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高校球児と有志の集まり

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今日は雨が降っていて何となく肌寒い日曜日になりましたね。こんな日はゆっくりと家で過ごせる完全休養日になる人も多いんじゃないでしょうか。

さてこの6月から7月にかけては梅雨時期というのもあって男性は腰痛を主訴として来院されるかたが増えています。女性はどちらかというと倦怠感だとか肩こり、それから胃腸の不調を訴える人がいて、それなりに季節柄の傾向もあるのかな?という感があります。

ここのところスポーツ障害で来院される学生さん達も続いてご来院頂いておりますが、そろそろ大会などがあって痛みを持ちながらも試合には出場したい・・・そういった要望も増えてますね。スポーツ障害というのは動かさなければそれほど痛みや違和感がないのに、特定の動作で痛みが発現しますから、一番厄介な障害なんですね。

病院に行けば「少し休みなさい」そう先生から言われることが多いと思うんですが、そうでなければ怪我や障害が治癒に向うには難しい・・・そうご判断されるから西洋医の先生方も「休息」をご指導されるわけで、確かに休めるならば休むに越した事はない・・・それは当然の事ですよね。

それでも高校球児の皆さんなどは「もう今年が最後の年だから」とか、1年生であれば「夏の大会が終わったら僕達も本番なので、その時期までには完全に良くしておきたい」といったように、各学年によっても「都合が違う」といったものも感じています。

いずれにしてもスポーツを継続しながら怪我や故障を治すというのは、それなりに日々の生活の中で出来る事を「自分自身で行う」ことが求められていきますから、そういった生活指導やコンディショニング法を施療の前後に指導させて頂きながら、ご本人や親御さん達への理解を深めて頂いています。

学校によってはトレーニングやコンディショニングに対する指導法が「曖昧」で、強化と障害予防の側面から考えても、「このプログラムでは選手達はかなりシンドい思いをしながらやってるんだろうな」と思うこともありますし、反対に「これだけしか練習しないんじゃ、レギュラーは良いかもしれないけど、控えの選手や1年生達は強化不足、練習不足になっちゃうなぁ」そんな事を感じることもあります。

指導する側の人材不足であれば仕方ないかもしれませんが、練習やトレーニングの過不足やコンディショニング法の指導が無ければお子さん達は大切な時期に学ばなければならないことを学ばないで通り過ぎてしまいます。これではお子さん達が少し可愛そうです。

成長期に有る中学生から高校生の時期というのは、身体的にも精神的にも大きな変化を見せる時期ですが、体重、身長、体脂肪率、それから身体各部位の周計測や筋力、走力など、トレーニングなどの基準にするべき情報を全く持たずにただ強化を行っていれば、結果的にその効果や実証をその後に判断することが出来ません。

試合の勝敗だけで全てを判断するならそれはそれで良いかも知れませんが、お子さん達にスポーツを有意義に行わせていく面からすれば、それでは片手間になってしまうことでしょう。何処まで管理してお子さん達を鍛え上げていくかというのは、当然その学校の規模によっても違うものです。およぞ寮生活をしながら部活動を行っているような私立学校と、日々自宅通学で部活動を行っている県立学校などでは、その指導の内容も自ずと違ったものになっています。

団体競技の場合には数名の有力な選手だけでは大会を勝ち抜く事は不可能ですから、満遍なくお子さん達を鍛え上げながら総力戦で挑まなくてはなりません。特に高校野球ではピッチャーの力と打線の全体的な力が試合の勝敗を決めているようですから、素晴らしい能力をもったピッチャーが存在している学校以外は、守備力や打線の強化で大会を戦っていくしかないんでしょうね。

そういう面から考えても野球というのは個々の力の集大成で勝負しているわけで、その中でも全国レベルに到達していく為には、厳しい練習を潜り抜けていく選手個人の体力や精神面が確保されて初めて、可能となってくるのかもしれませんよね。

そのスポーツが好きだから部活動をやる・・・・という次元で出来うるチームと、そうでは無く更に上を目指して行っているチームがあるとすれば、その選択の幅というのは大きく、それがたとえ私立だろうと公立であろうと全国大会に出場出来れば優勝出来る可能性はゼロではありませんから、そこに行くまでの可能性そのものというのは、実は集まってきたお子さん達の潜在的能力と指導する側の情熱と創造性でいくらでも変化していくのではないかと思います。

以前、九州・佐賀県の公立高校が夏の全国大会で優勝を飾ったことがありますが、学校の運動部に対する規模・運営の仕方だけでは無く、そこに集まった有志の総合的な力が最後には勝敗を決する・・・これはプロもアマチュアも、そして学生も同じなんでしようね。