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ゴルフ肘&テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を早く治す

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<ゴルフ肘とテニス肘の共通性>

ゴルフ肘及びテニス肘は病院で診断を受けると【上腕骨外側上顆炎】と言われます。

これを簡単にご説明しますと、肘関節(上腕骨外側部)にある筋肉の付着部や軟骨部にストレスがかかり炎症を起こしている状態・障害となります。

これらのスポーツ障害は【グリップ部を握ってスイングをする動作】で痛みが増大してしまうためスポーツを継続することが困難になってしまうわけですが、そのような状態で無理を押し通していくと、更に患部の状態が悪化してしまい完治するまでに半年~1年くらい時間がかかってしまうくらい酷いケースも見受けます。



<ゴルフ肘・テニス肘に陥っていく状況説明>

① 硬くなってしまった筋肉、柔軟性を欠いた筋肉は伸びにくくなります

② また筋肉は伸びた状態から縮んだ状態になる過程で【力】を発揮します

③ スイング動作時には必ずクラブやラケットを握っています

④ およそどれくらいの握力でグリップしていますか?

⑤ グリップ力が強ければ強いほど、実は前腕の筋肉には早く筋疲労が起こります

⑥ またスイング中に【手首】を不適切に使えばゴルフ肘・テニス肘になりやすくなります



<ゴルフ肘・テニス肘が治りにくくなる理由>

A:肘関節の外側にストレスがかかるようなスイング動作を継続

B:過度のスイング数で練習を行う

C:手首を反らす筋肉群である【前腕伸筋群】の継続的な疲労がおこる

D:前腕伸筋群が強い緊張状態を維持したままとなる

E:その状態でグリップを続けると【肘の外側】にストレス痛が出現する

F:手首を少し動かしただけでも肘の外側に痛みを感じる

G:日常生活で物を手に取って掴もうとするだけでまた更に痛みを感じる

H:局所的な炎症による痛みが継続し慢性期へと移行する

I:【慢性痛】に移行すると痛みがなかなか引かなくなる

J:【難治性】のゴルフ肘・テニス肘になってしまう



<ゴルフ肘・テニス肘の所見>

a:手を握った状態で腕を伸ばし、そのまま手首を手のひら側に曲げようとすると【肘の外側に強い電撃様の痛み】が出現する。

b:肘の外側にある筋肉群全体に強い筋肉の硬直が認められ、スイング動作で一番痛みの強いところ以外の筋肉も実は押してみると痛みがある。

c:前腕伸筋群が付着(くっついている)している部分・・つまり【上腕骨外側上顆部の軟骨部】に慢性的な炎症状態が持続→痛みが持続する状態となる。



このように無理なスイングを継続したり、過度のスイング数で肘関節に力学的ストレスが加わってしまうと、肘の軟骨部の炎症が慢性化してしまうので痛みがなかなか引かなくなってしまうというのが、ゴルフ肘・テニス肘の実像なわけです。

筋肉というのは【力が入った状態=筋肉が収縮している状態】で【伸ばされる=伸展】と筋肉痛がより発生しやすい・・・と言われています。

テニス肘やゴルフ肘などのようにグリップ部を握る動作とは、前腕全般の筋肉が継続的に力が入った状態(筋収縮した状態)です。

またスイング動作というのは、最終的には手首を少し返す動作となりますが、通常はボールを打つ瞬間には【手首が固定】されています。

ラケットのネットやクラブのヘッド部でボールをミートする瞬間、前腕部の外側の筋肉群には力が入っている状態ですが、その筋肉群は微妙な時間差でやや伸展をします。

ボールをミートする直前に手首が少しでも早く返ってしまうと、前腕の外側にある筋肉群の微妙な伸展が【やや強い伸展状態】になってしまうのですが、これは先ほども言いましたように【力が入った状態で筋肉が伸ばされてしまう動作】がやや強調されてしまう状態になるので、筋肉に痛みを発生させていく一番の要因となります。

このような運動要素がスイング動作中に継続されていると→【悪いスイング動作・肘に過負荷のかかるスイング動作】→【前腕全般の筋肉に疲労が積み重なる】・・・そういうことになります。

