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足首の捻挫/障害対処法(1)

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 昨日の夕方頃に少年野球チームのお子さんの足首付近の疼痛主訴によるご相談をお受け致しました。お話を伺ってみると、3週間ほど前に足首をマウンドのプレート辺りで捻(ひね)ってしまい、受傷直後に一度接骨院で診て頂いたけれど一向に痛みがひいていないということでしたので、患部をよく確認してみると「足首の前側」に疼痛を自覚しています。前方引き出しテストや靭帯の弛緩性テストをすべて行っても、特に「関節の緩み」は認められません。しかし痛み自体はどうやら「前脛骨筋の下部(足関節前側のややスネより」にあるようです。ここは関節支帯と言って、筋、腱を保護している帯状の軟部組織がある部位です。

ケガをしたときの状況をよくよく伺ってみますと、どうやら足首の前方が過剰に伸ばされるような状態で足首を捻ったということだったので、捻挫は捻挫でも通常の「内反捻挫(外くるぶしの下側の靭帯を痛める捻挫)」では無く、足関節前方部を傷めるような「底屈強制捻挫」のようです。このような捻挫の場合、初めに記したように、スネの下側まである「前脛骨筋」や、足首の前方部にある「前脛骨筋の腱」が損傷していることがあります。3週間も痛みがひかないということで脛骨骨端部骨折の疑いも完全には否定できませんが、そのような「軟部組織」を損傷しただけでも、受傷直後の段階で適切な施療や処置を加えておかないと、腱や筋肉の炎症が慢性化してしまうケースもあります。

念のため「亀裂骨折や剥離骨折」も疑いそれを確認する為に、スポーツ整形外科医を受診して頂くことにしましたが、若し仮に「骨折が無かったとしても」およそ3週間も足関節付近の痛みが持続することがあれば、必ず「レントゲン」を撮って骨の状態をきちんと確認しておくことをご父兄の皆様には指導しています。何故なら足関節の場合は常に体重をかけてしまうので、仮に小さな骨折であっても、そのまま体重を掛け続けていると骨折が完治しないばかりか、二次障害を起す可能性もあって危険な状態を生んでしまうからです。若し骨折があれば直ちに松葉杖などを使用して、体重負荷を無くさなくてはならないのです。

足首の障害、若しくは足首付近の筋肉や腱、そしてふくらはぎの筋肉や膝関節なども含まれますが、下肢の障害が発生したときに一番に行わなければならないのは、「患部に体重をかけないようにする」ことです。

プロ野球の試合においても捻挫や下肢の障害・ケガはつきものですが、下肢の障害を早期に解決していく為には、まず「初期の患部の安静」を速やかに行うことです。そして次に行うのが「障害によって発生した炎症部位の腫れを抑制する為に、患部のアイシング&コンプレッション」を行います。そして出来れば速やかに医療機関などで受傷部位の状態を確認する為に「医療機関で診断・処置」をして貰う必要があります。軽い捻挫であれば何週間も何ヶ月間も痛みが引かないわけがないのですから、若し捻挫や下肢の障害がそのような状態であれば、必ず医療機関で必要な検査を行うようにしてください。その上で安全な施療やリハビリを行っていけば必ず良くなるのです。

捻挫の受傷直後に患部を「温めたり」「動かしたり」「刺激を与えすぎたり」「電気治療器をかけて筋肉を動かし過ぎたり」すると、軟部組織の炎症が増して障害部位の拡大や、その後の慢性後遺痛を発生させる最大の原因になることがあります。どうかくれぐれもご父兄の皆様にはそのような間違いを起さないためにも、よくよくこのような障害に対する基本を認識しておいて頂きたいと思います。



<足首の捻挫後の慢性的な痛み>


横浜・多宝堂には慢性的な足首の疼痛を訴えてご来院いただくケースも非常に多いのですが、上記にありますように、捻挫直後の初期対応が遅れたり、治癒過程の中で中途半端な状態で運動を再開してしまうと、「足首の捻挫は慢性痛を引き起こす確率が高くなる」のが現実的な問題となります。

クライアントさんの足首を確認してから、どうも「軟骨に異常を来たしている感じがする」場合もあるし、「靭帯がかなり緩んでいて足首がグラグラになっている」場合もあります。

そのような状態で足首の慢性痛を自覚しているケースでは、施療を行うばかりでは無く運動療法やその後の足首の固定保護は欠かせない対応となります。またもしこれまで医療機関を一度も受診していない場合には、「骨や軟骨部の障害」及び「靭帯損傷の程度」をドクターに検査・評価して貰い、その後の適切な処置や対応が必要になってくるケースも稀にあります。

一番大切な事はまず「運動時に痛みがあるのかないのか?」または「運動後に痛みが酷くなっていないかどうか?」ということであり、そのような経過をしっかり見極めて適切な対応を行っていくことで、足首の痛みが治っていく・・・ということになります。酷い場合には足首の靭帯が付着している軟骨部に異常が認められ、オペ(外科的手術)を行わなければ完全に足首の機能が戻らないようなケースがあるので、「足首の捻挫」を軽くみないようにしておくことが大切です。

お子さん達の場合には自体重も軽く、それほど酷い捻挫は確認したことがありませんが、プロ・スポーツ選手はもとより、成人の場合には体重があるので、軽度の捻挫から重度の捻挫まで確認しています。また10年、20年前の学生時代に部活動などで足首を捻ってから、今までずっと痛みを我慢しながら生活を送ってきた・・・といったようなクライアントさんもいらっしゃいましたが、やはり初期対応やその後の処置に問題があったようなので、やはり足首の捻挫に対しては「初期対応」が一番大切であるということではないかと思います。

横浜・多宝堂ではそのような慢性的な捻挫に対して施療を行うだけに留まらず、その後の運動療法の手法や固定保護に関する生活指導も行わせて頂いておりますが、足首の慢性痛を早期に解決していくためにも、「適切な指導&治療」と「適切な日常での運動方法を指導する」ように心がけています。



<参考ウエブページ>


足関節スペシャルテスト

足首の捻挫・応急処置としてのアイシング手法やその後の対応