。

まず先発や中継ぎ、抑えの投手では一日の投球量(ボールを投げる球数)がまちまちです。先発であれば多いときには160球から200球、中継ぎや抑えの投手になるとゲームで登板しない日でも30球から60球を投げブルペンで肩を作っています。キャンプになれば当然沢山の投球練習を行いますので、ピッチャーの肩や肘関節に対するアイシングの頻度は当然多くなります。

通常、肩へのアイシングは20分~30分程度、肘へのアイシングは10分~15分です。心臓から遠ければ遠いほどアイシングの時間は短くなりますが、それは体の末梢(手足の先)に行けばいくほど、「血液の戻りが悪くなる」からです。

アイシングの目的にはいくつかあって、一番はじめに挙げたような「炎症に対するケア」謂わば、「抗炎症効果」を求めて行う場合や「局所を冷やし終わった後の血流促進作用(ポンプ効果)で疲労回復を早める目的」で行っていますが、この疲労除去の促進に関しては外国のあるチームが行った研究によると「筋肉を冷やすと反対に筋肉痛が起きやすくなる」というデータもあって、通常行わないというケースも耳にしています。

プロ野球の選手の中にも筋肉を冷やす事に抵抗を持っている選手達はピッチング後やトレーニング後のアイシングを行わない人もいますが、それによって「障害が多発」するわけではありませんので、選手自身の体調管理は自らの考え方によっても大きく分かれていくことになります。

しかしこれだけは言える・・・と思うのは、変形性の関節症(野球肘などで肘の関節面に変形を伴っていた場合)に対する関節周囲への抗炎症効果はアイシングによってかなり改善が見られていますし、特に肘関節や膝関節など、関節に変形を伴ってスポーツや労働などで痛みが発生する頻度が多ければ、アイシングはそれらの炎症抑制に大きく貢献する・・・それは実証的に言えるのではないかと思います。

野球で投球側の肘関節が変形してくれば、当然、肘の曲げ伸ばしに制限が認められる場合がありますが、そのような状態で力発揮をするわけですから、関節には負担がかかりやすし周囲の筋肉群にも防衛的な筋肉の緊張や張りが頻繁に起こり関節内の炎症を引き起こす頻度も多くなります。

そういった状態であれば、練習や試合の後、またはピッチャーであればピッチング後などに「肘や腕がスッポリ入るようなやや大きめのバケツなどを用意して、氷水の中で10分間程度しっかり冷やす」ようなアイシングの手法も効果的です。これはプロ野球の世界でも行われているアイシングの手法になります。

このような方法は足首の捻挫で、ひどい腫れを伴っている場合や酷い打撲を負ってしまった場合にも有効です。但し、打撲の場合には通常のケースでは「アイスバッグ」というアイシング用の氷嚢(ひょうのう)に氷を入れ、患部にそれを直接当てて、その上からラッピング・・・つまりバンテージ(伸縮性包帯様の帯)で圧迫を加えて冷やすような手法もあります。

この場合、冷やす時間は10分~20分程度で間歇的(1時間に1回)に行います。圧迫を加えるのは「患部の腫れを抑える為に有効」だからというのが理由ですが、氷水で冷やす場合にも当然この圧迫が有効になるので、薄い包帯様のもので局所を圧迫してから氷水に直接漬けるといった手法にも大変効果があります。

少年期や成長期におけるアイシングの効果や功罪については様々な論もありますが、基本的な考え方として「打撲や捻挫」「酷使した関節や変形した関節」に対するアイシングに関しては、季節などによる気温やアイシングを行う場所(室内なのか屋外なのか?)、それから部位(心臓から近い場所か遠い場所か?)によってアイシングの手法や実施時間、回数などを考慮しながら行えば問題ありません。

ただし足の裏など心臓からかなり遠い局所を冷やす場合には、たとえ疲れている、痛いからといっても、30分も1時間も続けて冷やしてしまうと、そのうち血行障害などを起して患部の治りが悪くなったり酷い状態になってしまう場合もあるので、アイシングに対する知識をしっかり身につけ、正しい方法・時間、回数、用途をしっかり踏まえ行う必要があります。



<アイシングの手法・その後の処置・対応>


手の指を突き指した場合

 ↓
紙コップに氷水を作る
 ↓
指にスパイラルテープを行う
 ↓
5分~10分程度冷却
 ↓
受傷後48時間~72時間、1時間に1回程度の間歇的なアイシングを行う
 ↓
骨折や靭帯を痛めている突き指であれば接骨院か整形外科へ行き、患部の整復・固定等の処置を必ず受けるようにする
 ↓
先生の指示に従って治療を行う



投球後などの肩へのアイシング

 ↓
練習後または試合後、ピッチング後などにアイシングを行うようにする
 ↓
アイスバッグを2つ用意しクラッシュ・アイスを満遍なく入れ当てる面を平らにしておく
 ↓
肩関節の前・後からアイスバッグを挟み込むようにして当てる
 ↓
伸縮バンテージでアイスバッグを圧迫固定する
 ↓
15分~20分程度冷却する



投球後、肘へのアイシング

 ↓
練習後または試合後、ピッチング後などにアイシングを行うようにする
 ↓
やや大きなバケツ(底が深くて肘関節から腕の半分までしっかり漬けられるもの)に氷水を作る
 ↓
氷水に直接、肘関節から腕の半分くらいまでを漬ける
 ↓
10分~15分程度冷却する



腫れの酷い足首の捻挫

 ↓
やや大きなバケツ(底が深くて足首までしっかり漬けられるもの)に氷水を作る
 ↓
足首に薄い生地の包帯を巻く(あまり巻きすぎず締めすぎないように注意する)
 ↓
椅子に座って楽な体勢で足首を氷水に漬ける
 ↓
10分~15分程度冷却する
 ↓
受傷後48時間~72時間、できれば1時間に一回程度、間歇的にアイシングを行う
 ↓
足首の痛みが持続して歩行が困難であれば、念のため靭帯や骨、軟骨等に異常が無いか、必ず整形外科で検査を行ってもらい、それらに異常がないかどうかを確認してもらう
 ↓
患部に異常があれば松葉杖を使って歩行する(患部に体重をかけないようにする)
 ↓
歩行が可能になり医師から足首を動かすように指導されてからタオルギャザー等で足の指運動からリハビリを開始する
 ↓
お風呂で足首を回したり、底背屈運動、正座などを行ってみる
 ↓
局所的な痛みが残っていれば鍼治療・電気療法・温熱療法等を併行して行う
 ↓
痛みが軽減してきたら芝生での裸足歩行・裸足ジョギング・平地での軽いダッシュなどを行いながら、バランスボード等で足首を更に鍛える
 ↓
爪先立ちからの回旋運動やダッシュからの急停止、左右の動き(サイドステップ)、低い高さの台からジャンプなどを行いながら運動強度を上げていく
 ↓
足首に緩みあってぐらつき感などがあれば、サポーターやテーピングで足首を必ず固定保護してスポーツや運動を行うようにする(特にサッカーなどで足首を多用したり足首に負担が多いスポーツを行う場合には、必ずテーピングやサポーターで足首の固定保護を行うようにしながら、足首の強化&ケアを継続して行うようにする。)



膝蓋骨(膝のお皿)の強い打撲

 ↓
膝の皮膚面に創傷などがある場合、まず傷面を綺麗にしてから撥水性の絆創膏を張っておき、傷面が濡れないようにしておく(もしくはサランラップで膝のお皿ごと巻いてしまう)
 ↓
膝のお皿よりやや大きめのアイスバッグを1つ用意しクラッシュ・アイスを満遍なく入れてから当てる面を平らにしておく
 ↓
膝のお皿を中心にアイスバッグを当てる
 ↓
伸縮バンテージでアイスバッグを圧迫固定する
 ↓
10分~15分程度冷却する
 ↓
受傷後48時間から72時間、できれば1時間に一回程度間歇的にアイシングを行う
 ↓
受傷後1週間を経ても痛みが残存していたり、膝を完全に曲げられなかったり伸ばせないような場合には、念のため整形外科で患部の検査(レントゲン、MRI等)を行ってもらい医師の指示に従う
 ↓
器質的異常(骨や筋肉・靭帯等に異常)が無いのに痛みだけが残存している場合には鍼治療、電気療法等を行う



頭部の打撲(デッドボールや転倒など)

 ↓
受傷部に創傷や裂傷があれば、まず傷を綺麗にしておく
 ↓
頭部はあまり冷やしすぎないよう注意する
 ↓
氷水に漬けたタオルを患部に当てる(冷えすぎないため)
 ↓
意識等に異常が無いか、頭痛が無いか、吐き気などがおこってこないか等を3日間は確認するようにして、もしそれらの徴候が認められたら、念のため脳神経外科を受診して医師の指示に従う。


 

水泳選手の肩腱板損傷

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昨日は久しぶりに水泳選手の肩関節痛(運動制限を伴う痛み、シビレ症状)に対する施療を行わせていただきましたので、その件に関してここで少しお話ししてみようと思います。これまで肩関節スポーツ障害についてブログ上でも様々な形で書き残してきたのですが、今回のような「スイミング」による肩関節障害と野球の肩関節障害とではその発生機序に違いをまず感じます。

まずボールを投げる動作と水中で水をかく動作では肩周囲の筋肉群に対する負荷抵抗に大きな違いがあります。投球動作で使われるのはより瞬発的な筋力であり、水泳動作で使われるのは持久的な筋力と瞬発的な筋力の両側面ではないかと思います。野球選手のクロストレーニングではよく水泳が用いられる事があります。これは普段使わない筋力を他のスポーツで補うために行われるものですが、そういった面から考えても、水泳と野球で同じ肩関節スポーツ障害が発生するにせよ、使われている筋肉疲労のメカニズムにも当然違いがあるのではないかと思います。

投球動作で肩関節が使われる場合、およそ空気抵抗が皆無ではないにしろ、そのほとんどがボールの重さと自分自身の腕の重さによる運動負荷抵抗でしょう。ところがスイミング動作で肩関節が使われる場合、水中で肩関節を大きく動かしながら自身の腕を使って水をかきながらその水の抵抗を利用しながら前へ進むわけですから、これは投球動作と比較しても、どれだけ肩関節周囲にある筋肉群に疲労が及ぶのかと言えば、これは比較にならないほど負荷抵抗があるのではないかと考えます。

特に肩甲骨のわきにある大菱形筋や肩甲挙上筋、それから首から肩にかけての僧帽筋群に対する疲労度は投球動作による負担の比ではないはずです。スイミングの場合には水圧抵抗が腕にかかりますが、泳ぐ動作というのは持続された水圧抵抗と空中における抵抗解除の繰り返しということになります。もちろん泳法(クロール、平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎ)によって肩周囲の筋肉群への負担のかかりかたも当然変わってくるはずです。特にバタフライや背泳ぎでは腕を大きく廻さなければならない為、その分 運動負荷による肩甲骨周囲への筋群に疲労が及ぶ為、平泳ぎやクロールよりも疲労度が大きくなるはずです。

この中でまず考えておかなければならない重要な点ですが「肩関節を大きく廻す動作によって起こってくる筋疲労と肩関節の障害」の関連性についてです。

昨日訪れてくれたAさんは病院でMRI検査を受けた結果、「肩の腱板損傷」と診断を受けたそうですが、肩腱板というのは4つの小さな筋肉に分類されており、これは「棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋」というものになります。これらは肩関節の回旋動作に関わるものと腕の挙上に関わる筋肉になりますが、そのうちのどれか一か所でも障害を受けているとMRI画像に「白く」映って見えるということになります。

肩腱板というのは肩関節を構成している筋肉群の中でも「インナーマッスル」と呼ばれている「深層筋群」であり、これは肩関節を安定させる働きをしています。このような肩のまわりにある深い場所の筋肉群を傷める一番の原因ですが、これはどういうことかというと「使いすぎ」若しくは「使い方に無理がある」といったケースではないかと考えます。

いずれのケースであったにせよ「筋肉を損傷する」といった場合、例えば転倒して肩を打ったとか、誰かと衝突して肩をぶつけたような外力によって起こってくる障害であれば、これは当然 筋肉への外力的なダメージによって損傷した・・・という明らかな因果関係を見出す事が出来るのですが、多くの肩関節障害の中でもAさんのように水泳動作で肩に痛みが出てきて、それ自体が「筋肉を傷めて痛みやシビレがある」ということであれば、実はその前段階を考察していくと必ずその前に「違和感」や「力が入りにくい状態」を自覚していたはずです。筋肉というのは疲労を起し始めるとまず「力が入りにくく」なります。そうすると今度はどうなるかというと、力が入りにくくなった場所以外の筋肉を使って肩や腕を動かそうとするために「代償性の動き」が入ってきます。

例えば今まで大菱形筋や僧帽筋を使って肩甲骨を大きく動かしていたものが、その大きな筋肉群に疲れが出てきて筋肉に力が入りづらくなってくると、今度は「腕の力」で肩を廻そうとするようになってくるということになります。これは「代償性運動」によって生じてくる云わば「故障=スポーツ障害」の多くの原因であると言えます。

これは野球の投球動作にも言えることで、全身の筋肉や肩の周りにある筋肉に疲労を起し始めると今度はどうなってくるかというと、手首や肘に力が入り始めるのです。そうすると肩の周囲にある筋肉よりも腕の筋肉というのは「小さい筋肉群」になりますから、局所的な負担がかかります。その結果、疲労を起こしている大きな筋群が正常に動作していないが故に今度は肩腱板(インナーマッスル)のような持久的な筋肉群に負担が及び始めるのです。そうやって大きな筋肉群を使っていて、そこが疲労をおこしながら次第に小さな筋肉群にまで疲労が及んでいった結果の中で「肩腱板障害」というものが発生してくるのが所謂「肩腱板障害」の根本的な発生機序ではないかと思います。

体の使い方に無理がある(不正なフォーム)が故障に結びつきやすいのは「筋肉に負担が及ぶ」「その結果、関節に障害が及びやすくなる」からです。使いすぎればそのどちらも起こるということなのです。そしてそれは代償性運動に結びついてくる一番の原因になるからです。

はじめに述べたように「使いすぎ」若しくは「使い方に無理がある」という事自体が筋肉や関節にストレスが及びやすい一番の原因になることは理解できるはずですが、その無理が生じている事をそのまま見過ごしてしまうと必ずスポーツ障害を発生させてしまう・・・ということになります。

これは動きの中で判断できる一番の方法ですが、たとえば後ろから肩甲骨の動きを観察しながら腕を挙げたり下に下ろして貰うと、左右の肩甲骨の動きがアンバランスになっていることがよく確認さることがあります。こういった観察を日々の練習の中でスポーツが終わった後にしっかりチェックしておくと、選手自身の目では確認できない肩周囲にある筋肉群の疲労を予め予知することが出来るのです。私たちトレーナーというのは、そのようにして未然に肩関節障害を防いでいくことを学んできました。また選手自身が自己分析する為には、泳いでいるときや投げているときに「今日は力が入りにくいなぁ」「どうも思ったように肩が回らないなぁ」というその「異常な感覚」を見逃さない・・・という事が最も大切になってきます。これは肩のスポーツ障害を未然に防ぐ一番基本的なことです。

Aさんはこのような経緯で肩のスポーツ障害を発生させてしまったようですが、まず一番大切な事は「全身的なバランスを取り戻すこと」です。そして次に大切な事は「肩関節の正常動作範囲をまず取り戻していきながら、肩周囲にある筋力や全身的な筋力の回復をはかっていく」ということになります。・・・ということはどういうことになるかというと、要するに「練習をある程度続けながら身体バランスを取り戻す動きを充分に取り入れていく」という要素を考えながら練習内容やトレーニング方法を練り直していく必要性がある・・ということになるのです。今までと同じ要素を積み上げていっても、痛めてしまった肩を元に戻すのが困難であれば、今までになかった要素を入れていく必要があるのです。

これがいわばスポーツ・リハビリの考え方として、ただ「痛みや違和感」が無くなればそれでよし・・としないということになるのですが、何度も同じような肩関節障害を繰り返してしまうと最終的にはスポーツ・パフォーマンスを落としていきながら、そういった関節や筋肉の傷害によってスポーツを続けられなくなる・・ということを未然に防ぐ為には怪我を治す以上に、よりそこから得られた故障の経験から何が必要で何が必要でなかったのか・・・を検討することから始めなければならないということなのです。でなければ又同じことの繰り返しになる可能性が高いのです。そしてそこまで選手のフォローが出来ないのであれば、本来はスポーツ傷害を完治させていく真の意味は当然薄れてきます。一時しのぎで痛みを緩和させたり動くように出来たとしても、実はその後の方が大切ではないかと思いますが、そこまで選手自身が意識を高めていけるかどうか・・・というところに私はいつも目を向けています。

多くのスポーツによる肩関節障害に携わりながらこれだけは言えるのではないか?と思うことは、理に叶った施療、理に叶ったリハビリ・プログラム・・・この2点がまず備わる必要性がある・・・ということと、一番大切なのは「選手自身がそれらを正しく認識して、傷害発生を機として自分自身のスポーツ競技への自己意識改革を進め更に高めていく」ということではないでしょうか。一流のスポーツ選手達の中にある意識とは、まず「故障しない為の体作り、パフォーマンスを高く維持できるようなトレーニング」と、「故障を起した際に得た経験からの自己意識改革」であるはずです。

今回のAさんのケースでは前回に感じた傷害程度よりも更に一段高いステップになると思いますが、その分 技術的なレベルや体力の向上を経ながら出現してきた「壁」ではないかと思います。このような「故障という壁」を克服していく為に、Aさんが横浜・多宝堂治療院を選択された理由の中に真の信頼を感じるからこそ、このような内容でブログを綴らせて頂きました。(by 院長)

反張膝(過伸展膝)を原因とする痛み

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先日、富士見ヶ丘にお住まいのTさんの奥様が初めて横浜・多宝堂治療院に施療を受けにお越し下さいました。Tさんの奥様は日頃から子育てをしながらピアノの先生をなさっているそうなんですが、旦那様にお子さんの面倒を見て貰って頂けたので治療にこれたようです。

お母さん達はお子さんが小さいうちは育児に手がかかりますから、普段はなかなか自分の思うように時間を使えないことが多いと思います。ピアノ教室と子育てとを日々両立しながら先日は本当に良くお越し下さいました。ありがとうございました。

奥様は小さな頃から大人の真似をしながらヨガもよくやっていた・・・というお話を聞かせて頂いたんですが、膝や各関節がとても柔軟性に富んでおられます。ところが関節というのは緩すぎても硬すぎても障害を起こしやすいもので、特に膝関節の場合、Hyper-Extension(ハイパー・エクステンション=過伸展膝=反張膝)の人は気をつけないと関節を守っている靭帯や半月板などを痛めやすいのです。ですから日頃からサポーターなどで関節を保護してあげるとコンディションを保ちやすくなると思いますが、本来であれば適切な運動を行って関節を守るべき筋機能を高めてあげることも重要な課題となってきます。

たとえばスポーツ選手の場合には激しい運動を行う場合がほとんどですから、通常はウエイト・トレーニングなどを行って大腿四頭筋(ももの前側の筋肉)を鍛えたりして膝関節周囲の筋肉をしっかりと働かせられるように・・・と強化するのが予防法となるのが一般的な考え方になります。

また一般の方で特にスポーツは行わないということであれば、まず歩行をしたり軽いジョギングなどを行いながら、下肢の筋肉をこれ以上落とさないように気をつけておくことで膝への負担は随分軽くなっていきます。犬を飼っているご家庭の方なら良く御存じだと思いますが、毎日毎日犬の散歩で外を歩くだけでも、膝関節の強化になって膝痛予防には最適です。

いずれにしても女性の場合、育児期というのは自分の都合で運動したりする時間がなかなか取れないと思いますし、お子さんを抱っこしたりするので膝に負担がかかることの方が多いのではないかと思います。ですからまずはサポーターなどで関節を保護したりして、時間が取れるようになったら軽い運動から始められては如何かと思います。

Tさんの奥さまは横浜・多宝堂治療院で初めて鍼を体験されるとの事でしたが、鍼の効果も素晴らしいと思いますので、もしまた何かありましたら是非御相談下さい、心よりお待ちしております。それからお父様をご紹介頂きまして誠にありがとうございました。お父様は高校時代まで野球をなさっていたということで、野球の話に花を咲かせながらの有意義な施療となりました。お父様にもどうぞ宜しくお伝え下さいませ。

昨日は保土ヶ谷から久しぶりにS専務さんが訪れてくれたんですが、だいぶ腰の疲労が重なっていた様子でした。昨日はフルコース・メニューだったので今日はどうでしょうか・・・大丈夫だったかなと、少し心配しております。それから昨日御来院頂きましたKさん御夫婦様も、いつもいつもご利用頂きまして誠にありがとうございました(*^_^*)

今日はここ横浜も快晴で、朝はとっても気持ち良く起きれました。

明日から又、天気が崩れるとの情報もありますので、今日はしっかり陽の光に当たっておきたいところですね。

もうすぐ暖かい春がやってくると思いますが、そろそろランニングを再開したいと思っています。体重は増えず減らずの感じできておりますが、やや運動不足なところは否めませんね・・(苦笑)

まずは軽いところでキャッチボールくらいから始めようかな・・・。(by 院長)


 

プロ野球生活と高校球児

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毎年11月にはNPBドラフト会議が行われますが、この年末のドラフト会議で有能な高校生選手達が各プロ球団から候補に挙げられ指名されていきます。

プロ各球団では各地域(北海道、東北、関東、中部信越、関西、四国、山陰山陽、九州(沖縄))にスカウトが配置・配属されており、このスカウト陣によって各地域の有能な高校野球選手達の発掘が行われています。

プロ野球入りを志望している高校野球選手にとっては当然、夏の甲子園大会は絶好のチャンスとなりますが、それは甲子園大会では各プロ球団のスカウト達がバックネット裏で毎試合観戦して目を光らせているからです。

ドラフト会議で指名された新人の高校生達が契約を終えてから一番初めに行われるのが「メディカル・チェック」です。これは高校生に限ったものではなく、もちろん大学生も社会人選手もみな同じです。

メディカル・チェックというのは、「肩・肘・腰・膝・足首」など、選手達の各関節に対する医学的な臨床検査を受けることになりますが、具体的に言えば、レントゲンによる画像診断や場合によってはMRIなどの精査を受ける事となります。

それから肩関節や肘関節の可動域(関節の動く範囲)を調べておき、入団後に故障が発生した際には、きちんと状態を比較出来るようにする為、それらが「数値データ」として残されています。

このメディカル・チェックによって異常が発見された場合や、選手達に「何か自覚症状がある場合」には、そこで必要な精密検査も加えられ行われていくのですが、今後、野球を続けていく上で支障が出てくるようなケースが考えられることを想定しながら、たとえば春の2月のキャンプ前に、もし手術が必要であるとか、リハビリを行っておく必要が有る場合では、他の選手達とは別の対応が行われることになります。

毎年1月の10日過ぎ辺りから各チームの新人選手達を集め合同自主トレーニングが始まりますが、その前に体力測定や身体計測等が行われ、現状においての運動能力や身体発達などを調べます。

高校野球を経てプロに入団してくる選手達の中には、肩や肘に問題を抱えてしまった選手もなかには出てくるのですが、致命的な障害以外は1月中に何らかの形でトレーナーによる対応を行っていくこととなります。

もし春のキャンプに間に合わないと判断される場合には、別メニューを用意したり、全体練習に参加できないケースでは、「リハビリ選手」としてファームにおけるキャンプ・インとなります。

高校生達の場合には、総合的に見ても、下肢や体幹(腹背筋、腹側筋、股関節など)筋力の弱い選手が割と多く、またこれらの調整力にも、既存のプロ野球選手達と比べるとかなり差がある選手が多いことにも気がつきます。 

もちろん高校生の中だけで判断すれば、技術的にも体力的にもこれらの素養は頂点にあるはずですが、プロ球団の中から判断すれば、それでも「普通」か「普通以下」となる厳しい現実もあります。

プロに入れば、まず瞬発力・調整力・持久力など総合的な視野に立って行われるトレーニングが行われたり、1年を通じて野球が続けられるようにコンディショニング法も身に付けさせていきます。それと同時に、技術面(投・打・守・走)に関しても、まず基本がしっかり出来ているのか?ということで、各技術コーチ(投手・捕手・内野守備・外野守備走塁コーチ)からの評価が行われるため、高校生の場合、春の2月のキャンプに入れば徹底的な基本技術の反復練習が行われるケースもあります。もちろん技術的に群を抜いて素晴らしい素質をもった選手達の場合には、元々もっているその技術に対する「指導」が及ぶことは、あまりありません。

しかし投球動作や守備動作、バッテイング動作や走動作の中で故障に繋がるような原因があった場合や、現在のそのままの技術ではプロで通用しない・・と判断される技術面に関しては、その後に改善されていくケースも当然出てくるでしょう。

例えばバッテイングに人並み外れた力(パワー)があったとしても、プロのピッチャーのスピード・ボールや変化球に対応できなければ、当然、バッティング・フォームの改造も迫られます。

またピッチャーでは並外れた速球を持っていたとしてもコントロールが一定に保たれていなければ、当然 フォームの改善、投球に入る前の姿勢を変更していく場合も出てくるでしょう。

