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私記・野球というスポーツに夢を託して

プロ野球は交流戦の真っ最中ですが、パリーグのファイターズとイーグルスが頑張ってますね。ファイターズは故障者&怪我人が続出して、金子選手会長を筆頭に最近では森本君が手にデッドボールを受け骨折したりしてレギュラー陣が1軍からかなり離脱しています。そのぶん控えの選手や新戦力が頑張っているようですが、こういうときこそ真のチームの底力が出てくるというものです。その点から言えばファイターズの強さがこれから発揮されてくるのではないかと私は思っています。裏方であるトレーナーやコンディショニング担当も今が一番大変な時期だと思いますが、選手達を大いに支えながら優勝に貢献して有終の美を飾って欲しいと願ってます。

先日、台湾プロ野球に在籍していた元ファイターズのI選手から帰国の連絡が入り、明日の午後から治療しに来る事になってますが、私も彼とは久しぶりに会うので楽しみにしてます。台湾プロ野球は日本プロ野球と違って、年間契約では無く、1ヶ月ごとの契約になっているそうで、今回は不調により一時的な契約の解除があったようなのですが、野球選手達も現在はアジア・リーグ(日本、韓国、中国、台湾)といったアジア各国でプロ野球生活を送ることが可能になっており、日本で解雇されたとしても、他の国のプロ野球チームに参加して選手活動を続ける人が増えています。日本のプロ野球に比べれば、まだまだ契約期間や年棒の差はありますが、アメリカのメジャーやマイナーリーグを始めとして、野球を職業として生活できる場は多くなりつつあります。日本には日本プロ野球機構(NPB)以外の団体として、プロ野球独立リーグのチームが徐々に設立されてきており、「四国・九州アイランドリーグ」や信越方面に有る「ベースボール・チャレンジ・リーグ」などがあります。そのほかにはプロ野球のOB選手で構成された「プロ野球マスターズ・リーグ」などがあって、現役引退選手によってチーム構成されたユニークな展開を見せています。

野球というスポーツを職業としていく為には、給料を貰わなければなりませんが、そこには各団体や各企業関連独自の思惑や主張があるように思いますし、経済的な影響を受けることは否めません。それらの課題を乗り越えつつ、一つのまとまった野球組織の集合体として世界的統一も望まれるていることは当然としても、サッカー界に比較すればまだまだ野球界の可能性は限りが無く、今後も発展していけるように思います。

世界的にはロシアやヨーロッパ諸国など野球発展途上国が積極的に参画していけば、近い将来には素晴らしい世界大会が開けると思いますし、そういう面からすれば野球に一生を捧げる・・・という生き方を貫くことはいずれにしても可能であり、メジャー野球にサムライ日本人として一人アメリカに渡った野茂選手の姿を通じながら、その先人的なライフ・ワークに思いを馳せています。彼が近鉄バッファローズ時代に見せた無骨な表情でマウンドからボールを投げる姿は今も変わらず、トルネードから夢を乗せて生きる野茂の姿は、その後の日本人プロ野球選手達のメジャーリーグ挑戦に大きな影響を与え続けてきました。

サッカーに比べれば野球を継続できる年齢というのは高く、40歳まで現役を継続している選手は大勢いますし、そういう面から考えてもベテランの妙味、ベテランの存在感を発現しながら、野球に一生を捧げる人達はこれからも増えていくと思います。

現役を引退しても指導者としてユニフォームを着れば、そこにはまた新たな挑戦があると思いますし、プロ野球だけでは無く、アマチュア界にも多数野球の指導を望む声は高いのでは無いかと、地域の少年野球やアマチュア界を通じ感じます。

サッカー界ではJリーグの各チームのジュニア・ユース・チームが存在し、積極的に将来のプロ選手達の育成に力を入れておりますが、そこにプロ野球界との大きな違いを感じています。今後はそういった野球選手育成の活動形態やその裾野を大きく広げながら、将来的に亘って道を広げていく活動こそ未来を担う子供達の大きな夢の展望に繋がっていくことになるのでは無いかと私は感じています。

サッカーと野球の違いには、その競技特性はもとより環境による制限の差にあると思います。サッカーはボールが一つあれば、どんな小さな広場でもミニ・ゲームが可能ですが、野球にはそれなりの大きさや環境が必要です。昔 私達が手軽に野球に準じたゲームを楽しむために、「三角ハンドベース」なるものを行っておりましたが、そういう工夫や創造性によって野球を小さなスペースで楽しむことも可能です。しかし地域にあるバッティングセンターなどは非常に少なく、野球技術の鍛錬の場が少ないことは将来的にも憂えるべきことでは無いかと感じますし、小学校によっては校庭が狭くて打球が校舎の窓ガラスに当たって危険だという理由から、野球を行うこと自体を禁止している学校さえあります。

また大きな公園でもバットを振るのは危険であるということから、野球が出来ないような公園も存在していますので、そういった面から考えても野球が環境に制限され行えない場所が増えているということは非常に危惧されるべきものであります。

日本のプロ野球界が将来に亘って発展していく為には、そういった環境の整備や野球技術の習得に関する裾野を拡げていく運営が望まれるのではないかと思います。各球団にとって観客動員数の増加を遂げていく事は大切なことですが、そういった未来の選手達を育てていく為の地盤を固めていくことも大きな課題となっていくように感じます。そういった活動や整備を広げていくことで日本の野球界の発展が将来に亘って広がりを見せながら、今後の世界的な野球の統一組織によって真の世界スポーツへと発展していくのではないかと思います。

いつの時代も古き概念を一度捨てなければ新たな発展が望めないように、伝統をこよなく愛する人達もいつかは死を迎え世代の入れ替わりというものがありますが、新たな価値観をもった子供達が夢を抱きながら野球というスポーツに希望を見出し元気に行っていけるように・・・それが切なる願いであり、私の想いでもあります。