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プロ野球トレーナー時代のキャッチボール

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今日4月10日(金)は福岡ソフトバンク・ホークス対北海道日本ハム・ファイターズの試合がヤフー・ドームで18:00から開始予定ですが、先発はホークスが左の和田投手、ファイターズが右のダルビッシュです。ダルビッシュは開幕戦・対イーグルス戦を3点で凌いだものの、イーグルス先発の岩隈投手の完璧な投球で敗戦。ダルビッシュは開幕戦から今日で2度目の先発ですから是非頑張って貰いたいですね。

ダルビッシュがファイターズに入団してきたのは2004年でしたが、当時は「随分と細長い体型のピッチャーが入ってきたもんだなぁ。こんなに細くて大丈夫なんかなぁ・・。」などと正直私は感じていたんです。ところが球場で一緒にキャッチボールをしたらトンデモナイ・・・・無茶苦茶キレのあるボールを投げるんです。

今までプロ野球のピッチャーと何人くらいキャッチボールしたのかは数えていないので解りませんが(笑)、その中でもキャッチボールで「怖さ」を覚えたのは数人程度です。その中の一人がこの「ダルビッシュ」でした。それから巨人から移籍してきた岡島君(現・レッドソックスですね)のボールはそれほど怖くなかったんだけど、入来君のボールは受けるのがちょっと怖かった記憶がありますね。何しろキャッチボールから全力で投げ込んできましたからね入来君は・・。

やっぱりボールを受けていて怖さを感じるピッチャーっていうのはね、ストレートの球筋が微妙に変化する人達でしたね。こうスッと落ちたり、スライダー気味に伸びてくるピッチャーはキャッチボールするのが怖くてね、こういうタイプはボールの握りが他の人とは違うんじゃないのかなぁ・・・なんていつも想像してたんですが、外国人のピッチャーもやっぱりそういうところがありましたよね。吉田えりちゃんのナックル・ボールも是非一回くらい受けてみたいですね。多分揺れて落ちてくるんだろうから相当怖いと思いますよね。

グローブの芯でボールが捕れないと、実は親指を突き指しちゃうことがあるんですよね。それが微妙にボールが変化している人達とキャッチボールをしていて一番怖いところですかね。親指を痛めてしまうと僕達トレーナーはスポーツ・マッサージもしますからね、もし親指を痛めてしまったとなると仕事が出来なくなるからなんですね。

キャッチボールで「思い出」と言えば・・・もう5、6年前になると思うんだけど、1月の自主トレーニング中にあるピッチャーと寒い日に球場でキャッチボールをやってたんですね。「今日は随分ボールが伸びてますねぇ~!いい感じですよ~!!」I君がそう言うもんだから僕は調子に乗ってガンガン投げてたんです。そうしたら50mくらいの距離だったんだけど、投げた瞬間・・・右肘に激痛が走ったんです。その年に実は一度腰を痛めてしまって僕はチーム・ドクターの病院で腰と一緒に右肘の方もレントゲンを撮って頂いたんですが、肘の内側にある靭帯がくっついている場所の軟骨が剥がれてたんです。

僕自身が初めて右肘を痛めたのは中学校の軟式野球部に在籍していた頃だったんですが、その時は軟骨には異常が無かったので、1月のキャッチボールで遂に僕の肘は「壊れた」ということになるんでしょうが、それからは40m投げるのが精一杯になってしまったんです。トレーナーになったばかりの25歳当時は70mの遠投だって出来たのに、30歳後半には40mしか届かなくなってしまった僕は「やっぱり歳には勝てないなぁ・・」などと、当時はかなり落ち込んでたんです。

今は治療院でお子さん達のボールを受けたり、子供達とキャッチボールするくらいですから、傷めた肘の痛みなんて全く感じないんですが、お子さん達が施療にやってきて「肘が痛い、肩が痛い、腰が痛い」といったような「自覚痛の辛さ」もね、僕自身が体を傷めたときを思い起こしては、「確かに辛いんだろうなぁ。」と同苦する事が出来るんです。だからプロ野球の世界で仕事をしてきて、自分自身も色んな体の不調やケガもしてきたからこそ、今こうして治療院の院長になっても、多くのクライアントさんの「痛みや苦しみ」を肌で感じる事ができるようになったんじゃないかなって思います。

プロ野球選手っていうのはテレビの中では元気に球場を飛び回っているように見えると思うんですが、実は色んな「痛みや苦しさ」を乗り越えながら、あの場所で戦ってるんですよね。一般社会で戦っておられるお父さん達、また地域や家庭の中で日々の生活を戦っているお母さん達だって、それは同じ事ですよね。今はこうして社会の中で戦っている方々との交流の中に身を置いて仕事をさせて頂いてますが、場所は変わったとしても、そこにある「痛みや苦しみ」は同じですからね。僕はここにいらっしゃるクライアントさん達の為に、共に施療を通じながら人生を戦っていこうと思ってます。それでは今日の夜はダルビッシュ投手の応援宜しくお願いします!