しかし私自身が長い間プロの現場で高校生達を観てきて、「ここが素晴らしい」というものを必ず持って入ってきているわけですから、「俺はこの技術でここまでやってきた」という各選手たちの、そういった自負心は必ずあるとも言えます。

特にエース・ピッチャーやスラッガーの場合には、そういった「こだわり」を強く持っているので、そのままの形がプロ野球の中で通用していけば全く問題は無いのですが、2軍(ファーム)の試合でもそれらの技術がなかなか通用しないと実感していくと、当然、選手は「悩む」ことになります。

「通用しない=結果が出ない」ということは、当然 本人の自信喪失にも繋がるので、こういった際には各技術コーチがカウンセリングを選手に日々行いながら、個人練習などを通じてマンツーマンで技術指導されていく場面もあります。

高校野球を経て、プロ球団に入団してくる高校生達を私自身が見てきて一番に気がついた事は、高校時代、若しくはアマチュア時代に培ってきた技術の元を辿っていくと、学生時代に指導されてきた「基本的な考え方やフォーム」に対する選手達の無意識的な「信頼、信条」があるという事です。

「この打ち方でプロに入れた」「この投げ方で甲子園を投げ抜いてきた」

これがまず一番初めに訪れるだろう高校生達のプロに入ってきた後の大きな精神的な壁ではないかと感じてきました。

高校野球を経てプロに入団してくる選手達の中には、プロ入り1年目から1軍で活躍する選手も当然います。しかしその多くが「育成」を対象とされた選手達ばかりですから、初めは2軍(ファーム)からの活動となります。

来る日も来る日も毎日野球を続けるわけですから、逃げ場などは当然ありません。ましてや寮生活となれば門限があったり、集団規則の範囲の中で生活を送ることとなります。また夜間練習も毎日行われていますから、本当に野球漬けの日々になるわけです。

高校生達がプロの世界へ入ってきたばかりの頃にまず培われていく「厳しさ」や「葛藤」というのは、その後の彼らの選手活動の芯の部分を作り支えてゆきながら、人間的にも素晴らしい軸を築きあげているのではないか?と感じますが、そこには当然、多くの「挑戦が待っている」とも言えるでしょう。

彼らが厳しい毎日を乗り越えて、1軍の試合で結果を出すことができれば、周囲で指導し支えてきた指導者達も本当に喜びます。当然 選手自身も最高だと感じるだろうし、1軍で野球が出来れば給料(報酬)だって増えるわけですから嬉しくないはずがありません。

しかしその後も1軍で野球を続けお金を稼いでいくためには、まず相手チームに勝つ前に、「チーム内」で勝ちゆかなければなりません。そして最終的には「自分との戦い」に勝ちゆき野球を続けていくことが出来なければ、プロ野球の世界で長い選手生活を送ることは難しいとも言えるでしょう。

その中で言えることは、故障をしない技術や身体的要素も必要であるし、ブレない精神的な支柱も当然培われていかなければならない・・・そういうことです。そして毎年結果を出し続けていかなければ、「そのポジションに残れない」というチーム内による「切磋琢磨」があるからこそ、そこに挑んでいる選手達がチームを牽引しながら強くなっていく・・・そういうことではないかと思います。

「プロ」とはそういう場所であり、いかに力を持った素晴らしい高校球児であろうとも、必ず試練が待っている・・・という事です。そして周囲の励ましや応援も沢山あると思うのですが、それが反対に大きなプレッシャーとなって自分自身の背中にのしかかってくる場面も沢山ある・・・ということでしょう。

だからこそ精神的な強さ、自らの壁を破る戦いがあって初めて、プロで活躍するような選手だけが「本物の野球選手」になっていくのではないかと感じています。

まだまだ書きたい事は山ほどありますが、夏の甲子園大会・・・・今年も本当に楽しみですね。甲子園大会の中から、また来年度からプロのユニフォームを着る選手達が大勢活躍することを期待しながら、ここから応援していきたいと思っています。(by院長)

スポーツ選手のスネの痛み/シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

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野球選手・サッカー選手・陸上選手などのスポーツ選手達によく見られるスポーツ障害「シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)」について今日は少しお話をしてみたいと思います。

シンスプリントは下腿部の脛骨の下から1/3辺りの部分に鈍痛や違和感を伴う障害で、ランニング練習などのオーバーワーク・練習過多を原因とする局所的な負担によって発生していきます。

下腿部は「前脛骨筋、長趾伸筋、第三腓骨筋、長母趾屈筋、腓骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、足底筋、膝窩筋、下腿三頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋、長母趾屈筋」などの多様な筋群で構成されております。これらの下腿部を守っている筋肉に弱化が認められたり、トレーニングなどによって筋疲労が蓄積していくことによって、下腿部の大きな骨・・・つまり「脛骨(けいこつ)」にストレスが増大し「疲労性の骨膜炎」を起こしてしまった状態がいわゆる「シンスプリント」と呼ばれるスポーツ障害になります。

シンスプリントの初期症状としては、朝 起きてから立ち上がろうとすると、「スネの内側の下のほう」に鈍痛や違和感を感じたり、また練習後にズキズキとしたいやな痛みを感じながら、そのような痛みを感じる状態が長く続くようになって急激に痛みが増大するケースも出てきます。

シンスプリントが進行して酷い状態に移行すると、歩くだけでも痛みを自覚して、全体重を足にかけられなくなってしまうこともあります。またランニング練習中に「疲労骨折」をおこしてしまうケースもあります。ですからシンスプリントが発生したら、まず患部を安静にしながら、下腿部全般の筋肉群の疲労状態や異常な緊張状態を取り除いておくために、スポーツマッサージや鍼治療を行っておくことが大切です。

また急性期には患部をアイシング(氷で冷やすこと)して炎症をしっかり管理していかなければなりません。なぜなら慢性期に移行していくと、シンスプリントの痛みはなかなかひかなくなってしまうので、早期に治療を開始しながら、ランニング練習(特に硬い路面や体育館などの床での)やジャンプ動作などを抑制しておく必要があるのです。また回復期及び予防の為にも下腿部全般をサポート出来るような「ふくらはぎ用のサポーター(できれば圧迫の強さを調節できるタイプが良いでしょう)でしっかり患部を保護」しておいたり、足の底の土踏まずのアーチ部分の状態をしっかり維持しておく為に、「アーチサポートなどのような靴底」を入れたり、「テーピング」にも効果があります。

痛み止めのお薬を飲みながら無理をしているような選手もいるようですが、基本的には過労性の障害、骨の障害ですので、無理を押し通してスポーツ活動を行っていけば、疲労骨折に移行する確率が高くなってしまう・・・それだけは言えると思いますし、しっかり治療を行う事・練習量を落とすこと・痛ければ休む事・・・これらが一番大切なことではないでしょうか。

普段から下腿部(ふくらはぎやスネの筋肉)のストレッチングを行いながら筋柔軟性を確保し、状態の良いときには常に弱い筋群を鍛えておくことも大切な予防法となっていきます。学生さんの中には、シンスプリントが発生していて、ランニング以外の練習でも常に痛みがあるのに、無理を押し通しながらスケジュールに任せて練習や試合に出場しているケースもよく目にしています。

しかしシンスプリントというのは、骨の膜に炎症が発生している状態であり、筋肉の疲労性の痛みとは根本的に違いますから、そこを通り過ぎ大きなストレスを下腿部にかけ続けていくと、その後に「疲労骨折」を発生させてしまい、結局 その骨折が完治するまでに約1ヶ月~1ヶ月半程度、練習や試合を休まなくてはならないケースも出てくることがあります。ですから十分な経過観察と練習時のランニングやジャンプ動作の抑制をしながら、局所的な痛みを快方へと向わせていく為に、普段からのケアや治療をしっかり継続しておく必要があると同時に、「酷い痛みが発生するようなことがあれば直ちに医療機関でレントゲンなどの検査」を受けて、現状をしっかり把握しておくことが大切なスポーツ障害ということになります。



<参考Web>


みんなを困らせるスネの痛み/シンスプリント対策

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太もも前面打撲による長引く痛みや筋硬直への対応・処置・治療法/スポーツで発生する外傷・チャーリーホース

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Charley horse(チャーリー・ホース)=「筋肉痛」「こむらがえり=筋痙攣」「筋硬直」の意

サッカーやラグビーなどコンタクト・スポーツ(相手選手と衝突する場面の多いスポーツ)による試合中や練習中に発生する「太もも前面への強い打撲後に生じた筋痙攣、筋硬直、筋肉痛」のことをアメリカの俗名称では「チャーリーホース」と呼んでいます。

プロ野球選手の中にはデッドボールが原因で上肢や下肢、背中や臀部などにチャーリー・ホースが生じるケースもありますが、通常、スポーツ障害でチャーリー・ホースと言うと「大腿部前面の打撲によって生じた筋硬直や痛みなどの俗称」として呼ばれています。

特にこの大腿部前面(ふとももの前面)に強い打撲が生じると、大腿四頭筋部に強い筋硬直が起こるケースが多く、その後に「膝を曲げるのが困難」になるケースもあります。

初期対応としては大腿前面部に強い打撲痛が生じているような場合には、まず筋断裂が生じていないかを確認してから、そのような状態で無ければ「膝関節を曲げた状態でRICE処置=患部を冷やしながら圧迫を加え、患部を心臓より高い位置にして休ませる」を施していきます。

これは急性外傷に対する一番初めに行われる初期対応ですが、もし「筋断裂が発生している」・・と疑われる場合には、傷めた筋肉を縮めた状態でアイシングするようにして下さい。筋断裂が発生した場合には、痛みの出ている付近の筋肉の皮膚表面を指でなぞってみると陥凹が触知できることがありますし、筋断裂が生じていると疑われるケースでは、念のために整形外科で精密検査(MRI)を受け、その後の適切な対応や処置を受けた方が良いでしょう。

筋断裂が無い場合でも大腿前面部の打撲によって生じた筋部の痛みは2週間から3週間くらい残るケースもあって、その後に「打撲部の筋肉に強度の筋硬直があれば膝が曲げにくくなったり、完全に曲げられない状態が長引く」ケースもあるのです。

初期段階で適切な対応や処置を行っておかないと、上記のような後遺症状のためにスポーツ活動への復帰が遅れたり、その後の運動時に大きな支障を来たすことになり、一般の方々の打撲外傷の場合でも、日常生活で支障を来たす場合があります。

尚、チャーリー・ホースが重症に陥ってしまったケースでは、筋肉内における瘢痕組織・血腫が石灰化をおこしながら「骨化性筋炎=筋肉の中にカルシウムが沈着して、それが骨化してしまう状態=筋肉内に骨が形成されてしまうこと」に移行していくケースもあるので、大腿前面部の打撲に際しては適切な判断や対応が求められると言えます。

これらのような打撲症に対応する場面では、まず筋肉内に血腫(打撲によって生じた内出血のかたまり)が認められる場合、整形外科などで抜血処置(注射器で内出血を抜く)が施され、患部の筋肉を弾性包帯で保護し、その上で患側下肢に負担が及ばないよう松葉杖歩行や車椅子を薦められることが多くなります。

もし血腫(血の固まり)が筋肉内に長い間残留してしまうと、患部付近の血流障害を生じさせながら、筋組織修復を大幅に遅らせると共に、急性期が過ぎ筋肉の強い痛みが軽減してからも筋機能に支障を来たすような状態が長引くことになります。またその上で膝が曲げにくくなったり、歩行時の痛みが継続してしまうケースがあるのです。



先日、大腿前面部に打撲を受け、その後に「膝の曲がりが悪くて困っている」といったご相談でご来院いただいた女性クライアントさんもおりましたが、受傷後数週間を経ていて、大腿前面の中央部の筋硬直はかなり酷い状態でした。

そのため膝関節は完全伸展位から30度程度しか屈曲(曲げる)することが出来ない状態だったので、歩行も苦慮するようでしたが、このような場合には患部に対してあまり強い刺激は加えずに、温熱療法等により筋深部を温めながらハリ治療を併行して行ってあげることで「筋肉内に残ったダメージ」を和らげ筋柔軟性の回復に繋がっていくことになります。

また「打撲した場所をまだ冷やした方が良いのでしょうか?」とのご質問もありましたが、患部を直接触診した感じでは、皮膚表面の熱感は無く、皮膚の色からは「血流障害」が示唆されており、このような状態では患部周辺を「温める」ことによって、患部組織の修復を促すことを主目的に治療を行います。

それから大腿前面部の筋硬直がかなり酷い状態なので膝を曲げる動作が困難ですが、このような状態のときに「無理に筋肉を引き伸ばそうとしても=強いストレッチを行おうとしても」そう簡単には筋肉が伸展(伸びる)することはありませんし、そのような無理なストレッチを行えば筋の伸張反射がすぐに発生してしまうので、このような段階では行わない方が賢明です。

今回行ったようなハリ治療で患部周辺組織への血流が徐々に改善しながら筋肉の柔軟性は改善をみせ自然に伸びるようになっていきますから、その上で「痛みの出ない範囲」で患部のストレッチを徐々に行うようにしましょう。

始めにもお話ししましたが、私がプロ野球の世界で見てきた数多くの外傷の中でも、このような筋硬直を伴うような打撲痛に関しては「ハリ治療」と「温熱療法」が一番筋機能の回復や疼痛緩和時期を早めていました。ただしこれらの治療は「適切な段階から開始しなければならない」のであって、時期を逸したり、急性期に行ったりすれば、やはり「患部に二次的な障害が発生する可能性もある」ので、外傷初期段階から急性期を過ぎる時期を的確に判断していく必要性があると言えますし、医療機関で精査が必要であれば、まず「適切な診断」を受けた後に施療を行うことが大切だと言えます。

最後に・・・患部回復が困難なケースの際には、適切な時期に精密検査(MRI検査など)を再度受けるなどして、骨化性筋炎のような二次的障害へと移行する危険性がないかどうかを必ずドクターにチェックして貰うようにして欲しいものです。(by 院長)


 

40歳から50歳代に多い・・・肩の痛み

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日頃から訪れるクライアントさんの中には肩関節の痛みと肩こり、それから腕のシビレなどを訴えておられる方々が大勢おります。

日常的な家事、それから介護士や看護士などのように手作業労働や書き物の多い職業に就いている女性が大勢おられますが、このような女性の方々に最近多いと感じるのが、「四十肩、五十肩」や「石灰沈着性腱板炎」です。

一般的には中年期以降に認められる肩痛を「四十肩、五十肩」と呼んでおりますが、「石灰沈着性腱板炎」とは、肩のインナーマッスルである棘上筋腱付近に石灰物が沈着して、そこに炎症を起こしていく疾患です。

またそれが原因で関節包の炎症なども誘発されていきますので、肩の運動障害→特に回旋運動(腕を大きく回すことが出来なくなったり、腕が上らなくなり、動かそうとすると激痛が走るようになります。)を認めるようになります。

進行していくと夜間痛、不意な腕の動きで激痛が走るようになったりしますので、かなりの不快感があるようです。

「四十肩、五十肩」の正式名称は「肩関節周囲炎」と言いますが、英語では「Frozen shoulder(凍結肩)」と呼ばれているように、肩関節が固まって動かなくなる病態です。

この「四十肩、五十肩」の一番の特徴は「肩関節の拘縮」でありますが、器質的な異常は無いにも関わらず、「肩が動かない」また「動かそうとすると痛みがある」というものです。

いずれにしても肩関節の運動制限と運動時の痛みがありますし、進行してくると夜間痛が激しくて「眠れない」といった弊害が出てくるようになった頃に病院を受診してみたり、治療院・接骨院などの施療に赴く方々が大勢いらっしゃることだと思います。

「石灰沈着性腱板炎」と病院で診断された場合には、上述したように明確な原因が特定されておりますから、医療機関で治療を受ける場合には、非ステロイド系の局注や鎮痛消炎剤の経口投与によって痛みの症状を沈静化させていたり、状態が酷い場合には沈着物である石灰そのものを石灰物摘出術(穿刺法、切開摘出術、関節鏡視下摘出術)によって治療が行われています。

こういった「石灰沈着性腱板炎」や「肩関節周囲炎」を患った方々の肩関節の運動制限に対して日頃から指導していることは「痛みのある時期や痛みの強い時期には無理に肩を動かそうとしないで欲しい」ということです。

無理に動かさない・・・ということは、「全く動かさない」ということではありませんが、その「動かす範囲」をどのように判断していくかが、実は一番考えなければならないポイントになります。

横浜・多宝堂治療院では何例かの中で肩関節運動制限の改善例がありましたので、その方法をとっていますが、痛みに対する対応としましては、初期の急性期と肩関節の拘縮期、それから疼痛がやや軽減してくる緩和期に分け、この3段階で違うパターンの施療を取り入れてきました。

肩関節の拘縮期にハリやマッサージ施療を行っても「動かすと痛みが全く変わらない」というケースがあるので、その時期には「肩甲胸郭関節」を主体にして運動療法を加えていきます。

こういった病態で痛みの酷い状態の場合には医療機関での抗鎮痛消炎薬治療を受けて、それと平行しながら行っていくべき「運動療法」を指導していくのも傷病回復時期を早められるのではないかと考えています。

関節の癒着を防ぐ為に行う運動療法は多少の痛みを伴うことが当然ありますが、その道筋の中で肩の痛みからくる二次的な弊害(不適切な体の使い方)による体の歪みを整える施療を行いながら、その上で肩関節の痛みの改善を導き出していった方が実はクライアントさんにとっても楽に完治を導き出していけるのではないでしょうか。(by 院長)


 

お子さん達の野球肘に関する初期異常への対応方法

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肘を曲げたり伸ばしたり、回内、回外運動をさせると、「肘関節の辺りに異音がする=パキパキと音がする」とお子さんが訴えていれば、肘周囲の筋肉・腱などの疲労などによって機能が低下しているため肘の関節をしっかり支持できなくて関節へのストレスが生じていると言えるでしょう。

例えば、「肩こり」をする人であれば理解出来ると思いますが、日夜仕事などで首や肩周辺の筋肉が疲労をおこしている場合があるでしょう。そんなときに首を大きく回そうとすると、痛みは伴いませんが首の辺りで「パキッパキッ」と異音が鳴っている感覚を覚えることがあるはずです。

これは首の骨を支えている僧帽筋が疲労を起こし硬くなって機能が落ちているので、首の関節にストレスがかかっている場合に起こる一つの現象ですが、肘の場合もそれと同じで関節を支えている筋肉が疲労により硬くなっているだけでも、関節へのストレスが生じて動かすと異音が発生する状態になるわけです。

また野球肩ではインピンジメント症候群という障害がありますが、腱板筋機能の低下(インナーマッスルがきちんと働かなくなった状態)によって、投げるときに肩に異音が発生するのと同じ道理なわけです。

・・・・話を肘に戻しますが、しかしこの時点では肘を動かすと異音はするものの、まだ関節や筋肉に炎症を起こすには至っていないので、「ボールを投げてもバットを振っても痛くない」というお子さんが大半になります。

しかしその状態をそのまま放置していくと、そこからもう少し筋疲労が重なってきて関節へのストレスが増してくるので、初期異常時から数週間して肘に痛みが出てくる・・・といった状況経過が多いのではないかと思います。これは野球肘に至ってしまったお子さん達のお話を沢山聞いてきた中でも多かった現象です。

野球肘障害を防いでいく為に必要な要素を挙げれば、このような「関節の初期異常に対して、どのように対応するか」で、経過が大きく分かれていくことになると思いますが、今のところ「肘に痛みは無いけれど、動かしたときに異音がする」といったような段階で肘周囲の筋疲労をしっかり緩和させ柔軟性のある筋肉や腱に改善しておけば、経過は良い方向に向かうと言えるのではないかと思います。

ただし多くのお子さん達が、このような初期異常を自覚していても、まだ痛みが無かったために、親御さんや指導者さん達へ異常を訴えることが無かったので見過ごしてしまうのかもしれません。

横浜・多宝堂へご来院頂いてきたお子さん達の多くが、通常は「肘に痛みが出てから数週間~数ヶ月してから」ということもありましたが、患部が改善してからも、このような初期異常に関して説明しておくと、その後は割と早期に訪れて頂けるようになるので、野球肘障害を未然に防いでいく判断材料としては、「一つの有効な初期異常」と言えるのではないかと思います。

尚、お子さん達が、平常時に肘を曲げ伸ばしすると「痛み」があるといった段階であれば、まず1週間~3週間の範囲で、まず投げるのを休ませて経過をみては如何かと思います。肘周囲の筋肉や腱に炎症が生じているだけでも、肘の曲げ伸ばしで肘の関節付近に痛みが出てきますから、そのような状態であれば、まず「腕を使わずに肘をアイシングして経過を診る」というのが初期対応としてセオリーになります。

アイシングというのは、氷嚢に氷を入れたもので、関節や筋肉を冷やすことですが、それは「肘関節周囲の炎症を軽減させる目的で行う治療」ということになります。シップを張って炎症を抑制するよりも、氷で冷やしたほうが、だんぜん炎症抑制には効果が上がるからです。

肘に痛みが出てから最低3日間~5日間アイシングを続けても、肘の曲げ伸ばしで痛みがまだ残るようなケースがあれば、まずスポーツ整形外科で画像検査を行って貰い、肘の関節を構成している「骨」や「軟骨」、それから「内側側副靱帯」や「尺骨神経や正中神経」に異常が無いかどうかを確認しておいた方が良いでしょう。これは成長期のお子さん(小学校4年生~中学校3年生まで)に関する対応の中で必須項目に入れておくべきです。

その上で、もし「特に何処にも異常は無い」と先生から診断があった場合であっても、肘関節周囲の軟部組織に炎症が起こったことで筋肉・腱に柔軟性が無くなってしまうケースがありますから、そういった場合には早期にマッサージやハリ治療を施していくことで、ただストレッチを行ったり、湿布を張って休ませているよりは当然、筋や腱の組織が早く回復していきます。

そういった点から横浜・多宝堂で行ってきたコンディショニング施療(スポーツマッサージ、鍼治療等で行うコンディショニング法)が、その後の肘の良い状態をキープできる為に、多くのお子さん達から支持されてきた・・・ということになるでしょう。

このような痛みを伴った状態で「アイシングだけを何週間も行ってきた」といったお子さんも数名いらっしゃいましたが、それでは反対に逆効果となってしまい状態が更に悪化してしまう場合がありますから注意が必要です。

「冷やしすぎ」・・・は、余計に患部を悪化させ、完治するまでに時間がかかってしまう根本的な元凶となります。何故なら関節周囲の血行悪化を招くからです。炎症の状態に応じて「冷やすのか・温めるのか」を判断していかなければ、患部の状態は早期に改善させられません。

プロ野球のトレーナーとして仕事を行ってきた中には、そのようにして野球選手達の関節障害を未然に防ぐ努力というものもあったわけですが、もちろん、これは私自身が治療院を開業してから約5年が経過しますが、野球肘を抱えられたお子さん達に施してきた治療の中から得てきた、「成長期の肘の初期異常」として、まずそこから判断することでお子さん達の野球肘障害を拡大させずに済んだケースが数多くあったわけです。

それから一度でも病院で「肘の関節面の軟骨に障害が発生している」と診断を受けたことのあるお子さん達のケースでは、日常的に痛みが無くても肘の曲げ伸ばしで「関節に異音がする」ということが多いのではないかと思いますが、これは「変形性肘関節症」といって、関節の整合性が悪くなっている為に起こっている現象ですから、このようなお子さん達のケースでは、関節に異常の無いお子さん達よりも、一層、普段からのケアやコンディショニングに気を使っていかなければ、いずれは「関節の変形が進むことで、肘を完全に伸ばせなくなったり、曲げられなくなる」ことも当然考えておく必要があります。


それに伴って肘に炎症を頻繁に起こしていくケースも出てきますので、「痛み=炎症」と、まず察知して初期対応としてアイシングを肘にしっかり行っていくことと、炎症の後遺症状として筋肉・腱の柔軟性に問題が生じていれば、横浜・多宝堂で行っている手法で治療を行っていけば状態を改善していくことができます。

また肘の関節を強化する目的で行うトレーニングやリハビリに関してよく質問を受けますが、必ず「痛みの無い肘の状態で行う」ということが大切になります。何故なら早期に肘を動かすことで、炎症を長期化させてしまったり、痛みをそのまま放置していけば、「慢性疼痛=痛みがクセになった状態」に陥りますから、その状態が固定されてしまえば、長期に渡る不安定な肘関節痛の原因となってしまうからです。

痛めた状態の関節や一度酷い痛みを自覚した関節に対しては、トレーニングやリハビリを行う場合、そういった「炎症」や「痛み」を無視して行っていけば、必ず「関節を壊す原因」にもなります。関節が壊れてしまえば「手術」するしか治す方法はありませんが、手術をした関節というのは、異常の無かった頃の関節よりも「耐久性」が落ちてしまいますから、当然、その後に炎症が生じやすい肘関節、疲労を起こしやすい肘へと変貌してしまうということです。

