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大企業こそ尊き人の道を・・・

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IBM、SONY,Canon,TOYOTAなど日本の大企業が軒並み年末に入り、大幅な人員削減(リストラ)を図って、今後の経営難局を乗り切る旨の発表をしているそうですね。

それから来年度の大卒就職内定者の内定取り消しなどの報道が取りざたされておりますが、こういった状況を見ていても世界的な不況の波が徐々にこの日本にも顕在化してきていることを理解せざるを得ません。

クライアントさんの中にも自動車業界、不動産業界、金融保険業界、建築業界など不況の煽りをまともに受けているであろう各種業界に勤めておられる方々がいらっしゃいますが、ここ11月以降に入ってからはそのお姿をお目にかかることも少なくなったということからも、仕事上の難局を日々闘っておられるだろうことを僅かながら感じないわけには参りません。

私たちのような一般社会を基軸とした庶民層は経済的運航がしっかり循環し、滞りなくあるときにはそれなりに安泰ですが、エネルギーの高騰や生活費の高騰、それからあらゆる消費物の高騰によってあらゆる面で生活の不足に迫られます。

そしてエリート層にとっては、経済危機そのものが対岸の火であったとしても、一般庶民にとってはそれこそが火の車であり、そういった格差の中で生きなければならない因果解決の方途として、一体何が必要で何が不必要なのかさえ判らなくなるような倫理観と価値観が、人々の不誠実、不信感と退廃性に繋がらないように、僅かながらではありますが今後の政府の経済対策に関する期待に留まるところであります。

大企業にとってそこで働く人間が使い捨て可能な「もの」であったとしても、人間の尊厳とは「同じ命を有する者同士の互いの労り」にあるはずです。企業というものが労働者を簡単に切ることが出来たとしても、そこで働く各労働者の家庭には妻や子供達という「人間としての繋がり」が存在しているのです。

お父さん達はリストラされたからといって妻や子供たちを簡単に切ることが出来ますか?そんな事は出来るはずがありません。

企業単独の利益優先という価値観のみにおいて、もし人間の尊厳を破ってしまうのであれば、それこそ企業の将来的展望など誰が信用出来るというのでしょうか。恐らくそういった一企業の利益優先に関する矛先の中に予見し得ることは、後進的な非人道性、非倫理観の連鎖が拡がるばかりではないかと思います。たとえそういった生活の難局を企業という大きな船に課されようとも、一庶民の底力は無限大であるはずです。そしてこういった時にこそ庶民の底力というものが難局に遭って試されてくるのではないかと感じます。

この世で生きていく上で真に大切な事とは、誠実さであり、互いの信頼感であり、約束を果たしていく・・・ということではないかと思います。

こういった社会の中枢で多くの人材を集めてきたであろう大企業というものが、この経済難局を乗り切る為に、その多くの人材を簡単に切ってしまう・・・という価値観の中にこそ、実は世界的不況の根源が大きく横たわっているということを少なからずともここに至って感じないわけには参りません。

このような局面を雲の上から眺めている方々の行く末をただただ案じるばかりですが、懸命にその雲の下で闘っておられる方々の為にこそ、僅かながらでもここ横浜・多宝堂は存在していきたいと願っております。