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スポーツ選手のスネの痛み/シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

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野球選手・サッカー選手・陸上選手などのスポーツ選手達によく見られるスポーツ障害「シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)」について今日は少しお話をしてみたいと思います。

シンスプリントは下腿部の脛骨の下から1/3辺りの部分に鈍痛や違和感を伴う障害で、ランニング練習などのオーバーワーク・練習過多を原因とする局所的な負担によって発生していきます。

下腿部は「前脛骨筋、長趾伸筋、第三腓骨筋、長母趾屈筋、腓骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、足底筋、膝窩筋、下腿三頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋、長母趾屈筋」などの多様な筋群で構成されております。これらの下腿部を守っている筋肉に弱化が認められたり、トレーニングなどによって筋疲労が蓄積していくことによって、下腿部の大きな骨・・・つまり「脛骨(けいこつ)」にストレスが増大し「疲労性の骨膜炎」を起こしてしまった状態がいわゆる「シンスプリント」と呼ばれるスポーツ障害になります。

シンスプリントの初期症状としては、朝 起きてから立ち上がろうとすると、「スネの内側の下のほう」に鈍痛や違和感を感じたり、また練習後にズキズキとしたいやな痛みを感じながら、そのような痛みを感じる状態が長く続くようになって急激に痛みが増大するケースも出てきます。

シンスプリントが進行して酷い状態に移行すると、歩くだけでも痛みを自覚して、全体重を足にかけられなくなってしまうこともあります。またランニング練習中に「疲労骨折」をおこしてしまうケースもあります。ですからシンスプリントが発生したら、まず患部を安静にしながら、下腿部全般の筋肉群の疲労状態や異常な緊張状態を取り除いておくために、スポーツマッサージや鍼治療を行っておくことが大切です。

また急性期には患部をアイシング(氷で冷やすこと)して炎症をしっかり管理していかなければなりません。なぜなら慢性期に移行していくと、シンスプリントの痛みはなかなかひかなくなってしまうので、早期に治療を開始しながら、ランニング練習(特に硬い路面や体育館などの床での)やジャンプ動作などを抑制しておく必要があるのです。また回復期及び予防の為にも下腿部全般をサポート出来るような「ふくらはぎ用のサポーター(できれば圧迫の強さを調節できるタイプが良いでしょう)でしっかり患部を保護」しておいたり、足の底の土踏まずのアーチ部分の状態をしっかり維持しておく為に、「アーチサポートなどのような靴底」を入れたり、「テーピング」にも効果があります。

痛み止めのお薬を飲みながら無理をしているような選手もいるようですが、基本的には過労性の障害、骨の障害ですので、無理を押し通してスポーツ活動を行っていけば、疲労骨折に移行する確率が高くなってしまう・・・それだけは言えると思いますし、しっかり治療を行う事・練習量を落とすこと・痛ければ休む事・・・これらが一番大切なことではないでしょうか。

普段から下腿部(ふくらはぎやスネの筋肉)のストレッチングを行いながら筋柔軟性を確保し、状態の良いときには常に弱い筋群を鍛えておくことも大切な予防法となっていきます。学生さんの中には、シンスプリントが発生していて、ランニング以外の練習でも常に痛みがあるのに、無理を押し通しながらスケジュールに任せて練習や試合に出場しているケースもよく目にしています。

しかしシンスプリントというのは、骨の膜に炎症が発生している状態であり、筋肉の疲労性の痛みとは根本的に違いますから、そこを通り過ぎ大きなストレスを下腿部にかけ続けていくと、その後に「疲労骨折」を発生させてしまい、結局 その骨折が完治するまでに約1ヶ月~1ヶ月半程度、練習や試合を休まなくてはならないケースも出てくることがあります。ですから十分な経過観察と練習時のランニングやジャンプ動作の抑制をしながら、局所的な痛みを快方へと向わせていく為に、普段からのケアや治療をしっかり継続しておく必要があると同時に、「酷い痛みが発生するようなことがあれば直ちに医療機関でレントゲンなどの検査」を受けて、現状をしっかり把握しておくことが大切なスポーツ障害ということになります。



<参考Web>


みんなを困らせるスネの痛み/シンスプリント対策

シンスプリント