この「関節の耐久性」の問題というのは、複雑なテーマとなりますが、手術を受ければ、また投げられるようになる、バットを振れるようになるといっても、その後の経過を知る者としては、やはり「未然に防ぐ」ことが一番大切だし、その方が長きにわたってスポーツを快く続けられるということなのです。その為には、上記に綴ってきたような詳細な事柄や経過をその都度判断しながら、お子さん達の関節障害を拡大させないことが一番大切なわけです。

今日は野球肘を例にして、関節障害を防いでいく対応方法や指標・考え方、また痛めてしまったお子さんたちへのコンディショニング方法について綴らせて頂きましたが、まだまだ詳細については書ききれておりませんので、いずれまたこちらのブログの方で綴ってみたいと思います。

それでは。(by院長)

サッカー少年に多い股関節周囲の痛み

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サッカーは足でボールを蹴る動作、走る動作、急停止したり旋回する動作などが複雑に絡み合います。それからコンタクト(相手チームの選手とのぶつかり合い)もありますので、野球に比べれば外傷(怪我)が多いものです。

たとえば転倒して手首を捻挫してしまったり、肩を打って打撲したり、それからもちろん足首の捻挫、膝の靱帯損傷、股関節やそけい部の障害などがあります。

ただし少年時代は体重も軽く身長もそれほど高くはないので、野球のように野球肩・野球肘のような成長段階の「故障」は少ないほうだと感じてきました。しかし高校生くらいになってくれば、大人と大差の無い体格になりますから、怪我をしたり故障を起こす可能性は少年時代よりも高くなるでしょう。

少年時代にサッカーをプレーしていて割と多い障害とは、成長痛関連の「膝の下に痛みを訴えるオスグッド病」、「股関節痛」、「足のスネの痛み=前脛骨筋痛、シンスプリントなど」、「大腿部(ふととも)の内側、外側、前後の筋肉痛」、「足首の捻挫」でしょう。

そのうち「股関節痛」を訴えて訪れてくるサッカー少年達の状態を判断してみると、一番の要因としては「前ももの筋疲労⇒過度の筋緊張」や「骨盤の歪みによる足長差」によるものだと私は考えます。

スポーツ動作がアンバランスな状態に陥っていれば、股関節周囲の筋肉や太もも全般の過度の筋緊張が起こり、特にこれらを骨盤の歪みの主要因とすれば、左右の下肢(足)の長さに差が出てきて、走ったり、ボールを蹴ったり、急転回したりする動作の中で「股関節」に負担を起こっていくことで、その後に「痛み」を自覚していく・・・そういった経過となるのでしょう。

お父さんやお母さん達からは良く「股関節が固いから痛めるんでしょうか?」といったご質問もよく頂きますが、もちろん日頃の練習や試合で「太ももの全般的な筋疲労」を起こしていたり「おしりの筋肉=股関節周囲の大臀筋や中臀筋」に筋柔軟性が無くなって硬くなっていれば、股関節の動きは悪くなってしまい、ボールを蹴る動作や走る動作、止まる動作や急転回する動作で股関節への負担はどんどん増してしまうことになります。だから痛みが出てくるのです。

こういった過度の緊張を伴った股関節周囲の筋肉をそのままにしておけば、その後に骨盤の歪みが酷くなって、そのような骨盤がアンバランスなまま固定してしまえば更に腰の故障へと二次的な障害へと繋がりやすくなってしまいます。

まず対処法としては、練習や試合が終わったらクール・ダウン(15分~30分くらいのジョギング&ストレッチ等)をしっかり行って、家に帰ってきたら股関節周囲(前と後ろ)にアイシングを施して、その後に風呂に入って体全体をしっかり温めてから入浴後に硬さを感じている筋肉のスタティック・ストレッチ(静的ストレッチ)を行わせると良いでしょう。

ただし股関節痛が酷い場合は、アイシングだけに留めて、あまり無理に股関節を広げたりしてしまうと、その後に痛みが増幅されてしまう場合もありますから、そういった状態の場合には無理に柔軟体操を行わない方がいいでしょう。

股関節・膝関節・足関節は、全体重がかかって負担の大きい関節になりますから、痛みが酷い場合には練習や試合をきちんと休ませ、その後の経過をみて下さい。

内転筋や大腿部(ももの筋肉)、それから前脛骨筋(スネの筋肉)等の「筋肉に痛みを伴った外傷・故障」では鍼治療による改善効果が一番高いですし、ただ筋肉を冷やしているよりも早く患部の痛みが緩和していきます。

痛みのある筋肉であぅても筋膜炎が酷い場合には、患部を直接マッサージしてしまうと、その後に炎症がおこり痛みが酷くなってしまう場合もありますから、その辺りの状態判断を誤らないように「適切な対応」を行っていきましょう。

特に「内転筋⇒太ももの内側の筋肉」に痛みがあるケースでは、「付着部腱⇒股関節の付け根部分」に痛みが出ているかどうか確認するようにしましょう。

腱というのは筋肉が損傷したときよりも治るのに時間がかかりますから、不適切な対応はその後の「後遺痛」を引き起こしやすいので注意が必要です。どうしても練習や試合に出なければならない場合には、しっかりとバンデージやサポーターなどで太ももの筋肉や股関節を保護してプレーさせるようにしましょう。ただし「歩いても痛い」場合には、状態を確認してから早期に運動を中止させて下さい。

股関節痛では「筋肉の先端部分=腱」に炎症が起きているケースもあるし、「股関節周囲の筋肉自体」に痛みを伴っており、そのような痛みが股関節に響くような「放散痛」であるケースもあります。

また骨盤の歪みが要因となって足の長さに違いがみられような状態であれば「股関節自体にストレスが生じていて関節に炎症をおこして痛みが出ている」ケースもあるので、そういった様々なケースをしっかり想定しておき、状態によってはプレーを休ませる、またはバンテージやサポーターで患部を保護しながら、状況によってはプレーさせる・・・そのようにして欲しいと思います。

・・・・ということで、サッカーでは股関節周囲の痛みは割と多い障害だと思いますが、早期に解決してあげれば、それほど酷い状態にはならないでしょう。

一番大切な事は「何が要因で股関節に痛みが出ているのか?」という事であり、体全般のチェックを行っていくべき障害ではないかと思います。そしてその原因に対する「適切な対応」ということになりますが、もし骨盤偏位による足の長さに違いが診られるケースでは整体を行い骨盤バランスを正常なバランスへと整えていったり、臀部(股関節周囲の筋肉)に強い筋緊張状態があれば、その緊張をスポーツ・マッサージ等で緩和させていくことです。そういった「痛みの要因に対する適切な治療」を行っていけば痛みは割りと早期に緩和するのです。

ただ痛みの出ている場所を冷やしているだけ・・・といったお子さん達もいましたが、まず痛みの原因・要因をしっかり考察して早期に治療対応することが一番大切だと私は感じています。(by 院長)


 

野球肘・離断性骨軟骨炎の対応方法

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一般的な名称としてよく知られている野球肘障害の中には「リトルリーグ肘」と呼ばれるものがあります。これは肘関節の内側や外側にある骨軟骨部分の突起(先端部)が剥がれてくる障害です。

病院を受診して医師の診断を受けると外側型野球肘では「離断性・骨軟骨炎(りだんせい・こつなんこつえん)」、内側型野球肘では「上腕骨内側上顆裂離骨折」、後方型野球肘では「肘頭骨折」といった名称(診断名)で呼ばれています。



この離断性骨軟骨炎という障害に至ってしまうと、障害の初期段階でも「約3ヶ月から半年の経過観察=投球禁止」が告げられ、中期~後期の段階に至ると、「約1年若しくは1年半の経過観察=投球禁止、若しくは手術の選択」を迫られることが多くなります。



この障害は初期段階では肘の軟骨部の剥離(はがれる・・ということ)部が微小状態なので、約3ヶ月から半年で患部の状態が良好になり、投球時の痛みが沈静化する傾向にある・・・と言われており、中期から後期の状態になると、「剥離した軟骨がはがれたまま」になってしまい自然骨癒合しなくなる可能性が高く、現状で時間をおいても痛み無く投げられるようにならない状態が続くだろう・・・とドクターが判断を下せば「手術」を勧められることになります。



これまで横浜・多宝堂でも投球・骨軟骨障害に関するご相談を数多く受けており、お子さん達の野球肘の改善経過を診ながら、臨床例の中から特に有効な手法・方法論も見出されてきましたが、その前に、まず現在、リトルリーグ肘(離断性骨軟骨炎・剥離骨折)と疑われた場合に注意しなければならない点をあげつつ、皆様からのご相談のケースを元に少しここでお話ししてみたいと思います。



ケース1)

近隣の病院でレントゲンを撮ってもらい、医師からは「特に骨には異常が無い」と診断され、その後にある接骨院で検査を受けたら「軟骨の先端部分に歪みがある」と言われ治療を続けていましたが、一応、病院の先生から約3週間ほど投げるのを辞めるように・・・と言われていたので、休ませてからまた投げ始めてみるとまだ「肘に痛みがある」と子供が言っているのでどうしたらいいか困っています。



見解1)

このようなケースでは、その後に他の病院で精査(MRI)を受けさせてみると、「肘関節面の骨軟骨剥離」が認められた・・・といったケースもありましたが、やはり個人医院ではMRI検査機器が無い場合も多いので、レントゲン撮影画像から診断をしており障害初期段階を見落としやすい傾向にあるのかもしれません。


肘・離断性骨軟骨炎のレントゲン撮影に関する注意点とMRI検査、CT検査について撮影技師の方のブログ投稿がありましたので、そちらのご意見も併せてご閲覧してみると良く理解できるのではないかと思います。⇒外部リンク

またその反対に「肘の軟骨が剥がれている」と病院で言われたが、2週間くらい投げるのを休ませていたら「もう肘に痛みが無いから・・」と、子供が投げたがっていて、病院を受診すれと先生からは「まだ投げてはダメだ」と言われ、どうしたらいいのか困っている・・・といったご相談もありました。

こういうケースでは、まず初期段階で肘関節の詳細な検査をしっかりと受けておくべきで、超音波診断やレントゲン画像診断にも、やはり盲点は存在するので、まずMRI検査を受けた上でスポーツ整形外科医師からの診断によって、その後の方針をきちんと固めておく必要があると思います。

そうでなければお子さんの日々の痛みの自覚症状に振り回されることになるので、それでは親御さんの方が大変です。お子さんたちのスポーツ障害克服の為には、まず「正しい診断方法を求めておいて、その後の安全確実な方針を固めておくこと」が一番大切なことなのです。その方が親御さんもお子さんも安心できるはずです。



ケース2)

MRI検査を受けたら「肘関節面の骨軟骨剥離」がある・・・と医師から診断を受け、「約3ヶ月から半年の投球禁止、若しくは経過観察が必要」と言われたのだが、もう少し早期に回復させられませんか?



見解2)

障害初期段階ではこのようなアドバイスを病院で受けるケースが多く、ボールを投げたくても投げられないお子さんを不憫に思う親心の上からなのか、実際このようなご相談を数多く受けます。

臨床例の中には、「約半年から1年の投球禁止」とアドバイスを受けていたお子さんが、約1ヵ月半から2ヶ月以内に投球を再開させることが出来たケースもあります。もちろんこれは好条件がすべて揃った上で結果的に早期回復を遂げたのものですが、なかにはそういうケースも「ある」ということです。

もちろん病院での定期検査によって肘の骨軟骨部の状態をしっかり確認しながら、横浜・多宝堂でも経過を診させていただき、そのうえで適切な施療を行いながら、医療機関で最終的な「投球のGOサイン」が出てからお子さんにボールを投げてもらう・・・ということになります。

医療機関によってはお子さんたちの野球肘を慎重に診断を下しアドバイスをしています。だから「最大の安全策を配慮すればこそ、投球禁止期間はやや長めに告げておく」ということだと思います。

しかしどれだけ投球を休んでいても結果的に患部の状態が良くならなければ「手術を選択しなければならない可能性」もあるわけですから、その上でも慎重派の医師達は「なるべく手術は避けてあげたいので保存期間を長めにとって経過観察しよう」と考えているからなのかもしれませんね。

こういった投球再開時期に関して疑問があるような場合にも、障害初期における精査画像(MRI画像)やレントゲン撮影画像(XーP)を元にして、セカンド・オピニオン(他の医療機関・先生に相談してみる)へ相談するのも一つの方法ではないかと思いますし、実際、医療機関が変わると「投球禁止の期間が変わるケース」もあります。

やはりお子さんの肘関節の状態如何によって適切な方針を固めていくべきであり、それが一番投球再開時期を早められることに繋がると思います。



ケース3)

病院の診断では「手術しか治る道はない」と言われたのですが、本当に手術をしないと治らないのでしょうか?できれば手術は避けたいのですが・・・。



見解3)

これは非常に難しい問題です。
ただ状態によっては「手術した方が早期に投げ始めることが出来るケース」もありますし、「ある一定期間、肘を休ませたら、その後に全く痛みを感じなくなったケース」が、「どれくらい認められるのか?」という統計データが揃わなければ何とも言えない・・・ということです。

受診した病院には「データが揃っているか?」ということも、その後の判断を分ける大きな材料となるでしょうが、やはり半年から1年を経ても状態が改善しないケースであれば、医師の診断に従って手術を受け、その後のスポーツ・リハビリを早期に始めたほうが、速やかに改善する可能性が高いのではないかと思います。

ただしプロ野球選手の中には「これは明らかに10代の頃、肘の骨軟骨剥離を起こしていて、当時は少し痛みがあったはずだけれど、現在は全く痛みが出ない」という選手を確認してきました。

どういうことかと言いますと、「はがれた軟骨部が偽関節様に固定しているので痛みが全く出ない」のです。しかしこれは非常にまれなケースで、普通は剥がれた軟骨が関節内に遊離する、いわゆる「関節遊離軟骨=ねずみ」となって痛みを誘発させるのですが、この選手だけはそうならなかったのです。非常に不思議な事例ですが、そういうケースも「ある」からとても難しい問題だと思います。

昔は骨軟骨剥離になって投球時に痛みがあるにも関わらず、そのままボールを投げ続けていたか、まだ医療機関でも手術対応が出来なかったからだと思いますが、そのような選手の方が多かったのです。

そういった選手達がプロ野球球団に入団してきてから「関節遊離軟骨=ねずみ」を抱え、遊離軟骨除去手術を受けるケースも非常に多かったわけで、そういう点からすると「現在、肘に骨軟骨剥離があったとしても、ある時期を通り過ぎれば痛みが沈静化する可能性もある」ということになりますが、やはりその後に「遊離軟骨除去手術を受けなければならなくなる可能性は高くなる」とも言えるので、早めに手を打っておくのが良策なのか?そうではないのか?という点をもう一度考えてみる必要があるかもしれません。

もちろん手術成績は上っているのですから「速やかに処置を施してもらい早期復帰を目指す」のも、一つの道ではないかと考えています。



ただし手術をした場合には、その後のリハビリをしっかりと行いながら、投球フォームの改善・普段からの投球数の管理、投げ初めてからの肘に対する日頃のケアをしっかり継続しながら、一定の期間がくるまで慎重に対応していく必要があります。



要するに「手術をしたからもう大丈夫」・・・ではない、ということであり、術後リハビリ期間を含め、その後の対応が最善であればこそ、それだけ投球再開の時期を安全に迎えることができる、そういうことです。



ネット上などで「○○によって野球肘の痛みがウソのように消える」・・・といった一部の施術家自らの喧伝を見て、ワラをもすがるような思いからそれを頼ったことで、結果的には誤った判断をその後に招いていてしまったようなケースも見受けましたが、野球肘に限らず「関節の構造的な異常によって痛みが出ているケース」もあれば、「構造的な異常があっても痛みが出ないケースもある」・・・ということをまず頭に入れておき、ある一定の期間、肘に負担をかけなければ自然に痛みが引いてくる状態があれば「ストレッチ程度の療法」でも治ってしまうものなのです。

ですからそういったトリックには惑わされないように気をつけて欲しいものです。(医療機関によっては誤診もあり得る・・・ということも一応頭に置いておくべきでしょう。)



投球時に痛みが出て、最低2週間から3週間投球を休んでから、肘関節のテストを行い、特にその時点で問題や異常が無ければ、ボールを今までどおり投げられる事も多く、肘関節に全く問題が無いと判断できれば「肘関節周囲の軟部組織の炎症だったのではないか?といったケース」も少なくありません。

ところが実はそのような時期(急性期=炎症が強くて痛みが顕著な時期)に肘を休ませずボールを投げ続けていたり、試合でピッチングをしてしまったり、バットを沢山振ったり、腕立て伏せや鉄棒で懸垂などをして肘に負担を多くかけてしまうから、それが結果的に「軟骨がはがれてしまう根本的な原因」になってしまうのです。



やはり中学3年生くらいまでは、肩や肘を傷めたら(お子さんが投球時に痛みを訴えたら)、チーム内で2週間~3週間は投球やバッティング、腕の強化などを休ませる・・・といった方針をまず固めておくべきでしょう。

そしてその休ませている期間中に、肘関節に関する諸検査など確認すべきことをしっかり確認させ、投球関節障害を拡大させないことが一番大切な事であり、また日頃からチーム内でお子さんたちへの肩や肘の関節に関する「メディカル・チェック体制」をしっかり敷いておくことで、野球指導者も安心してお子さん達を現場で指導できるのではないかと思います。

プロ野球界でも年に一回は必ず選手達の肩や肘、それから腰や膝、足首などのレントゲン検査を受けさせたり、1年以内に問題があった部位(痛みがあった関節など)に関する精査(MRI検査など)を受けさせながら、選手達の身体的な問題や異常を事前に察知することに努めています。

また日本臨床スポーツ医学会は「青少年の野球障害に対する提言」の中で、小学生は全力投球1日50球以内、試合を含めて週200球の投球を超えないこと・・・としています。その点は指導者・親御さん達で一度話し合っておくことが大切だと思います。



尚、離断性骨軟骨炎を予防する上で言えることは、鍼治療は骨癒合を促進させる働きや血流障害を改善する効果があるので、離断性骨軟骨炎の根本的な問題へアプローチすることができますし、当然「野球肘の予防法」にもなります。(ただし急性期にはハリを行う事が出来ないので、肘の状態をまず見極めながら行っていく必要があります。)



また手術後の病院でのリハビリ期であれば、同時に併行してハリ治療を行っていく事で、関節可動域の改善や術部付近の浮腫改善が早期に認められるので、そのような経緯によって投球再開時期を早めたり、投球再開後に良い状態を持続することに繋がっています。



実際に離断性骨軟骨炎と診断を受けたお子さん達の投球禁止時期にハリ治療を行ってきましたが、非常に経過も良くて、90%以上の確率で保存療法によって投球再開していますし、なかには「半年から1年は投球を休みなさい」と病院で診断を受けたケースであっても、約2ヶ月で投球再開できるほど改善を見せていたお子さんもいましたが、これは好条件がすべて揃っていたからではないかと思います。


プロ野球選手達の肘関節・手術後におけるリハビリ期間においても、球団専属トレーナーによるハリ治療やマッサージによって術部の治癒を促進させ、投球再開時期における違和感や痛みなども同時に改善させていきながら、最終的には選手達を再びグランドへと戻していますが、近年研究されてきた軟骨再生医療が進展し、このような軟骨障害が起こったとしても、比較的容易に治癒させることができる時代が来るのもそう遠くはないでしょう。



しかしまず現時点においては障害予防や障害拡大を防いでいく意味においても、離断性骨軟骨障害に関する正しい対応とは「医療検査を受けた上で早期に診断を受けて、その後の対応を決定すること」に変わりはありませんし、成長期のお子さんに関しては早急な対応が求められるはずです。


自家培養軟骨

軟骨再生医療について


上記外部リンクに示されているような軟骨再生医療が様々な軟骨障害に対応出来るようになれば、きっと多くのスポーツ選手達にとっても大いなる助け舟となるはずですが、早くそのような状況になればいいですね。(by院長)


 

ゴルフ肘&テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を早く治す

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<ゴルフ肘とテニス肘の共通性>

ゴルフ肘及びテニス肘は病院で診断を受けると【上腕骨外側上顆炎】と言われます。

これを簡単にご説明しますと、肘関節(上腕骨外側部)にある筋肉の付着部や軟骨部にストレスがかかり炎症を起こしている状態・障害となります。

これらのスポーツ障害は【グリップ部を握ってスイングをする動作】で痛みが増大してしまうためスポーツを継続することが困難になってしまうわけですが、そのような状態で無理を押し通していくと、更に患部の状態が悪化してしまい完治するまでに半年~1年くらい時間がかかってしまうくらい酷いケースも見受けます。



<ゴルフ肘・テニス肘に陥っていく状況説明>

① 硬くなってしまった筋肉、柔軟性を欠いた筋肉は伸びにくくなります

② また筋肉は伸びた状態から縮んだ状態になる過程で【力】を発揮します

③ スイング動作時には必ずクラブやラケットを握っています

④ およそどれくらいの握力でグリップしていますか?

⑤ グリップ力が強ければ強いほど、実は前腕の筋肉には早く筋疲労が起こります

⑥ またスイング中に【手首】を不適切に使えばゴルフ肘・テニス肘になりやすくなります



<ゴルフ肘・テニス肘が治りにくくなる理由>

A:肘関節の外側にストレスがかかるようなスイング動作を継続

B:過度のスイング数で練習を行う

C:手首を反らす筋肉群である【前腕伸筋群】の継続的な疲労がおこる

D:前腕伸筋群が強い緊張状態を維持したままとなる

E:その状態でグリップを続けると【肘の外側】にストレス痛が出現する

F:手首を少し動かしただけでも肘の外側に痛みを感じる

G:日常生活で物を手に取って掴もうとするだけでまた更に痛みを感じる

H:局所的な炎症による痛みが継続し慢性期へと移行する

I:【慢性痛】に移行すると痛みがなかなか引かなくなる

J:【難治性】のゴルフ肘・テニス肘になってしまう



<ゴルフ肘・テニス肘の所見>

a:手を握った状態で腕を伸ばし、そのまま手首を手のひら側に曲げようとすると【肘の外側に強い電撃様の痛み】が出現する。

b:肘の外側にある筋肉群全体に強い筋肉の硬直が認められ、スイング動作で一番痛みの強いところ以外の筋肉も実は押してみると痛みがある。

c:前腕伸筋群が付着(くっついている)している部分・・つまり【上腕骨外側上顆部の軟骨部】に慢性的な炎症状態が持続→痛みが持続する状態となる。



このように無理なスイングを継続したり、過度のスイング数で肘関節に力学的ストレスが加わってしまうと、肘の軟骨部の炎症が慢性化してしまうので痛みがなかなか引かなくなってしまうというのが、ゴルフ肘・テニス肘の実像なわけです。

筋肉というのは【力が入った状態=筋肉が収縮している状態】で【伸ばされる=伸展】と筋肉痛がより発生しやすい・・・と言われています。

テニス肘やゴルフ肘などのようにグリップ部を握る動作とは、前腕全般の筋肉が継続的に力が入った状態(筋収縮した状態)です。

またスイング動作というのは、最終的には手首を少し返す動作となりますが、通常はボールを打つ瞬間には【手首が固定】されています。

ラケットのネットやクラブのヘッド部でボールをミートする瞬間、前腕部の外側の筋肉群には力が入っている状態ですが、その筋肉群は微妙な時間差でやや伸展をします。

ボールをミートする直前に手首が少しでも早く返ってしまうと、前腕の外側にある筋肉群の微妙な伸展が【やや強い伸展状態】になってしまうのですが、これは先ほども言いましたように【力が入った状態で筋肉が伸ばされてしまう動作】がやや強調されてしまう状態になるので、筋肉に痛みを発生させていく一番の要因となります。

このような運動要素がスイング動作中に継続されていると→【悪いスイング動作・肘に過負荷のかかるスイング動作】→【前腕全般の筋肉に疲労が積み重なる】・・・そういうことになります。

当然その疲労を起している筋肉の付着部である上腕骨外側上顆部(軟骨部)に過重ストレスが加わって軟骨部に炎症を起す一番の要因となっていきます。

軟骨部に炎症が生じてくるとスイング動作だけは無く、日常的に物を握ったりする動作だけで肘の外側に痛みが発生するようになっていきます。



このようなスポーツ障害を予防するためには、まず【正しいスイングや手首の固定性の確保・耐性】によって予防できるのですが、おもにビギナー(初心者の方)などのように【スイングの基礎を学んでいる段階】には特に発生しやすく、それは正しい動作を覚えていく段階では、必ず不適切な動作も多少入ってくる場合もあるからです。

またゴルファーの場合【フォームの修正段階や改造段階】でゴルフ肘に陥るパターンもかなり見受けられます。

スイング動作の基本を学ぶ際やフォームの修正及び改造時には、こういったスポーツ障害の発生機序をまず知って、無理なスイング動作を身につけないよう指導者の方に動作チェックを受けたり、ビデオ撮影等を行って客観的にご自分のスイング動作を確認することも大切です。

またスポーツマッサージや鍼施療を日ごろから受けておくことで、グリップ動作やスイング動作で疲労をおこしやすい腕(前腕部)の筋疲労を早めに取り除けば前腕部の筋肉が良い状態で保たれるので、ゴルフ肘やテニス肘を未然に防ぐことに繋がります。