当然その疲労を起している筋肉の付着部である上腕骨外側上顆部(軟骨部)に過重ストレスが加わって軟骨部に炎症を起す一番の要因となっていきます。

軟骨部に炎症が生じてくるとスイング動作だけは無く、日常的に物を握ったりする動作だけで肘の外側に痛みが発生するようになっていきます。



このようなスポーツ障害を予防するためには、まず【正しいスイングや手首の固定性の確保・耐性】によって予防できるのですが、おもにビギナー(初心者の方)などのように【スイングの基礎を学んでいる段階】には特に発生しやすく、それは正しい動作を覚えていく段階では、必ず不適切な動作も多少入ってくる場合もあるからです。

またゴルファーの場合【フォームの修正段階や改造段階】でゴルフ肘に陥るパターンもかなり見受けられます。

スイング動作の基本を学ぶ際やフォームの修正及び改造時には、こういったスポーツ障害の発生機序をまず知って、無理なスイング動作を身につけないよう指導者の方に動作チェックを受けたり、ビデオ撮影等を行って客観的にご自分のスイング動作を確認することも大切です。

またスポーツマッサージや鍼施療を日ごろから受けておくことで、グリップ動作やスイング動作で疲労をおこしやすい腕(前腕部)の筋疲労を早めに取り除けば前腕部の筋肉が良い状態で保たれるので、ゴルフ肘やテニス肘を未然に防ぐことに繋がります。

ゴルフ肘・テニス肘が治りにくくなる理由・・・のA~Jの段階はJに近づく程痛みは強くなり、治りが悪くなってしまう状況を説明していますが、ゴルフ肘やテニス肘を初期段階で治すにはA~Dの段階で施療を受けることが最も大切な初期判断です。

Jの段階に至って病院を受診すると痛み止めの注射処置を受けたり、鎮痛消炎剤投薬や湿布処方、またはボリタレン・ゲル(鎮痛消炎剤軟膏)等を処方されることが多くなりますが、私は痛みのある患部の血流を低下させると【その後の治りはどんどん悪くなる】といった自分自身のゴルフ肘の完治体験から実感しています。

消炎鎮痛作用→炎症を抑えて痛みを押さえる働き→血流を悪くして痛みを減らす作用・・・となりますが、もしJの段階でこれらの作用を患部に長い期間促してしまうと最終的にはゴルフ肘やテニス肘は治りが悪くなるケースも出てくるでしょう。

近年では形成外科領域だけでなく、整形外科領域においても再生医療として自己血液を採取し痛みのある患部を狙って自己血液を戻し患部再生を促す治療法なども進められているようですが、そういった治療の前後には鎮痛消炎剤の服用を禁止したり、血流が悪くなるような嗜好品(タバコ、酒など)の摂取も禁止されているように、【血流を悪くさせることを一切禁止して治療を行い、なおかつその後に患部を固定し負担を激減させる】ので、これは鍼を痛みのある患部に打って自己血液を患部へ促し(鍼を打つと血流量が増す)ていくことで患部再生を早めることと同じ原理であることが解ります。

だから鍼治療というのはある面においては西洋医学領域における再生医療に近似した、または同義的な意味合いを持つ治療法だと言えます。鍼を体表に打つことで、患部周辺への血流量は増し擬似的な急性期へと移行させることが可能だからです。(その上で患部を固定し負担を激減すれば同じ道理として治療を進められる・・・そういうことです。)

患部を治す期間を早めるためには【自己血液作用】が重要なキーマンとなっており、その自己血液作用によって患部組織細胞の修復作用を促す為に鍼をどのように用いていけば良いのか?ということが、テニス肘やゴルフ肘を治していく一番の分岐点にもなっていく・・・そういうことになるでしょう。(他のスポーツ障害の治療も同系列として考察できるはずです。)

横浜・多宝堂ではゴルフ肘やテニス肘などグリップ&スイングで肘の外側に痛みを誘発しているスポーツ障害では通常3回~5回の施療によって痛みの消失を認めてきました。ただしJ段階にあるケースでは8回以上の施療が必要だったこともあり、やはり早期の段階で施療を行うことが完治への一番の近道であることに間違いはないと思います。

今日はゴルフ肘&テニス肘について少しお話させていただきました。(by 院長)