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変形性膝関節症による膝の痛み

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クライアントさんの中には膝の変形性関節症による痛みで施療に訪れる方もおられるのですが、そういった場合は特に西洋医療機関による診断や対応について詳しくお伺いをしてから施療に取り掛かるということになります。

膝関節の関節面の軟骨が磨り減ってしまい、かなり酷い痛みを訴えられているクライアントさんのケースでは、膝関節用ブレースを医療機関で作って貰うケースも出てきますが、それでも痛みに対応出来ないような状態悪化が著しいクライアントさんの場合には「人工関節置換術」に踏み切らなければならないクライアントさんもいらっしゃいますね。

変形性膝関節症の場合、初期の段階では僅かな痛みだったものが、膝をかばって生活するようになってくると、歩行の際にかなり偏った歩き方になる場合がありますし、実はそのような歪んだ歩行を継続していくと、膝関節はどんどん悪化してしまう事が多いのです。

これは膝の内側に痛みが多発する事によって、膝の外側に自体重をかけながら歩いている場合がほとんどで、このような歩行スタイルを継続してしまうと、大腿筋膜張筋の過緊張によって膝の歪みの根源を作り出す一番の起因となっていくからです。

そのような状態で歩くよりは、早期にブレースの保護を行いながら、鍼施療によって疼痛の緩和を図っていくことが望ましく、もちろん鎮痛消炎目的の非ステロイド注射等を行っているクライアントさんが多く存在している事も知っていますが、出来れば薬の量を減らしながら治癒を試みていく・・・といった事も考えていらっしゃるのであれば鍼施療や医療マッサージは非常に有効な手段であると思います。

変形レベルが中等度になってくると痛みの頻度は更に多くなっていきます。その辺りからクライアントさんの歪んでしまった歩行により更に膝の変形が進んでいく・・・ということを考えれば、初期から中等度のレベルの際に鍼や医療マッサージの施療がとても有意義な治療であるということが解ります。

先にも挙げた通り、状態悪化(軟骨部の磨り減りが進行してしまった状態)が著明であれば、人工関節置換術などを行わなければならなくなってしまうようなケースも多いのですが、近年では人工関節に用いられてきた材料自体が西洋式の物から日本人に合ったモノに改良されてきましたので、術後の生活も大変楽になっているようです。

いずれにしても変形性膝関節症は進行していく類の傷病になりますから、早い段階で適切な施療を行っていきながら、痛みの発現を最小限に抑えて、適切な運動やコンディショニング法が求められてきます。

クライアントさんの日常生活や仕事の場面で、膝に負担が及びやすいといったケース(立ち仕事の時間が長いとか膝に負担のかかる仕事を行っているなど)では、変形の進行が早く進んでいく場合もあるので、そういったケースでは仕事の変更や日常生活の中における膝の使い方や運動頻度に対する改革を行わなければならない等の問題があります。

膝を庇って歩く・・・ということ自体が変形を進行させていく一番の原因になることからも、まず疼痛に対する解決を早期に治めていきながら、適切な運動やリハビリを行いながら、外科的対応を余儀なくされるといった状態を回避していくことが望ましいのではないかと考えます。

もちろん先にも挙げた通り、状態の酷くなってしまったクライアントさんのなかには、人工関節置換術によって対応を余儀なくされてしまう・・・といった方もおられるのですが、そうならないように解決策を講じていく為にも、現在の対応が適切にコントロールされているかどうかを判断していく意味においては、鍼やマッサージによる「痛みのコントロール」によって、どの程度改善していくかが、その後の「変形進行度」にも影響を与えていくものであると感じてきました。

つい最近では、当治療院で紹介させて頂いたKさんがY総合病院で膝用ブレースを作って頂いたのですが、変形の状態が「手術適応レベル」と事前に判断されていたので、ブレース装着によっても疼痛の緩和が図られず、結果的には人工関節置換術を受けることになったわけですが、このような痛みが酷い状態が自覚されており、通院している病院からも「手術の適応あり」と判断されたケースでさえ、なかなか手術に踏み切る勇気というのは出てこない場合もあるようです。

手術を行う場合には入院が約2~3週間となるようですが、そういった治癒にかかる時間や精神的な不安を考慮に入れたとしても、まず確実な対応を行っていただける整形外科を受診して、確実な方法で治癒を目指すべきではないかと考えます。

人間は自らの足で歩行出来るということが、どれほど幸福な事であるのかを忘れがちですが、日常の中でまず「歩く」ことを心がけながら、自分自身の足腰の弱化を防いでいく意味においても、そういった日々の努力を怠らずに賢明に生活をしていくことが大切な事であるということに気が付かされます。

もちろん仕事などで体の一部に負担を多くかけ過ぎてしまって関節を痛めてしまう場合もありますが、そういった負担を少しでも軽減させていく為にも、横浜・多宝堂治療院では現状改善、または現状維持を目的とした施療を多く手がけてきましたので、もし膝に対するお悩みをお持ちのクライアントさんがいらっしゃいましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。(by 院長)