ゴルフ肘・テニス肘が治りにくくなる理由・・・のA~Jの段階はJに近づく程痛みは強くなり、治りが悪くなってしまう状況を説明していますが、ゴルフ肘やテニス肘を初期段階で治すにはA~Dの段階で施療を受けることが最も大切な初期判断です。

Jの段階に至って病院を受診すると痛み止めの注射処置を受けたり、鎮痛消炎剤投薬や湿布処方、またはボリタレン・ゲル(鎮痛消炎剤軟膏)等を処方されることが多くなりますが、私は痛みのある患部の血流を低下させると【その後の治りはどんどん悪くなる】といった自分自身のゴルフ肘の完治体験から実感しています。

消炎鎮痛作用→炎症を抑えて痛みを押さえる働き→血流を悪くして痛みを減らす作用・・・となりますが、もしJの段階でこれらの作用を患部に長い期間促してしまうと最終的にはゴルフ肘やテニス肘は治りが悪くなるケースも出てくるでしょう。

近年では形成外科領域だけでなく、整形外科領域においても再生医療として自己血液を採取し痛みのある患部を狙って自己血液を戻し患部再生を促す治療法なども進められているようですが、そういった治療の前後には鎮痛消炎剤の服用を禁止したり、血流が悪くなるような嗜好品(タバコ、酒など)の摂取も禁止されているように、【血流を悪くさせることを一切禁止して治療を行い、なおかつその後に患部を固定し負担を激減させる】ので、これは鍼を痛みのある患部に打って自己血液を患部へ促し(鍼を打つと血流量が増す)ていくことで患部再生を早めることと同じ原理であることが解ります。

だから鍼治療というのはある面においては西洋医学領域における再生医療に近似した、または同義的な意味合いを持つ治療法だと言えます。鍼を体表に打つことで、患部周辺への血流量は増し擬似的な急性期へと移行させることが可能だからです。(その上で患部を固定し負担を激減すれば同じ道理として治療を進められる・・・そういうことです。)

患部を治す期間を早めるためには【自己血液作用】が重要なキーマンとなっており、その自己血液作用によって患部組織細胞の修復作用を促す為に鍼をどのように用いていけば良いのか?ということが、テニス肘やゴルフ肘を治していく一番の分岐点にもなっていく・・・そういうことになるでしょう。(他のスポーツ障害の治療も同系列として考察できるはずです。)

横浜・多宝堂ではゴルフ肘やテニス肘などグリップ&スイングで肘の外側に痛みを誘発しているスポーツ障害では通常3回~5回の施療によって痛みの消失を認めてきました。ただしJ段階にあるケースでは8回以上の施療が必要だったこともあり、やはり早期の段階で施療を行うことが完治への一番の近道であることに間違いはないと思います。

今日はゴルフ肘&テニス肘について少しお話させていただきました。(by 院長)

ボストン・レッドソックス松坂投手の肘・内側側副靱帯再建とスポーツにおける慢性外傷

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「投手」にとって投球側の肩や肘を傷め手術を受けなければならないということは、「スポーツ選手としての生命」をも危ぶみかねない事態であることに変わりはないが、トミージョン手術の成功例はアメリカでもこの日本でも多数認められており、私自身も北海道日本ハム・ファイターズ・トレーナーとして過去に選手達の肘の手術方式を含めてドクターから詳細なお話しをお聞きしながら、その後に手術を受けた選手達のリハビリ期間や現場復帰後の肘の状態を観察することにより「手術を受けることで選手生命をより長く保つ事も可能になる。」といったことを実感として感じてきた。

だから松坂投手が肘の手術を受けたことによって、より以前にも増して彼の投球パフォーマンスを上げることに繋がる可能性もある・・・ということは当然予測出来るし、またリハビリ期間や復帰時期の検討を含め、今後の復帰時期がどのように進められるのか?といったことには非常に感心が高い。



肘・内側の靱帯を痛めてしまうと、肘の関節にはゆるみが生じてくるので、投手のように「多くの投球動作」を行うことによって肘への負担が多ければ、当然、今度は「肘の関節面」への負担が増すので変形性の肘関節症へと障害が拡大していくことになる。

整形外科では変形性の膝関節症や股関節症などに対しては「人工関節置換術」が執り行われているけれど、野球選手の肩関節や肘関節における変形性関節症に対しては、そういった人工関節置換術は行われていないし、今後の課題として、もしそれが可能になるとすれば、特にプロ野球選手のようなスポーツを職業としている人達には大きな影響を与えていくことになるだろうが、やはりそれは無理難題なことではないかとも思う。

人間の身体には自然治癒力というものがあるので筋肉や腱、靱帯や軟骨を痛めても、ある程度のレベルの障害であれば、自然に治癒していくものがある。しかし筋繊維や腱や靱帯が切れてしまえば、それらを縫い合わせるか、または移植手術や人工物置換術によって傷めてしまった部分を代替的に修復するしか治る道はなくなってしまう。

スポーツにおける慢性障害の一番の怖さというのは、そこにあるわけで「もし慢性外傷が発生し、その後に外科的な手術が可能だったとしても、オペを行ったその後で「どの程度患部が元に戻り痛み無くスポーツ動作を行うことができるのか?」ということは「選手の年齢的な問題」や「その後のリハビリ期間の経過観察や動向」によっても大きく左右されることがあるからだ。

特に新たな手術方法を選択する場合には、当然 臨床データも少なくなるし、もちろんその新たな術式の有用性が多数の医師によって論じられていかなければならないはずだが、とりわけ学会でも激しい討論や様々な見解が寄せられているような現状があれば尚更、安定的確実に復帰が望めるような旧来の術式を選択した方が周囲としても賢明であり選手にとっても安心感が望めるのではないかと思う。

やはり人間の身体物質を構造物の一部として見立てながら、それらを人工的に修復することが可能だったとしても、「完全に元に戻すこと」は不可能だと思うし、先にも述べたように「年齢的な問題」や「リハビリ期間の動向や手法」によって大きく左右されることに変わりはないわけで、保存的な治療やそれに付随する形で「予防策」がまず先に立てられなければならないと私は思っている。

そしてその為には、スポーツ選手達のケアを含め、トレーニング・コンデショニング的な要素を早い年齢から修得させていくことが必要であり、そのような土壌を作っていくことがスポーツ指導に携わる方々の大きな課題として、常に頭の中に横たわっているべきではないかと感じている。



これはプロ・スポーツの世界でも実際にあることだが、スポーツ選手達のパフォーマンスを向上させる目的で行わせているトレーニングの中にも、それらの手法がスポーツ選手全般にわたって向上に繋がっている類のものとそうでは無いものがあるということ、またある個人的な選手にとっては非常に効を奏したものの、それ以外の選手にとっては反対に障害を拡大させてしまう元凶になっていくものもあるのではないか?・・・といったことも感じてきた。

それは外傷後の外科的な手術の術式やトレーニング形態にも云えることであり、実質的な形で「結果が良好な状態」へと向ったかどうか?といったことをまず検討していく必要性があって、成功例を多く積み上げてきた手法に対するものと失敗例との比較検討を行いながら、それらがどのような要因によって結果を左右してきたのかを明確にしておかなければならないということだ。

医学的にその術式の成功率が過去に90%以上あっても、リハビリ期を終え現場に復帰したその後のスポーツ・パフォーマンスがどの程度の状態になるのか?というのは、実は別問題であることに変わりはないが、その選手自身の成績が思わしくなかったケースでは、手術を受けた患部に痛みや違和感を理由にすれば「あの手術は失敗だったのではないか?」といった周囲の意見や批判が出てくることになる。

その反対に術後におけるスポーツ・パフォーマンスが向上していくことによって、その術式を選択したことや医師そのものの「腕」に関する評価も向上しながら、術後経過の検討が学会でも発表されるので、それによって医療現場で執り行われている治療法の選択的要素につながっている。

もちろん例外的に従来の方式とは別の手法を用いた場合であっても、成功例や失敗例が検討されており、少数派で構成された検討を含め議論が左右に大きく分かれる場合もあるだろうし、多数派の見解と少数派の見解がぶつかり合いながらも徐々にそれらが統合されていくことで「最終的な形のオーソドックス」が派生することになる。

西洋医学の治療の中には人間の人体構造物の局所的な異常を元に近い形に戻すこと、またその元に近い形に戻した部分を機能的にも元へと戻していくことに着眼し執り行われているが、その根本的な局所修復法や機能改善法によって、手術やリハビリを受けたスポーツ選手達自身が「運動時の痛みの消失を自覚できるかどうか?」といったことや「動作パフォーマンスの向上を他覚的に判断出来るかどうか?」というのは、実は「その後の対応」によっても大きく左右される類のものであり、それだけスポーツ選手にとって手術を受けてから現場に復帰する・・ということは、周囲からの大きな支えや知識や経験を必要としていることに変わりはない。

今回、松坂投手が早期に手術を選択した大きな理由の中には、「過去の手術後の成功例」や「保存治療の無効性」に関する情報もあったに違いないが、私が一番にこの状況に関して感じてきたのは、海外へ渡った日本の有能な投手がわずか数年で故障してしまったその大きな理由の中に一体何があったのか?ということであり、願わくばそのような状況になる前段階で、松坂投手に携わってきた周囲の方々の力用によってそれを防ぐ事は出来なかったのか?ということだった。

日本のプロ野球界を飛び越え、海外へと渡った元社会人野球の田沢投手も松坂投手と同じように肘の手術を受けているが、速球派投手の宿命とも言われる「肘・内側側副靱帯損傷をどのようにして防いでいくのか?」ということは、トレーナー界でも多くの議論を寄せ合いながら、今後も取り上げていかなければならない課題だろうしスポーツ整形外科の先生方からも意見を募っていく必要性があると思う。

横浜・多宝堂でも少年期のお子さんたちの投球肘関節障害を多く取り扱わせて頂きながら、指導現場での指導法などに関する提言等も行ってきたが、未だに「正しい投球フォームの定義」や「肩関節・肘関節に関する投球における障害予防のガイドライン」といったものが、すべての現場で徹底されているわけではないということも感じている。

しかし少なくともこういった形で提言を行う事で医療界をはじめ、少年野球指導者や学生野球指導者の中に存在している「有志の方々」にも波紋を投げかけることができるだろうし、未来へ羽ばたくお子さんたちが適切な形でスポーツ活動を行う為にも必要なあらゆる要素に関して、今後も様々な分野の検討を進めながら横浜・多宝堂ではお子さんや親御さん、また現場の指導者の方々からの声をお聞きしながら良きアドバイスを今後も送っていければと考えています。(by  院長)


 

少年期の投球における肩関節障害の予防と投球肩の大切な要素

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開業以来、地域の少年野球チームに所属している多くのお子さん達がここ横浜・多宝堂治療院に訪れてくれたわけですが、彼らの投球による肩関節障害に関する対応及び経過観察などについて、今日は少しお話しをしてみたいと思います。

それでは初めに野球少年達がどのような経緯でスローイングによる「肩痛」を自覚し、またその後の対応をどのように行ってきたのか?ということについてお話ししていきましょう。

まず野球にはさまざまなポジションがあります。「投手、捕手、内野手、外野手」・・・と、大きく分ければ4つのポジションとなりますが、試合時の投球数が多いポジションを順に挙げるとするならば、以下のような順番になるのではないかと思います。

「投手>捕手>内野手>外野手」

これら各ポジションのスローイング形態というのは、それぞれのポジションによって特性やパターンが変わってきます。ですからまずそれぞれのポジションに適合した形態による投球の練習方法習得が、まず必要になる・・・ということになります。

各ポジションの中で一番スローイング(投球)を沢山行っており、尚且つ、投球強度の最も高いポジションはどこになるかと言えば、やはり「投手」になります。

それに対し捕手は受けたボールを投手に返球しますから、投手より投球数は少なくなるものの、捕手は投手の次に「投球数の多いポジション」になるでしょう。

捕手の場合、ランナーに対する盗塁阻止の際の各塁送球などが試合中にはより多くなりますから、投手よりも長い距離に対する素早い投球も必要になってくる為、「強肩」が求められます。

投手というのはゲームの最終回までを完投すれば、1試合で平均約100球前後は投げることになります。だから投手の場合は捕手のような強肩では無く、投球に関するスピード&コントロールの総合的な調整力を重視した投球がより求められ、ただ単にスピードボールが投げられるだけではなく、より細かいボール・コントロールが行えなければ長期に亘って務めることはできません。

内野手のスローイングでは「ゴロを捕球してからの各塁送球」がありますから、「足を上手に使い体勢を整えながら素早くコントロールされた投球」を行うことが求められたり、打球(ゴロ)に飛びついた後に転んだ状態から起き上がって投球をしたり、ベースを踏んでから投球をしたり・・・といったSAQがより求められるポジションでもあります。

また外野手は内野手や捕手よりもより遠い(長い)距離に対する投球(遠投)を行いますから、「遠投力」といった他のポジションよりも強くて瞬発力のある投球が求められるポジションであり、それと同時に「足の速さ=守備範囲の広さ」といったものも求められるでしょう。

またフライやライナー性の打球の落下地点をあらかじめ予測しながら速やかに走って移動しながらキャッチ(捕球)をする・・・といったような「視覚から得られた情報を速やかに判断しながら動く」といった要素も求められます(これは内野手にも等しく求められる要素ですね)。



このようにポジションに求められる「要素」には違いがありますが、各ポジション別による「投球数」の違いの他にも、「投球強度」や「投球距離」などの要素に違いがあるので、どこのポジションが「投球による肩関節障害」を起す可能性が高いのか?というのは一概には言えないのです。

しかし外野手のように長い距離を投げる場面が多くなれば、肩のアウターマッスルに関する疲労が最も起こりやすく、肩に緩さ(ルーズ・ショルダ)が認められれば傷害頻度はより一層高まります。

またピッチャーのように近い距離をより多く投球するという状況があればインナーマッスルに負担が及びやすく、特にブレーキング・マッスルの疲労は一番初めに認められる初期の障害段階となるわけです。そこを通り越して更にそのまま投球を続けていくと更なる次の障害が待っている・・・ということになります。



少年野球のピッチャーの場合、大会などに入れば一日に二試合連続でマウンドに立つようなケースもあるようですし、そういった場合にはエース・ピッチャーで100球~160球前後の投球数になってしまう場合もあるようです。

ですから大会前後のエース投手の肩関節に対する管理は非常に大切になってくるし、投手の「投球数制限」に関するガイドラインは必ず設けていくべきではないかと考えています。

小学生と中学生とでは、やはり中学生の方が投球数も若干増える傾向にあるようですし、投球強度も中学生の方が当然強くなるわけですから、そこで判断できることもあるわけです。

それは身体的な面から言えば、小学生というのはまだ「身体が出来上がっていない=未熟」であり、中学生というのは「身体が出来上がりつつある=成熟途上」ということです。

その「成長期にある身体」と「完成された身体」の「違い」を読み解きながら、投球における肩関節の障害発生を「どのようにしていけば回避できるのか?」ということと、「観察力・洞察力」は同じことです。

指導者であれば、お子さん達がボールを投げている姿を見て、「これはどうもおかしいな・・・。」と感じたならば、まずそのお子さんに「声」をかけ「身体の調子・状態」を確認することは大切な行動です。

何故なら子供というのは身体的未成熟がある以上に精神的未成熟があるわけですから、「自分自身の身体の異常には無頓着であり、その痛みや違和感が重大な障害に陥る可能性も知識も無いに等しい。」ということです。

「肩や肘が痛くなったら隠さずに監督やコーチ、親に言いなさい。」とチーム方針で徹底していても、お子さん達の中には「痛いと言うとメンバーから外されるのが嫌だから黙っている。」場合が多々あるのです。

そこを見抜いていくのが、周囲の人間の責任ある真の役目ではないかと私は思っていますが、それらを判断する為に必要な「知識」を得ておくことも、当然「指導する人間」には求められるのです。



野球選手の肩関節障害を未然に防ぐ為には、肩関節の可動範囲の確認、肩関節の前後・上下の緩み具合の確認、肩関節周囲の筋柔軟性及びブレーキング・マッスルや各インナーマッスルの筋疲労度・炎症徴候、指先のマメの状態、前腕の回内・回外動作・柔軟性確認、手関節・指の状態の確認、フォームの異常&代償性の動きに関するチェック・・・等の項目がまず挙げられます。そして投手に対するこれらの各項目チェックは非常に重要なものとなりますし、これら一連の項目に対するトレーナーや指導者の「各選手に対する物差し」が無ければ「選手の肩の異常を事前に察知することはできない」・・・そういうことになってきます。

障害を予防する為には、こういった一連の項目に対する「正常な状態」をまず認識している必要があるのは、皆さんも理解できると思います。

もちろんこれらの点については投手に限らず、捕手や野手(内野手、外野手)の肩関節においても全く同じことなのですが、特に「投手に対して一番に注意を払っていく必要がある」・・・というのは、投球数がより多くなるポジションになるからです。
スローイング(投球)によって肩関節を傷めてしまう場合には、上記に挙げたような「各項目」の中のどれかに異常を来たしている場合がそのほとんどであり、それらを見過ごしている場合が多いのです。



次に・・
現場で選手が「肩に痛みや違和感がある」といった場合の、その後の対応や管理についてお話ししていきましょう。

まず「肩関節の前方部に痛みや違和感を自覚している場合」についてお話してみましょう。

肩の前方部に痛みを訴えるお子さんの特徴としては、やはり「アーム投法」のお子さんに多く、こういったケースでは「肘の内側」にも痛みや違和感を併発している事が多い様子でした。

アーム投法になっているお子さん達の多くが、投球加速期に肘が下がったフォーム形態になっていて、その為に「まず投球フォームの修正」から入っていかざるをえないのですが、身体が開いたままで腕のみを強く振って投げているようなお子さん達の場合には、特に肩の前方部にストレスを多くかけながら、前腕が回内してしまっていることも多く、肘の内側部にストレスをかけてしまっていた場合が多い様子でした。

肩の前方部に痛みのあるお子さん達の多くは、初期の肩関節痛だと認める場合には、「三角筋・前側部繊維に対するストレス痛」を多く認めたわけですが、その時点でフォームを改善していけば、投球の際に局所的なストレスを回避させることができるので、その後の投球障害発生の確率は軽減できると考えます。

投球障害肩の場合、痛みのある患部を速やかに治すことも大切ですが、「そこに至ってしまった真の原因=投球フォーム(投げ方)が起因なのか?、投球過多(投げすぎ)が起因なのか?、身体成熟度が起因なのか?、練習内容が起因なのか?その他に起因は無いのか?」ということも同時に併せ改善していかなければ、肩の痛みが現時点で解消出来たとしても、また「再発を繰り返す」ことも多いものです。

横浜・多宝堂治療院において、三角筋前部繊維痛に対する初期段階の治療では、鍼が最も効果を発揮しており、3回の施療で圧痛・運動痛の消失を確認しています。しかし肘の内側部にも痛み・違和感を併発している場合や小学校低学年で肩関節周囲の筋肉群がまだまだ未発達なお子さん達の障害ケースなどの際には、5回~7回程度の施療が必要になる場合もありました。

しかし最終的には完全復帰するのに2ヶ月を経ずにチームに合流しています。

いずれにしても癖のある投球フォームを続けてしまえば障害発生頻度が高まる事は自他共に認めるものであり、お子さん達が野球を始める初期段階で早期に正しいフォームの修得を成しえるならば、最悪の事態(上腕骨近位骨端線離開=リトルリーグ・ショルダー)などのような「骨折に近い障害」)は防げるのではないかと思います。まず少年期にアーム投法を我流で覚えてしまえば肩関節障害の発生頻度が高くなることは間違いない事実と言えるでしょう。



次に肩の外側部に痛みのあるお子さん達についてです。

この多くの原因が「かつぎ投げ」と言われている投球フォームになっているお子さん達に多いことが理解できます。

ちょうど柔道の背負い投げをイメージして貰えば良いのですが、必要以上に肘を高く上げ、そこから背負い投げのような腕の軌道で投げているお子さんを私は「かつぎ投げ」と呼んでいます。

専門的な言葉で言うと、このような投げ方は肩関節の内転・外転動作のみを強調した投球動作であり、「肩・三角筋」や「大胸筋」、「僧帽筋」「大菱形筋」に筋疲労がすぐに蓄積してしまいます。

肩関節というのは投球時には「外旋→内旋」運動をしていなければならないのに、かつぎ投げでは「外転→内転」運動を主体に行っているのですから、肩関節周囲のアウターマッスルは当然疲労を起しながら、インナーマッスルはあまり機能していかないので、肩関節周囲の筋バランスは当然崩れていくことになります。

また担ぎ投げの多くはテイクバックの際に肩甲骨の動きを一度止めており、そこから腕を肩に背負うような形から、いきなり投球加速期に入っていきますので、このような投球フォームは「肩の三角筋中部繊維及び僧帽筋」に余計な力が入りすぎてしまう為、その部位の筋疲労を早期に起しながら徐々に肩の痛みや違和感を誘発させていると考えます(障害初期段階)。

また捕手から投手にポジションを急に変更したようなケースでは、投球数や投球強度がより多く・強くなった為に、肩関節周囲を守っているインナー&アウター・マッスルのバランスが大きく崩れてしまい、強い投球が出来なくなっているにも関わらず、そのままピッチングを継続して肩関節周囲の炎症を悪化させているようなケースもお子さん達に見受けましたが、こういったケースの場合でもう一段酷い状態になると「滑液包炎」に至っていたケースも見受けられました。

肩をまず休めて施療を行っていれば酷くならずに済んだものが、現場でそれらを見過ごしてしまい、当事者も痛みや違和感を我慢しながら投球を続けてしまったが故に、肩の滑液包にまで炎症が拡大してしまい、「腕を上に上げようとしても力が抜けて入りにくい」「腕を横に少し動かしただけでも肩の外側や真上辺りに鈍痛がある」といったような自覚・状態が認められることもあったわけです。

このようなパターンの肩関節障害の場合には、継続的なアイシングや障害までに至った肩関節周囲の筋疲労をまず取り除くこと、そしてバランスを崩してしまった肩周囲の筋肉群の機能回復リハビリ等も同時に行わなければなりません。

また野手の投球法と投手の投球法の違いについて、お子さん達に認識させていく必要があると感じるのは、要は野手型の投球法だと、より多くの投球数を投げるには身体(肩)にも無理がある・・・と考えられます。

もちろん「強肩=スピードのあるボールが投げられる=投手向き」ではあるのですが、投球方法に関する身体の使い方の違いや肩関節等に対する日々のコンディショニングがしっかり継続出来なければ、「捕手や野手から投手へのポジション移動を急に行うのは肩関節・肘関節に無理が生じてしまうケースも出てくる」ということではないでしょうか。

またチームの方針(監督やコーチの考えで)によっては、オーバースローで投げていた投手のお子さんをアンダースロー等のフォームに変更を行っている途上において、肩や肘に障害を発生させてしまったようなケースもお見受けしてきましたが、このような指導を行う際には考えておかなければならないこともあるはずです。

プロの投手でさえ、投球フォームを変更する際には、それなりの時間が必要(1年以上の期間を要することもある)であり、お子さんへの短期間による投球フォームの大きな変更を指導しなければならない場合には、それ相当の時間をかけるべきではないかとまず考えます。

肩・肘関節に限らず、他の身体各部位における耐性強度も身体の使い方によっては当然変わってくるので、急激なフォーム変更は障害発生頻度を高める可能性がある・・・ということになります。



最後に投手達の投球スタイル(オーバースロー・スリークォーター・サイドスロー・アンダースロー)についてお話しておきたいと思います。

投手に向いている肩の構造、向いていない肩の構造・・・という面を考えてみた場合に、そのお子さんの腕の挙上範囲の「高い・低い」という観点から考えられることがまず一つと、肩関節の内旋・外旋可動域の広さ(大きさ)と緩み(締まり)具合の問題が二つ目にあります。

また肩甲骨の柔軟性(可動範囲)や上腕骨との連動性などがあって、これら一連の肩関節の運動要素の中で、どれか一つでも投手には向いていないと判断される場合には「その後のピッチング・パフォーマンスに弊害が出るのではないか?」という考え方が私の中にはあります。

一番良く感じる事は「この子の肩の要素からすれば、オーバースローで投げさせるよりも、サイドスローの方が楽に投げられるのになぁ。」といった感想を抱くケースや「この子の肩の要素からしたら、絶対に外野手よりもピッチャーやらせた方が伸びそうなのになぁ。」ということが多々あるからです。

これはプロ野球の世界で多くの選手達の各ポジション別による肩関節の運動要素を多く診ながら感じてきたような上記の点に関し判断出来得る事柄の中で、トレーナー時代にプロ野球選手達に直接助言してきたような内容と同じようにはいきませんが、現在ここにくるお子さん達の肩の運動要素を確認しつつ感じている「密かな私なりの考え方もある」ということになります。(by 院長)


 

野球肘の前兆を見逃さない一番の方法

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今日訪れてくれたA君は小学校4年生、もうすぐ5年生になる少年野球チームのお子さんです。A君は練習中のボール回しで肘に痛みを自覚したようですが、すぐにその事をお父さん達に報告しました。A君の肘の状態を確認してみると、特に関節可能域に問題はありません。ただし肘の曲げ伸ばしで関節周囲の「筋肉」に痛みを自覚していました。

