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40歳から50歳代に多い・・・肩の痛み

Jsuiw98611206493


日頃から訪れるクライアントさんの中には肩関節の痛みと肩こり、それから腕のシビレなどを訴えておられる方々が大勢おります。

日常的な家事、それから介護士や看護士などのように手作業労働や書き物の多い職業に就いている女性が大勢おられますが、このような女性の方々に最近多いと感じるのが、「四十肩、五十肩」や「石灰沈着性腱板炎」です。

一般的には中年期以降に認められる肩痛を「四十肩、五十肩」と呼んでおりますが、「石灰沈着性腱板炎」とは、肩のインナーマッスルである棘上筋腱付近に石灰物が沈着して、そこに炎症を起こしていく疾患です。

またそれが原因で関節包の炎症なども誘発されていきますので、肩の運動障害→特に回旋運動(腕を大きく回すことが出来なくなったり、腕が上らなくなり、動かそうとすると激痛が走るようになります。)を認めるようになります。

進行していくと夜間痛、不意な腕の動きで激痛が走るようになったりしますので、かなりの不快感があるようです。

「四十肩、五十肩」の正式名称は「肩関節周囲炎」と言いますが、英語では「Frozen shoulder(凍結肩)」と呼ばれているように、肩関節が固まって動かなくなる病態です。

この「四十肩、五十肩」の一番の特徴は「肩関節の拘縮」でありますが、器質的な異常は無いにも関わらず、「肩が動かない」また「動かそうとすると痛みがある」というものです。

いずれにしても肩関節の運動制限と運動時の痛みがありますし、進行してくると夜間痛が激しくて「眠れない」といった弊害が出てくるようになった頃に病院を受診してみたり、治療院・接骨院などの施療に赴く方々が大勢いらっしゃることだと思います。

「石灰沈着性腱板炎」と病院で診断された場合には、上述したように明確な原因が特定されておりますから、医療機関で治療を受ける場合には、非ステロイド系の局注や鎮痛消炎剤の経口投与によって痛みの症状を沈静化させていたり、状態が酷い場合には沈着物である石灰そのものを石灰物摘出術(穿刺法、切開摘出術、関節鏡視下摘出術)によって治療が行われています。

こういった「石灰沈着性腱板炎」や「肩関節周囲炎」を患った方々の肩関節の運動制限に対して日頃から指導していることは「痛みのある時期や痛みの強い時期には無理に肩を動かそうとしないで欲しい」ということです。

無理に動かさない・・・ということは、「全く動かさない」ということではありませんが、その「動かす範囲」をどのように判断していくかが、実は一番考えなければならないポイントになります。

横浜・多宝堂治療院では何例かの中で肩関節運動制限の改善例がありましたので、その方法をとっていますが、痛みに対する対応としましては、初期の急性期と肩関節の拘縮期、それから疼痛がやや軽減してくる緩和期に分け、この3段階で違うパターンの施療を取り入れてきました。

肩関節の拘縮期にハリやマッサージ施療を行っても「動かすと痛みが全く変わらない」というケースがあるので、その時期には「肩甲胸郭関節」を主体にして運動療法を加えていきます。

こういった病態で痛みの酷い状態の場合には医療機関での抗鎮痛消炎薬治療を受けて、それと平行しながら行っていくべき「運動療法」を指導していくのも傷病回復時期を早められるのではないかと考えています。

関節の癒着を防ぐ為に行う運動療法は多少の痛みを伴うことが当然ありますが、その道筋の中で肩の痛みからくる二次的な弊害(不適切な体の使い方)による体の歪みを整える施療を行いながら、その上で肩関節の痛みの改善を導き出していった方が実はクライアントさんにとっても楽に完治を導き出していけるのではないでしょうか。(by 院長)