« 2015年夏・第97回全国高校野球選手権大会 | メイン | 健康の法則・・低気圧による体調悪化 »

男性と女性の違いを生む遺伝子のお話

Yhtd10113011_2

人間は皆、もともと誕生する以前は女性だった・・・こんなお話を本で読んだことがあります。人間の生命というのは一体どのようにして性差(男女)が分かれていくのでしょう。

生命には遺伝子というものが備わっています。螺旋(らせん)状のDNA(遺伝子)は、絡まないようになっていて綺麗に折りたたまれた染色体という形になっていますが、この染色体は人間の場合、合計46本あり、2本がワンセットになっていて合計23セットあります。



このうちの1セットが男性・女性を決定付ける染色体の組み合わせになりますが、これを「性染色体」と呼んでいます。

この性染色体が、<XとX>の組み合わせだと女性になり、<XとY>だと男性になる・・・ということに、基本的にはなっているようですが、中には染色体が1本余計に多くなって、<XXY>といったような組み合わせが生じることもあるようです。

そしてこのような場合でも誕生した後は、「男性」として成長していくようですが、ということは・・・「Y染色体」というのは人間を「男性にするスイッチ」になっている・・・ということになります。

人間の胎児は八週目までは、両性具有(男性・女性が同時に含まれている)の状態だそうです。そして8週目以降、男性の場合にはY染色体にある遺伝子<SRY遺伝子>がスイッチの役割を果たして、そこで精巣がつくられます。この精巣から出てくる男性ホルモンが分泌されることによって、その後に男性となって成長していくようです。

人間はもともと女性になるように設計されていて、実はこの<SRY遺伝子>によって強制的に男性にさせられているのだそうです。



そしてこんな例があります。

胎児の時期に男性として成長しても、精巣から分泌される男性ホルモンがうまく働かなければ、たとえ染色体が<XY>であったとしても、「女性」になってしまうことがあるのだそうです。その反対に染色体が<XX>なのに、男性を決定付けているSRY遺伝子が途中で入ってしまって、本来は女性にならなければならなかったはずなのにSRY遺伝子の影響を受けるため男性として成長してしまう場合もあるようです。

このように、<XYの女性>がいたり、<XXの男性>がいたりと、人間の性も遺伝子的に一義的な男女の性差に対する決定が成されない場合もあるということで、これは現実の世界でニューハーフ、オナベなどといったような多くの存在からも頷けるというものですね。

こうして遺伝子の上で生命の本質を見ていくと、実は男女の違いというのはほんの紙一重であって、遺伝子や性染色体などの微細な要因によって、実はどちらの性(男女)にも傾く性質を持っているのが生命の側面だったということです。