肘の周囲の筋肉を触診してみると、前腕部にある回内筋や前腕屈筋群、それから前腕伸筋群にかなり強い筋緊張が認められています。当然、筋肉を軽く押しても痛みが出るくらい強い筋緊張がありますから、肘の曲げ伸ばしによって筋肉が伸びたり縮んだりすると、その筋肉に痛みが出るのです。以前にもブログで野球肘について綴ったことがあるのですが、こういった野球のスローイングで肘に負担がかかってしまう一番の原因は、投球フォームに問題がある場合がほとんどです。

投球フォームの中で肘に負担が起こる一番の原因を考察していく為には、「正しい形」「正しい投球フォーム」を認識していなければなりません。ここが指導出来ないと、必ず野球肘を起こしてしまう真の原因究明が出来ない・・・そういうことになってくるのです。

今日はA君の投球フォームを細かくチェックして、どこに一番の問題があるのかをお父さんと一緒に確認しながら、正しい投球フォームに対する認識を施療の前後で行っていきました。

小学校4年生、5年生の頃というのは肩や肘に問題が起こってくる一番多い時期になりますが、何故かというとお子さん達の身体が大きくなり始めるからなのです。身体が大きくなる・・・ということはどういうことかと云いますと、「骨が伸びている」ということになります。それでは骨格が大きくなるにつれて筋肉はどうなるかというと、筋繊維が「細長く」なっていくということになります。低学年ではややふっくらとしたお子さんでも、背が伸びてくるにつれて、徐々に細長い感じの印象を受けますが、それは骨が成長して伸びていくにしたがって、筋繊維も細長くなっているからです。

筋肉の成長は骨の成長よりも、後から起こってくるので、今までと同じ動きをさせていても、やや筋肉に負担が及びやすくなっているようです。そして筋肉にダメージを起こしているのに、そのまま肩や肘に負担がかかる投球フォームを継続してしまうと、今度は「関節」に負担が及んでいく・・・ということになるのです。これが野球肩・野球肘の初期症状になるわけです。

今回、A君は肘に痛みを自覚して、すぐにお父さん達に相談したので、状態はそれほど酷いものではありませんでした。そしてそのような状態であれば、治っていくのにそれほど時間はかからないのです。ところがその原因(肘が痛くなった原因)をここで究明しておかないと、また同じことを繰り返してしまいます。それではお子さんが可愛そうです。投球フォームに修正を加えてあげる必要があれば、それを行い、もし筋力的な問題があれば、それを改善する為のコンディショニングを行わせてあげなければ、お子さんが可愛そうです。彼らはチームの中で野球を行っていますが、それは「野球が好き」だからです。その野球を楽しく継続していく為には、まず「正しい形」を習得して、体を痛めない方法を学んでいく必要があります。体に支障が出てしまえば、好きなスポーツを長く行う事は出来ないからです。

特に野球というスポーツは肩や肘に問題を抱えやすいものですから、その原因を指導者が学んでおくことは必須になります。指導者とはつまりお父さんやチームの監督・コーチのことなのです。

これからA君のお父さんが横浜・多宝堂で学んでくれた事をA君にしっかり指導し確認してあげることで、今後もA君が楽しく野球を続けていってくれることだと思いますが、そういった親子の絆や信頼関係がその後の未来に大きく開いていってくれることこそが、ここで施療を行う真の意味だと私は思っています。

野球肘の前兆を見逃さない一番の方法は、お子さんたちが正直に何でも言える状況を作ってあげることなのです。痛ければ痛い・・・そう正直に言える環境さえあれば、野球肘を悪化させずに済みます。そしてその言葉を受け入れる側にあるお父さん・お母さん達や指導者さん達が、その後の対応の中で「一番有効な方法」を持っているかどうか?というのが、一番大切なことではないかと思います。

A君もお父さんも今日はどうもありがとうございました。しっかり肘を治して一日も早く皆んなと一緒に野球が出来る日を私も楽しみにしています。(by 院長)

ふくらはぎの肉離れ・・・Q&A

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皆様からのご質問の中から、今日はブログ上でお答えさせて頂きたいと思います。(今回は女性の方からのご質問です。)

Q ) テニス中にふくらはぎを傷めて病院では肉離れと診断されました。

     マッサージや針の治療をして貰ったらどのくらいで治りますか?


A)  肉離れの場合は障害程度によって、治る見込みにも違いが出てきますが、軽1度損傷程度であれば約2~3週間、2度以上の損傷になると1ヵ月半~2ヶ月かかる場合もあると予測しています。

最近のクライアントさんの中で、最短3回の総合施療によってふくらはぎの肉離れを完治させることが出来たのですが、その反対に臀部(大臀筋)の肉離れでやや慢性化してしまった状態(無理を押してスポーツ活動を継続しながら治療を行った状況下)のクライアントさんのケースでは、7回以上の通院が必要なケースもありました。

肉離れと確定している場合には、出来れば早期に治療を開始して、スポーツ活動を休止することが早期完治に結びつける最高の対応ではないかと感じています。

マッサージを行いながら、針治療を併行して行うと、まず【歩行時の痛み】が早く軽減されていきますが、鍼やマッサージを行っていくと損傷してしまった筋繊維の瘢痕化がまず緩和されながら筋繊維自体の滑走が元に戻りやすくなりますから、その後のスポーツ活動に支障が出ないよう、筋肉を元の状態に導いていく事が可能になるのです。

あるクライアントさんからのご相談の中には早期にリハビリを開始してしまったが故に、かえって患部の治りが悪くなってしまい、約2年間も支障を来たしてしまった・・・という方がおられました。

肉離れを起した後には確かに筋力を低下させないようすることも大切ですが、まず【損傷した筋肉の状態を元に戻すこと】が先決であり、その次に【痛めてしまった筋肉の筋力を回復させていく】ことに重点を置いていくべきではないかと思います。

患部の状態が思わしくない(まだ痛みが完全に引いていない)のに、運動療法ばかり行って対応していると、その後に慢性痛を引き起こしてしまったり、筋力が低下してスポーツ動作に支障を来たしてしまう・・・という不完全な状態に導かれてしまうケースもあるので、この辺の判断が一番重要な部分ではないかと私は感じています。

また筋肉を傷めた直後(急性期)には2、3日間のアイシングを行っていきますが、ふくらはぎの状態(腫れ方や疼痛の程度)によっては、アイシングを行ってしまうと反対に治りが悪くなってしまうケースもありますので、まずは状態を診て、そこから判断していく事が重要です。

ふくらはぎに肉離れを起してしまったケースでは、【歩行困難な状態】になる事もありますが、受傷後にはなるべく【患部に体重をかけないようにすること】も大切な対応になります。

傷めた足をかばって歩いていると、【股関節付近のリンパ節に炎症を起す】ことがありますので、歩くと酷い痛みがあるのであれば、無理をせず安静にして、歩けるようになってからご来院頂ければ充分間に合います。

特に受傷直後はお風呂で足を温めてしまうと【炎症が増大して腫れが酷くなる】ので、足を浸からせずに入浴するようにして下さい。ある程度の期間が過ぎれば通常通り入浴する事は可能になります。(by 院長)

痛みの本質/心身医学と筋・筋膜性疼痛症候群

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あらゆるスポーツ障害に関する痛みや、一般の方々が訴えられる首・肩の痛み、または腰痛など筋骨格系や軟部組織等に由来する痛みというのは「人の心と相関するものである。」とした考え方は1960年代に心身医学界でも既に発表されています。

現在の西洋医学の中でも「痛み」に対する治療が投薬や外科的手術療法によって完治するものもあれば、慢性疼痛のように、なかなか痛みの完治に結びつかないケースは多く、とりわけ整形外科領域で取り扱われてきた傷病の中でも、頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアなどは、MRI画像上でヘルニア突出が視認されても、実際には痛みが誘発されていないケースがあったり、その反対にヘルニアがMRIで視認され、その為にヘルニアの切除術を受けたにも関わらず、その後に腰痛再発を繰り返すような患者さんも存在しています。

そういった根本的な痛みの原因や解決に関する相反した学術的見解も生じており、保存療法による解決が最良か?それとも手術を選択するのか?といった分岐点に至った場合、痛みを抱えたそれぞれの患者さん達の治療法に対する迷いもそれ相当数認めています。

「できれば手術はしたくない。」

それが通常人の考えであり、そういった患者さんの多くが「痛みの解決」を求めて、ここ横浜・多宝堂にご来院されてきたわけですが、今のところ、鍼灸治療・マッサージ治療を主体にして施療を行ってきた患者さん達がその後に手術を受けた・・・という確認は一つもありませんでした。(尚、明日手術の予定が入っている・・・といった方もお見えになりましたが、その後どうなったのかは解りません。)

即ち、たとえヘルニア症と病院で診断を受け、手足の感覚異常や神経痛が症状として確認された場合であっても、鍼灸治療・マッサージ治療を主体に施療を行ってきた患者さん達は、その後に「痛みの消失」を体験できた・・・ということになります。

それでは一体、ヘルニアの患者さん達がなぜ?ここで行っているような物理的な外部刺激によって、痛みが完治へと至るのでしょうか?

それは現在の整形外科領域で行われてきた精査(MRI、MRA、CTなど)では、判断しようの無い「痛みの本質」というものがあるからではないか?と私自身は強く感じてきたのですが、またそれと共に人が感じている痛みの多くは、精神的な緊張状態、日頃からの慢性的なストレス、肉体疲労などにあわせ生じているような「筋・筋膜性疼痛症候群」というものが、大きく関与しているからではないか?ということも当然考えてきました。

横浜・多宝堂ではトリガーポイントにおける鍼通電療法も行ってきました。またそれ以外にも多くの患者さん達の痛みの解決に対し、様々な手法によって挑んできたわけですが、いわゆる「筋挫傷」にも「捻挫後遺痛」にも「慢性的な打撲痛」にも同様の傾向があって、傷めた患部以外の部位にも他覚的な症状を認めてきました。

また神経痛、感覚異常など神経的な症状を訴えておられる様々な傷病に関しても、このトリガーポイント鍼通電療法は非常に効果をあらわしてきましたが、ここでも筋・筋膜性の疼痛由来というものが根本的な痛みとの関わりであったのではないか?と思われるようなケースも非常に多かったのです。

もちろん慢性的な痛みというのは、脳からのフィードバック現象として、「痛みの記憶」から生じているケースも多々あるでしょう。しかし鍼通電治療ではゲート・コントロールや脳内におけるβエンドルフィン(脳内モルフィネ様物質)の湧現等により「脳への一時的な痛みの遮断」が短時間の中でまず行われ、鍼治療後におけるその後のマッサージ療法によって、痛みにより慢性化してきた筋・筋膜性由来の緊張性疼痛が徐々に緩和をすることによって、二次的に発生していると思われる機能的な痛みの増幅も二段階的な治療手法によって、良い方向にコントロールすることができたのではないかと私は常々感じてきました。

特に坐骨神経領域における酷い痛みを訴え「腰部椎間板症」が由良である・・と整形外科で診断されてご来院された患者さんのケースでは、自覚痛領域や圧痛領域をまず丹念に確認してから、その日その日の状態に合わせ継続的に鍼通電療法を行っていくことで、その後に大きな痛みの改善をみせていくのですが、このようなケースでは「梨状筋症候群による痛み」が発生しているだけで、実は腰椎椎間板症由来じゃないのではないか?といった疑問もありました。

いずれにしても、整形外科領域の診断は診断として、「人間の身体の構造的異常がそのまま痛みに関連していないケース」は「必ずある」のであって、すべての痛みを検査画像によって認知することはできない、若しくは関連しないケースもある・・・そう想定しながら、日々の施療を行わななければ改善しないようなケースも多いのです。

人間には自然治癒の力が働いています。その治癒に至る諸元とは、やはり「心身相関の原理」から一歩も外れることはない・・・それだけは言えるのではないかと思います。それは「脳が心を司っているのか?」それとも「心が脳を司っているのか?」といった哲学的部分も含まれた考察が根底にあって、すべてが目に見えるものだけで真の解決には至らない場合も有る・・ということではないでしょうか。

実は西洋医学も東洋医学も同じ傷病解決の手法であって、それらの医学的手法が同じ土壌で手を携えながら「患者さんを癒す」ことに全身全霊を傾けられる体制が出来上がれば、本来はそれが真の日本の有意義な医療体系になるはずだ・・・そう思っているのは、きっと私だけではないはずです。まず鍼灸療法を同じ医療の土壌に引き上げていくためには、私たちがどうすれば良いのか?それを一度考えてみる必要があるだろうし、やはり医師達にもその責任があるのではないかと私は思っています。

有意な先生方は鍼灸同意書を出し、そうではない先生もおられるようですが、それがもし恣意的なものであるならば、それは患者さんに対する医療への自由選択意志に反する行為であり、それと同時に西洋医学と東洋医学の断絶を増幅させてしまう行為ではないかと感じます。患者さん達の抱える痛み・苦しみに対して、西洋医の皆様には真の懐の深さやご理解を見せて頂きたいものです。鍼灸治療に関する保険療養というものをこの日本国は国民に認めているのです。そのことを西洋医学の医師の方々がすべてにおいて人知して頂ければ、多くの患者さんの助け舟になるはずです。(By 院長)

高血圧・低血圧を改善する鍼治療の手法と体感

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低血圧だ・・と病院で診断を受けて日常的にお薬を常用している方々の中には、「朝 調子が良くない」とか、「いつも首や肩が緊張していて疲れる」とか、「普段から立ちくらみがある」だとか、「春先や夏場に身体の調子が悪い」とか、「手足がしびれる」、また「気分が落ち込みやすい」「イライラ感が出てくる」などのような、多くの症状を訴えられています。

本態性低血圧症が要因だと思われる、このような様々な症状を訴えてご来院頂くケースでは、わりとスマートで小柄な印象を受ける30歳代以上の女性達に多いのが特徴で、たまに子供さんの中にも、そのような低血圧が要因だと考えられるケースもありましたが、その多くが「女性を中心」にご来院頂くことの多かった疾患になります。



また、高血圧だ・・・と病院で診断を受け、日常的にお薬を常用している方々は割りと中年以降の男性や女性にも多く、「冬場になると調子が悪い」とか、「普段からフラフラすることが多い」とか、「ときどき頭痛がある」とか、「手足が浮腫んだり冷える」とか、「たまにイライラしやすくなったり精神的に落ち着かなくなったりする」などのような、多くの症状や憂鬱な気分をご来院の際に訴えている方々が多いのです。

本態性高血圧の方々の中には糖尿病を併発していらっしゃる方々も多くて、そのような場合には普段から「肩こり、首こり」を感じていたり、「慢性的な腰痛」があったり、「足にシビレ」を感じていたりすることも多く、多岐にわたる症状全ての要因の中に、根本的な疾患である「高血圧」の問題を感じないわけにはいかない・・・ということをずっと考えてきました。



「本態性」という言葉を辞書で引いてみると・・・・

「本態性(ほんたいせい)とは、疾患の原因が明らかではないという意味。「特発性」とほぼ同義。本態性高血圧症、本態性低血圧症、本態性自律神経失調症などがその代表例。

医学で、ある症状・疾患は存在するが、その原因が明らかでないものであること。

・・・といったような説明があります。要するに「西洋医学では原因が特定できない疾患や症状」ということです。



低血圧や高血圧と診断を受けたものの、諸検査で器質的原因が特定出来なかった方々は、様々な身体的・精神的症状を感じているにも関わらず、「病院では原因が判らない」けれど、血圧を調整できるお薬を病院から継続処方して頂きながら「症状の軽減・緩和」を目指している・・・ということになるのでしょう。



このような本態性低血圧・高血圧の方々を東洋医学的な視点で診ていくと、「実証」「虚証」という視点がまず第一に浮かんできます。

「実証」を一言で説明すると・・・「多い、有り余っている」
「虚証」を一言で説明すると・・・「少ない、足りない」

ということになります。



実証・虚証というのは、共に東洋医学における人間の体質的な視点・診方となりますが、それ以外にも臓腑(ぞうふ)からの視点があって、特に人間の血液循環統制に関する臓腑には、おもに「心、肝、脾によって司られている」と昔から教示されています。

これらの臓腑に関連しているツボの流れを「経絡(けいらく)」と私達は呼んでいますが、この経絡は人間の体表(身体の表面)を流れている・・・ということになります。



この体表面にある血液循環に関連するツボを刺激して「血圧を上げたり下げたりする」ことが可能になっているのですが、その中でも一番有名なのが、首の前側部にある「人迎(じんげい)」というツボに刺鍼して「血圧を下げる」というものです。また「上天柱(かみてんちゅう)」に刺鍼すれば「血圧を上げる」ことが出来ると云われています。(それ以外にも上肢・下肢・体幹における自律神経反射に関連する各種ツボもあります。)



これらのツボに鍼を打つ・・・ということを一番簡単に説明するならば「外部刺激によって自律神経を調整する」ということになりますが、鍼治療の有効性の中でも、血圧調整というのは根幹を成す健康法的な要素も強いと感じてきました。



「血圧を上げているのは交感神経」

「血圧を下げているのは副交感神経」

・・・というように、人間の体内で血圧を調節しているのは根本的に自律神経が大きく関与していますから「交感神経を刺激して活発になれば血圧が上る」「副交感神経を刺激して活発になれば血圧が下がる」のは当然としても、自律神経というのは本来、人間の無意識下によって統制されたものであって、それを人が意識的に調整するのは困難ですが、鍼治療はそれを可能にしてきたのです。



もちろん鍼治療の効果の中には「痛みを鎮める働き」や「筋肉の緊張を和らげる働き」もあります。しかしご来院頂いた皆さんからお聞きするご感想の中には、「痛みも取れたけれど、疲れやだるさも楽になった」とか、「何となく気分がイライラしていたのに心が落ち着くようになった」とか、「夜 寝つきが良くなった」とか、「日頃の疲れをあまり感じなくなった」といったことをお伺いすることも多く、やはりそれはクライアントさん達の自律神経系の働きがより活発になったからだと感じます。



実は本態性の高血圧や低血圧というのは、日常的な肉体的・精神的ストレスであるとか、運動不足や休養不足、それから食事の内容によっては体質が偏ってしまって、体内の自律神経が上手く統制出来なくなっているような方々に多いのも事実ではないかと思います。



またお薬の長期間にわたる服用によって副作用なども心配されていますが、「原因が判らない」・・ということは、人の体質的・恒常性の問題・異常であることも多く、その根本的なものに目を背けてしまえば、新たな疾患を作り出す元凶になっていくケースもあるということを感じながら、今日は本態性の高血圧や低血圧についてお話してみました。(by 院長)

治療を受ける効果的な時間帯は?

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Q) マッサージや鍼などの治療を受ける場合、一日のうちで昼間に受けるのと、夜に受けるのとでは、どちらが効果が高いんですか?



A)  人間の体は自律神経(交感神経と副交感神経)という「活動的な作用を促している神経」と「非活動的な作用を促している神経」によってコントロールされています。

規則正しい生活を心がけていると、通常は朝の6時頃には「目覚めを促すホルモン」が脳内に分泌され覚醒するようになっています。起床時から約6時間くらいで交感神経の働きがピークに達しますから、その間は血圧や脈拍も上がっていくことになります。

午前中から昼にかけての時間帯というのは血圧や脈拍を上げて「さぁ!活動するぞ!」といったような活動体制になっているのですが、昼を過ぎてからおやつの時間・・・つまり午後3時くらいになってくると交感神経から副交感神経へとスイッチが切り替わる間の時間帯になってきます。

丁度、おやつの時間というのは、「そろそろ一休みして・・・」といったように、眠気を催すような時間帯になるわけですが、そこから夕方の6時くらいまでには完全に交感神経から副交感神経に入れ替わっていく時間帯となり夕方になって太陽が沈んで外が暗くなると人間の体は副交感神経優位な状態へと自然に切り替わっていきます。居眠り運転による事故というのも実はこの夕方に一番多いという統計があるのは頷けるというものです。

このように副交感神経というのは血圧や脈拍を下げて、徐々に体を休ませる方向に向わせていくという神経ですから、当然 体に「だるさを感じたり」「眠気を感じたり」「体温が低く」なっていきます。副交感神経は身体にエネルギーを蓄えるために必要な神経機能である為、身体各器官のエネルギー消費を抑える働きがあるのです。それに対して交感神経というのは、その蓄えられたエネルギーを消費して活発な行動を促していく働きであり、それらの神経の働きが一日のリズムの中で正常に規則正しく働いている・・ということが「健康」であると言えるのです。それらを考えながら施療の効果的な時間帯を考えると・・・・

例えば高血圧の人が施療を受ける場合、マッサージや鍼施療のような刺激療法に関しては午前中よりも昼の3時をまわったくらいが適当ではないかと思います。何故なら午前中は交感神経が働き血圧が高くなりやすいので刺激の強度や方法によっては血流が良くなると脳や心臓に対する負荷が加わる危険性もあるからです。

高血圧の状態で更に血圧が上昇してしまえば、当然 脳溢血や心臓発作を起しやすく、それは昼夜に関わらず注意が必要になってくるわけですが、より血圧の降下しやすい午後から夕方の時間帯に施療を行うことで、まず安心感があると言えます。朝方から昼にかけて心臓発作や脳溢血が多いということを考えれば、そのような考え方の基本となるわけですが、その反対に血圧の低い人は午前中の交感神経が優位な時間帯に施療を行うことによって血圧が上昇しやすい時間帯なのですから、施療による相乗効果によっては血圧が上昇し低血圧が改善されやすい時間帯になるということになってきます。

それから神経痛の人はどちらかというと朝の起きがけに痛みを感じやすいのですが、これは朝の6時から昼にかけては交感神経が優位になるためで、血圧や脈拍数が上がって血流も盛んになる事で神経が刺激を受けて鈍痛を自覚しやすい状況になるからです。

歯医者さんで歯の神経を抜くような治療を受ける場合には、そういう点から考えてみると夕方に治療を受けた方があまり痛みを感じなくて済むことになります。

マッサージや鍼の施療を受ける場合も神経痛に対する考え方は同じになると思います。刺激の法則を考慮した場合には弱い刺激というのは神経を鼓舞(蘇らせ興奮させるということ)し、強い刺激というのは神経を抑制(押さえ込み鎮静させるということ)させるということからも、神経痛というのは神経が興奮している状態であり、それを押さえる為の刺激・・・すなわち「強い刺激」であれば効果が高いということになります。

ですから神経痛の施療は夕方の時間帯であれば強い刺激を与えても痛みをあまり感じず、施療効果もより効果が出やすいということになるのかも知れません。また神経麻痺などに対する場合には神経痛の正反対の条件を考えると午前中の時間帯に弱い刺激で行う方が効果が出やすいということになります。

どれだけ眠れないという症状があったとしても、副交感神経が働けば人間は自ずと眠くなっていることになります。物を食べて胃袋に食物が入ってくると胃には胃液が分泌され消化を促そうとしますが、そのような胃液の分泌自体も実は副交感神経の作用によって行われています。食べた後に眠くなるというのは副交感神経が正常に働いている証拠です。

よく幼い子供が食事中に居眠りをしながらコクリコクリとしていますが、幼児期というのはまだ自律神経の働き方がとてもストレートで素直である為、副交感神経が優位になっている夜間の食事中には居眠りをしやすいことになります。

その反対に赤ちゃんの夜鳴きというのは神経が興奮して起こっているものですが、それは赤ちゃんの体内の自律神経によるコントロールが昼と夜とで上手く行えない状態があるからです。

お母さんが抱っこをして赤ちゃんをさすったり揺らしたり、または乳首をくわえさせることで泣き止ませていますが、実はその行為自体が赤ちゃんの副交感神経の働きを刺激によって促している・・ということなのです。

本当は朝から昼にかけて働かなければならない交感神経が夜中になって急に働き始めてしまった結果として夜鳴きが起こるのですが、赤ちゃんの場合には一日のサイクルの中で交感神経と副交感神経の働きが交互に何度も訪れておりますが、通常 乳児期から幼児期・小学校低学年までには自律神経の相互リズムは正常化していくことになります。

しかし赤ちゃんが午前中や昼間に大声で泣くのは自律神経の正常な働きを泣く事(強い呼吸と声を出す事、体を大きく動かしながら情動を表現することで)で発現させているわけですから、そのような状態の時にお母さんが抱っこをしてあやし過ぎてしまったり、乳首を与え過ぎてしまうと、それ自体が副交感神経を優位にさせてしまう行為となる為、赤ちゃんの正常な自律神経機能やリズムがスムーズにいかなくなってしまうことに繋がります。

それらが成人になってから自律神経障害へと結びつく原因であるという説もあるのです。自律神経の働きを知れば赤ちゃんに対する育児法も施療を行う際の時間帯や対応法なども理解できるのではないかと思います。

働きすぎで疲れが溜まって何もしたくない・・休みたい・・そう感じている人は、自ずと副交感神経が優位となって、交感神経が働きにくくなっています。

そういうときには午前中の交感神経が働かなければならない時間帯にしっかりそれが働くように仕向けてあげたいものです。

ですから施療も午前中に行いながら、その人にとって「心臓や脳に血液を送ってあげるような刺激で最後にはスッキリと目が覚めるようにして施療を終える」ことで、交感神経が昼の時間帯にゆっくりと賦活されていくようになり、その状況を積み上てあげられれば、徐々に体調を上向かせてあげられることになっていきます。

またいつも何となくイライラしていて、夜もなかなか寝付かれない人というのは、反対に交感神経ばかりが常に働きすぎていて副交感神経が働きにくくなっている状態です。

そういう人の場合には午後の3時から夜6時くらいの副交感神経が優位になる時間帯に施療を行って、「その人にとって心地よい刺激を与えながら時間をかけて徐々に眠くなっていくような刺激に切り替えて終わる」ことで、交感神経の緊張状態が徐々に解けて副交感神経を賦活させていくことが出来るのです。

施療が終わる夕方ごろには、かなりの眠気を感じるはずですので、こういった神経の興奮を伴い、気を休めることの苦手な人などは午後から夕方にかけて、若しくは夜間の施療時間帯などが適しているのではないかと思います。

その人の一日のサイクルの正常な自律神経の働きを基本に考えてみれば、施療を行う時間帯や施術内容・方法(刺激の種類や強度や波を考慮)をその都度変化させ対応していく必要性があるということが判りますね。(by 院長)

野球肩・野球肘の予防とコンディショニング

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正しいスローイング・フォームで投球を行っていたはずなのに、いつの間にか肩や肘に違和感や痛みを訴えてくるようなお子さんがなかにはいると思います。

チームの指導者さんからしっかり指導を受けていて投げ方には問題が無いはずなのに・・・と、首をかしげてご質問を頂くようなケースもかなりあります。

もちろんこのようなケースの場合も、親御さんに連れられ、ここ横浜・多宝堂治療院へ訪れていただいてきたわけですが、お子さん達の肩や肘を様々な角度からチェックしても現状では「野球肩・野球肘」には陥っていない状態であることが多いものです。

まずお子さん達にお越し頂いた際には、まずそれまでの状況をすべてお聞きしてから、肩関節や肘関節の動作チェック・理学テスト等を行いながら、最終的には筋肉や靱帯、腱や骨部のストレス・テストによって違和感や痛みを感じている箇所を限定していきます。

その際にお子さん達は「ここが痛い」といった反応を見せる場合と、「この辺り全体が痛い」といった反応を見せることがあります。またなかには「何か変な感じがする」とか「いつもと違う感じ」とか「力が入りづらい」といった反応を示す場合もあります。

病院の検査でレントゲンを撮っても骨に異常なかった。

関節の可動域にも異常がなかった。

投球動作にも問題がないと言われた。

上記のような3つの条件が揃っていれば、通常は「全く異常は認められないし問題はない」という診断が出るので、親御さん達はひとまず安心してそのままお子さん達に野球を続けさせるはずです。

しかしそこから2週間後・3週間後に「やっぱり投げるときに痛みが出てきた、何だかおかしい」と言ってお子さんが訴える・・・といって、「どうしてなんでしょう?」と大いなる疑問を抱き、あわててご連絡を頂くこともありました。

以前にも何度かお話ししましたが、野球肩や野球肘を予防していく為には、フォームや投球数の管理が一番大切な事は言うまでもないことですが、実は「お子さん個々におけるコンディション」をしっかり管理していくことに対しては、あまり重要視されていない部分も感じてきました。

体の状態というのは日々変化しており、常に一定ではありませんから、たとえば前日に試合があってピッチングで沢山ボールを投げたり、体調があまり優れなかったけれど試合には何とか出場した・・・といったケースもあるでしょう。

また学校のテスト勉強のために夜遅くまで起きていたり、朝ごはんを食べないで出て行ったりといった、体調不良に陥りやすい状況の中でスポーツを行っているケースもあるでしょう。

実はそういったときにこそ「本当は注意しなければならない」ということになるわけです。

たとえばお子さん達の疲労度を測る物差しとして、起床時の体温や心拍数を測ってみる・・・といった方法がありますが、これはお子さんに限らずオリンピックに出場するようなアスリート達においても全く同じことで、その日のコンディションを数値的な面で確認していく方法となるわけです。

人間の平均体温は36.5℃ですから、それよりも体温が低ければ免疫力が落ちていることになるし、それよりも高ければ何らかの体内における炎症徴候が疑われます。

また心拍数であれば、例えば1ヶ月間、毎朝起床時に寝ながら1分間の心拍数を計って、それを記録しておけば、お子さんの平均的な心拍数が割り出せますから、その平均値を基準にして、その日の朝の心拍数が上がっているのか?下がっているのか?ということから疲労度を把握することも可能になるわけです。

疲れていればとうぜん心拍数は平均値よりも必ず上がっていきますし、前日よりも5~10程度心拍数の急激な上昇を示していれば「疲労が蓄積している」というふうに察して、練習強度を落としたり、リラックスさせることでコンディションを良い状態へと向かわせていくことも必要ではないでしょうか。

「最近、どうも朝起きたときに背中がこわばってるなぁ」
「あまり食欲がないなぁ」

といった内部感覚というのは「疲労のサイン」ですが、これはお子さんの中にも見られる疲労のサインです。ただしお子さん達が「背中が張っている」とか「食欲が無い」なんてことはあまり言わないでしょうから(笑)、そういった意味でも「疲労度」をどのように見極めていくのか?という部分においては、常にお子さん達の身近にいらっしゃる親御さん達にこそ、名トレーナーになっていただかなくてはならない・・・そういうことなのです。

特に体に発生する筋肉痛を早期に回復させるためには、まず「筋繊維を修復」させなければなりません。

筋肉痛と睡眠時間、栄養素には深い関連性があって、筋繊維の修復というのは夜間の「寝ている間」に行われています。睡眠不足は筋繊維の修復を妨げる一番の原因になります。また筋繊維修復を促す為には食事で摂取された「栄養素⇒主にタンパク質(アミノ酸)」が必要になってくる・・・そういうことになりますので、「きちんと栄養を摂取する」ことも同時に求められるわけです。

その上で野球をプレーしている少年期のお子さん達の野球肩や野球肘を予防する為にも、「より良いコンディション作り」は欠かせない・・・そういうことです。

たとえば肩甲骨付近を含めた背中、股関節、足首が疲労で硬くなっていれば、肩甲帯や体幹のひねり動作は当然硬くなりますから、そのような状態でボールを沢山投げ続けていればバランスの悪い投球フォームに悪化していると言えるでしょうし、これはもちろんバッティング動作においても全く同じことが言えるはずです。

そのようなときでも練習や試合が終わって家に帰ってきたら、首までお風呂に漬かって体をしっかりと温めてから、全身の筋緊張を解きほぐす為にストレッチを行い、それから食事で栄養をゆっくり摂取させ、早めに就寝させていけば疲労度もグッと下がっていくはずです。

また夏場の暑い時期には汗を一杯かきますから、水分補給や栄養補給は欠かせない事項となりますし、睡眠時間は最も大切になります。

お子さん達の体が大きくなっていくのは、夜 寝ている間に成長ホルモンがきちんと出ているからこそですから、しっかり栄養を取り、早めに就寝させていくことが成長期には最も大切だというのは言うまでもありません。栄養不足、寝不足が一番成長を阻害してしまうし、そのようなコンディションが野球肩・野球肘に限らず怪我や故障を誘発させていく根本的な要因となる・・そういうことです。

なかなかこれは耳に痛いようなお話しだとは思いますが、それは陰日なたから日々支えておられる親御さん達のご協力があってこそ、お子さん達の真の健全なスポーツ活動がある・・・ということではないでしょうか。(by院長)

大学生や社会人軟式野球選手に多い野球肩とその主要因

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ここ最近、週末等の休日に軟式野球をやっておられる一般社会人の皆様の中に「野球肩障害」を抱えられて、ご相談を頂く機会が多かったので、今日はその辺りに関連することを少しここで綴ってみたいと思います。

一般社会人の方々が野球肩におちいってしまう要因の中には、まず環境的な問題があると言っても過言ではないでしょう。例えば「土、日、祝日」に休日のあるサラリーマンの皆さんの場合、恐らくボールを握る機会が「休日だけ」という方々がほとんどではないかと思います。

こういった環境の中で野球をプレーされていて野球肩に陥ってしまった皆さんの肩の状態を診ると「○○○○の機能低下」が著しいことが伺えました。

このような状態の野球肩は「○○○機能」にも支障を来たしており、その為、○○法をまずご説明していかなければならないわけですが、なぜ「○○○○の機能低下」や「○○○機能」に支障が生じているのか?と云いますと、これは皆さんの野球活動のスケジュールにも一因があると言えるかもしれません。

昔、といっても私がファイターズのトレーナーとして入団してから間もなくの頃ですから、もう20年も前のお話しになります。

実はプロ野球選手の中にも、上記のような状態の野球肩に陥っていた選手が割りと多く、それもオフ期間が明けて間もない1月の自主トレーニング期間だとか、春季キャンプに入って1週間も経ないうちに肩に痛みを訴えているようなケースがよくみられたわけです。

しかしその後には、このようなケースの野球肩はかなり減少してきたと思うのですが、もちろんこれは「肩関節を適切な状態」に保つ為には、一体どのような形態で年間トレーニングを行いながら、またどのように投球練習を行っていけば、年間を通じて良い状態を維持できるのか?ということが、過去の結果とその後に蓄積されてきた情報を比較検討することによって、改善策が徐々に見出されていったからだったのではないかと思います。

そういった面からすると、同じ野球というスポーツを行っている以上「これだけはプロもアマチュアも同じように積み上げていかなくてはならない」といったものがあって、これは特に軟式野球をプレーされている大学生や一般社会人の方々の野球肩を診させていただきながら感じてきたもので「明らかにその主要因には同じような共通点がある」と私は実感してきたのです。

おそらく野球肩によって横浜・多宝堂へおこし頂いてきた軟式野球をプレーしておられる大学生や一般社会人の皆さんの中には、施療の際に何度かお話しさせて頂いたと思いますが「肩関節の○○○○」というのは簡単に言ってしまえば「関節を意のままに○○○○いない」ということです。

たとえばサッカー選手の股関節痛を例に取れば、ボールを蹴る動作というのは、足をまず「後ろへ引く動作」があって、そこから「前へと足を振り出す動作」によってボールを蹴っています。しかしもし股関節に痛みを感じていれば、勢いよくボールを蹴りだすことは出来ないでしょう。

野球選手の肩関節痛もそれと同じで、ボールを投げる為には「テイクバック期」に始まり、そこから「トップ」⇒「加速期」⇒「リリース期」⇒「フォロースルー期」といった一連の動作が繋がって勢いよくボールが投げられるわけですから、その何れかの時期に肩に痛みを感じれば、勢いよくボールを投げることはできません。

もちろん股関節であっても肩関節であっても、「関節面や関節周囲の筋部」を損傷してしまえば、なかには外科的な手術が必要なケースが出てくるかもしれませんが、そうであればスポーツ整形外科でレントゲン検査やMRI検査を受けてみれば容易に診断が出てくるはずです。

ところがその前段階であれば、それほど酷い状態では無いと診断を受けるので、ある程度のレベルではプレーすることも可能なわけです。しかしそのままの肩の状態でプレーを続けていくと本来であれば酷い状態に陥ってしまう可能性も出てくるはずです。しかし反対にあまり酷くならないのは、皆さんの肩が○○○を主要因として痛みが出ていて「強い投球が出来ない」が故にそうならないわけです。

端的に云えば、それは「全身的な○○○が○○されている状態」があって、いくら肩の強化トレーニングやリハビリ・メニューを一生懸命にこなし励んでいても、肩関節を動かしている「ある筋肉」が○○○によって「全力投球できるような元の状態へと戻っていかないから」ということなのです。

なぜ「○○○に○○○がおこるのか?」というと、一つには○○的な○○の問題があると私は考えているのですが、実はこのような状態というのは「プロ野球のピッチャー」にも相当数認められてきたものだったからです。

たとえばプロ野球のピッチャーの中には、肩を痛めた為に手術を余儀なくされるケースもあって、完全復帰を目指して手術後には一生懸命リハビリを行っていくわけです。

しかしある一定の期間、手術した肩関節を動かす為の○○○が完全に戻ってこないと、元のような全力投球が出来なくなってしまうピッチャーもいて、それは○○○といった身体的現象が稀に認められるからだったのです。

機能的な問題と器質的な問題というのは、実は紙一重の差で起こっており、非常に関連性が高いと感じるのは実はこのような理由からだったわけです。

以前、ある一般社会人の軟式野球投手でプレーされている方の肘関節の手術後におけるリハビリ期間中にご相談を頂いたケースがあり、通常、手術後にはある一定の期間「患部を○○」しますから、それによって肘関節は「少し○○」を認めます。いわばそれは一時的に関節が「完全には○○ない・○○○ない状態」になるわけです。

その際、○○治療や○○○○○等の○○療法をリハビリと共に併行して行っていくと、「○○○の回復する期間が短くなる」ので、とうぜん肘関節の○○○が元の正常な状態へと戻っていきますから、医師の指示通りに投球再開時期を迎えることが可能になってくるわけです。

もちろん先に述べたような肩関節周囲の○○に関連する○○の問題もあるのですが、○○治療や○○○○○等の○○的な刺激が○○○を改善させながら、併行して病院におけるリハビリを行うことによって、その効果を更に高めていく一助になってくるわけですが、もちろんこれはプロ野球選手に限らず、大学生や一般社会人の軟式野球選手の皆さんにおいても等しく同じとなります。

「強化トレーニングをやってもリハビリをやっても肩や肘が良くならない、治らない」といった場合には、実は○○○の問題が潜んでいることも多く、そこを改善していかなければ、いくらリハビリを行っても痛みの改善に結びつかないのは当然ですから、その上でも施療を行う真の意味がある・・・そういうことになるでしょう。

野球肩における術後リハビリや一般的な肩の強化トレーニングで痛みに対する改善効果が出ていない場合には、是非その要因が何処にあるのか?をもう一度考えてみて欲しいと思います。必ず○○○のような問題が根底にあるのではないか?そう私は常々感じています。

あえて今回は文章の中に○○○等を散りばめましたが、是非そこに当てはまる言葉を皆さんにもここで少し考えて頂きながら、様々なケースにおける野球肩の改善方法や予防対策について今後も議論されていくことを願っています。これからも更に様々な野球肩障害を診させて頂きながら、これらの○○○の部分の原因というものがいずれハッキリしてきましたら、そのときにもう一度ここで綴っていこうと思っています。

今日は軟式野球選手の中でも、週末や休日を利用してプレーしている皆さんの野球肩を中心に問題提起してみましたが、如何だったでしょうか?

ご相談を頂きました皆さんには本当に感謝しております。皆様のより良いスポーツ・ライフに少しでも貢献できるよう、今後とも私も一緒に汗をかきながら頑張っていこうと思っております。(by 院長)

*尚、○○○等に関しては「自律神経系と○○○○トレーニング」や「筋○○の分類」等から問題提起されるものであり、経験則による個人的見解に関連した事項なので敢えて今回は○○○表記とさせていただきました。


痛み、不安、抑うつ、不眠を改善するハリ治療と食事

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ハリ治療がアルツハイマー病やうつ病などの予防に効果があるのは多くの皆さんもご存知だと思います。

ハリ治療を行うと脳内血流量が通常よりも約10%~20%程度増えるので(もちろんお体の状態によって個人差があります)、脳の機能が正常に働くように改善していくと考えられるからです。

脳の機能の正常な働きの中には「必要以上に痛みを感じさせない働き⇒ドーパミン・システム」というものがあるのですが、このような機能が正常に働かないと、ちょっとした刺激が「痛みへと変性してしまう」ので、いわゆる「神経過敏症」になったり「慢性痛」を自覚するようになってしまいます。

特にハリ治療において最も改善効果が期待できるのは「体の痛みを鎮める働き」「鎮痛作用」ですが、それではなぜハリ治療を行う事で痛みの感覚が減少し無くなっていくのでしょうか?

それには大きな理由があるからです。

ハリ治療を行うと脳内では一体どのような変化が起こっていくのかと云いますと・・・・

まず脳内血流量が通常よりも増えることで、脳内のセロトニン分泌量が増えます。そうすると身体全般における神経の沈静作用や鎮痛作用が起こってくるので、体のどの部分の痛み感覚であっても、同じように痛みの感覚が低下していきます。もちろんシビレなどのような異常感覚も同じように減少していくのは、このような理由からです。

ハリ治療の中には、皆さんもよくご存知だと思いますが、いわゆる一般的な「腰痛」に対する「遠隔部位療法」というものがあります。

これは痛みを感じている腰に直接ハリを刺さず、手や足の「経穴(ツボ)」にハリを刺して腰痛を治す治療方法で、これを私達施療家は俗称として「遠隔部位療法」と呼んでいます。

さて・・・痛みを自覚している腰に直接ハリ治療を施さないのに、なぜ手や足のツボにハリ治療を施すことで「腰痛が無くなってしまう」のでしょうか?

たとえばハリの遠隔部位療法の中で、腰痛の際に最も用いられる代表的な手足のツボは、まず手の甲にある「腰腿点(ようたいてん)=腰痛点(ようつうてん)」、それから膝の裏側にある「委中(いちゅう)」などがあります。また偏頭痛など頭部や側頭部の痛みに使われる遠隔部位穴には、手の親指付け根付近にある「合谷(ごうこく)」や「列缺(れっきょ)」などがあります。

そういった遠隔部位穴を使って腰の痛みや偏頭痛が減少して楽になってしまうのは一体なぜ?なのか。

まず手足のツボに施したハリの刺激は、患者さんの脳へと伝わっていくことになります。そうすると脳内の血流量が徐々に増していきます。

そして痛みを鎮める働きのある「脳内物質セロトニンの分泌量が増加する」ことによって、患者さん自身の「脳」で感じている「痛み」が徐々に減少していくことになります。

これがハリ治療における痛みの減少や鎮痛作用の仕組みとなるわけです。

その際に・・・

痛みのある部位に直接ハリ治療を施した方がより鎮痛効果が高いのかどうか?

また遠隔療法のように、痛みのある部位に直接ハリ治療を施さずに、離れた部位にハリ治療を施したほうが鎮痛効果が高いのかどうか?

もしくは、その二つの治療法を組み合わせた方が、より効果が高いのかどうかということをまず考察しながら治療を行っていくと、より改善効果が多くみられる・・そういうことになります。

脳内物質であるセロトニンの働きには、脳を活性化させたり、自律神経を調節したり、痛みの感覚を制御したり、背中などの抗重力筋の状態を良好にしたり、精神の安定などに関わっています。

ですからハリ治療を施すことによって脳内セロトニン分泌量が増加すれば、当然 上記のような事柄に対する改善効果が現れてくる・・・そういうことになります。

これは腰痛に限らず、ハリ治療によって偏頭痛やめまい、不安神経症、不眠症、うつ病、また長引く筋肉痛や打撲痛、捻挫後遺痛などが改善していく根本的な理由となるでしょう。

脳内物質であるドーパミンは「快感」を感じる脳内物質ですが、これは「人間のやる気の源」とも云われています。

しかし脳内セロトニンが激減すると同時にドーパミンもきちんと脳内で放出されなくなりますから、そうするとやる気の源がなくなってしまうので、何もする気がしなくなったり、うつ病に陥っていくことへと繋がるのでしょう。

脳内ドーパミンは、趣味に熱中して時間を忘れて楽しんでいたり、誰かから素敵なプレゼントや仕事で報酬を貰ったときなどに脳内から放出されており、そのような脳内の仕組みによって人間は快感や快楽を感じています。

そして脳内セロトニンが減少するとドーパミンが放出されるような行動を取ったり周囲でそのような状況がおこっても、ドーパミンが減少していれば周囲の環境に対して無関心になってしまったり孤独に引きこもってしまったり・・と、普段の行動や表情に変化が見られるようになっていきます。

最近ではこのような「うつ症状や引きこもり」などが社会問題化して久しいようですが、それらをある種のきっけとして自殺や犯罪などに結びついていることを考えてみると、それらを防ぐ手立てや対処法などを学んでおく必要があるとも言えるでしょう。

それでは・・・どうしたら脳内物質「セロトニン」を効率よく脳内で分泌させることが可能になるのでしょうか?

ハリ治療は脳内の側坐核(そくざかく)を刺激して、セロトニンをまず増加させることができるようですが、セロトニンの分泌に欠かす事の出来ない栄養素は「トリプトファン」と云われる「アミノ酸の一種」になります。

アミノ酸トリプトファンを摂取してセロトニンを増やすためには、同じようにビタミンBが必要です。アミノ酸やビタミンは人間の体内で作り出すことの出来ないものですから、これらは食品から摂取する必要があります。

【トリプトファンを含む食べ物】
牛乳、バナナ、ハチミツ、七面鳥、タマゴの白味、ツナ、乳製品、大豆、納豆、豆腐、魚介類、肉類(特に鶏肉)、玄米、豆類、たまご、ゴマ

【ビタミンB6を多く含む食べ物】
にんにく、小麦胚芽、本マグロ、カツオ、そば粉、黒砂糖、うるめいわし、鳥レバー、豚レバー、大豆、くるみ、玄米、アボガド


一例として朝か晩に一度でも「玄米」に「納豆&たまご」を混ぜてかけて食べていると、トリプトファンとビタミンB6が毎日摂取できる・・・そういうことになりますね。

以下のサイトにも、それらに関連した内容が記載されており、普段からの食事内容の大切さが感じられるのではないかと思いますので、是非ご参考にされてみてはいかがでしょうか。

アミノ酸/トリプトファン    

今日は痛み、不安、抑うつ、不眠を改善するハリ治療と食事に関して、脳内物質の働きを交えて少しお話をさせていただきました。

是非、このような脳の仕組みを勉強しながら、毎日の楽しい健康生活をより良く過ごしていく為に、ご自身のお体をもう一度振り返り帰りながら日々の健康への対処法・食事について考えてみていただければと思います。(by 院長)


正しいキャッチボールの考察(2)

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野球で肩を痛めてしまうお子さん達にとても多いのが「肘を上に挙げすぎてキャッチボールをしている」ケースです。

キャッチボールでボールを投げるときに肘を高く挙げれば挙げるほど、実は「肩周辺の筋肉は疲れやすくなります」ので、そのような投球フォームを続けているお子さん達の多くが次第に「肩に痛みを感じているケース」もありますし、これはプロ野球選手の投手にも割と多かったケースではないかと私は思います。

特にポジションがピッチャーであれば、試合や練習で沢山ボールを投げますから、ピッチャーでよく肩を痛めてしまうお子さんや選手がいれば、このような点に注意してみて欲しいと思います。

またキャッチャーを守っているお子さん達の中にも、投球の際に肘を高く挙げすぎているケースがよく見られましたが、これは「肘の使い方」をより意識しすぎていて、その為に肘が高く挙がり過ぎていたケースもあるようです。

やはり理想的なのは「肘を上に挙げたときに肩関節が一番安定する位置・状態になっていること⇒ゼロポジション」で、そうすればキャッチーボールや投球で肩や肘を痛めてしまうケースは少なくなっていくでしょう。

「キャッチボールは野球の基本中の基本」になりますから、そのキャッチボールの中で良い形を身につけさせていくことが一番大切ではないでしょうか。特に小学校低学年から野球を始めさせる場合には、「投球の基本動作を正しく身につけさせてからボールを投げさせる」ことによってお子さん達の野球肩・野球肘を未然に防ぐことができるはずです。

多くのプロ野球選手達の肩の痛みを治療してきた中で、私も野球肩になってしまう原因をずっと考えてきましたが、特に高校を卒業して入ってくる新人選手達の中には「学生時代に練習で投げすぎていて肩関節周囲の筋肉(肩・腱板筋や肩甲骨を動かす筋肉)や肩の関節面自体をすでに痛めてしまっていたケース」や「野手の場合にはバッティング練習やスイング練習を沢山やりすぎて肩関節周辺の筋肉(特にアウターである三角筋や僧帽筋など)に支障が出ていて、それが原因によって投球時に肩に痛みを伴っていたケース」がありました。

これは横浜・多宝堂に肩の痛みを訴えてやってきた高校生・大学生の野手達のなかにも感じたことですが、野手の場合には「バット・スイング動作で肩関節に無理が生じていないかどうか?」という点にも、一度注意しておく必要があるでしょう。スイング練習過多やスイング動作で肩に負担が多くなっている場合には、日ごろの肩関節周辺部の筋肉疲労が原因となって「野球肩が発生していくケース」もありますから、その点にも注意しながら野球肩の原因を再確認して頂ければよいと思います。(by 院長)

正しいキャッチボールの考察(1)

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「速いボールを投げる能力と遠くにボールを投げる能力」は根本的に違う

元スワローズの監督兼選手を務めていた古田氏が指導する言葉にはやはり重みがあるし説得力があります。

よく野球の練習中に通りがかってお子さんたちがキャッチボールをしている姿を遠めに眺めていると、「自分の身長の3倍も4倍も高くボールを投げ上げなければ届かないくらいの距離をとってキャッチボール(遠投)をしている」ところを見かけます。

古田氏も指導されていますが、あのような遠投による投げ方で悪い癖をつけてしまうと、「体を大きく開いて投げるクセがついてしまうことが多い」ので、お子さん達の野球肩や野球肘の根本的な原因になってしまうことがあります。

確かにプロ野球の世界でも遠投を行う場合があるし、イニングの間で外野手同士が遠投を行っている姿を見ていると、「ボールを高~く」投げ上げています。

しかしこのような投球(スローイング)は「正しい体の使い方が出来上がっている」からこそ身体を痛めないのであって、外野手としての投球ウォーミングアップになっているわけです。

だからといって野球を始めたばかりのお子さん達がただプロ野球の外野手達と同じように距離をとって投げていても、「間違った投球フォーム」になってしまえば、ただただ「弊害」になるばかりで、結果的には良いスローイング動作には結びつき辛いものなのです。

低いボールで「長い距離・速いボール」を投げる

この要素を満たすようなスローイング練習の方が、実質的な形で「正しい投球動作」を生み出しやすく、また正しい形になっていなければ、最終的には「長い距離を速いボール」で投げられるようにはなれません。

イチローのレーザービームはどんな投げ方でどんなボールの軌道になっていますか?低い軌道で突き刺さる矢のようなボールを投げていませんか?





よく指導者の中には「遠投(長い距離を投げる)は下半身をしっかり使って投げなければ、届かないので・・・」といって、肩の弱いお子さん達の下半身を鍛える目的のため?に「遠投練習ばかりさせてしまうケース」もよくあると聞いています。

しかし遠投をしているお子さん達の投げ方をよくよく観察してみると、おもいきり「肘が下がっていたり」「身体が前に倒れすぎていたり」「身体がのけぞっていたり」「頭が大きくブレて身体の中心軸が無茶苦茶な状態」で投げている姿を見かけます。

お子さん達がそのような形態でボールを投げ続けていても、「ただ見ているだけで、投げ方の指導もケアも何もしない指導者」がいたりします。これではお子さん達の身体を壊しにかかっているようなもので、野球指導の根本を全く理解出来ていない・・・ということになります。

ボールを遠くに投げる能力を上げる為には、まず「お子さん達の動作を正しい形に改善する」ことから始め、もしボールを投げるときに下半身がしっかりと使えていないのであれば、「投げ方と共に正しい下半身の使い方」をまず身につけさせてから、その上で「下半身の筋力強化を別の形で行っていく」という考え方がもてれば、それがお子さんたちの投球パフォーマンスを上げ、肩や肘にケガをさせないことに繋がっていくでしょう。

お子さん達がボールを投げている姿を前から、横から、斜めから、後ろから観察してみてください。

リリース(ボールが指から離れる瞬間)時に軸足が既に地面から離れていませんか?反対側の足のつま先はどちらの方向を向いていますか?膝関節が伸びきっていたり外や内に逃げていませんか?

加速期では投球側の肘関節・肩関節と反対側の肩関節の高さは一直線になっていますか?

テイクバックでは前腕と手首はどちらを向きながら上っていきますか?

トップではボールがどちら側を向いていますか?肘の高さはどこまで上ってきましたか?

ボールをしっかり握っていますか?またボールを強く握りしめすぎていませんか?

全体的に観てボールを投げるときに身体の捻り動作は最後までしっかり出来ていますか?中途半端な捻り動作で終わっていませんか?軸足側の股関節と反対側の股関節はどのような動きをしていますか?

始動時は軸足に体重がしっかり乗っていますか?また反対側の下肢はどのような上り方・下がり方になっていますか?

正しいスローイングの形をお子さん達がマスター出来ていれば、そこから更に上の要素へと投球練習の内容を高めていくことができます。そして自分に足りない体力的な要素を知ることにも繋がっていくでしょう。

どんなに速いボールを投げられるピッチャーであっても、同時に遠投力も非常に優れているとは限りません。それと同じように短距離走を一番速く走れる選手が長距離走でも一番で走れるとは限りません。

だからお子さん達の資質にも当然違いがあるはずです。

「良いところを更に伸ばす」のであれば、出来ない事をやらせるよりも、今 目の前で「実現可能なことを積み上げていく」ことに目を向けてみましょう。

お子さん達が出来るか出来ないかは、やはりやってみなければ解らないことなのです。理解出来るような指導方法と反復練習による脳と身体における神経回路さえ出来上がってしまえば、どんなお子さんでも1ヶ月かかろうと1年かかろうとも、最後までどちら側(指導者もお子さんも)も諦めなければ「正しい形、良い形」を修得できるはずです。(by 院長)

打撲や捻挫によってなぜ痛みが長引くのか?

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<難治性の打撲痛や捻挫痛について>

先日、ある方(仮称Aさん)から電話でこんなご相談をお受けしました。

「数ヶ月前に足の甲を強く打撲してしまい、治療を行ってきたものの完全に痛みが引かず、患部の腫れもまだ残っていて困っている。」とのお話しでした。

打撲というと、いわゆる「筋肉のケガ」だけだと思われがちですが、実際には「関節そのもの」をケガしてしまう場合があって、その関節を守っている「靭帯や腱」あるいは「骨や軟骨」を傷めてしまう場合があります。

「打撲=患部を強く打ってしまった事による身体組織の破壊」を意味しますから、その「ケガの程度」や「ケガをした部位(場所)・組織」によっては、なかなか痛みが引かなくなるようなケースも実際にはよくあるのです。

これは何故かというと「身体各部位の組織→筋肉や筋膜・靭帯・腱・骨・軟骨」というものが破壊された後に働く人間の自然治癒力(身体を元に戻そうとする力・働き」にも、ある程度の限界があるからです。

たとえば交通事故などで一番多いケガのなかの一つに「頚椎捻挫=ムチ打ち」があります。これは車と車の衝突事故によって生じる「外力」によって、運転している人の頚部に大きなストレスがかかって首を傷めてしまうケガです。

また打撲というのは何かが身体の一部(靭帯や腱、または筋肉や骨・軟骨)に強く衝撃を与えておこるケガなので、ケガをした部位に腫れが確認出来たりして、客観的に判断しやすいのですが、ムチ打ちというのは捻挫によって生じたケガなので、実際には身体の一部に物は当たりません。しかし「関節に強くストレスがかかって靭帯や腱、または筋肉や骨・軟骨」を傷めてしまうケガになりますから、人の目では確認できない場所で炎症をおこし痛みを発生させている・・・ということになります。

打撲でも捻挫でも「ケガの起こった原因」が違うだけで、本当は「身体のどこの組織を傷めたのか?」ということが一番大切なことであり、実はそこが軽視され誤認されやすいものなのです。

打撲でも捻挫でも、こういった「身体の組織が壊れた」ために、その部位に炎症が生じて痛みを発生させているのですから、治療やリハビリなどを行う際には、身体の各組織に働いている自然治癒力を有効に働かせていく為にも、それなりの経験則によって適切な対応が必要になってきます。

「身体のどこの部位に炎症が残っていて長い期間に亘って痛みを発生させているのか?」というのは、病院でMRI検査やレントゲン検査を行い、その撮影画像を診ても、「視認出来ない=目で確認することができない」ことも実際にはあって、それは何故かというと「微小損傷」といって、「わずかな組織破壊によって起こっている炎症部位というのは、検査画像から視認するのが難しい」ということなのです。

ですから検査画像を読撮(どくえい)する医師の経験値や判断によっても変わってくる部分になりますので、その為に「セカンド・オピニオン」といった、「複数の医師に診察を受け、最終的な判断・診断を受ける。」という事も必要になってくるわけです。

よく「病院の検査では骨や靭帯に異常は認められなかったということなんですが、どうも治りが悪いらしくて、まだ痛みがあるんですよね。」というご相談を頂くこともありますが、私は「検査で異常が見つからなくても、微小損傷によって生じている炎症がまだ神経を興奮させているんじゃないでしょうか。」とよくクライアントさんにお話しています。その微小損傷している部位が「どこなのか?」という一点を見極める為に、私は必ず理学テストを行って常に現状の判断するようにしています。

また治療を行う前の判断材料として以下のような事柄も含まれてきます。

痛みのある部位が筋肉・筋膜であれば、どこに力を入れたときに痛みがあるのか?
痛みのある部位が関節部であれば、どの角度にすると何処に痛みがあるのか?その痛みは安静時と運動時ではどのように痛みが変化するのか?
冷やした方が痛みが楽な方へ変化するのか?
温めた方が痛みが楽な方へ変化するのか?
外部刺激によって痛みがどのように変化するのか?

なぜこれらの事柄を大切にしなければならないのか・・・。

それは治療によってケガをした患部がどの程度回復をみせるのか?、若しくは全く治らない可能性もあるのか?といったことを判断していくためなのです。

もしどのような対応・治療を行っても「完治に結びつかない場合」は、「組織が元に戻らない=壊れてしまった状態」ということになります。壊れている組織を自然治癒力で元に戻せなければ、手術をしなければならない・・・ということになりますが、実際には手術を行って壊れた組織を元に戻せるかどうかというのは、現在の西洋医学にも限界がある・・ということになります。手術方法が確立されていなければ、結局 「治せない」ということになるからです。また投薬(お薬)によって一時的に痛みを抑制できたとしても、壊れた組織が完全に元へと戻せなければ、最終的には完全に痛みがひくことはないでしょう。

プロ野球のピッチャーが晩年に肩や肘などを傷めて、手術を行ったりして現場に復帰しているのを皆さんもよくご存知だと思いますが、「年齢的な限界=回復力の限界=自然治癒力の限界」があるので、同じ程度のケガによってオペ(手術)を行ったとしても、若い人と年を経ている人とでは、その成功率にも差が出てくることになります。

それと同じように同じようなケガの程度であっても、早い回復を見せる人もいれば、なかなか完治に結びつかない人がいますが、だからこそ「どの組織を傷めているのか」「治る確率はどの程度なのか?」「もし自然治癒力によって完治に結びつかない場合、手術の方法は残されているのか?」「年齢的な限界は無いのか?」「スポーツの特性によっては、オペを受けた後に完全復帰できる確率はどの程度なのか?」といった事を事前に考えておかなければならないのです。

ご相談をお受けしたAさんのように、「足の甲を打撲して痛みがなかなかひかない」というのも、それと同じで、まず「どこの組織を傷めているのか?」また「回復力はどの程度なのか?」「治療効果はどの程度出てくるのか?」という事を事前に考えてから、その後の治療にあたらなければならないことは言うまでもありません。

これは私がファイターズの専属トレーナーとして体験してきた多くの捻挫痛や打撲痛への対応の中で感じてきた、「あるケース」なんですが、たとえば「デッドボール(死球)」が太ももの前側(大腿四頭筋部)に当たった選手がいて、その選手が「先生、ボールが当たった場所はぜんぜん痛くないんだけど、どうも膝の外側が痛くてしょうがないんですよね・・・。どうしてですかね?」と質問をされて、一晩中 それについて考えていたことがあったのです。

「なんで打撲した場所には痛みが無いのに、膝に痛みがあるんだろうなぁ・・・。」

まだトレーナーとして経験の浅かった私はそれが不思議で仕方がなかったのですが、その後にも同じようなケースのデッドボールによる打撲痛を訴えていた選手が出現して、「何故そのような現象が起こるのかがよく理解できる」ようになったのです。

太ももの前に打撲を起せば、当然 その部位・・・つまり「筋肉」には直接的に炎症が起こります。そして筋肉に炎症が起これば当然、「筋肉自体に緊張がおこります」、筋肉が緊張をおこせば、その筋肉の両端にある腱にも当然テンションがかかりますから、その腱の付着(くっついている軟骨や骨部)部にもストレスが生じることになります。

筋肉というのは関節付近に付着しているので、上記のような打撲のケースでは「二次的に関節へのストレスが生じていて、膝に痛みを自覚している」ということが理解出来るようになったわけです。

だから打撲・・・といっても、その当たってケガをした部位・場所以外にもストレスが生じていて、二次的な痛みが生じる可能性もあるし、それは当然と言えば当然なことだったのですが、その痛みのおこる機序(しくみ)さえ理解できれば、後はそれを基にして適切な施療を行っていくことでケガの回復はそれだけ早くなります。

今回、ご相談のあったAさんの打撲は「足の甲」ということですが、実際には足の甲には二つの大きな関節部があって、それは「ショパール関節」と「リスフラン関節」という関節になります。

そして関節部には必ず「靭帯」がありますから、この「靭帯部を微小損傷している可能性」も疑われますし、「もし靭帯部を痛めていなかったとしても、骨挫傷といってレントゲン像では視認できない不全骨折」があったことも当然疑われます。また稀にですが外傷性の神経腫なども疑われることがあります。

また足の指と指の間には「指間筋」といったような「小さい筋肉」もありますし、「足の指の伸筋腱」もあるので、それらの「どの部位に痛みがあるのか、若しくは炎症が残存しているのか?」という事が認知できないと、正確な治療を行う事が出来ません。理学テストはその為に行うわけです。

靭帯や骨を損傷していたとしても病院の検査結果では「判断出来ないケースもある」・・・ということで、これがいわゆる医療の世界や私達スポーツトレーナーの世界で共通言語として使われている「グレー・ゾーン」ということになってきます。

医療の世界・・・西洋医療の診断というのは、ある面においては「消去法」といって、可能性のあるものを検査・検証しながら、その可能性の低いものを消していきながら最終的に残った「一番確率の高い傷病」によって判断・診断を下し治療を行っています。

もし病院の検査で何の診断も出てこない場合には「ただの打撲ですから安静にしておいてください」と言われることが多いと思うのですが、グレー・ゾーンであると仮定した場合であれば、「組織の微小損傷」や「外傷性によって生じている病変」であるとか、若しくは「機能的な問題がある」ということも疑われるわけで、Aさんのような打撲のケースでは、それらを検証しながら一番治る確率の高い治療を行っていく必要性がある・・・ということになってきます。

その中には「鍼治療」もあるし「マッサージや温熱療法」また「電気療法」を当然含まれてきますが、もし足の甲にある「関節付随組織」に異常があって、そこが壊れている場合には、やはりそれなりの時間がかかるか、もしくは「物理療法以外の方法」を選択しなければならない・・・そういうケースも想定しなければなりません。

いずれにしてもケガの原因がただの打撲や捻挫・・・といっても、「様々な身体各部位における組織破壊がある」ということや「二次的なストレスによる痛みがある=関連痛」といったことを踏まえるならば、スポーツや日常に起こるケガを「軽視してはならない」ということであり、初期対応を含めて、最も治癒確率の高い処置や治療を行っていく必要性がある・・・ということになります。

ケガを軽視して痛みが長期に長引けば「炎症が慢性化して痛みがなかなか引かない状態になる」からです。その一点を忘れないことが大切ですね。

今日はご相談内容から、打撲や捻挫に関するお話しをさせて頂きました。(by 院長)

東洋医学の気血水論による各病態

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気(き)・血(けつ)・水(すい)は人間の身体を構成している「物質」としてみなし、これらの物質が全身に汲まなく流れて滞りの無い状態が「健康」「元気」である・・・というものが,まず東洋医学の根本的な考え方の中にあります。

「気」というのは、「生命力」とも言われていますが、気とは「精神作用」や「心の働き」とも密接に関連しており、「病は気から」という言葉がある通り、心の状態が「生きる力を弱らせていく」と、全身を巡っている気が足りなくなったり、滞(とどこお)ってしまったり、気の運行が逆に流れてしまったりして、さまざまな諸症状が現われてくる・・・ということになります。

気が足りなくなることを東洋医学では「気虚(ききょ)」と呼んでいますが、この気虚状態になると、無気力状態になったり、倦怠感を感じたり、息切れをしたり、働く意欲を失ってみたり、活動するのが億劫になってきます。

また気が滞ることを「気滞(きたい)」と呼んでいますが、この気滞状態におちいると、喉(のど)が詰まった感じがしたり、焦燥感(あせりの気持ち)が出てきたり、憂鬱(ゆううつ)な精神状態に導かれていく・・・ということになってきます。

それから、気の循環が逆流していることを「気逆(きぎゃく)」と呼んでいますが、気逆状態になると、不眠症(夜 眠れない)になったり、イライラ感が募りやすくなったり、動悸(心臓がドキドキする)がしたり、眩暈(めまい)などの症状が現われてきます。

これらのような気の病をもととした様々な症状を改善する為に、私たちが普段行っている東洋医学では「鍼灸によって気を補ったり」「滞っている気を通したり」「逆流している気を正常に戻したり」することによって病気の改善をはかっていきます。

もしこれらのような症状があって、西洋医学による諸検査などで異常が見つからなかったような場合には、このような「気の病」である可能性があるかもしれないのです。

横浜・多宝堂にもこういった様々な愁訴を抱え病院の検査からは何も異常が見つからなかったクライアントさん達がおおぜい訪れてきましたが、不眠症状やイライラ感、焦燥感や憂鬱な精神状態なども総合施療によって改善してきました。

現実の生活には多くのストレス因子というものがあります。

そういった多くのストレスによって、実は「気」が病んでいく・・・ということになるのですが、これらのような「気の病」をほっておいてそのままにしておくと、今度はもう一段階深いところで(目には見えない場所で)、じりじりと病勢が増していくことになります。

それから「血(けつ)」とは「血液」の事を指しており、血液は全身に汲まなく流れて「各器官」などに「栄養を送る」という大切な働きをしています。血液成分に異常が見られた場合には西洋医学でも「異常」を察知する事が出来ますが、東洋医学には東洋医学の捉え方があります。

血(けつ)の状態悪化を示すものに3つあるのですが、まず「血虚(けっきょ)」といって、これは「血が不足」している状態を指しています。血が不足すると顔色が悪くなったり、爪がもろくなったり、目がかすんだり、眩暈(めまい)や動悸がおきます。

また「瘀血(おけつ)」という状態があるのですが、これは「血液が滞って体内に非活性化した古い血液が残った状態」を指しています。このような状態になっていると、のぼせや冷えなどの症状が出たり、頭痛や肩こり、眩暈、目の充血、痔(ぢ)、生理不順、更年期障害などの症状が現われますが、横浜・多宝堂でいつも行っている「カッピング療法&鍼施療の併用」は、この「瘀血(おけつ)」を改善するのに最適な方法になるのです。

それから「出血」という状態はその名の通り、「血液が体外に漏れ出す状態」を指していますが、この原因には3つあって、まず一つ目は「瘀血(おけつ)による出血」、二つ目が「血虚(けっきょ)による出血」、三つ目が「温病(うんびょう)で血分(けつぶん)であるための出血」になります。これらの症状を具体的に挙げれば、鼻血、痔出血、下血、発疹(ほっしん)等になります。

最後に「水(すい)」とは血液以外の水分・・・つまり体液・リンパ液等を指したものを呼んでいます。

身体全般に流れる体液が減少した状態を「津液不足(しんえき・ぶそく)」と呼んでおり、このような状態におかれると、粘膜で構成された口や鼻、喉(のど)などの乾燥を伴って、声が擦(かす)れたり、毛髪や皮膚が乾燥したり、目が窪(くぼ)んできたり、尿の量や発汗が少なくなっていきます。

また身体の中にある体液やリンパ液などが滞留している状態を「湿(しつ)」と呼んでおり、この状態にあるとお腹が張ったり、お腹が痛くなったり、便秘や残便感があったり、食欲が無くなったり、身体の各部位が浮腫(むく)んだり、手や足の倦怠感・ダルさを伴っていきます。

そして津液(しんえき)が活力を失い、体内に貯まった状態の事を「水滞(すいたい)」と呼んでおり、このような状態にあると腹水(お腹に水が溜まった状態)症状や全身の浮腫みに転じていくことになります。

人間の老化というのは、このような「気・血・水」に変調を来しながら徐々に進んでいく・・・ということになりますが、これらのバランスが悪化した状態では「慢性疾患」・・・つまり糖尿病であるとか、高血圧症やメタボリック・シンドロームといった成人病全般に陥っていくということになります。

東洋医学では漢方薬や鍼灸マッサージ施療によって、これら「気・血・水」の運行状態を改善したり、足りないものを補ったり、各構成成分の悪化した状態を改良したりすることで病気の勢力を和らげていく・・・ということになります。

人間が健康である為には、まず「気=精神状態」の運行がきちんと整っていて、全身を血液が汲まなく流れながら、その血液の状態や量も各人にとって正常で無ければなりませんし、全身の水分代謝が良好である・・・ということが即ち、「健康を維持していく」という健康観であり総体的な東洋医学の考え方・捉え方になっているということになるのです。(By 院長)

スポーツ・マッサージと筋肉痛緩和の原理

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以下はHealthday Japanのサイトに掲載された文章です。

マッサージによる筋肉痛緩和の機序が科学的に示される

激しい運動の後にマッサージを受けると、気持ちがよいだけでなく、細胞レベルで筋肉の炎症が軽減することが明らかにされた。「マッサージによって骨格筋のミトコンドリア(細胞のエネルギーを産生する「発電所」)の増殖が促進されると考えられる」と、米バックBuck加齢研究所(カリフォルニア州)およびカナダ、マックマスターMcMaster大学(オンタリオ州)の研究グループは説明している。

今回の研究では、男性11人にエアロバイクで限界まで運動してもらった後、大腿四頭筋の筋組織検体の遺伝子分析を実施。運動の後、各被験者の片方の脚にマッサージをし、運動前、10分間のマッサージの直後および運動終了から2.5時間後に両脚から組織検体を採取した。

その結果、マッサージによって筋細胞内でサイトカインと呼ばれる炎症性蛋白(たんぱく)の活性が減少し、新たなミトコンドリアの増殖が促進されることがわかった。この研究は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス ・トランスレーショナル医療)」オンライン版に2月1日掲載された。

運動後にマッサージを受けると筋肉痛が軽減することは多くの人が感じていることだが、「この痛みの軽減には、一般的な抗炎症薬が標的とするものと同じ機序が関与していると考えられる」とバック研究所のSimon Melov氏は説明し、「マッサージが快適であることは誰もが認めるが、今回、この経験に科学的な裏づけが得られた」と述べている。

筆頭著者であるマックマスター大学のMark Tarnopolsky博士は、「マッサージの潜在的ベネフィット(便益)は、高齢者、筋骨格を損傷した患者、慢性炎症性疾患患者など、幅広い人々に役立つ可能性がある」と述べ、「今回の研究は、医療現場においてマッサージのような手技療法(manipulative therapy)の正当性を示す根拠となるものである」と付け加えている。(HealthDay News 2月1日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661347
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長年、私はプロ・スポーツ選手達に対し行ってきたスポーツマッサージの効果について、彼らの「筋肉痛をやわらげたり、それによって肩や肘、腰や膝などの関節の炎症が軽くなっていく様子」をこの目で見ながら実感してきました。

そして経験的・体験的にはマッサージという「治療手法の有効性」を20年以上にわたり施療を続けながら理解してきたものの、マッサージが人体に及ぼしている科学的な作用や細胞レベルの変化というものは教科書にも掲載されていなかったため、「なぜマッサージを行うと筋肉や関節の痛みが軽減されていくんだろう?」といった疑問は長きにわたって私の頭の中で堂々巡りをしてきました。

もちろんマッサージを施せば「全身の血液循環が良くなるので、筋肉や関節に良い影響を与えることができるのは当然だ。」としても、ただ血液の循環を促そうと考えるのであれば、何もわざわざマッサージを行わなくとも、温泉につかったり、サウナで汗をかいたり、軽い運動を行って全身の血の巡りを良くしてあげればいいのですから、マッサージの有効性や効果は、そういった類のものと大差ないということになってしまいます。

しかし今回、アメリカで行われたマッサージの効果に関する研究の中では、「細胞レベルで抗炎症作用や鎮痛作用が認められた。」ということであり、それは取りも直さず、今まで行ってきた幾多のスポーツ障害に対するマッサージ施療によって患部が治癒していく科学的な根拠となるものである・・・そういうことになるでしょう。

ただし、マッサージに関する悪評の中で一般的によく言われてきたものの中には、いわゆる「もみ返し」なる言葉があるように、皮膚や筋肉を不適切な力や手法で刺激してしまうと、「逆に痛みが酷くなったり、筋肉が硬くなってしまう。」というものがありました。

そしてこれは私自身も体験的に知っていることですが、筋肉繊維の走行に準じたマッサージをきちんと行わないと、「筋繊維を痛めてしまう。」ということになりますから、間違った手法でマッサージを行えば、人体に(特に筋肉や神経に対して)悪影響を与えてしまうということも当然理解しています。

近年、「整体院」と称して、全く資格を持たない者がマッサージを多くの人達に施しているようですが、ここへ訪れていただいた患者さん達の中には、無資格者のマッサージ施術を受けて、「背中の筋肉や腰の筋肉が逆に痛くなって酷い目に遭った。」といった話を何度も私は耳にしてきました。

☆ マッサージ施術を受ける際の厚生労働省からの提言


きちんと資格を持たずにマッサージをやっているのですから、施療技術が未熟なのは仕方がないけれども、それは資格を持たない人のマッサージを受けてしまった側にも責任があるということにもなりますから、やはり事前に資格の有無をきちんと調べてから施術を受けなければならない・・・そういうことになるのかもしれませんね。

これは日本の法律にも問題があるんだけれども、無資格でマッサージをやっていれば本来は警察に届ければ「犯罪」として扱われる行為になるものの、無資格でマッサージを行っている人達というのは「職業選択の自由」という法律もあるので、店の表側に「マッサージ」という名目上の施療技術を表に出さなければ、どんな施術を行っていても「お店」が開けてしまう・・・という悪癖がまだ残ってるんですね。

もちろん、このような無資格者が行っているマッサージが社会に与えている悪影響というものは、施術を行っている人そのものの技術に関する意識の低さからも生じている可能性は当然あるのでしょうが、そこでマッサージを受けると「金銭的には安いから」といって、むやみやたらなところでマッサージを受けるのは、やはり危険なことなのかもしれません。

それはそれとして、マッサージというものは正しい手法で行えば、科学的にも「治療効果がある」という研究がこうして成されているわけですから、私達のように、公的な資格をきちんと取得してマッサージを行っている施術者が、日々施療技術の研鑽を行い、より一層の努力を続けながら多くの人達の健康に寄与していかなければならないなと、そう思うに至るわけです。

博士が言及された「今回の研究は、医療現場においてマッサージのような手技療法(manipulative therapy)の正当性を示す根拠となるものである。」という言葉は、各医療関係者の中でも、とりわけマッサージ等に関する不適切な不要論者に対する提言にもなり得るだろうし、マッサージの保険療養に対して、いまだに「医師の同意書」を求めている国の制度をもう一度見直し改めていく一つの提言であるとも言えるのではないでしょうか。

マッサージを受けると痛みの感覚が軽減されたり、疲れが取れて元気に戻れるのは、「マッサージによって筋細胞内でサイトカインと呼ばれる炎症性蛋白(たんぱく)の活性が減少し、新たなミトコンドリアの増殖が促進されるからだ。」といった研究成果を簡単に表現すれば、それは「炎症を抑制し細胞を新たに再生しながら身体の抵抗力を増すことができる。」ということに繋がるでしょう。マッサージには、そのような生体への変化を促していく力があるということです。

もちろん科学でそのような証明が成されずとも、これはマッサージを実際に受けてきた人達が自分自身の身体の感覚を通じて理解してきたことだと思いますし、理屈は後からいくらでもつけられるでしょう。ましてや東洋医学には「気・血・水」という根本的な考え方がありますから、「手当て」による人間の身体や精神に対する良き効果というのは、理屈抜きでも本来は成り立つものであって、気の入った施術、手当てには、そのような「気・血・水」を調整しゆく「何か」が存在するということではないかと感じています。そしてそれはある種の目には見えない人間の持つ根源的なエネルギー交流によるものかもしれないし、微細な細胞レベルの変化を促している物理的な関連性があるのかもしれませんね。

大切な事は施術する側である私達資格を持った施療家が、その正しい効果を促していく為に、これからもマッサージ技術を研鑽しながら、多くの方々の信頼を施療の中から得ていかなくてはならないということだと思いますし、様々な傷病に対してマッサージを行いながら施術効果を更に高めていくことで、まず社会に貢献していかなくてならない、そういうことではないかと私は思っています。医療の中におけるマッサージの有用性を更に高めていくことができれば、保険制度の中において「針灸マッサージ」の社会的な有用性によって必ず変革をおこすことができるのではないでしょうか。

今日はマッサージにおける治癒効果の科学的な実証から少しお話しをさせていただきました。(by 院長)

抗がん剤の副作用を改善するハリ治療の手法と患者さんの体感

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<抗がん剤の副作用を改善するハリ治療の手法と患者さんの体感>

抗がん剤治療中に「悪心(おしん)=嘔吐(おうと)=吐き気が発生することがあると思いますが、実はこのような抗がん剤治療中における「吐き気」をコントロールする方法の中には「化学薬剤」を用いず、「針治療」を行う事で吐き気を鎮めてしまう治療法があります。

横浜・多宝堂では抗ガン剤治療によって吐き気や倦怠感などの症状でお悩みの患者さん数名に対して、この「吐き気のコントロールが可能な針治療」を行ってきましたが、約70%~85%の患者さん達に吐き気や倦怠感を緩和させる効果が認められました。

東洋医学の中には「経穴=ツボ」という考え方・概念がありますが、これは西洋医学には存在しないものです。

この経穴(ツボ)を治療に用いながら、抗ガン剤投与中の副作用である吐き気や倦怠感を鎮めていくわけですが、実はこのような吐き気や倦怠感というものは、抗がん剤を投与している患者さん達だけに生じているわけではありません。

例えば、「車酔い」も吐き気を伴いますし、前日にお酒を飲みすぎて「二日酔い」に陥ってしまった場合にも吐き気を伴いますから、実はそのような様々な原因で発生する「吐き気」にも、この経穴(ツボ)を用いた治療法には効果が認められています。

この針と経穴(ツボ)を用いる治療法の中には、いくつかの方法があります。


「つらい吐き気を鎮めていく代表的な治療法」


これは手の厥陰心包経(ての・けついん・しんぽうけい)という経絡(ツボの流れ)の中で、「内関(ないかん)と郄門 (げきもん)」という二つの経穴(ツボ)にハリを刺入して患者さんに刺激を与えていく方法です。

解剖学的には、この「内関(ないかん)郄門 (げきもん)」は前腕掌側の中央部にあるため、「正中神経の走行に沿った部位」となります。

針刺激の方法には何種類かありますが、そのうちの代表的な手法の中には、「雀啄(じゃくたく)という施術法」によるものと、「低周波パルス治療法」があります。

雀啄(じゃくたく)という施術法は、まず先ほどの手の厥陰心包経である「内関(ないかん)と郄門 (げきもん)」にハリを刺入してから、針の柄の部分を軽く指で握った上で何度かハリを上下に軽く動かしていきます。

また「低周波パルス治療法」の場合には、この二つのツボに刺入した針の柄の部分に電極(+、-)を取り付け微弱電流を流します。そうすることで電気的作用によって針が自動的に上下に動いて患者さんに刺激を与えます。

いずれの治療法も中国から伝わってきた古(いにしえ)の施術方法で代表的な針を用いた治療方法になります。

そして体表に刺した針(ハリ)が上下に動かされると、患者さん達にどのような感覚が生じるのか?・・・といいますと『ある独特な感覚』を覚えます。

これはハリ治療を体験した人にしか解らないものですが、いわゆる『ツーンと響く感じ』だとか、『中からズーンと迫ってくるような感じ』といった言葉に置き変えられて患者さん達はその感覚を説明されます。

すると・・・その独特な感覚に『身体が包まれていく』と、『今まで感じていた嫌な吐き気や倦怠感』が『すっ・・と消えていく感じがする』・・・と言われます。

そのような感覚的な状況を施術によって何度か繰り返すことによって、施術後の数日間は「あまり吐き気や倦怠感を感じない状態が継続される。」と言われます。

もちろんこの効果には個人差があったり、患者さん自身の体調の変化にも左右されておりますが、針刺激による感覚というものが患者さんの脳に対し「何らかの変化を促している」からこそ、その上で症状が緩和していくのでしょう。

そして、そういった「脳内変化=モルフィネ様物質等の湧現」は有力な説となっていますし、脳内血流量が増加することも実験で判明しています。恐らくこれはハリ刺激が脳内血流量の増加を促すことで、「脳内活動の活発化=自然治癒力の増大」が生じるからではないか?という大前提の上に立っています。

私自身が今まで多くの施療経験の中から培ってきた「体験談」の中には、実はこの「吐き気や倦怠感を伴った患者さん」には非常に効果の高かった治療法だと言えますが、抗ガン剤の副作用である「吐き気、倦怠感を伴うような症状」に対しては、ハリ治療で患者さん達の神経的機能回復を図ることにも関心が高く寄せられており、世界的にも関心が高いのです。とうぜんですが、この日本でも大学病院などの西洋医療機関でハリ治療の研究は続けられています。

何らかの原因があって「気持ちが悪い」だとか、風邪を引いて身体がダルい・・・といった方々にも当然、こういった東洋医学的な治療手法で改善効果が認められておりますので、是非一度お試しになっては如何でしょうか。

今日は吐き気、倦怠感といった嫌な症状を緩和させる「針治療の手法」について、少しお話しさせて頂きました。(by 院長)

育児期のお母さん達に多い、身体的な痛みや骨盤の歪み

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ここ横浜・多宝堂には小さなお子さんを育てているお母さん達が施療を受けに訪れることがあります。

そのお母さん達が訴えておられてきた多くのご相談の中には「肩こりを伴う肩関節の痛み」や「片側(右か左のどちらか一方)の背中から腰にかけての痛み」、それから「膝関節や足首の痛み」がありました。

横浜・多宝堂では施療を開始する前に、患者さんに記入して頂くカルテがありますので、現在、身体のどの部位に痛みを自覚しているのかをカルテの人体図に記入していくことになります。

それから結婚以前の学生時代などにスポーツ活動(クラブ活動)等によって、既往歴が無いかも確認しているのですが、それらとの関連性が無い場合には、育児期特有の身体的不調を抱いているのではないか?というものが多くの育児期のお母さん達の主訴から導き出され確認されているのです。

小さなお子さんを育てている真っ最中のお母さん達は、まず一人目のお子さんを育てており、そのお子さんが4、5歳になっている頃には、その後に第二子のお子さんをご出産されているケースも多いのですが、このような時期にあるお母さん達が一番身体的な不調を多く抱えている場合が多いようです。

これはまだ小学校に上がる前の4,5歳のお子さんと、その後に生まれた第二子のお子さんがまだ小さいので愚図ったりするので抱っこをしたりおんぶをしながらの生活状況がある場合には、それ相当の精神的・身体的負担が増しているからではないかと思います。

しかしこれは私達男性にはなかなか理解出来ない状況であり、多くの女性が経験してきた育児の登竜門であり、お母さんご自身の体力や忍耐力が試されてくるような「人生の中でお母さん達に一番身体の負担が増している大変な時期」であるとは言えないでしょうか。

その他にも育児期に限らず、家事一般を同時にやり遂げていかなければならない状況と小さなお子さんからはなかなか目が離すことが出来ない状況がある・・・という二重負荷によって、小さなお子さんを育てておられるお母さんには身体バランスを崩している方が沢山いらっしゃるのではないかと感じます。

以前もブログでお話したように、そういった状況の中、身体的な不調を抱きながらも、それらを「どのように解消したら良いのか解らない」というご意見もありましたし、「マッサージや整体、鍼治療などで疲れた身体をケアしたいと思うが、小さな子供や赤ちゃんがいる状況だと手が離せないので、好き勝手な時間には施療を受けに来れないから。」といったお話しも多く伺ってきました。

幸いにして旦那様が休日でそういった小さなお子さん達の面倒を見て頂けるような環境にあるお母さん達というのは、嬉々として施療を受けに訪れていらっしゃいますが、それでも「月に一回か若しくは二回が良いところです。」というのが現実なのです。

特にお母さん達の出産後の骨盤偏位(歪み)というのは「腰痛や肩関節痛、膝痛」等の一番の原因となっており、それは生活の一部となっている「お子さんの抱っこや授乳における横向き寝などから発生する身体バランスを崩す諸々の原因」であり、それらを改善していく為の施療を行っているとしても、根本的な状況が変えられない以上、月々の継続的な身体ケアや施療というものが、小さなお子さんを育てておられるお母さん達の身体的不調への一助であり「救い」になっているのでしょう。

育児期のお母さん達の不安や悩みの多くは、小さなお子さんをまず幼稚園や小学校に上げるまでの第一段階にまずあって、それはご自分のお子さんが体調をこじらせてしまって急を急ぐような緊急体勢に即応する為の「精神的な緊張感」を伴っている時期でもあります。

お子さんの身体の安全がまず第一にあり、自身の身体に意識を向ける事がなかなか出来ない状況がある・・・というのは、こういった日々の緊張感の連続にあるとは言えないでしょうか。

一日のうちの少しの時間だけであっても、そこに身体的バランスを取り戻す時間、ご自分の身体に対する労わりがあっても良いのではないか・・・それが施療を行う側からの意見でもありますが、それは支え支え合っている旦那様のご理解があってこそ・・・そう考えてみると、やはり夫婦というのは様々な形態で互いに理解を示しながら、助け助け合うという状況の中でこそ培われ色々なものが育まれていくのではないか・・そう考えるに至るのです。

子供達も・・・もちろん旦那様も・・・常に笑顔のある元気なお母さんの基で安心や元気を育まれていくものです。やっぱりお母さんは家族の中で「輝く太陽」であるべき大切な存在ですよね。

だからこそそんな子育て奮闘中のお母さん達をここで診させて頂いていると「また今日から大変だと思うけど、ここで元気を取り戻して、また家族の為に頑張って下さいね。」

私はそんな心で施療を行わせて頂いてきましたが、私の中では小さなお子さんを育てられているお母さん達に対する施療を「ご家族の太陽サポーター」として位置づけているのです。

施療が終わったのち、一息ついてお茶を飲んでおられるお母さん達の顔色が施療前よりも「輝いて見えるとき」にこそ、それがここ横浜・多宝堂で心温まる瞬間になっているのです。

どうしてもお子さんを見ていただく時間が無いので施療を受けられない・・・そんなお悩みを抱いているお母さん達は、是非早めにご連絡下さい。うちには息子である私と弟・妹の3人を育て上げ、今では孫が7人もいる「太陽の先達者である私の母」が治療院に待機していることもありますので(笑)、施療中は大切なお子さんをここ横浜・多宝堂でお預かりしながらご安心して施療を受けて頂くことも可能なんですから・・・(笑)

ということで・・・今日は「小さなお子さんを育てられているお母さん達」へのメッセージとしてブログを書かせて頂きました。最後まで読んで頂いている皆様、いつもありがとうございます。感謝しております。(by 院長)

打撲の痛みや筋肉痛を早く治す一番簡単な方法

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打撲には様々なケースが考えられますが、今日は特に運動器系の打撲外傷についてお話しさせていただきます。


硬式野球ではデッドボールによる打撲、サッカーではボールを蹴る際に足と足が交錯して打撲、バレーボールでは床に肘を打って打撲、一般生活の中でももちろん様々なケースによる打撲が発生することがあります。

打撲の際の対処法ですが、まず患部の腫れが酷くならないうちに氷をビニール袋などに入れ患部を冷やすことです。腫れが酷くなると打撲の治りは悪くなりますし、その後に痛みが残りやすくなるからです。

打撲痛が酷い場合には、皮下出血といって患部に内出血が認められような場合もあります。皮膚の下に血腫が固まって残ってしまうと、その後の痛みがなかなか引かないこともあるので、表面的な内出血である場合には皮膚表面上から散らしておく必要があります。

又、もし血腫が筋肉内や関節内に認められるようなケースでは、整形外科、外科などの病院で注射器による抜血処置が行われる場合もありますので、もしそのような疑いがある場合には。まず整形外科などで診察して貰った方が賢明です。

軽度の打撲症であれば冷シップを1週間も張り続けて治るのを待つよりも、受傷後2、3日経過してから患部周辺に鍼(ハリ)治療を行うと割と早く痛みが引いてきます。

これは鍼(ハリ)を患部周辺に打つことによって患部周辺領域の血液循環が早期に改善されるので打撲によって生じた炎症後に発生する発痛物資を早く洗い流してしまえるからに他なりません。

鍼を体表に打つと患部周辺の血液循環が普段の10数倍程度早くなったり、リンパ液循環が改善されるので打撲部に滞っていた発痛物資が早く洗い流されてしまうからです。

もちろん打撲後の痛みや筋肉の過緊張からくる痛みに対して、医療機関等で処方された「鎮痛消炎剤や筋弛緩薬」を用い、患部の痛みや炎症、筋肉の緊張を抑制させながら、その後に患部の痛みや筋緊張が治って痛みが緩和する場合もあります。しかし反対に投薬を長期継続してしまったことによる二次的弊害によって打撲痛や筋肉痛が慢性化していたケースもあるようです。

なぜ打撲の痛みや筋肉痛が慢性化してしまうのか?・・・と云うと、それは病院で貰ったお薬を飲む事で、早期に痛みを抑えこんでしまい、「まだ患部の状態が完全に良くなっていないにも関わらず、患部が治ってしまった・・・と自己判断・勘違いをして、スポーツ活動を行ってしまったり、日常生活で患部に無理をかけてしまうから」・・・そういったケースも一つの原因となるでしょう。

特に打撲によって傷めた患部組織(筋肉・腱・靭帯・軟骨・骨・神経)の修復には、ケガの程度によって「全治○○日」とか「全治○週間」といった、完治指標がありますので、受傷直後にはただ痛みを抑えるだけでは無く、必ずこのような組織修復経過を診ていかなければなりません。中途半端な状態で運動を開始してしまうことで、慢性痛に移行するケースもあるからです。

また治療を行っていく上で、打撲痛や筋肉痛のある患部に何週間も低周波治療器をかけて治そうと試みている場合もありますが、皮膚表面に通電するよりも、体表から僅か数ミリ程度の場所に鍼(はり)を刺入してから通電した方が鎮痛効果や治癒効果がより高くなる場合があります。

これはプロ野球選手達のデッドボール時の打撲痛に対する鍼(はり)治療や筋肉痛に対する鍼治療の効果によっても実証されてきました。

また急性期の外傷においては微弱電流療法(MCR)とアイシング(冷却)を併行して行う方法も効果があると言えるでしょう。

いずれにしても打撲痛や筋肉痛に関しては、鍼を行って患部の痛みが早期に回復していく事はプロ野球の現場でも数多く実証されてきたことですが、一般社会でこのような方法が取られるケースは少ないのではないかと思っています。

先日、あるお子さんが接骨院で毎日毎日電気治療を行っていたのに、「痛みに全く変化が無い」・・・ということでご相談をお受けしましたが、たった一回の鍼(はり)治療によって自覚痛の大半が直後に緩和してしまいました。また痛みの無い状態からマッサージを患部に行ってあげることで、痛みによって発生してしまった二次的な筋緊張も早期に解消することができるようになります。

プロに限らずアマチュアでもスポーツ競技を継続する上で怪我・故障などのアクシデントは必ずついてまわります。

特にプロ・スポーツの世界では鍼灸・マッサージ師等の医療国家資格を取得したメディカル・トレーナーが専属契約をして多数存在しており、スポーツの現場で選手達への「鍼・マッサージ等による治療・ケア」が日々行われているわけです。

打撲痛や筋肉痛で10日間~1か月も電気治療に通っていて治らない・・・というのは、簡単に言ってしまえば「効果が低い」からであり、実質的な治療としては課題を残していると云えるでしょう。皮膚表面に低周波通電療法によって打撲痛や筋肉痛に大きな改善効果が無いような方は、一度 鍼(はり)治療&スポーツ・マッサージ治療を是非試してみて下さい。その違いが体感できるはずです。

17年間のプロ野球・トレーナー生活の中において、ありとあらゆる打撲痛や捻挫痛に関する対応を迫られてきましたが、超音波や干渉波等の電気治療器だけを用いてそれらの痛みを緩和させていこうとすると、「それなりに時間を要する」ということを良く理解してきましたし、電気治療器の限界というのは、医療の世界でも長く云われ続けてきたことなのです。治療機器をかけるだけで全ての痛みが完治に結びつくとは限りません。

鍼(ハリ)は体表からわずか数ミリ程度(お子さんの場合は0.3~1ミリ程度です)刺入しますが、実はこの「数ミリ」の差が大きな違いや効果の差を出していきます。鍼を打ったことのある方なら既に体感していると思いますが、打撲痛や筋肉痛のような嫌な痛みには「鍼(ハリ)」が一番効きます。

慢性痛(打撲痛や筋肉痛などが長期化し慢性化して痛みがなかなかひかない状態)に陥ってしまってからでは、二次的な筋緊張や機能的な痛みも付加されてしまう為に、鍼(はり)治療を行ってもそれなりの時間を要してしまう場合があります。しかし打撲痛や筋肉痛が起きてから2、3日後(急性期が過ぎたあたりから)に鍼(ハリ)治療を行うことによって、慢性期へと移行する前に(二次的な筋緊張や機能的な痛みを抑制しながら)早期回復へと向わせることが出来る・・・そういうことになります。

横浜・多宝堂ではこのようなケースが今までにも沢山ありました。お子さんから大人まで同じように高い効率&効果で打撲痛や筋肉痛を完治させてきましたので是非安心してお越しください。



打撲・・・

といっても、受傷した身体症状や各部位によっては、早急に病院を受診しなければならないようなケースがあります。

特に頭顔面部、胸・腰背部、腹部などの打撲では命に関わる外傷に繋がってしまう危険性もあります。

打撲によって下記のような状態が認められた場合には、医療機関(整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、内科、胃腸科、呼吸器循環器科)などを早急に受診して、まず診察・検査を受け適切な処置を受けるようにしましょう。

  1. 打撲による骨折、脱臼、捻挫等が疑われた場合(整形外科)
  2. 打撲により鼻骨を骨折した場合(耳鼻咽喉科、整形外科)
  3. 顔面打撲により眼球、歯を傷めた場合(眼科、歯科口腔外科)
  4. 顔面部の骨折が疑われる場合(整形外科)
  5. 頭部打撲により意識障害、吐き気、頭痛等が発生した場合(救急要請→ 脳神経外科)
  6. 胸部打撲により呼吸困難、呼吸時の痛み、吐血を認めた場合(救急要請→内科、呼吸器循環器科、整形外科)
  7. 腰背部打撲により呼吸困難、手足のしびれ、麻痺、痛み等がある場合(救急要請→整形外科、呼吸器循環器科)
  8. 腹部打撲により激しい腹痛が持続したり、吐気、血尿などの症状がある場合(救急要請→内科、胃腸科) 


頸椎ヘルニアによる感覚異常と痛み

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頸椎ヘルニアの場合、頸椎の何番目に障害が及んでいるのか?という状況を患者さんの感覚異常から読み取る情報があります。

感覚異常の中には肩から腕・手指にかけての「シビレ」や「痛み」または指先などの「知覚鈍磨=感覚が鈍くなる」を主としています。

横浜・多宝堂治療院では頸椎ヘルニアと病院で診断を受けた後に、訪れて来られたクライアントさんが十数名ほどおられましたが、いずれも鍼灸マッサージや頸胸椎部調整によって痛みやシビレ、知覚鈍磨が消失していった確率は約95%でした。

施療を開始する前に必ずチェックする神経根に対するテストを行い、上肢への放散痛、シビレなどがどの程度なのか?また何処の部位にそういった症状が出ているのかを確認します。またクライアントさんの日常生活の中において、どういった場面でそれらの症状が発現し、また増悪するのか確認を取ります。

通常は「朝方の起床時に必ず指先にシビレを感じる」だとか、天井を見上げる姿勢を取ると首から肩にかけて電撃痛があるという場合があったり、パソコンのキーボードを打っていると指先の感覚が鈍くなってくる・・・といったものでしたが、中には車を運転する際に後方を確認しようとして首を捻ろうと思ったけれど、首に激痛が走るので、そのような頸部の運動制限がある・・・といった様々な状況があるようでした。

病院の検査等で実際に椎間板変性やヘルニア症を認められたとしても、感覚異常や痛みが発現しない場合もあるので、画像上からの所見は所見として、あくまでも患者さんの主訴を中心とした診断になることは当然としても、外傷性によるもので無い場合には、直接的な原因の除去(ヘルニアの除去手術等)をたとえ行わなくても、自然消退する場合もあるし、鍼灸マッサージで改善されるケースも多いことから、患者さんの健康状態や疲労度、また日常的な体の使い方などを改善することでも頸椎ヘルニア症は緩和させていくことが可能だと思います。

なかには重症な感覚異常や痛みを自覚しているケースもありますが、こういった場合は痛みによって二次的な筋緊張や筋委縮などが著明になっている場合もあるので、こういったケースでは治療回数もやや多くなることは否めないのですが、施療を行っていくとかなり運動時の痛みが軽減されていくので、日常生活の負担が減少しているようですね。

また指先のシビレ、痛み、知覚鈍磨のみで頸部に痛みを伴わない頸椎ヘルニアと診断されたケースでは、数回の施療により著明な改善効果がありましたので、「頸部だけに痛みがある」又は「腕や指先にシビレや痛みなどがある」といった場合は是非御相談下さい。

もちろん重症なケースでも根気よく施療を行っていけば、日常的生活の範囲の中でも、かなり痛みやシビレ、知覚鈍磨の症状が軽減していくと思います。

頸椎ヘルニアに対するアプローチの中で確認すべき大切な事とは・・・

① 頸部の前後屈や回旋動作時に頸部の痛みがあるのか?無いのか?
② またそのような首の運動によって腕や指先への放散痛があるのか?無いのか?

③ 肩甲骨を動かしたときに首や腕・指先に感覚異常が出るのか?出ないのか?


この3点でおよその予測をつけながら施療を行っていく・・・ということになります。


* 陰圧療法、脊柱鍼法、全身的なスポーツマッサージ(頸部を背部方向から押すと痛みが誘発される場合、側法スポーツ・マッサージを行います)で、そして肩甲胸郭関節運動など頸部ヘルニアに対する有効だと判断できる施療によって早い時期から施療を開始してみませんか?その効果を体感されるのではないかと思います。



<関連Web>

* 頸部椎間板ヘルニア